トレンドレビュー館 https://torend7.net 体験談&疑問や悩みをトコトン調べる管理人が主に体験談情報をシェアいたします。 Mon, 24 Sep 2018 10:43:17 +0000 ja hourly 1 https://i2.wp.com/torend7.net/wp-content/uploads/2015/10/cropped-wmn0010-009.jpg?fit=32%2C32&ssl=1 ページが見つかりませんでした – 体験談&疑問や悩みをトコトン調べる管理人が主に体験談情報をシェアいたします。 https://torend7.net 32 32 1ナンバー自動車の『メリット・デメリット』は?ハイエースとか車種によって違いはあるの? https://torend7.net/24416.html https://torend7.net/24416.html#respond Mon, 24 Sep 2018 10:43:17 +0000 https://torend7.net/?p=24416 クルマの維持費が高い……そうだ、1ナンバーにしよう……


四輪駆動車
1ナンバーとして登録できるかどうかは「車種による違い」というより「サイズや使用用途の違い」によるもの。

ですが、1ナンバーにすることで大きなメリットを得ることができるかどうかには、車種の違いも関係してきます。


良い面だけでなく、悪い面もある「1ナンバー」。


    私のクルマも1ナンバーにできる?

    わざわざ1ナンバーにするメリットって何? デメリットは?

    1ナンバーって、普通の乗用車にもつけられるの?

    ……っていうか1ナンバー車って何?

などなどを含め、メリット・デメリットについて紹介いたします。


皆さまのハッピーカーライフに、少しでも役立てましたら幸いです。

1ナンバー最大の「メリット・デメリット」は?

「クルマにかかる維持費を抑えられるのがメリット」

「保険料や高速料金が高くなるのがデメリット」


本当に簡単に言ってしまえば、こう。


クルマには色々な税金がかかります。

  • 重量税
  • 自動車税
などが代表的。

1ナンバーに変更することにより、この金額を非常に低く抑えることができるようになります。


が、自賠責や任意保険などは、逆に高くなってしまうのです。
(※ 通常の乗用車「3ナンバー」との比較)


車検の回数も増えます。

その分だけ、出費も増えてしまう。


トータルで考えますと、税金が減った分だけ維持費を抑えることは可能。

ただし、高速をよく利用する、またはもともとそれほど税金のかからない車種である、などの場合、大したメリットにならないことも多いのです。


また、3ナンバーから1ナンバーに変えるには、クルマの構造を大幅に変更する必要もあり。


「マイナスにはならないかもしれないが、プラス分もそこそこ……」


この「そこそこ」のために、どこまでやるか、という問題も出てきます。


ポイントは「排気量」の大きさ。

排気量の大きいクルマほど、メリットも大きくなります。


    (。-`ω-)  お得は大好きなのだが……そもそも1ナンバーとは3ナンバーと何が違うのだ?
    教えてくれたら、特別にアメ車の助手席に乗せてやってもいいのだ

……結構です。


ではまずは「1ナンバー車」とはどのようなクルマなのか、から。

簡単に見ていきましょう。




1ナンバー自動車って、何?

人ではなくモノを運ぶために用いられるクルマのこと。


わかりやすいのが「トラック」です。

逆に同じようなサイズで人を運んでいるのが「バス」。


そしてご家庭用のクルマとして通勤や買い物、遊びに行くのに使われるのが通常の乗用車ですね。


トラックはモノを運ぶので「貨物自動車」。

たくさんの人をいっぺんに運ぶバスは「乗合自動車」。

乗用車はそのまま「乗用自動車」。

クルマを何の目的に用いるかによって分類されています。


さらに、上記のトラックやバス、乗用車を「普通サイズ」とした場合、規格に合わないほど小柄なボディと少ない排気量を持つものが、それぞれ、


「小型貨物自動車」
「小型乗合自動車」
「小型乗用車」


とされます。


それがナンバープレートの右上の数字。

    「品川 100
    あ 25-94(← この数字は適当)」
などの「100(この『1』の部分)」で、


「この車は○○用のクルマですよ」


とわかるようになっているのです。


  • 1ナンバー: 普通貨物自動車
  • 2ナンバー: 普通乗合自動車
  • 3ナンバー: 普通乗用自動車
  • 4ナンバー: 小型貨物自動車
  • 5ナンバー: 小型乗用自動車 / 小型乗合自動車

こんな感じ。
(※ 他にもナンバーはあるのですが、本題とそれてしまいますので、とりあえず「1~5ナンバー」まで)


    (。´・ω・)?  どうして乗用車を貨物車として登録できるのだ?

「貨物車仕様」にしてしまうからです。


さて、上記のような車の種類の基準を定めているのが「道路運送車両法」。

「普通サイズ・排気量規格」であるかそれ以下であるかにより、

  • 普通自動車
  • 小型自動車
のどちらに該当するかが、まずは決められます。


「普通自動車」となる基準が、


  • 全長: 12,0メートル以下
  • 全幅: 2,50メートル以下
  • 高さ: 3,8メートル以下
  • 排気量: 2000cc超

「小型自動車」では、


  • 全長: 4,7メートル以下
  • 全幅: 1,7メートル以下
  • 高さ: 2,0メートル以下
  • 排気量: 2000cc以下

小型車の規格を1ミリでも超えれば普通車です。


こちらの2つが通常の乗用車として使われている場合には、上記の通り、

  • 普通車: 3ナンバー(普通乗用自動車)
  • 小型車: 5ナンバー(小型乗用自動車)
ですね。


トラックも「普通自動車」(もしくは「小型自動車」)であることに変わりはありません。

ただし「乗用」ではなく普通「貨物」自動車。


    「このクルマは『普通自動車』ですか?」

    「はい。『普通自動車』です」

    「では、この普通自動車は『普通乗用自動車』ですか?」

    「いいえ。主にモノを運ぶ目的で使用していますので『普通貨物自動車』です」

だからナンバーが「1」に変わる。


    (*´Д`)  ややこしいのだ……

ちょっとややこしい。

ややこしいので「2・4・5ナンバー」については今回は措いておきます。


  • 人が移動するために走らせる → 普通乗用自動車 → 3ナンバー
  • モノを運ぶために走る → 普通貨物自動車 → 1ナンバー(トラックなど)

とりあえず本来は、こう。


何なら持っていなくてもいい贅沢品ともいえるクルマとは違い、貨物車は仕事をするための必需品です。

だからかかる税金も低くなる。


が、その代わり 仕事で使うクルマですので不備等のチェックも大事になってきます。

乗る回数も乗用車の比ではありません。

ですので、乗用車(3ナンバー)のように2年に一度ではなく、車検は毎年。


また、大きな車体のトラックなどの場合、運転席からは見えない範囲も広くなるのですね。

事故も起こりやすい。

だから家庭用のクルマに比べ、事業用車の保険料は高い。


高速道路でも1ナンバー車は「普通車」ではなく「中型車」として扱われます。

こうした区分はクルマの大きさ・重さにより5区分に分けられており、料金もそれに合わせて高くなっていきます。
(※ 車両の重量が重ければ重いほど、道路にかかる負担も大きくなるから)


ついでに普通車区分では適用ありの休日割引も中型車にはなしです。


    ( ̄― ̄)  それほどお得でもない気がしてきたのだ……

それでもトータルでは1ナンバーの方が強い。

特に排気量の大きなクルマの場合、年間9万円近く浮きます。

とにかく高速料金や保険料の割高さを凌ぐ「税金の安さ」がすごいのです。


    (*´з`)  そなの? そこまで言うなら1ナンバーにしてやらないこともないのだ♪

では、そのために必要な条件をクリアしてください。

「人の移動のために走る」クルマから「モノを運ぶため」の貨物車仕様にクルマの構造を変更できれば1ナンバーは交付されます。




1ナンバーを取得するためにクリアすべき条件はこちら!

「貨物自動車」になるわけですので、主要目的は「モノ運び」。

主役はモノです。


ですので、車内で優先されるのもモノを積むスペースである「荷室(トランク / ラゲッジスペースのこと)」。

座席の占めるスペースよりも、荷室の床面積が広いことが求められます。


排気量の大きなクルマは車体も大きいですので、たいていが3列シート(ランドクルーザーやハイエースなど)。


この3列目がジャマです。

座席の床面積の方が大きくなってしまいます。


だから撤去。


後ろの3人は乗れなくなります。
8人乗りが5人乗りに。

そして、その座席に座る人たちの重さより、荷室に積める荷物の重量の方が大きくなるようにしなくてはダメ。


また「ここからは荷室」となる隔壁や仕切りもつけなければいけません。

3列目をなくすだけでなく、仕切りのおかげで2列目でのリクライニングもできなくなります。

この機能(リクライニング機能)も撤去。


さらに、荷物を積んだりおろしたりする「積卸(つみおろし)口」の開口部の広さも決められています。


結構大変。
専門業者にお願いしなければならないレベルの変更箇所も案外あります。

費用もかかる。


  • 座席を最大に利用した時のものよりも、荷室の床面積の方が大きくなければならない
    → 荷室の最大利用時の床面積は1m2平方メートル以上であること
  • 荷室と座席の間には、隔壁、または保護仕切りを備えること
  • 荷物の積卸口の開口部は「縦・横ともに80センチメートル以上」であること
  • 座席に座ることのできる最大人数の総重量よりも、荷室に積める荷物の重量の方が大きくなること
  • タイヤをトラック用のものにしなければならないこともあり

箇条書きにするとこんな感じです。

そして、これらを行ったうえで陸軍局に行き、構造の変更を申請。

構造変更の検査を受け、パスすれば 車検証の内容も「貨物自動車」として変更。


    ( 一一)  萎える~~

結構、面倒くさいのです。


ですが、それでも構造変更を経て貨物自動車へと生まれ変わると、お得はお得。

どのくらいお得か、3ナンバー時代にかかっていた維持費と、軽く比較していってみます。




1ナンバーに変更!

さて「自動車税」と「重量税」です。

ここも少しややこしいことになっています。


    ◎自動車税

  • 3ナンバー(乗用車): 排気量により金額が変わる
  • 1ナンバー(貨物車): 最大積載量によって金額が決まる

  • ◎重量税

  • 3ナンバー: 車両重量で金額が変わる
  • 1ナンバー: 車両総重量で決まる

この2つが、高いのです。


自動車税は毎年支払う都道府県税。

乗用車の場合、排気量によって収める額が変わってきます。


貨物自動車とするために先ほど3列目のシートを撤去しましたが、そもそも3列目があること自体、車両のサイズも大きいのですね。


サイズが大きいということはそれなりに重量もある、ということ。

排気量も大きくなければ、重いクルマを走らせることはできません。

だから自動車税が高くなる。


4,5L~6Lほどの排気量を持つ大型四輪駆動車(ランクルもこのクラス)の場合、3ナンバーのままですと年間88,000円です。

乗用車の場合、車検は2年に一度ですので、「× 2」で176,000円。


この金額を毎回貯金していたら そのうち家が建てられるのではないか、と思えるほどに高い。


では、これを1ナンバーに変えるとどうなるか。


1ナンバーの場合、基準となるのは「最大積載量」です。

上記4,5~6Lの排気量のクルマで最大積載量は「2~3t」とすると、かかる自動車税はなんと年間「16,000円」なのです。


貨物自動車の車検は前述の通り1年ごと。

その都度車検にかかる諸費用は必要となりますが、それらを含めても「16,000円 × 2 = 32,000円」の安さは揺らぎません。


    (;゚Д゚)  この差は何なのだ!!

貨物自動車と乗用車の差です。


続いて「重量税」。


クルマの新規登録時から3年後に一度、その後は2年ごとに支払っていきます。

3ナンバーの場合「車両重量」になりますので、先ほどのクルマを例にとりますと「2~2.5t」の範囲内。


「重量税 = 年間41,000円」

自動車税の88,000円を先に見ているため、何となく安い気にもなってきますが、これも十分に高いです。


「1ナンバーの重量税(車両総重量2~3tクラス) = 24,600円(12,300円 / 年間)」

ちょっとだけ安い。


これらの税金は13年間を境にさらに金額が増えていきます。
(※ 自動車税は約15%、重量税は約40%アップ!)

重量税の場合、その後18年を超えるとまた増える。

これは1ナンバーであっても3ナンバーであっても変わりません。


ですが、それでも18年を超えた1ナンバーの重量税は3ナンバーの初めの13年目の金額より安いのです。

  • 3ナンバー・18年超え: 63,000円
  • 1ナンバー・18年超え: 37,800円
自動車税に至っては、もっと露骨。

  • 3ナンバー・13年超え: 101,200円(2年間換算なら202,400円)
  • 1ナンバー・13年超え: 17,600円(2年間で35,200円)

    (; ・`д・´)  この差はいったい……

……だから、貨物車と乗用車の……


3ナンバー車の場合、もう いっそ新しいクルマに乗りかえた方がいいくらいの金額になってしまうのです。


    ( ̄▽ ̄)  決定! 速攻で1ナンバーに変更するのだ!!

その前にデメリットももう一度確認しておきましょう。




デメリットは?

  • 高速料金が高くなる
  • 毎年車検を行う必要がある
  • 車の構造を変える必要がある(専門業者でないとできないものもある)
  • 自賠責・任意保険料が高くなる

これらは前述の通り。


利用する路線や区間によっても異なりますが、中型車扱いとなり、休日割引等も適用されない1ナンバーの高速料金は3ナンバーの1.2~1.5倍程度割高になることがほとんどです。


そして「保険料」。


1ナンバーの1年間の「自賠責保険料」は 3ナンバーの2年間分とほとんど変わりません。

  • 約26,000円: 3ナンバーの2年分の保険料
  • 約24,000円: 1ナンバーの1年分の保険料
つまり、およそ2倍近く1ナンバーの保険料の方が高いことになります。


「任意保険料」では3ナンバーでは普通に適用されるものが1ナンバーでは対象外となることがほとんどです。


例えば「等級の引継ぎ(等級継承)」


1年間無事故なら1ランクアップ、事故を起こすと3ランクダウン、といったアレの引継ぎができません。


乗用車であればすべての損保保険会社間で引継ぎOK。

ランク(等級)が上がれば保険料も安くなります。


ですが、仮にこれまでの3ナンバー時代に1等級まで実績を積み上げていたとしても1ナンバーになった瞬間、なかったことになります。

多くの場合 14等級から再スタート。
(※ 最近では代理店型保険会社では継承できるところも増えてきているようです。ただしダイレクト型より割高にはなります)


また運転する人の年齢により保険料が割り引かれる(若い方による事故発生率が統計的に高いため、年齢条件の高い人ほど安くなる)「運転者年齢条件割引」も適用されません。

事業用車として扱われるからです。


さらには「車両保険」

3ナンバーから1ナンバーに変更するクルマには人気の車種が多いため、盗難被害に遭いやすい、とされ つけてもらえないこともあります。

つけられたとしても、高い。
本当に高くなります。


任意保険はプランによって金額にバラつきが生じますのでおおよその目安でしかありませんが、3ナンバーに比べ、1ナンバーの保険料は1,5倍はかかる、と言われているのです。


排気量の大きなクルマの場合にはビックリするほどの税金面でのメリットがありますが、4L程度までならそこまでのメリットは感じられないかもしれません。

むしろメリットよりもこうしたデメリットにより、負担が増えてしまう可能性もあり。


金銭的な負担は多少減ったとしても、毎年の車検や構造変更の手間を考えますと、


「この程度のメリットのために、そこまでする価値ある?」

な気持ちにもなります。


さらに平成29年3月には「道路交通法」も改正されました。

普通免許で乗ることのできるクルマの「車両総重量」「最大積載量」が引き下げられています。


3月12日以降に普通免許を取得した方は、

  • 車両総重量: 3,5t未満
  • 最大積載量: 2,0t未満
  • 乗車定員: 10人以下
のクルマにしか乗ることができなくなりました。

これ以上のクルマに乗る場合には「準中型(5t限定)免許」の取得が必要。
(※「準中型」は普通免許と中型免許の間に新設されたもの)


29年3月以前では、

  • 車両重量: 5t未満
  • 最大積載量: 3t未満
  • 乗車定員: 10人以下(ここは変わらず)
かなり引き下げられたことになります。


これは「トラックの運転手さん不足事情」によるもの。
(※ なのですが、それはまた別のお話なので今回は割愛させていただきます)


── とにかく税金面で有利になるのは、排気量の大きなクルマです。

そして前述の通り、排気量の大きなクルマは総じて車両重量・最大積載量も大きい。


これは「デメリット」ではないのですが、普通免許では乗ることのできない1ナンバー車(に変更する乗用車)も増えてきているのです。




1ナンバー自動車の「メリット・デメリット」をまとめる!

    「1ナンバー車」と「3ナンバー車」の違いは?

  • 1ナンバー: 貨物自動車に分類
    → トラックなどのようにモノを運ぶことを目的としているクルマ
  • 3ナンバー: 乗用自動車
    → 主に人の移動に用いられるクルマ

  • ➡ 定められた規格サイズ以下になると、


  • 1ナンバー → 4ナンバー(小型貨物自動車)に
  • 3ナンバー → 5ナンバー(小型乗用自動車)に


  • 3ナンバー車を1ナンバー車に変更するには?

  • どちらも最大に利用した場合、荷室の方が座席の占める床面積よりも大きくなるようにする(1m2平方メートル以上必要)
    → 3列目のシートを撤去
  • 荷室と座席の間に隔壁や保護用の仕切りを設置
    → 2列目のリクライニング機能も撤去
  • 荷物の積卸に使う部分の開口部の広さは縦・横ともに80センチメートル以上にする
  • 座席に座ることのできる最大人数の総重量よりも、荷室に積める荷物の重量の方が大きくなるようにする
  • 場合によってはトラック用のタイヤに交換する必要もあり

  • ➡ 個人ではできない作業もあるため、専門業者に依頼しなければならないことも


    1ナンバー車の「メリット」

  • 自動車税・重量税が抑えられる

  • 「デメリット」

  • 車検が1年ごとになる(諸費用も2回分の金額になる)
  • 高速料金が高くなる(「中型車」の扱い)
  • 自賠責・任意保険料が高くなる

    → 任意保険の場合「等級継承(引継ぎ)」ができないことが多い
    (代理店型保険会社では、引継ぎOKのところも増えてきています)
  • →「運転者年齢条件割引」が適用されない

    → 車両保険が付けられない場合も多い。つけられたとしても高い。


  • 平成29年3月に改正された道路交通法により、普通免許では乗ることのできない車種も増えてきている

    (*´Д`)  メリットは1個なのに、デメリットはいっぱいなのだ……
数ではメリット、負けてますね。


デメリットによる負担額もそれなりに増えます。

ですが、やはり排気量の大きなクルマを1ナンバーにすることによって得られるメリット(の額)は相当なもの。


逆に排気量がそれほど大きくなく、自動車税等の負担もそこまでではないクルマの場合には、デメリット部分による負担がネックになってきます。


構造変更も実際、面倒くさいです。

費用もかかります。

その他増えてしまう保険料や高速料金、車検の諸費用・手間等含め、それでも、


    ( ̄▽ ̄)  1ナンバーにした方が超お得なのだ!

の場合には、1ナンバーへの構造変更を ぜひ一度ご検討いただければと思います。




終わりに……

ナンバーを変更するだけで(構造も変更しますが)、税金がここまで変わるとは……ちょっとビックリです。

というより、乗用車も条件さえクリアできれば トラック的扱いになるというのが一番ビックリ。


ナンバー、奥深し。


「せっかくの人気車種を1ナンバー登録してケチくさいヤツって思われたらイヤだ」

のようなご意見もないわけではないのですが、個人的には「わ」ナンバーのベンツの方が違和感ありです。

1ナンバーにメリット・デメリットがあるように、考え方も人それぞれ。


今後の皆さまとその愛車にとって、少しでも参考になっていましたらうれしいです。


長文に最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。

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マンションの新築と中古を比較!メリット・デメリットとは? https://torend7.net/24402.html https://torend7.net/24402.html#respond Tue, 18 Sep 2018 11:53:46 +0000 https://torend7.net/?p=24402 新築マンションもいつかは中古になる。

……なら、初めから中古マンション選択でいっか……



マンション
新築がいつか中古になるのはその通り。

ですが「新築ならでは」また「中古ならでは」の特徴もたくさんあります。


そこを「良い面」と捉えるか「悪い面」と捉えるかによって、


「やっぱり新築派」

「そういうことなら断然中古派」


になるかは変わってくるはず。


    物件を探しやすいのはどっち?

    税金の優遇措置はどちらでも受けられる?

    何を基準に選べばいいの?

    何かあったとき、安心なのは?

などなど、

新築・中古マンションの比較を含め それぞれの「メリット・デメリット」を紹介いたします。

皆さまが素敵なマンションライフを送れますよう、少しでもそのお手伝いとなれましたら幸いです。

新築と中古、一番の違いは?

  • マンションが建つ → 購入 → 入居 → 新築
  • 新築に住んでいた人が、その物件を売りに出す → 購入 → 入居 → 中古

……ものすごく当たり前のことを書いているような気がしてきましたが、ここがまずは一番の違い。


例えば「1000万円」で新築マンションを購入したとします(仮に、です。キリがいいので)。

厳密には少し違うのですが、この1000万円が、新築当初のマンションの資産価値です。


建物の構造や設備、システムなども、その時代の最先端のものを採用。

ですが10年も経てば、さらに新しいものが誕生してきます。


大幅にではなく少しずつですが、それでも時代遅れにはなっていくのですね。

マンションの資産価値もそれに合わせて減少してきます。


それこそ10年以上の築年数があるマンションであれば、地域によっては半額まで下がることも。


そして、転勤など入居者の都合により売却。


これが「中古マンション」です。


ですので、物件価格も中古マンションは割安。

その代わり、設備等も「かつて最新鋭だった」、現在では少し古いもの、になります。


    (;゚Д゚)  それでは「新築」一択ではないか!?

確かにイメージ通り、


「新築はきれいで設備なども新しい。でもその分高い」

「中古物件は新築に比べ割安。でもその分設備は古く、内装等の劣化も見られる」


の部分はあるのですが、これだけで「新築一択」もしくは「資金の都合により泣く泣く中古を選択」とするのはもったいない。


    ( ̄▽ ̄)  資金はタンマリあるのだ。でもあえての中古物件狙いなのだ!

も全然ありなのです。


── というわけで、続いて「新しくて高い」「古くて安い」以外の新築・中古の違い、特徴です。

比較していってみましょう。




新築と中古のあれこれを比較!

まずは購入すべき物件探しです。


どちらも情報誌やネットなどでまずは検索。

新築の場合は売主が不動産会社になりますので、情報の量も豊富、内容的にも濃いです。


広告が入っていることもテレビCMで物件を紹介していることもあります。

とにかく情報が手に入りやすいのが新築の特徴の一つ。


見ているだけでも楽しい。

最新設備を備えたきれいな部屋が、写真や間取り付きでたくさん紹介されています。


その中で気に入った物件があればモデルルームを見学。

いくつかの候補を見比べながら、徐々に1つに絞っていく感じです。


一方中古物件の場合、売主になるのは これまでそこに入居していた方。個人です。

(稀に不動産会社が扱う中古物件もあり)


個人なので、派手に宣伝を行うことはありません。

情報が向こうからやってくることもない。


希望条件をある程度絞ったうえで物件を探していきます。


新築のように「大体どこも住戸のスペック的には同じ」ということもありません。

築年数も違えば、設備等もそれぞれに違う。


物件数は多いのですが、自力では無理があるため、


「予算はこのくらいで駅からは〇〇分以内、近くにスーパーがあること。ついでに和室もあると最高」

などの条件を伝え、不動産仲介業者に物件探しのお手伝いを頼みます。


ここも新築・中古で違ってくる部分。


  • 新築: 希望条件がハッキリしていなくても、候補を見比べながら(モデルルームなどで)、最終的に一つに決める
  • 中古: ある程度絞った希望条件の中から候補を探す

こんな感じですね。



── ではまずは新築マンションから。

モデルルームを見学しに行きましょう。

建物の構造やどのような工事を行ったか、キッチンなどの最新設備の説明、地震への対策(耐震構造や免震構造)など、そのマンションに関する様々な情報も展示されています。

売り込みポイントのような感じ。


だから説明も丁寧です。

モデルルーム、親切。


ついでに書いてしまいますと、新築の場合 これら親切丁寧な情報提供料も物件価格に上乗せされています。

(大体物件価格の2割程度が、広告費や不動産会社の利益分)


新築物件が割高なのは、こうした事情もあるのです。


また、マンション丸ごとをモデルルームとしているわけではありませんので、わかるのは上記情報と、室内の様子だけ。

しかも間取りは同じマンション内でも様々ですので、あくまでわかるのは室内の雰囲気です。


最上階を希望している人でも、窓からの眺めや実際の陽当たりなどを確かめることはできません。

モデルルームがあるのは大抵1階。

最上階を希望しているとしても モデルルームの窓から見えるのは道路です。


中古の場合では、見学するのはモデルルームではなく実際に住むことになる物件。

実物を見ることで入居後の生活のイメージが湧きやすいのですね。

見学時に見た窓からの眺めは、入居した後に毎日見ることになる景色と同じ。


ですが、新築物件のように何から何まで情報が提示されるわけではありません。

仲介会社に頼んで 新築当初の資料を見せてもらったり(その資料がすでに存在していないことも)、自力で専門業者に依頼し住宅診断等を行う必要も出てきます。


ここでポイントとなるのが「1981年6月」。


建築基準法の改正により、建物の耐震強度についての基準が大きく変わった年です。


「震度6強から7の地震でも倒壊・崩壊せず、5強程度ではほとんど損傷を受けない建物であること」

ですので、つくられたのが1981年以前の場合には注意が必要です。

……注意、といったレベルではないですね。
(※ 2007年にも改正が行われ、違反した場合の罰則が大きくなっています)


だからしっかりチェック。


耐震なのか免震なのか等含め、購入前にその建物の情報を豊富に得ることができるのは新築の方。

建物としてのものではなく、これから住むかもしれない住戸をリアルに感じられるのが中古マンションです。


── ですがその前に考えなくてはいけないのが「どこに住むか」ということ。


    (。-`ω-)  東京大学の近くのマンションに住みたいのだ。
    住んでいるだけで賢くなれそうな気がするのだ……

それは猛烈に気のせいですが、通勤に便利であったり 良く利用する施設が近くに合ったり、またはその地域の住環境が気に入ったり、と、その理由は様々。


ですが、希望する地域にマンションが建てられるほどの土地が余っているとは限らないのですね。

つまり、新しい新築マンションも建たない。


仮に運よく新築マンションで入居者を募集していた場合でも、予算や住みたい階数、間取りなどが希望に合わない場合もあります。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン  頭が……良くならない……

はい。
いろんな意味で、なりません。


どうしてもその地域にこだわりたい場合には、売りに出される元新築マンションを待つしかないのです。


ここも新築と中古の異なる部分。

探し方も、違います。


新築物件は、新しくマンションが建てられるほどの土地が空いていることが前提。

空きのある土地は固まっているわけではありませんので、探す範囲も広くなります。

その中でいくつかの候補を見つけ、少しでも希望の条件に近いものを選択、です。


一方の中古は、土地云々ではなく、空きさえ出れば候補に入れられます。

すでに建っているマンションですので、希望している地域からそれほど離れていない狭い範囲での候補選びができるのです。


そして話は最初に戻り、モデルルーム・現物をそれぞれ見学。


    ◆ 情報収集の仕方の違い

  • 新築: 情報誌やネットなどで情報収集。
    その後、モデルルームなどで建物のつくりや工法、設備耐震性など、展示された情報でチェック

    〇 情報量が豊富
    〇 モデルルームでの展示で、建物の安全性や設備、セキュリティなどシステムについての情報も得られる
    〇 同じ時期に建てられた新築マンションなので、どのマンションを選んでも 設備等(最新鋭)に大きな違いはない

    × 実際に入居する階数や間取りなどはモデルルームのものとは違うため、部屋からの眺望、陽当たり等の確認はできない

  • 中古: 実際に住む部屋を見て確認

    〇 実際に入居する部屋を見学することができるため、窓から見える風景、陽当たりなどもチェックできる

    × 物件により設備やシステム、築年数等、すべて違うため、一つひとつを丁寧に見ていく必要がある

さてさて、とりあえずこうして新築・中古ともに候補が決まりました。


「あれこれを比較!」と書いておきながら、ほとんど物件探しで終わってしまったような気もしますが……

続いて、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。




新築マンションの「メリット」と中古マンションの「デメリット」

    ◆ 保証期間

    〇 新築: 最低でも10年間の保証あり(建物の構造部分)。設備等に関しては各メーカーの保証つき

    × 中古: 保証の範囲は仲介会社により異なる。10年を超える築年数の物件の場合「売主の瑕疵担保責任(3か月から半年程度)」のみということも

    (※ 瑕疵担保責任: 売主も気づいていなかった欠陥や不具合などが見つかった場合、売主側が責任を負いますよ、という保証)

    ◆ 購入時の諸費用(物件価格以外にかかる費用)

    〇 新築: 物件価格は高いが、それ以外の諸費用は全体では安く抑えることができる

    × 中古: 新築にはかからない「仲介手数料」等、諸費用が新築に比べ高くつく

    ◆ 税制面での優遇

    〇 新築: 住宅ローン控除・不動産取得税・固定資産税の軽減措置を受けることができる(一定の要件をクリアする必要はあり)

    × 中古: 住宅ローン控除・不動産取得税の軽減措置は受けられるが、固定資産税については「新築住宅に関するもの」であるため、受けることができない

    ◆ 住宅ローン

    〇 新築: 資産価値が高いため、一般的な最長期間である35年ローンが組める。融資額も大きくなり、その審査にも通りやすい

    × 中古: 資産価値が新築に比べ低い、とされ、長期ローンが組めないことも。また融資額も物件価格の7割程度が上限となることが多く、審査に通るための条件も(新築よりは)厳しくなることが多い

    ◆ 間取りの変更など

    〇 新築: 間取りのプランも豊富で、自由に選べることが多い
    (追加料金はかかりますが「中古を購入 → リフォーム(またはリノベーション)」のパターンに比べ、費用がかなり抑えられる

    △ 中古: 上記の通り、購入後リフォームやリノベーションを行う
    (詳しくは後述しますが、これが楽しい!という意見も多くあります。好みに合わせて「自分だけの城」的な部屋に変更できるのは魅力的かも。
    ……ですが、物件によっては 変更できる範囲が制限されている場合もありますので、購入前には必ずご確認ください)

    ◆ マンション内のコミュニティ

    〇 新築: 入居時期は皆さん一緒。先輩・後輩もなし。仲良しグループなどなど、若干面倒くさい関係がまだでき上っていません。
    気後れすることなく入居者同士の輪に入っていきやすいのも新築のメリットです

    × 中古: マンション内ですでにちょっとした力関係ができ上っていることも。
    「新入り」になりますので、何事にも遠慮しがちになる、人間関係がうまくいかない……というお悩みも多いそうです

    ◆ 管理体制など

    〇 新築: 管理の良し悪しはマンションの資産価値に直接結びついてきます。
    管理体制の良好な新築物件がほとんど。
    また管理ルール変更を求める話し合いなどでも「第1期生」として意見も言いやすくなります

    × 中古: 物件にもよりますが、管理にそれほど気を配っていないマンションもあるようです。
    管理体制をどうにかしてほしくても「コミュニティ参加」の時同様、意見を言い出しにくい傾向にあるようです

    ◆ 管理費・修繕積立金

    〇 新築: 建てられたばかりのマンションですので、当分は補修の必要はありません。そのため入居後10年ほどの期間は管理費・修繕費ともに低めに設定されていることが多いです

    × 中古: 新築に比べ両者ともに高めに設定されている物件がほとんど。
    入居当初はそれほど高くなくても、通常 住んでいる期間が長くなると負担額が大きくなってきます
    (古くなってきている建物を補修する必要も増えてくるから)

    ◆ ペットの飼育

    〇 新築: ペット可物件が増えています。ペット専用の「足洗い場」「水飲み用の水道」など、快適ペットライフ度が跳ね上がる設備のあるところも多いよう。羨ましい……

    × 中古: 古い物件ではほぼ不可。飼育可能な物件でも小型犬のみ、共有スペースでは抱きかかえて移動など、肩身の狭い思いをしそう

    ◆ 駐車場の確保

    〇 新築: 一気にマンション中の住戸が埋まるわけではないので、空きがある状態であることが多く 確保しやすい

    × 中古: すでに入居している方が確保済みであることが多い。しかも順番待ちの状態。
    マンション内の駐車場の確保はムリ、と覚悟しておいた方がいいです

    (*´Д`)  やっぱり、新築一択……

少し待て!

中古にはない「新築のメリット」から書いているだけです。

中古マンションにもメリットはたくさんあります。


では続いてこの逆パターン。

「中古のメリット」について、新築物件と比較していきましょう。




中古マンションの「メリット」と新築マンションの「デメリット」

さて、いよいよ中古の活躍です。


    ◆ 消費税

    〇 中古: 消費税がかかるのは「仲介手数料」に対してのみ。
    物件価格にはかかりません。そして来年には消費税は10%に。これは大きい

    × 新築: 前述の通り物件価格には不動産会社の利益や広告費も含まれています。
    そこに対しても消費税はバッチリかかります

    ◆ 購入前に確認できること  

    〇 中古: 見学の際に入居後実際に住む部屋を見ることができるだけでなく、

    「管理状態」
    「地域の雰囲気」
    「コミュニティの様子や雰囲気」
    「お隣や同じ階に住んでいるのはどのような人なのか」

    なども事前に知ることができます。
    どうしても馴染めない、と感じた場合には候補から外せばいいだけ

    × 新築: すべて未知数
    白紙状態からスタートするため「入居前に思っていたイメージと全然違う……」ということも。
    お隣に住むことになる人が「あまりお近づきになりたくないタイプの人」だった場合でも、事前に知ることはできません。

    ◆ 住める地域の幅

    〇 中古: 先ほども書きました通り、人気のある地域には大抵すでにマンションが建っています。
    そこに住んでいた方がマンションを売りに出せば、割安の資金で人気地域・希望地域に住むことも可能。

    (空きが出ないことももちろんあり。
    希望地域でも、間取り・階数などが条件に合わないこともありです。
    が、空いた土地のない場所に新築が建つ可能性はほぼゼロですので、中古の方がチャンスは広がります)

    × 新築: 人気のある地域に新築が建てられる可能性は低い

    ◆ リフォームやリノベーション

    〇 中古: 物件価格が抑えられる分、リフォームなどに費用をかけられるのも中古マンションの魅力の一つ。
    室内のリフォーム・リノベーションが可能な中古マンションは増えてきています。
    新築のように「みんな一緒」の設備や仕様ではなく「自分のこだわり仕様満載の部屋」をつくることができるのは(苦にならず、むしろ好きな方には)本当に楽しいそうです。

    × 新築:「×」ではないです。新築でも購入前に間取りなどを変更できるのは前述の通り。
    ですが「格安の中古マンション → リノベーション」に比べると、費用の面では少し分が悪い……

    ( ̄▽ ̄)  お隣に住む女子高生がかわいかったのだ。
    ここに、決めるのだ!

捕まりますよ……


ですが、新品ピカピカでなくても、今後住み続けていく地域や近隣、すでに住んでいる方の様子が入居前にわかるのは安心なのです。


仮にオートロックではない、など、セキュリティシステムが若干古いマンションであっても、マンション内の人間関係などコミュニティがしっかりしていれば安心。
頼りになる先輩たちが、何かと助けてくれたりもします。


……で、ない場合もありですが、いずれにせよ購入前に知ることができるのはいい。


「なんでこんなマンション買っちゃったんだろう……」という後悔や入居後のギャップが少ないことも、新築にはない 中古マンションのメリットです。




【おまけ】リフォームとリノベーションの違い

    (=゚ω゚)ノ  これは完全に「おまけ」なのだ。
    興味のない方は 読み飛ばしてくださいなのだ!

古くなった建物内を新築時と同じ状態まで戻すのが「リフォーム」。

戻すだけではなく、さらに機能性などをアップさせるための工事が「リノベーション」です。


中古マンションは以前住んでいた方の使い方によって、室内の様子も変わってきます。


ほとんど新築の時と変わらないほどきれいに使っていた方もいれば、たばこのヤニで壁紙が変色していたり、キッチンがもの凄く使い込まれている(あまりきれいな状態ではない)、トイレが……などの場合も。


そこで汚れた壁紙を貼り替えたり、システムキッチンを新しいものに替えたりする。


これがリフォーム。


こうした現状回復作業ではなく、自分たちの住みやすいよう室内に手を加えていく作業がリノベーションです。


ですので、もう少し大がかり。

老朽化した電気やガスの配管などを新しいものに変えたり、間取りをガラッと変えてみたり、中古マンションの一室がこれまでとは別空間になるほどの改修工事的な作業です。


「リノベーションをもう一度楽しみたい……また引っ越そうかしら……」

あえて格安の中古マンションを買い、これを楽しみたい、という方は想像以上に多いのです。


確かに楽しそう。

全て自分好みにカスタマイズしていいよ、と言われたら、テンションも上がりそうです。


新築では購入前に選べる間取りなどのバリエーションも豊富。

部屋もキレイです。

ですので、リノベーションをするまでもない。


    (*´з`)  でも~、リノベーションしたいし~、中古の方がいいかも~

最近では、本当に「リノベーション目的の中古選択」をする方も増えているのです。




新築・中古、それぞれの「メリット・デメリット」のまとめ

リノベーション、楽しそう……

でも、ペットとの快適ライフも捨てがたい……


では最後にもう一度おさらいです。

新築・中古、それぞれのメリット・デメリットをサクサクっとまとめていきましょう。


    ◆ 情報収集とか苦手……

    「新築」向きです。

    それほど必死に情報集めをしなくても、不動産会社側から豊富な資料が提供されています。
    (※ 情報提供料プラス不動産会社や施工業者の利益は物件価格に上乗せ)

    ◆ 消費税の増税が怖い……

    「中古」向きです。

    消費税がかかるのは中古マンションの場合「仲介手数料」にのみ。
    新築マンションの価格は「税込み」で表示されていますが、結局丸ごと物件価格に消費税がかかっていることになります。

    ◆ どうしても住みたい地域がある

    「中古」向き。

    土地が余っていなければ新築マンションは建てられません。
    現在住んでいる方が売りに出せば そのマンションはすべて「中古マンション」です。
    住める地域の選択肢の幅が広くなります。

    ◆ 時代の最先端のシステムや設備に囲まれて生活したい!

    「新築」の勝ち。

    築年数の浅い中古物件であれば、システム・設備(建物の構造も)とも 新築とそれほどの違いは見られないかと思いますが、新しい物件ほどより充実していることも事実です。

    新築マンションでは、入居者同士でのカーシェアリングや防災備蓄倉庫、常駐しているコンシェルジュなど「本当にいいの?!」と思うほどのサービスを受けることができます。

    ◆ 地震対策は万全にしておきたい

    こちらも「新築」。

    上記の防災備蓄倉庫もそうですが、建物をつくる技術も日々進化しています。

    1981年以降に建てられたマンションであれば「耐震強度」については新基準がみたされています。
    ですが、耐震だけでなく、免震・制震技術などが施されていることが多いのは「新築」。

    ただし新築のすべてが「免震・制震」構造というわけではありませんので、中古も含め、どのような地震対策が施されているのかについては、事前にしっかりとご確認をお願いします。

    ◆「物件価格」以外の費用をできるだけ抑えたい

    「新築」強し。

    新築にしかかからない費用が「修繕積立基金(一時金・毎月支払う「積み立て修繕費」とは別物)。
    中古にのみかかるのが「仲介手数料」です。

    その他にかかる諸費用を併せても、あくまで目安ですが、

    ・新築: 物件価格の2.5%~5%程度
    ・中古: 5%~8%程度

    「割安だ!」に思える中古でも、実は物件価格以外のもので費用が嵩んでしまったりもするのです。

    ◆ 管理状態の良いところに住みたい

    「中古」の方が安心。

    すでに出来上がっている管理システム等を入居前に確認することができます。
    新築の場合には、すべてを一から作り上げていくことに。
    うまくいけばいいのですが、実際のところどうなっていくのかは未知数であるため、少しだけ心配。

    ◆ 税金の軽減措置をお得に利用したい

    「新築」の方が有利。

    中古でも要件を満たせば、

    ・住宅ローン控除
    ・不動産取得税
    ・登録免許税

    などの軽減措置は受けることができます。
    が「新築物件の固定資産税」の軽減措置は受けることができません。

    ◆ 住宅ローン以外の出費をできるだけ抑えたい

    こちらも「新築」。

    新築では入居後5年から10年間は「管理費・修繕積立金」が低く設定されていることがほとんどです。
    できたばかりのマンションですので、補修工事などの必要もないためです。

    ですので、一般的に「管理費・修繕積立金」の合計が高くなるのは中古マンションの方。

    あくまで目安ですが、新築では2万円弱、中古では3万円強、というのが相場のようです。

    ◆ どんな人がご近所さんになるのかが心配……

    「中古」向きです。

    購入前に見学に行くのは、今後実際に住み続けていく部屋。
    近隣の入居者だけでなく、マンション内コミュニティや地域の雰囲気まで事前に知ることができます。

    ◆ 一刻も早く引っ越しがしたい!

    すぐにはムリですが「中古」の方が早いです。

    新築はまだ建物自体が完成していない場合がほとんど。
    完成するまで、引っ越せません。
    物件によっては1年待ち、ということも。

    多くの場合、中古では1か月程度で入居できるようになります。

    ◆ 保証は大事だ!

    「新築」圧勝。

    新築マンションでは建物の構造部分の欠陥に対し、最低でも10年間の保証期間が設けられています。

    不動産会社が直に販売している中古マンションの場合には保証が付くことも多くなってきていますが、売主が個人の場合、

    「売主の瑕疵担保責任(3か月~半年程度)」

    のみ、もしくは一切の保証なし、ということもあります。

    また、設備等についても新築では各メーカーの保証がついていることがほとんど。
    が、これらに関しても中古は不利。

    保証が付かないだけでなく、設備自体にガタが出始めるのが10年くらいたったころなのです。
    修理や交換の費用もプラスで用意しておく必要もあり、です。

    ◆ 何を基準に選べばいいのやら……

    「立地」
    「建物の構造」
    「管理状態」

    ここだけは押さえておいてください。
    購入時には「ずっとここに住み続ける!」と思っていても、人生何があるかわかりません。

    家族が増え、今の住戸では手狭になることも、いきなり転勤を命じられることもあり得ます。
    今のマンション以上に条件が良く、しかも割安な物件が見つかるかもしれません。

    で、マンションを売却。

    冒頭のセリフではありませんが、新築もいつかは中古になっていきます。
    ですが実際、築10年も 築13年も「築0年(新築)」に比べればそれほどの差はないのです。

    違いが出てくるのが上記3つ。
    資産価値を決める基準になるものです。

    できれば ここだけは妥協しないマンション選びを本気でおススメします。

    ◆ でもやっぱり、物件価格がネック……

    「中古」にしましょう。

    前述の通り、新築の物件価格には2割程度 広告費や不動産会社等の利益が上乗せされています。

    ですので「購入後 即売りに出された中古マンション」だとしても、この2割を差し引いた金額で購入できることになるのです。
    (※ すぐ売る人はほぼいないと思いますが)

    「不動産会社が売りに出している新築だから」という理由だけでかなり価格的にも割高になってしまっています。

    それに見合うほどのメリットが新築マンションにあることも確かですが、

    「築3年(くらいの築浅)でマイナス2割」
    「出来立てで物件価格プラス2割」

    ここは大きいです。

    このマイナス2割をリフォームに充てる。
    もしくはもう少し築年数の経った価格の低いものを狙いガッツリ リノベーションを楽しむ。


    ……二回目ですが新築もいつかは中古。
    「新築」にこだわりすぎて、立地等 資産価値を左右する基準を後回しにしてしまいますと、後々後悔することになってしまうかもしれません。

中古をおススメしているわけでも、将来の売却を前提として話を進めているわけでも全くないのですが、選択肢は色々あります。

ぜひぜひ、納得のいく物件選びをご検討いただければと思います。




終わりに……

皆さま、お疲れさまでした。


最後のまとめで、


「新築のメリットの方が圧倒的に多かったような気がする……」


と思われたかもしれませんが、大丈夫。気のせいです。


建物のキレイさや設備・サービスの充実など、新築には中古にはない良さがたくさんあります。


ですが、建物に住むのではなく(いや……住むのは建物内に、ですが)、ドアから一歩出た 外の環境も大事。

今後の生活に関わる大事な部分を入居前に確認できることは中古マンションの強みです。


かといって新築マンションがダメというわけではなく……これらに関して未知数であるというだけなのです……


    (@_@)  結局、どっちにすればいいのか……むしろ謎が深まってしまったのだ……

人生の中でもほぼトップレベルの高い買い物ですので、どちらにもメリット・デメリットがある、ということを踏まえたうえで、慎重に・慎重に、です。



── ここまで書いておき恐縮なのですが、新築・中古のどちらか、ではなくご自身の希望(立地条件や間取り、予算などなど)を優先し、


「こんなところにいい物件発見!! あ、これ『新築(中古)』だったんだ~」

のような探し方をされるのがベストのような気がしています。


探し方は新築と中古では異なりますので、


「パパは中古担当ね。ママが新築担当するから」

などというのも楽しそう……



皆さまが素敵なマンションと出会えますよう、そしてできればその過程も楽しめますよう、ここからこっそり願っております。

今回も長文に最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。
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世帯分離で生じる「メリット・デメリット」とは?【介護編】 https://torend7.net/24374.html https://torend7.net/24374.html#respond Thu, 06 Sep 2018 11:44:08 +0000 https://torend7.net/?p=24374 知っている人は知っていても、知らない人は全く知らない「世帯分離」。


世の中には、こういうことが多いのです……


介護


高齢化が進み、何らかの介護サービスを利用しているご家族をお持ちの方も増えているかと思います。


「世帯分離」とは、


「介護にかかる費用を軽減するための裏技」


として「知っている人」に知られているもの。


あくまで「裏技」。
実際には介護費用を軽減するための制度ではありません。


が、世帯分離をするかしないかによって、支払うべき介護費用に大きく差が出てきてしまうのも事実なのです。


そんな「世帯分離」とは本来どのようなものなのか? 等 含めまして、


世帯分離の「メリット・デメリット」

について紹介いたします。


皆さまのモヤモヤが少しでも薄まりましたら幸いです。

「世帯分離」って何?

言葉の通り世帯を分けるのが世帯分離。

ここでいう「世帯」というのは、


「住居及び生計を共にするものの集団」


のことです。


その世帯の中心になる人が「世帯主」。

それ以外の世帯を構成している家族が「世帯員」と呼ばれます。


簡単に言えば「一つの家族」ですね。


  • お父さん: 会社員
  • お母さん: 主婦
  • お兄ちゃん: 高校3年生
  • 妹: 中学1年生

この家族で少しだけ話を進めていきましょう。


世帯主は「お父さん」。

お父さんの貰うお給料で、一家4人が生活をしています。


ですが、お兄ちゃんも高校を卒業。

地元を離れ地方にある大学に通うことになります。


学費や生活費を仕送りしてもらい、自分でもアルバイトをしながら大学に通い始めます。


    (=゚ω゚)ノ  お兄ちゃんが家から「分離」したのだ。
    さてはこれが「世帯分離」とみた!!
── では、ありません。


お兄ちゃんもアルバイトをしていますが、結局のところ生活するためのお金は今まで通り 世帯主であるお父さんの稼ぎの中から出ているからです。

一緒に住んでいなくても、お兄ちゃんは「お父さんチーム」の構成員であることに変わりはないことになります。


そして大学を卒業。
実家に戻ってきます。


で、就職。


もうすっかり一人前。

会社の健康組合にも入り、厚生年金も給料から天引き。

お父さんの扶養家族からも外れました。


さらに数年がたち、お兄ちゃんはお嫁さんを貰います。

お嫁さんとご両親の関係も良好だったため、実家でお兄ちゃん夫婦も一緒に暮らすことにしました。


「世帯」としての構成は、


  • 世帯主: お父さん
  • 世帯員: お母さん・お兄ちゃん・お兄ちゃんのお嫁さん

(※ 妹がどこかに行ってしまっていますが、彼女はお兄ちゃんよりも早くに結婚して家を出ているため、心配しないでください)


さて、これまではお父さんのお給料もお兄ちゃんのお給料もまとめてお母さんが管理。

もしくはお兄ちゃんは毎月いくらかを家に入れていたかもしれません。

いずれにせよ、一家の総合的な財布のヒモ担当はお母さんです。


ですが、結婚後もお母さんがお兄ちゃん夫婦を含め、家族の家計をすべて取り仕切るというのもおかしな話。

お嫁さんもさすがに多分怒ります。


そこで、


「オレの給料は○○子に全部渡しちゃっていい? その代わり自分たちのことは自分たちでやるから」


一緒の家に住みながらも、家計は別。

生計を共に「していない」ので、お兄ちゃんはこれまで属していた「お父さんチーム」から抜け、新たに自分が世帯主となる「チームお兄ちゃん」の世帯を結成。


これが、本来の「世帯分離」です。


これまで生計を共にしていた家族から離れ、自分一人、もしくは配偶者などと一緒に新しい世帯を作ること。

今回お兄ちゃんが世帯分離をしたのは結婚してからですが、就職して一人の力で生活できるようになった時点で、新しい世帯を自分一人で作っても良かったのですね。


取り立てて特別なことでも不自然なことでも、裏技でも何でもないのです。


同居を選ばず、結婚して新居で生活をする場合は、有無を言わさず世帯は分かれることになります。

住民票が移るからです。


妹さんはこれ。

わざわざ世帯分離をしなくても、これまで住んでいたところに転出届(同じ市区町村なら「転居届」)を出し、これから住む場所の役所に「転入届」を出すだけです。


ですが同居している場合は、住民票の住所は変わらないため「世帯分離」という法律上の手続きを踏み、世帯を2つに分ける。


    (。´・ω・)?  家計さえキッチリ別々にしておけば、別にお父さんチームのままでもいいではないか
いいです。
しなくても全然いい。


世帯分離をした方が、若干税金等が抑えられることはありますが、親世帯・子世帯ともに現役で働いている場合には、それほど問題になるほどの額ではありません。


むしろ、結婚して所帯を持ったのだから世帯主になって完全に独立したい、の気持ちの方が強いくらい。


ですが、今回のテーマである「介護」については、結構切実なのです。


お兄ちゃんのご両親もそろそろ高齢になってきています。

いつまでもお元気でいてほしいところですが、


「お母さんに介護が必要になった」


ということで、まずは世帯分離をすることで得られる「メリット」から見ていきましょう。




なぜ「世帯分離」をする人たちが増えているのか?【メリット】

介護を必要とする家族のいるご家庭において、もっとも大きなメリットになるのが、


「介護にかかる費用を軽減させることができる」


ということ。


40歳から64歳まで、私たち国民のすべてには「介護保険」の加入が義務付けられています。


この制度が生まれたのが2000年。

将来介護が必要になるかもしれない自分のためと、今現在介護を必要としている方たちの費用をみんなで共有するための制度です。


それまでは、家族の誰かに介護が必要となった場合、多くはその家の女性陣が、その役目を担っていました。

仕事も辞め、子育てもしつつ、一日の多くの時間を介護に費やすような毎日。

ほぼ一人での介護には限界があるため「これ以上はムリ」となった場合には病院に入院してもらうしかなかったのですね。


家族の負担(特に女性の)が半端ではないですし、高齢化もますます深刻化していく今後を見越し、


「社会全体で、介護が必要になった方を助けようではないか!」


ということでできたのが「介護保険制度」です。


だからみんなで、保険料を出し合い介護が必要な方にその費用として使ってもらう。

もしかしたら、自分も将来お世話になるかもしれない。


家族の経済的負担だけでなく、デイケアや訪問介護など、介護が必要になった方にも「病院」以外の選択肢が広がったのです。



── さてさて、お母さんですが「介護認定調査」という審査を受け 介護が必要である、と認められました。


支援や介護の必要性の高さに応じた介護度(下に行くにつれ介護度が高くなる)、


  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1~5
の7段階のうち、お母さんは「要介護3」です。


この介護度によって、ひと月に利用できる介護サービスの料金が決められることになります。


例えば「要支援1(一番軽い)」の方の場合は「5万30円」。

「要介護5」ですと「36万650円」。

だいぶ違います。


ちなみにお母さんは「要介護3」なので「26万9,310円」です。


ですが、これを全額ご本人が支払うわけではなく、


「利用したサービス料のうちの1割」


が自己負担額となります。

(※ もしくは「2割」。平成30年8月からは一定額以上の所得がある方は「3割負担」となりました。
が、ややこしくなりますので、とりあえずここでは「1割負担」設定)


お母さんなら「2万6,931円」ですね。


1割でもだいぶ負担は軽くなるのですが、介護を必要としている方の多くはご高齢者の方々。

現役時代のようにバリバリ稼いでいるわけではないため、年金などの金額によっては1割でもきつい場合もあります。


そこで、


「高額介護サービス費制度」


です。

収入による自己負担額の上限が制度によって定められています。


4つの段階があり、収入(所得)の少ない方ほど上限額も低くなる。


そしてここでポイントとなってくるのが、


「市区町村民税を払っているかいないか」


なのですね。

支払っていなければ「第1~第3段階」となり、


「介護サービスを利用した世帯員全員の負担の合算で、上限は2万4,600円(個人の上限は1万5千円)」


市区町村民税というのは「住民税」のこと。

前の年の所得に応じた額が徴収されますが、通常年金のみが収入の場合には納税義務は発生しません。


ですが住民税を納めていた場合には、


「それだけの収入(所得)があるのなら、それなりの負担能力はあるはず」


というわけで上限額が「4万4,400円(世帯全員分の合算)」となるのです。

(※ この額も平成29年8月以前の「3万7,200円」から引き上げられています)


    ( ̄▽ ̄)  大丈夫なのだ。そのくらいのお金は持っているのだ
現在、日本の社会保障費問題(足りなすぎ)は深刻。

だからこそ消費税やら何やらが増税になることになっているわけですので、支払える経済的余裕のある方には、ぜひよろしくお願いしたいところなのですが、ここが、この制度のおかしなところ(と、個人的には猛烈に感じています)。


先ほどの高所得者では3割になってしまう介護サービス利用料の自己負担割合も含め、基準とされるのは利用者(要介護者)ではなく「世帯」全体の所得なのです。


介護サービスを実際に受けているご本人は年金のみで生活していても、生計を共にしている「世帯」、つまり家族の誰かが住民税を課税されるほどに働いている場合には、


「それだけの収入があるなら、それなりの負担能力はあるはず」


となってしまう。

(※ 会社員などとして 普通に働いていれば、ほぼ住民税の納税義務は生じてきます)


例えば「お母さん」の場合、お兄ちゃんとは結婚を境に「世帯分離」をしていますので、生計は別々であることは証明されていることになります。


ですので、「介護保険制度」を利用し、介護サービスを上限額の「月2万6,931円」ギリギリまで使ったとしても(厳密にはその他諸経費はプラスされます)、「高額介護サービス費制度」により、実際のひと月の負担上限額は「1万5,000円」。


が、お兄ちゃんが もしも「全然世帯主とか興味ないし……このままでいいや」という性格だったら、毎月「4万4,400円」が上限額となっていたことになるのです。


また「第1~4段階」は老人介護施設などに入所した際の居住費や食費など、様々なものに連動してくるため、諸々の負担額の差も開いてくることになります。


    (。-`ω-)  お兄ちゃんの性格、災いをもたらす……

性格だけの問題ではもちろんないのですが、たった「住民票上」だけの話で、ここまで差がついてしまうというのは、なんとも煮え切らない気分……


この「介護保険料・高額介護サービス費の自己負担額の上限を低く抑えることができる」の他にも、


  • 家族全員が「国民健康保険」に加入している場合には、世帯分離によりその保険料の負担額が減ることもある
  • 後期高齢者医療保険料が下がる
  • 高額医療費が下がる

などのメリットも挙げられます。


これらも、みな「世帯全体の所得に応じて」負担額が決定するからです。


介護


働き方によっては会社の健康保険に入れないこともあります。

加入するには労働時間や日数等、いくつかの条件をクリアする必要があるのですね。


条件に満たない場合には、働いていても「国民健康保険」に加入、という場合もあり。


また、定年退職後は、これまで加入していた企業の健康保険組合から国民健康保険に切り替えることになります。

(※ これまでの健康保険組合をそのまま継続することもできなくはありません)


つまり、世帯全員「国民健康保険加入者」です。


国民健康保険料は一人ひとりがバラバラに納めるのではなく、世帯の加入者全員分がまとめて請求されます。


だから世帯を分けてしまう。


「世帯」ごとの収入が少なくなるので、納めるべき保険料の負担額も下がる、です。


「後期高齢者保険料」も同じ。


75歳以上のすべての方が負担している保険料ですが、こちらも「世帯の収入」が基準になっています。


だから世帯分離を行い、子供世帯の収入分をカット。

親世帯の所得が減ることになりますので、負担額も下がる。


「高額医療費」も世帯の所得に応じたもの。


何度も同じことを書いて恐縮ですが「親 + 子」分の所得から「子」を引くために世帯分離です。


つまり、世帯分離のメリットというのは、


「基準となるのは世帯全体の所得ですよ」

「なら、その『世帯』を収入のそこそこある子世帯と、ほぼ年金だけの親世帯で分けちゃいますよ」



に関わるもの。


介護を必要としている人の生活水準に合わせた負担額にするための裏技なのです。


ただし、お兄ちゃんの場合は介護費用云々に関係なく 初めから世帯を分けていましたが、


「安くなるなら『世帯分離』だ!」


というのは、役所や国、介護施設等にとってはメリットにはならないのですね。

完全なデメリットです。


40歳以上の国民全員が介護保険料を納めているとはいえ、介護を必要とするご高齢の方が増え続けている現在、とてもそれだけでは間にい合いません。

世帯分離の「裏技」によって支払われる額が減れば、それは今以上に国の財政をひっ迫させる要因ともなってしまうのです。


自治体によっては、介護費用軽減のために「世帯分離をしてはどうか」と教えてくれるところもあるようですが、それは本当に稀。

たいていの場合、正直にその理由を伝えると世帯分離が許可されないことの方が多いです。


また、収入の少ない要介護者の介護費用を支払っているのは通常 子世帯。


    ( ̄▽ ̄)  浮いた費用で、温泉に行くのだ!
などというのもダメ。

違法というわけではありませんが、色々な意味でダメです。


長期にわたる介護では金銭的な負担もかなりのもの。

できるだけ負担を小さくしたいというのは人情なのですが、この時点で「知っている人・知らない人」との差が出てきてしまっています。


介護保険制度は「社会全体で介護の必要な人の費用を出し合おうじゃないか!」の理念のもとに作られた制度です。


言葉は悪いのですが、介護費の負担を減らすために世帯分離を行うことは、知らない人がいることを考えますと「ズル」ではあるのです。

だから「裏技」。


今回の制度改正で、


  • 一定の規模以上の企業に勤めている方の介護保険料負担額が増える
  • 高所得者の高額医療費・高額介護サービス費の負担額も増える
など、高所得者に対する介護サービス費の負担が増えました。

誰もが世帯分離で介護費用の負担額を減らすようになれば、政府側も何らかの「裏技」を発動してくるはず。

社会保障費は本気でマズいくらいに足りていないのです。


世帯分離にはメリットも多いのですが、長い目で見た場合、新しいデメリットを呼び込む要因の一つになってしまうかもしれません。


    (@_@)  世帯分離の裏技を使わなくても済むように、制度自体をもう少し平等なものにしてもらえると助かるのだ……
たまには真面目なことも言うのですね……

でも、本当にそう思います。




デメリットも知っておこう!

  • 役所の書類や、金銭の絡む契約などの手続きに「委任状」などが必要になり、かなり手間がかかるようになる
  • 介護サービスを受けている方が複数人いる場合、それぞれに世帯を分けてしまうと介護費用が増えることも
  • 国民健康保険料の負担額が増えるケースも多い

順に見ていきましょう。


    「手続き上の手間がかかる」
同じ世帯ではないことになりますので、今まで普通にできていた役所の書類(住民票の写しなど)などを取得するには「委任状」がいちいち必要になってきます。


また「後見人」にならない限り、金銭面についての契約を交わすことはできません。

通所施設や入院の際などの手続きにかなり手間がかかることに。

これらにもすべて委任状が必要です。

(※ 「後見人(成人後見人): 加齢や障害等により、本人の判断能力が十分ではないとされた方の代わりに判断を行う役割の人。身の回りの世話や財産管理を任されます)


    「介護費用が増えてしまう」
通常世帯分離では、収入の少ない親世帯と、現役で働く等、収入の多い子世帯とが分かれます。


ご夫婦での世帯分離はよほどの理由がない限り認められないことがほとんどであるため、仮にご両親とも介護サービスを受けていても世帯が分かれることはまず ありません。


ただし、子世帯にも介護サービスを受けている方がいる場合などですね。

(※ 65歳未満の方でも、老化が原因とされるがんや脳血管疾患等、国の指定している特定疾患と認められれば利用することが可能です)


前述の通り、高額介護サービス費の上限は「世帯ごとの利用分の合算」です。

別世帯では合算ができなくなるため、両世帯を合わせると かえって負担額が増えてしまうこともあります。


    「国民健康保険料の負担額が増える」
前述の通り、国民健康保険の保険料は「世帯ごと」に計算されます。

ですが、この計算方法というのが少しややこしい。


  • 所得割額: 前の年の世帯の所得に対して求められる保険料
  • 均等割額: 加入者ごとにかかる保険料
  • 平等割額: 世帯ごとに計算される保険料
  • 資産割額: 世帯の資産に対して求められる保険料

世帯所得だけが基準とされているわけではないのですね。


「平等割額」「資産割額」は「世帯の~」に応じて計算されます。

つまり、対象となる世帯数が増えることになりますので、単純にその分は増えてしまうのです。


また、前年の所得がもの凄く多かった場合でも、それに合わせて莫大な額の保険料が請求されるわけではありません。


国民健康保険にも負担上限額あり、なのです。

さらには世帯分離により受けられなくなる減額措置もあり。


保険料の上限は市区町村によっても異なります。

国民健康保険料が増えるか減るにも関わってきますので、お住いの地域の役所で、ご確認をお願いします。


もしも子世帯のどなたかが企業の健康保険に加入している場合には、ご両親を扶養家族にしてしまう、という手もあります。

(※ 世帯分離をしていても実のご両親であれば扶養に入れます。収入が一定以下であることは条件)


扶養家族が何人に増えても、保険料は変わりませんので、国民健康保険料の分が丸々浮きます。


    (*´▽`*)  確かお兄ちゃんは会社の健康保険に入っていたはずなのだ! ナイスなのだ!!
ですが、75歳を過ぎると「後期高齢者医療」に移行することになるため、扶養からは外されてしまうのです。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン  ……
こうした諸々のことから、世帯分離により国民健康保険料の負担が増えてしまうことも多いのです。




世帯分離の「メリット・デメリット」をまとめる!

それでは最後に、サクサクっと「メリット・デメリット」をまとめていってしまいましょう。


「世帯分離」って何?

今まで生計を共にしていた家族から離れ、新しく世帯を作ることです。


ここでいう「世帯」とは、「住居及び生計を共にしている」ですが、


  • それぞれの世帯に生活していけるだけの収入があること
  • 保険料の支払いや払込みに必要な銀行の口座・通帳がどちらの世帯にもあること
等、実際に生計が別であることが認められれば世帯分離を行うことが可能になります。


ただし、介護費用を節約するための制度ではありませんので、理由によっては分離を認められないことも。

単純に「生計が別々になったため」などの理由が無難です。

世帯分離をする世帯の世帯主、もしくは世帯員が、役所で手続きを行ってください。


  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • (世帯を変更する方が国民健康保険加入者の場合)国民健康保険被保険者証
  • (届け出をするのが代理人の場合)委任状
などを持参し、「異動届」を提出です。

(※ 世帯分離を行ってから14日以内が期限)


役所によっても手続きに必要なものが異なる場合もあります。

こちらもお住いの役所で確認してみてください。

    世帯分離の「メリット」

  • 介護保険料の自己負担額が減る
  • 高額医療サービス費の負担上限額が下がる
  • 老人介護施設等での食費や居住費も下がる
  • 国民健康保険料の負担額が下がる(かも)
  • 後期高齢者医療保険料が下がる
  • 高額医療費の負担額も下がる


    ➡ 基準とされるのは「世帯全体の所得」となるため、それなりに収入のある世帯から切り離すことで、収入の少ない世帯の自己負担限度額の上限も下がる仕組みです

  • 「デメリット」

  • 手続き上の手間が増える

    → 別世帯になるため、役所の書類や契約などの手続きには「委任状」がその都度必要となります

  • 介護サービスを受けている方が両方の世帯にいる場合、介護費用のトータルではプラスになってしまうこともある

    → 高額介護サービス費の負担額には上限が設けられていますが、これは「世帯全員の利用分」の上限です。

    分離前までは「2人で○○円」支払えばよかったものが「一人で○○円」ずつ支払うことになるため、利用頻度や上限額によっては 介護費用がかえって増えてしまうこともあります

  • 国民健康保険料の負担額が増えるケースも多い

    → それぞれの世帯所得は減るのですが、それとは別に 世帯ごとにかかる保険料もあるため、世帯数分増えてしまいます。
    世帯分離により、受けられなくなる税金の軽減措置も。

    保険料にも上限があるため、所得が高くなってもまとめて支払った方が安く抑えられることは多いです



終わりに……

前述の通り、「介護費用を節約したいから」の理由では、おそらくほとんどの場合世帯分離は役所で認めてもらえないと思います。

施設などでも、歓迎はされません。


世帯分離によって減った分の利用費を保険ではすべて賄うことはできないからです。

施設の収入も減ってしまいます。


施設もそうですが、国の財政にも直撃。


介護保険制度は数年ごとに改正が行われています。

社会保障費不足が大変なことになっている現在、低所得の方の負担額の上限を引き上げるところまでは さすがに国も行ってはいませんが、


「支払える能力のある方からは、ぜひ頂きたい」


というのが今後も予想される国の方針。


また、所得に関係なく全国民から平等に徴収できる消費税も増税します。


介護倒れになるよりは世帯分離で、少しでも経済的な負担を減らした方がいいのです。

ですが、色々合わせて考えると ちょっと複雑な気分……


    ( ̄― ̄)  裏技を使わせたくないのなら、使わなくても安心して介護のできる状況を作ってくれたまえ、なのだ
本当によろしくお願いしたいのです。



── 今回も長文失礼しました。

何となく、先が不安になってくるようなお話になってしまい、すみません。

そして、勝手に「要介護3」にしてしまったお母さんにも ごめんなさいです……


ですが、皆さまの「世帯分離ってどうなの?」に対するモヤモヤだけでも、多少薄れていましたらうれしいです。


最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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https://torend7.net/24374.html/feed 0
スマホのライン(LINE)!その『メリット・デメリット』とは? https://torend7.net/24362.html https://torend7.net/24362.html#respond Sun, 02 Sep 2018 03:45:51 +0000 https://torend7.net/?p=24362 当たり前すぎて、メリットとかデメリットとかって、あんま 考えたことないかも……

ソーシャルネットワーク


タイトルに「スマホのLINE」と思いっきり書いてしまっていますが、LINEはスマホだけでなく、タブレットでもパソコンでもガラケーでも使える、無料のコミュニケーションツールです。


通話も無料、メッセージを送るのも無料。

その他、いくつもある機能を利用するのも無料。

もちろん、アプリのダウンロードも無料でできます。


この時点で「なら、入れといたらいいじゃん」と思うのですが(そして入れておいていいのですが)、やはりそれなりにデメリットもあるのです。

始めるのは簡単でも、その後思わぬトラブルに巻き込まれることもあり得ます。


安心安全に使いこなすためにも、まずは良い面・悪い面だけでも押さえておいてしまいましょう。


LINEのメリット・デメリットについて紹介いたします。

皆さまにとってのLINEが楽しいコミュニケーションツールであり続けられますよう、少しでもそのお手伝いとなれましたら幸いです。

LINEの特徴

「何をいまさら」と思われるかもしれませんが、一応LINEの特徴から確認です。


まずはメイン機能である「トーク」。


    (。´・ω・)?  メールじゃダメなの?
メールでもいいのですが、まだるっこしいのです。


  • メール: 1件1件に内容をまとめて送信
  • LINE: チャット形式でポンポンと会話が弾んでいく
本当に相手が今そこにいて話をしているようなノリでスピード感ある会話ができるのがLINEの特徴の一つ。


    「今、家着いた」
    「お、お疲れ」
    「疲れたけど」
    「けど?」
    「楽しかったからいいや」
    「いいやってなんだよ」
    「えへへ~」

……もう何でもいいのですが、LINEでのトーク(メッセージのやり取り)は ほぼ電話です。


メールの場合「今、家着いた」だけ送ることはまずありません。

これでは何だかわからない。
(※「件名」としてならあり)

それに対し「お疲れ」を送り、さらにその返信で「疲れたけど」が届いたらおそらく、


「いっぺんに送れ!!」


となるはず。


リアルタイムでメッセージのやり取りができるLINEだからこそ送る内容は「ちょっとずつで良し」なのです。


これが一つ目。


そして、この会話チックなメッセージのやり取りが1対1だけではなく、3人以上の複数のグループで行うことができるのもLINEの特徴。


メールでも一斉メールなどで複数の相手にメッセージを送ることはできますが、一方通行。

それに対する相手からの質問などは、それぞれバラバラに届くことになります。


例えば5人の友だちに「明日は8時に正門集合」といった内容のメールを送信した場合、


    「8時って朝の?」
    「明後日になりませんか?」
    「友だちも連れて行っていい?」
    「了解」
    「ちょっと遅れるかも」

結局すべて個別に返事を送ることに。

一斉メールにより、むしろややこしい状況になってしまっています。


でもLINEなら大丈夫。

一つの画面上(トークルーム上)で完結です。


1対1の場合でもそうですが、複数人であっても、そこに友だちがいて実際に会話をしているようなリアルさがあります。


このようにその時々の参加メンバー同士が手軽にやり取りのできる「複数人トーク」とも呼ばれるグループトークの他、あらかじめグループに名前を付けてつくってしまい、そこに随時メンバーを招待するパターンの2種類。


学校のサークル仲間や「ママ友」、仕事仲間など、定期的にやり取りのある相手などとのトークに使われることが多いようです。


最大199名まで参加が可能。

どちらかというと「連絡網」のような感じですね。


幹事をよく引き受ける方、中心となって何か提案することの多い方などが、あらかじめ決められたメンバーに向かって情報等を発信するにはこちらも便利な機能の一つです。


そして「無料通話」。

(※ パケット定額サービスを使っていることは必須。ただし、データ量には上限があるため、それ以上になると「無料」ではなくなります)


こちらも1対1から、最大200人とまでのグループ通話が可能です。


200人と同時に会話……

もう、この人数になってきますとほとんど会議ですね。


でも、可能。
ちょっとすごいです。


    (`・ω・´)ゞ  Skypeとかでもいいではないか
その手もあります(※ 200人はムリ)。
が、


  • Skype: アカウント作成には「メールアドレス」が必要
    → スマホ(携帯)がなくてもOK
  • LINE: 電話番号でアカウント作成
    → スマホさえあればOK

よりお手軽なのです。


また、LINEといえば「スタンプ」。

一度に送信するメッセージが短いことに加え、豊富に用意されているスタンプで、気持ちを伝えることができるのも人気の理由の一つです。

絵文字も多いですね。


Skypeもここには敵わない。

若い方に多く利用されているLINEには、


  • 直接会話をしているようなテンポの良さ
    → トーク
    → メッセージには画像・動画・ボイスメッセージなども添付して送れるため、さらに臨場感はアップ
  • 何人かの友だちと同時にメッセージのやり取りができる
    → グループトーク
  • 実際に通話もできてしまう
    → 無料通話(ビデオ通話も可・無料)
  • しかもグループでの通話も可能
    → 無料グループ通話(ビデオ通話も可・無料)
  • メッセージ以外にも、気持ちを伝えることができる
    → スタンプ(他、画像や動画、絵文字など)

プラス その他、「日英韓中国語の自動翻訳機能」等、便利な機能もいっぱいなのです。


ちなみに「ビデオ通話」ですが、1対1ではなくグループ通話の場合は さすがにメンバー全員の顔を見ながら、というわけにはいきません。

画面上に顔を映し出せるのは最大4人まで。

そのメンバーを入れ替えることは可能です。


また、気分に合わせて表情にエフェクトをかけたりもできるのですね。

さすがにLINE。

遊び心も満載です。


また、これらの機能を利用するために必要なのはLINEのアプリをインストールしていることのみ。

携帯会社が同じではないユーザー同士でも関係なくやり取りを行うことができるのも、LINEのうれしいところです。




LINEの「メリット」は?

LINEの特徴として、ほとんど書いてしまった気もしますが、もう一つ、


「電話番号を教えたり、メアドを伝えるのには抵抗がある」


といった方にも安心なのが「LINE ID」です。


これさえあれば、何なら本名さえ教えなくてもLINEでのやり取りは可能。


個人情報をマックスレベルで非公開にすることができます。


このIDというのもLINE独特のもの。

ユーザー一人ひとりを識別するためのキーですね。


登録時には「未設定」となっているため、その後ご自分で設定する必要があります。


LINEでメッセージのやり取りをする際に必要なのは、


  • 自分の「友だちリスト」に登録されている相手であること
  • 相手が自分を「友だちリスト」に登録していること
このいずれか。


先ほど書きました通りLINEの登録には電話番号が使われます。

この時に「友だち自動追加」を設定するかどうかの選択を求められます。


自動追加機能を「オン」にすると、スマホ内のアドレス帳に登録されている、


「電話番号」
「メールアドレス」



がLINEのサーバーに送られるのですね。

すると、LINE側で、


「アドレス帳に登録されている知り合いの中でLINEを利用している人」


を割り出し、ご自分の「友だち」としてリストに登録されることになるのです。


もう、自動的。
勝手になります。


    (。-`ω-)  知り合いの情報を売ってしまったのだ……
売ったわけではないですが、何となく気持ちが悪い。

送信されるのは電話番号とメールアドレスだけなので、それほど重要な情報ではありませんが……やっぱり気持ちは悪い。


── という方は結構多いのです。


また、相手が「友だち自動追加」の設定をオンにしている場合には自分の電話番号とメアドもLINEのサーバーに送られていることにもなります。


    (;゚Д゚)  情報を売られたのだ!!
……売られてはいません。


さらにはこの「気持ち悪い問題」だけではない問題も。


アドレス帳に登録してはいるものの それほど頻繁に連絡を取るような相手でなくても、お互いにLINEを利用していれば「友だちリスト」に登録されることになるのです。


仕事関係等、何もわざわざLINEでまで繋がっていたくない相手でも、連絡を取る必要はありますのでアドレス帳には登録してあるもの。

彼らもLINE上では「友だち」です。


「LINE始めたんだ~」などと、アドレス帳に登録してあっただけの、特に友だちでも何でもない相手からメッセージが届くこともあり。


そこで、登録時の段階で まずは、


「友だち自動追加」


の機能を「オフ」に設定。

もしくはその後に「オフ」に設定変更する。


これでLINEのサーバーにご自身のアドレス帳情報が送信されることはなくなります。

(※ 登録時に「オン」にしていても、その後「オフ」にした時点で サーバーに保存されていた情報は削除されます)


つまり「LINEを利用している」ということがご自身のアドレス帳に載っている相手に通知されなくなる。


そして、ご自分の情報が「友だち自動追加」をオンにしている相手を通じてLINEサイドに送信されたり、「友だちリスト」に登録されないようにするためには、


「友だち自動追加を許可」


をオフ。

これで、防ぐことができます。


実際にはこれらの情報も暗号化されて送信されるため、仮に漏洩し 第三者が知ったところで、何が何だかわからないのです。

しかも情報といっても電話番号とメアドだけ。


流出したら本気でマズい銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号が送信され保存されているわけではありません。

そもそもLINEでは登録時にこそ電話番号は必要ですが、それ以外で個人情報を入力する場面が一切ないのです。


が、友だちリストに「この人、誰だっけ?」という名前まで並んでしまうのは面倒くさい。

また、電話番号を知っている相手であれば、こちらのアカウント情報(IDとは別)までも知られてしまうことにはなります。


悪意ある第三者が、あてずっぽうに番号を打ち込み、LINEユーザーであることが分かれば、


「悪意ある第三者の友だち(リストに登録される)」


ということにもなってしまいます。

「友だち」だからメッセージを送ることができる。

迷惑メッセージが大量に届くことも。


アドレス帳に登録されている友だちが自動で「友だちリスト」に登録できるのは楽なのですが、気になる方は、ぜひ「オフ」に設定を変えてみてください。


    ( 一一)  オフにしたら、誰ともメッセージのやり取りができなくなったのだ……
そこで「LINE ID」。

電話番号やメアドを相手と交換する必要もなく、LINEのサーバーにアドレス帳を保存されることもなく「LINE教えて」と言われたときに「ID」を伝えるだけで「友だちリスト」に追加してもらうことができます。


これはかなり楽。

教えることに対する抵抗も少なくなります。


例えばですが、犬の散歩中に仲良くなった知り合いに、


「電話番号教えて」


と言われたら、若干……いや、かなり引きます。


「じゃあ、メアドでいいや」


でも、引きが少し弱くなるくらい。


ですが、


「LINE教えて」


だと、なぜか、


「問題なし!」


と思ってしまう。

イベントで知り合った相手、SNSで知り合った相手などでも一緒ですね。


電話番号を教えるのは、相当ハードルが高い。

でもLINEならいいか、です。


いざとなったらブロックなり、アカウント削除なり、いくらでも方法があるから……なのでしょうか。


ですが、こちらの「ID」に関しても注意は絶対に必要。


続いて「LINEに危険はないのか?」について見ていってみましょう。




LINEが「危険」って本当?

一時期 話題になったのが「LINEの乗っ取り詐欺」です。

アカウントを乗っ取り、本人に成りすまして悪いことをする。


当時多かった手口が、


「今、どうしても手が離せないので、代わりに電子マネー 買っといてくんない?」


という詐欺。

メッセージを受け取った人も「えー、 なんで?」とは思うかもしれませんが、まさか相手が本人ではなく「本人に成りすましている悪い人」とは思わないのです。


だから、言われるままに購入してしまう。

電子マネーですので、直接渡す必要もありません。

カードに書かれた「プリペイド番号」などを相手(悪い人)に伝えれば(もしくは写真にとって送信)完了。


その他にも、


「○○というアプリをインストールもらってもいい?」


不正なアプリをインストールさせ、個人情報を抜き取る詐欺も。


被害総額はなんと3,000万円近く。

こうした事件が相次いだのです。


さすがにLINEサイドも「これは何とかせねば」ということで、現在では普通に行われている「二段階認証」やログイン時の通知などの手段を新たに講じ、一旦事件は収束に向かいます。


ですが、こうした犯罪には終わりはないため(悪い人はいなくならないから)、現在でも悪い人たちは手を変え品を変え、せっせと個人情報を盗み出そうと躍起になっているのです。


    (;゚Д゚)  努力のムダ使いなのだ!!
本当にそう思いますが、悪い人たちの情熱は、いつもおかしな方向に向かっているものなのです……


さて、少しややこしいのですが、LINEの登録時には「電話番号」が必要。

アドレス帳に登録してある友だちであれば、お互いの電話番号は当然知っていることになります。


ですが「ID」で繋がっている相手には電話番号はわかりません。


先ほどから書いています通り、個人情報を明かさずメッセージのやり取りが行えるのが「LINE ID」の特徴だからです。


教えてもらったIDを「ID検索」の欄に入力するだけで、簡単に友だちとして追加できる仕組みになっています。
(※ お互いに「ID検索を許可」の設定をオンにしている場合のみ)


IDがない場合には、


  • 近くにいる相手なら「ふるふる機能」で友だち追加
  • 近くにいない相手には「QRコード」を送ってもらう

など。
ちょっとだけ、面倒くさい。

もしくは先ほど書きました、アドレス帳を利用して自動的に追加する方法です。


これらに比べ ID検索は実に簡単なのですが、裏を返せば、


「IDを知られたら、誰からでも検索されてしまう」


ということ。

ですが、このIDをLINE上で確認することはできないのです。

本人に直接聞くしかない。


ところが「ID検索を許可」にしてある状態で 友だちの輪が広がりすぎると、なぜか全く知らない人からもメッセージが届く(ID検索されている)。

またスパムメッセージも届く、といったことも。


IDがわかりやすかったり、他で使っているアカウントやメールアドレスで登録していると、さらにこうした被害に遭いやすくなります。


LINEのIDが洩れているのではなく、他のアカウント等がすでに漏れているのですね。


「ここがこれなら、LINEも多分これだろ。はい、ビンゴ!」


のような感じ。


同じようにパスワードも使いまわしていれば、簡単に本人としてログインできてしまいます。


LINEのだから大丈夫、と、ネット上の掲示板などにIDを載せてしまうのも 本当に危険。

掲示板などは悪い人たちも見放題です。


そしてパスワード含め その得た情報で、


「友だちに成りすまし、個人情報を色々聞いてくる」


という手段に出ます。


「オマエの電話番号って何番だったけ? メモなくしちゃったんだけど」


そもそも電話番号を教えていなくても「あれ? 教えてたんだっけ?」となる。

相手を本当に友だちだと思っているからです。


「LINEの認証番号もついでに教えといて」


ものすごく要求はエスカレートしているのに、なぜか答えてしまう。


おかしな例えですが「オレオレ詐欺」の「オレオレ」と、信じ込ませる段階を端折って(はしょって)も、「友だちに違いない」という気持ちが前提になっているため、何とかいけてしまうのですね。


メッセージなので、声でバレることもない。

多少文体がいつもと違っても、案外 そこはスルーされる。


自分の個人情報が流出するだけでなく、結果的に友だちに迷惑をかけることになってしまいます。


成りすますのではなく、知らない相手からスパムメールが届き、危険なサイト(出会い系が多い)に誘導されることもあり。

そしてお決まりの 架空請求の流れです。


これらを防ぐ方法の一つが「ID検索を許可」の設定をオフにしておき、必要な時だけオンにすること。


が、薄々お気づきかと思いますが、これは何も「ID」に限ったことではなく、また、LINEに限ったことでもないのです。


上記の「成りすまし」はLINEを含むSNSすべてで起こり得ること。


LINEが危険というより、インターネットを扱う以上、それなりのリスクは伴う、ということなのです。

悪いのは悪い人たち。


LINEのセキュリティはかなり高いとされています。

また前述の通り、登録時の電話番号以外、個人情報を入力することもありません。


LINEからでは重要な個人情報が辿れないため、成りすましやスパムメールなどで聞き出そうとしているのです。


が、少なくともこうしたリスクはあることを理解した上で、個人的な情報を聞き出そうとするメッセージなどには「本人じゃないかも」と疑ってみる慎重さは必要。


見覚えのない相手からのメッセージにも気をつけてください。


LINEサイドからも注意を促すメッセージが表示されます。


パスワードの使いまわしや、他のSNSなどで使っているアカウントやメールアドレスと同じIDにはしない、など、LINEだけではなく、ネット利用時に払う細心の注意は必須です。


ちなみにですが、こうしたリスクも伴うため、18歳未満の方は「ID検索」ができないようになっています。
(※ IDを設定することはできます)


理由は「青少年保護」のため。

こう言われてしまいますと「ID検索って、やっぱり危険なの?!」な気もしてきます。


また、年齢認証には「ドコモ・au・ソフトバンク」といったキャリア端末が必要。

格安SIMを使ったスマホからでは認証が行われません。


そしてもう一つ。


これは考え方次第だとも思うのですが、2018年のアップデートにより、


  • 不正利用の防止
  • サービスの提供・開発・改善
  • 広告配信
などのため、


「友だちや公式アカウントとのコミュニケーションに関する情報」


が、LINEと、LINEに関連する会社・LINEが業務委託している会社に取得されることになりました。


トークルームでの友だちとのやり取り(トーク内容・画像・動画)などは収集されませんが、LINEの公式アカウントとのやり取りはすべて収集。


    (。-`ω-)  なんかイヤな感じなのだ……
不正利用を防ぐためでもある、と言われても、確かにあまり良い気持ちはしません。


同意しなければ収集は行われないことになっているのですが、


「『同意する』を選択しないとLINEが利用できない」


というおかしなことになっています。

その後の設定で「情報の提供」の設定をオフにすることは可能。

ですが、このムダなワンクッションが謎です。


このことにより「LINE離れ」が起きることまではないとは思いますが、大きなデメリットの一つと捉える方はかなり増える気がします。


さてさて、続いてこうした「リスク」とはまた違う「LINEを使っていて感じることの多いデメリット」について、見ていってみましょう。




LINEの「デメリット」は?

  • 通話の音声が聞き取りにくいこともある
  • 「既読」「未読」が気になる
  • トークに誤解が生じやすい
  • トークのテンポが速いため、会話についていけないことも(特にグループトーク)
  • 通知がうっとうしい
  • グループトークに参加すると退会しづらい
  • アプリをアンインストールすると、これまでの履歴がすべて消えてしまう
  • 知らない人と友だちになってしまうことでトラブルに巻き込まれることもある
  • LINEを通じたいじめトラブル  などなど

    「音声が聞き取りにくい」
これは通常の通話と違い「インターネット回線」を利用した通話になるからですね。

だから世界中どこにいてもネット回線さえ繋がっていれば通話やメッセージのやり取りが可能。


ですが、時間帯などによっては会話が途切れたりタイムラグが生じることもあります。


また、通話中に通常の着信があった場合にはそちらが優先されます。

仕方がないのですが、デメリットではあります。


    「既読・未読問題」
いわゆる「LINE疲れ」を起こしている方は結構多いのです。

中でも「既読」がついているのに返信がない、いつまでたっても「未読」のまま……などは精神的にやられます。


メールの場合は「今忙しいかもしれないから、電話で時間を取らせずにメールを送って、時間ができたら読んでもらおう」のような気持で送信。

ですが、LINEは「リアルタイム性」こそが特徴。


特にある発言の後にパッタリ返信がなくなったりすると、


    (;´Д`)  もしかして、なんか今ので怒らせた……?
などとも勘ぐってしまいます。


「既読」がつくことを「メリット」として挙げる方もいますが、同じくらい「デメリット」と感じている方もいるようです。


そしてこれにも関連してくるのが、


    「トークでの誤解」
LINEでは1回のメッセージはごく短め。

あまり長い文章は好まれない傾向にあります。


ですが、短い言葉というのは案外グサッと来ることも多いのです。


例えば、


「1回 死んどけw」


単にその場のノリで書いてしまっただけだとしても、傷つく人は傷つきます。

しかも相手の表情も見えない。

冗談なのか本気なのか、不安になってしまうこともあるのです。
(※ 上記のものはあくまでたとえ)

また「スタンプ」。

わかりやすいものなら問題ないのですが、


「意味が……わからん」


と悩むものもあります。


送った本人は「ナイス!」のつもりでそのスタンプを選んでいたとしても、相手が「マイナス感情のオーラを感じる」と受け取ることも。


また、テンポよく会話が進むため、


「違う、さっき言ったのはそういう意味じゃないんだって!!」


と思っても、もう遅かったりもします。

そのまま会話は進行。


誤解が解けないまま、どんどんと「そうじゃない!」方向に進んでいってしまうのですね。

会話がかみ合わなくなることも(よく)あります。


    「会話についていけない」
特に多人数でのグループトークの場合。

「テンポよく」×「みんな分」となるため、気を抜いていると話の流れについていけなくなってしまうこともあります。


さっきまで「梅酒のつけ方」のトークで盛り上がっていたのに、なぜか今は「何のコスプレをするか」の話になっている。

……いきなりハロウィンの話になっていたりします。


相当気合を入れていないと 会話についていけない……こともある。


そんなグループトークですが、


    「通知がうっとうしい」
    「一度参加すると、抜けづらい」
というデメリットも。


先ほど挙げました「ほとんど連絡網」型のグループトークの場合です。


本当に連絡網的な役割のものであれば単に便利なのですが、「○○仲間」のような形でそれほど親しくない人たちの多いグループに参加してしまうと大変。


多人数で行うグループトークでは、全員が一律に発言しているわけではありません。

よくしゃべる人もいれば、ほとんど会話には参加せず、そこでの情報だけは共有している人もいます。

といいますか、盛り上がっている発言者は数人に絞られてくるもの。


ですが、通知をオンにしておくとその発言ごとにスマホが鳴ります。
うるさい。


しかも、会話自体が先ほど挙げましたように訳がわからなくなっていることもしばしば。


……退会したい……


ですが、それがなかなかしづらいのです。

退会したことはみんなの知るところとなるため、


「なんで?」
「どうして?」
「何かあったの?」



これも面倒くさい。

ですので、LINEグループに参加するときは慎重に、です。


と言っても、誘いを断るのもまた、


    ( 一一)  角が立つ気がするのだ……
人によっては「もうLINE、やめたい……」と感じるほどのデメリットともなるのです。


    「履歴が消える」
機種変やアプリの再インストール、前述の乗っ取りなどにより、他の端末からログインされた場合にもデータは消えてしまいます。


ただし、バックアップを取ってからの機種変等々、復元は必ずしも不可能ではありません。


不正アクセスによるログインを防ぐには先ほどの「ID検索の許可」をオフにすることに加え「ログイン許可」もオフにしておくと安心。


こうすることで、ご自身の端末以外からのログインができなくなります。


最後の2つは「LINEを安全安心に利用するためのガイド」的なものにも書かれている注意点です。


    「知らない人と出会うことでのトラブル」
これもLINEに限ったことではなくネットを利用する(特にSNS)を利用する際に気をつけなければならないリスクですね。


LINEは本当に手軽で便利なコミュニケーションツールです。


前述の通り、電話番号やメールアドレスに比べLINE IDを伝えるだけでいい、というハードルの低さも手伝い、ついつい誰とでも簡単に繋がってしまいがち。


それはそれで悪いことではないのです。


ですが、悪いことを目的として近づいてくる人も少なからずいる、ということも承知しておく必要はありです。


    「LINEいじめ」
学校などの「裏サイト掲示板」などもそうですが、いじめっ子たちは、その時代に合ったツールでいじめを仕掛けてくるもの。


これだけ普及しているLINEですので、利用されるのもわかる気がします(1ミリも「いい」とは思っていません)。


学校の友だち同士だけでなく、社会に出てからもこうしたいじめというのはなかなかなくならないのですね。


皆で会話している場で(グループトーク上で)酷いことを言われたり、内緒にしておきたいことをバラされたり。

上記の「LINEグループに参加すると抜けづらい」の逆で、強引に退会させられ仲間外れの対象とされることもあるようです。


    (=゚ω゚)ノ  いじめっ子をいじめてしまえばいいのだ!
だね~、と一瞬言いかけましたが、それでは何の解決にもなっていないです……


ですがとにかく、ネットの世界に個人情報を狙う悪者がいるのと同じように、人が集まればいじめのように卑怯な手段で誰かを貶めようとする人も出てくる。


LINEを利用するからいじめが起こるわけではなく、いじめにLINEが利用されているだけなのですが、ここも非常に残念なことです。


「LINEいじめ」と呼ばれていますが、もうこれにはLINE云々ではなく、別の手段で対処していくしかない。

本当にいじめというのは何とかなくならないものなのか、と本気で思ってしまいます。


最後の2つを考えますと、他の「音声が聞き取りにくい」などはかわいくさえ思えてくるデメリットです。


つまり「LINE独特のデメリット」というのは何とかできそうなもの。


トークに誤解が生じやすいのなら、人を傷つけないようなメッセージを心がける。

履歴が消えるのがイヤならバックアップを取ったり、不正アクセスされないよう、パスワードやIDの管理に気をつけ、さらには他の端末からログインできない設定にしてしまえばいい。


ですが「ネットを利用するリスク」だけはSNSとしての特性上、注意が必要、なのです。




LINEの「メリット・デメリット」をまとめる!!

    LINEの「メリット」

  • メッセージのやり取りや通話・ビデオ通話など、無料でコミュニケーションがとれる
  • チャット形式のトークなので、スピード感のある会話ができる
  • グループトーク・グループ通話など、複数人とのやり取りもできる
  • スタンプや絵文字の種類が豊富
  • 画像や動画、音声メッセージも送れるため、より臨場感のあるトークが楽しめる
  • 自動翻訳機能など、様々な便利な機能がある
  • 登録も簡単
  • 電話番号やメールアドレス、本名などの個人情報を明かすことなく「LINE ID」のみでやり取りが可能

  • LINEの注意点

  • IDやパスワードの管理に注意が必要

    → 流出してしまうと、個人情報が洩れるばかりではなく、友だちにも被害が及ぶ可能性あり

    → パスワードの使いまわしや、他で使っているアカウントをIDとして設定する、ネットの掲示板などにIDを載せてしまう、などにより、危険度は増していきます

  • 「友だち自動追加を許可」にしておくと、自分のアドレス帳に登録してあり、かつLINEを利用している相手全員が「友だちリスト」に登録されてしまう

    → 仕事の関係者など、LINEでまで繋がりたくはない知り合いにまで通知が届いてしまうことがある

    → オンにしているとスマホ内のアドレス帳がLINEのサーバーに送信され保存されます。

    電話番号とメールアドレスのみなので、それほど重要な情報は含まれませんが、気になる方は設定をオフにしてください。

    必要な時だけオンにすることもできます

  • ネットを利用する上でのリスクに備える必要がある

  • LINEの「デメリット」

  • 時間帯やネット回線の状況により、通話の音声が不安定になることもある
  • 「既読」「未読」が気になり「LINE疲れ」を起こすことも
  • 短文でのやり取りのため、相手に自分の言いたいことがうまく伝わらず、勘違いや誤解が生じ、気まずい雰囲気になることも
  • 多人数でのグループトークの場合では特に、会話の流れについていけないこともある
  • ついていけなくても、常に通知はくる(通知をオンにしている場合)
  • でも一度参加すると、退会はしづらい
  • 機種変やアプリのアンインストール等によって、これまでのトーク履歴が消えてしまうこともある(復元可能な場合もあり)
  • 他のSNS同様、知らない人と友達になることでトラブルに巻き込まれることもある
  • グループトークから退会させられる、秘密をバラされる、グループトーク中に誹謗中傷を受けるなど、LINEを使ったいじめが起きることもある



終わりに……

LINEは便利。

特に構えることなく、手軽に利用できるのも魅力の一つです。


ですが、誰とでも繋がることができる分、使い方を間違えてしまうとトラブルに巻き込まれる率も上がってしまいます。


せっかくの便利ツール。

今後も楽しく利用し続けられるよう、


「危険がないわけでも デメリットがないわけでもない」


ということだけは一応 頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。



──今回も長文になってしまいました。

最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございます。
]]>
https://torend7.net/24362.html/feed 0
ログハウスの『メリット・デメリット』を具体的に解説してみた https://torend7.net/24352.html https://torend7.net/24352.html#respond Tue, 28 Aug 2018 06:44:10 +0000 https://torend7.net/?p=24352 現存する日本最古のログハウスは東大寺(奈良県)の正倉院宝庫 ──


お寺とログハウス……スーパー・ミスマッチ……


ログハウス


別荘やロッジ、おしゃれなカフェ、道の駅など、少し現実から離れた建物としてのイメージがある「ログハウス」。


「雪山山荘○○事件」等、ミステリ小説の舞台になることも多いですね。

これが「雪山ホテル」「雪山旅館」などですと、雰囲気が出ません。

事件もショボそう……


── と、非日常感あふれるログハウスですが、近年では「普通に住む家」としてログハウスを選択する方たちも増えてきています。


日常を非日常空間で過ごす。
ものすごく贅沢な気分に浸れそうです。


ログハウスは東大寺正倉院(宝庫)として残っていることからもわかります通り、耐久性にも非常に優れた建物。

また、快適な日常生活の場を提供してくれる建物としてもとても優秀なのです。


ですが人によっては、


    「心地いいのは確かだけれど、デメリットも多すぎ!」

と、感じることも。


まずは良い面・悪い面だけでも押さえておいてしまいましょう。


ログハウスの「メリット・デメリット」について具体的に解説いたします。

皆さまのお住まい選びの参考に、少しでも役立てましたら幸いです。

ログハウスって、どんな家?

「ログ」=「丸太」


丸太でできた家です。


柱や梁(はり)だけではなく、オール「木」。

壁も床も天井も、使われているのは木材のみです。


化学物質などの使用も一切なし。

がんを発症する恐れのある「ホルムアルデヒド」や、シックハウスの原因ともなる「アセトアルデヒド」等の有害物質による被害もなし。


天然素材だけを使用する「健康な住宅」です。


家に居ながら木に囲まれた生活。

気持ちもいいのです。


── 気持ちもいいのですが、この「木材だけを使用」という部分がメリット・デメリットの分かれ道。


何せ相手は天然の木。


どれもがまっすぐに生えているわけではありません。

反っているものもあれば、多少ねじれている木もある。

樹木の種類による特徴など、それぞれに個性はバラバラなのです。


    (。-`ω-)  ムム。いくら健康な住宅でも、ナナメってる家に住むのは気持ちが悪いのだ
ですので、先にそのバラつきをなくしてしまう。

機械により同じ大きさ・形に加工した木材を使用してつくられるのが「マシンカットログハウス」。


フィンランド生まれのニュータイプです。


加工されるログ材(ログハウスに使われる木材)も丸みを残した「丸ログ」、曲線部分のない「角ログ」など、いくつかの種類の中から選ぶこともできます。


外壁はあえて丸太の形状を残し、家の中の壁は「角ログ」使用で凸凹なし、などなど、その組み合わせは自由。


一度にたくさんのログ材が作れるため、費用も抑えられ、さらに頑張れば自力で建てることも可能です。


実際に「ログハウスキッド」として一式が販売されているのはこちらのタイプがほとんど。


◆ 憧れのミニログハウス セルフビルド日記




そしてもう一つのタイプが「ハンドカットログハウス」。

使用する丸太に加工を施していないタイプです。


  • ハンドカットログハウス: 伐採した丸太をそのまま(皮は剥ぎます)使用
  • マシンカットログハウス: 機械を使って同じ大きさ形に加工された木材を使用
こんな感じですね。

使用する丸太の加工法により、ログハウスは大きく2つに分けられています。


    ( ̄▽ ̄)  本当に簡単にまとめちゃっているが、この違いは結構なポイントなのだ!
後でちゃんと説明します……


とにかく「ログハウス」とは木材だけでできた家。

まずは「木」がもたらしてくれる数々のメリットから見ていきましょう。




ログハウスのメリットとは?

ポイントとなるのは、


    「木の持つ性質」

    「ログハウスの構造」
の2つ。

これらによるメリットは以下の通りです。


  • 湿度を自動調節(木が)
  • 断熱効果が高い
  • 防音効果や音響効果も
  • 火事に強い
  • 地震にも強い
  • 台風にもビクともしない
  • 癒し効果がある
  • 建物の耐久性  など

順にみていきましょう。


    「湿度を自動調節」
調湿性と呼ばれる効果ですが、これは建物となった後も木が呼吸を続けているから。


湿度が高いな、と感じれば湿気を吸い込み、逆に湿度が足りない時には木に含まれている湿気を吐き出してくれます。

ですので「不快指数」がぐんと上がる夏(湿度が高い)でも「乾燥注意報」が出るような冬(湿度が低い)でも、ログハウス内は快適な湿度が保たれ続けることになります。


ログハウスではない住宅(例えばマンションなど)の壁は呼吸をしません。

ですので「気密性」は高いのですね。

外の空気が中に入ってこない。

また、中の空気も外に逃げない。


これはこれでいいことでもあるのですが、そのため空気を流通させたい場合には「換気扇をつける」「窓を開け放つ」。


ログハウスでは、ログ材自体が呼吸をしてくれていますので、この必要もない。


    (; ・`д・´)  もしや、その分 すきま風がビュービュー……
隙間には断熱材等を埋め込みますのでビュービューということはありません。

が、気密性に万全を求めるのはムリ。


ですが、これも「心地の良い気密性の悪さ」になるかと思います。


あまりぴっちり密閉された空間というのも居心地の悪いもの。

ここはあくまで好みですが、


    「ログハウスで暮らすようになり、今まで住んでいたところの気密性の高さの必要のなさに気付いた」
という方は多いです。


    「断熱効果」
湿気だけでなく、夏に涼しく冬には温かいのもログハウスの特徴です。


これに関係してくるのは「木の構造」。


天然の木ですので、中身は細胞で満たされていることになります。

形状は「チューブ状」。


チューブ状の細胞が束になっているのですが、このチューブの中に抱き込まれているのが「空気」です。


つまり、木の中身は空気を含んだ細胞でびっしり。


それがログ材になるのですね。


丸太をそのまま使用する「ハンドカットログハウス」では、20センチ以上の厚みのある木材。

機械で加工したマシンカットの場合でも、その厚みは10センチ前後。


かなり分厚いのです。


空気を抱き込んでいる分厚い木の壁が外壁となるため、外からの暖気・冷気を遮断。


天然の断熱材になってくれます。


また、このように分厚い木材は雑音を吸収する役割も持ちます。


    「防音効果」
ですね。


さらには、


    「音響効果」
特にハンドカットログハウスでは、建物の内部の壁も丸太の形状を活かしてつくられています。

音はこの凸凹にぶつかり、跳ね返されることに。


    (@_@。 吸収されるのか、跳ね返されるのか、はっきりしてほしいのだ
── 耳障りのいい音が反射し、それ以外の音(中高音域)が吸収されやすいのです。


ここも「中高音域、最高!」という方には何のメリットにもならないのですが、確かに、ログハウスで楽器の演奏等をすると、いつも以上に聞きやすい音楽として耳に届くことは間違いありません。


そして続いての、


    「火事に強い」

    (# ゚Д゚)  ウソをついてはいけないのだ!「木」=「よく燃える」は常識なのだ!

ここもびっくりポイントの一つ。

木が燃えやすいのは事実なのですが、ログ材に使われている木材は分厚いのです。


火が燃え広がるのに必要なのは「酸素」。

ログハウスの木材に火が付いた場合を考えてみましょう。


まずは、火元に触れた表面が燃えます。

燃えるということは「炭化する」ということ。

表面には炭素の層ができます。


でも、まだ表面。


そしてこの炭素の層が曲者。

この層により、空気の行き来がストップするのです。


空気(酸素)が供給されなくなれば、火も勢いをなくし、そのうち消えてしまうことになるのですね。

表面は燃えても、中心部までは火が届かない。

バリアのような役割を果たしてくれます。


だから、火事に強い。


火事が起こらない建物、というわけではないのですが、燃え尽きてしまうことは ほとんどありません。


また化学物質などを建材として使っていない「天然素材オンリー」な建物であることもこちらのメリットにプラス。

一気に燃え広がることもなく、燃えた部分から有害物質が発生することもありません。


ナイス、ログハウス。


前述の通り、日本最古のログハウスは東大寺正倉院のものですが、昭和に入りログハウスはホテルなどとしても登場してきています。

ただし、一般の住宅として市街地等に建てることが認められたのは実は最近のこと。

やはり「木でできたログハウスは火災に弱い」と思われていたのですね。


現在でも、国土交通省の指定する、


  • 防火地域: 建てられません
  • 準防火地域: 耐火認定を受けているログハウスのみ可
のような制約は設けられていますが、耐火性が認められ、市街地にも建てられるようになっています。


続いて、


    「地震に強い」
これはログハウスの構造によるもの。

先ほどもチラリと書きましたが、通常の木造住宅の「柱」は「縦」にして使います。

梁は屋根を支えるため柱の上に張り渡す木材ですので「横」向きですが、大もとの柱が折れてしまう。

で、倒壊です。


ですが、ログハウスでは木材は横向き。

横向きに積んだ木材の上下交差する部分に切り込みを入れ、それぞれがっちり密着させて上へ上へと組み上げていきます。


これが壁。


もう、ちょっとやそっとでは倒れようがないのです。


また「火事に強い」の際にも挙げましたが、木の中身は空気を抱き込んだ細胞。

軽いのですね。


地震で影響を受けやすいのは、より重い建造物です。


さらには木自体の持つ柔軟性。

揺れを吸収してくれます。


地震に強いログハウスですので、


    「台風にもビクともしない」
そして、


    「癒し効果」
木に囲まれた空間、というだけでも十分にその効果は見込めそうですが、本当に木から「フィトンチッド」と呼ばれる癒し物質が発散されています。


また、木目の中途半端に規則性のある模様にも癒し効果はあり、です。

おそらく皆さま どこかで聞いたこともあるのではないかと思うのですが、それが、「1/fゆらぎ」と呼ばれるもの。

リラックス効果のあるBGMとしてもよく使われている、小川のせせらぎ、焚火のはぜる音、雨音など、身近にあふれた様々な、


    「規則性の中に予測できない不規則さのあるもの」
のことです。

何となく、落ち着くのですね。

人間の心臓の音などもこれ。


木に囲まれた生活空間というのはまさに森林浴をしているかのような「フィトンチッド」という物質による癒しと、木目のもたらす「1/fゆらぎ」のダブルリラックス効果を与えてくれるのです。


そして最後に、再三書いております、


    「耐久性」
ちゃんとしたメンテナンスさえしていれば、100年以上住居として住み続けることも可能なのです。
(お子さんやお孫さんの代までも余裕です)


    (。-`ω-)  今、なんか大事なことをサラッと言われたような気が……
はい。
上記の数々のメリットも、


    「メンテナンスを怠らなければ」
が条件。

それ以外にもちょこちょことデメリットは存在しています。


続いて気を付けるべきポイント。

デメリットについて見ていってみましょう。




ログハウスの「デメリット」は?

ログハウスとはオール「木」でできた住宅。

ですので、木の持つデメリットがダイレクトにログハウスにも降りかかってきます。


なんといっても、木はその管理が難しいのです。


まずは2つある種類のうち「ハンドカットログハウス」の場合。

丸太の形をそのままに使用したものですね。


見た目も作り方も武骨でワイルド。

圧倒的な存在感があるのですが、そもそも建てるのに相当の技術が要されます。


腕のいい職人さんが建てたものか、それほどでも……の職人さんが建てたものかによって、住み心地、耐久性、地震への強さなど、何から何まで変わってくることに。


木にはそれぞれに個性があるため、その性質を見極めるのも非常に難しいのです。


ログ材に適している木(大抵針葉樹が使われます)の種類も、


  • ダクラスファー
  • ノルディックパイン
  • ヒノキ
  • ウェスタン・レッドシーダー
  • ロッジボールパイン
  • スブルース
等々、ものすごく多い。


また、


    「強度はあるがヤニ(脂)が出やすい」

    「柔らかく加工しやすい」

    「塗料との相性がいい」
といった個々の持つ特性を熟知している必要もあるのです。


ハンドカットログハウスを建てるのは熟練した職人さんにお任せした方が絶対にいい。
(※ キッドが販売されていないわけではないのですが、ハードルが高すぎです)


職人さんの知識と技術と勘と情熱(と、木の性質の違い)によって手作業で作り上げられたログハウスですので、本当に一つひとつの個性が際立ちます。

しかも機械による加工もなしなので、モロに木。


木の持つ温かみも より伝わってきます。


ただし、職人さんの情熱以下諸々の分、マシンカットに比べ、建築期間もコストもアップ。


丸太の形、つまり曲線だらけの家となりますので、通常の住宅とは生活空間もかなり違った様相となるのです。


これは結構大きい。


大抵のお宅では、壁に沿って家具などを配置することが多いかと思います。

ハンドカットログハウスでは、これができない。


壁自体が凸凹しているからです。

くっつけられません。

無駄なスペースが出てきてしまいます。


マシンカットログハウスではログ材を選べますので、家の中の壁に「角ログ」を使用すればこうした事態はある程度防げるのですが、やはり「木」ですので、壁に水が浸みてくることがあるのです。

(※ もちろん「ハンドカットログハウス」でも同様に雨は浸みてきます)


これが「雨漏り」とも呼ばれるもの。


ログハウスは丸太を横に積み、上下交差する部分を密着させて組み上げてつくられますが、この「交差する部分」からの水の浸透です。

部屋の四隅ですね。


通常の雨程度でしたら問題はありません。

が、かなりの大雨や台風の時のような横向きの風、壁に向かって吹きつけるような雨には若干弱い。


浸水するほどの雨漏りではなく、本当に浸み出てくる程度なのですが、さすがにそこに家具などを置いておくのはちょっと心配です。
(※ 家具も傷みますし、カビも生えます)


防水性を高めるための充填剤を埋め込むことで(コーキング)対処できますので、雨漏り対策もあらかじめ施しておくことをおススメします。


ただし、これは完全には防げません。

ログハウスの特性上、ある程度はどうしようもないものです。


その他、ログハウスの宿命的デメリットはこちら。


  • ログハウスの自重や乾燥により壁が下がってくる
  • ログ材の反り、割れ、縮み
  • 外壁の塗装等、定期的なメンテナンスが必須
  • 間取りに制限があり、リフォームもしにくい
  • 虫が冬眠をする(日常的にも多くやってくる)  など


    「壁が下がってくる」
    「ログ材の反り、割れ、縮み」
この2つはセットのようなもの。


  • マシンカット: 機械を使って同じ大きさ形に加工された木材を使用
  • ハンドカット: 伐採した丸太をそのまま使用

ここにプラスで行われるのがログ材の「乾燥」です。

天然の木は伐採された後でも呼吸をし続けているのは前述の通り。

生きているのですね。


呼吸をし続けていけば、いずれ木の表面は乾燥してきます。

水分が抜けていくからです。


自然なことなのですが、乾燥した木の表面には割れやねじれ、反りなどが生じることに。


ですので、あらかじめこうした現象が起こらない程度に乾燥を進ませてしまう必要があるのですね。


「マシンカット」で使うログ材は「乾燥室」でじっくりと、「ハンドカット」では屋外で1年間ほど自然乾燥させるのが一般的。


が、それでもログ材は分厚く呼吸を繰り返しているため、加工を施されたからと言ってまったく割れが生じない、ということはありません。


生きているから仕方ない。

が、割れにより強度が低くなるといったことはありません。

呼吸をしている証ですので、むしろ「調湿効果」が高まるメリットにも繋がる現象なのです。


が「壁は下がる」。


呼吸も含め、暖房などによる乾燥により、木の水分は抜けていきます。


丸太の太さが、乾燥した分収縮する感じ。

つまり、木の円周自体が細くなるのですね。


そしてログハウスは丸太を横向きに組み上げてつくられるもの。

1本の丸太の円周が1センチから1.5センチ細くなりますので(ハンドカットの場合)、それをいくつも組み上げた壁全体ではかなりの沈下が起きることになるのです。


加えてログハウス自体の重み。

この2つにより、ログハウスの壁高は低くなっていきます。
(※ ログハウスの沈下現象のことを「セトリング」といいます)


乾燥のさせ方、ログ材の分厚さ(ハンドカットでは20センチ以上・マシンカットでは10センチ前後が多い)の違いにもより、より大幅にセトリング現象が起きやすいのは「ハンドカットログハウス」の方となります。


ですが、これも永遠に続くわけではなく、一般的には建てた年から3年程度で落ち着き、その後の進行は緩やかになっていきます。


ただ、沈んでいくだけならいいのですが(よくはないですが)、丸太以外でできている「窓」や「ドア」などは一緒に沈んでいかないのです。


    (。´・ω・)?  それが何か……?
開け閉めしづらくなる、などの不具合が生じてきます。

木材が縮んでいるのに、窓やドアはそのままなので、家に歪みが生じてしまうのです。


また、「柱」も沈みません。
(※ 縦方向に設置されているから)

「階段」もそう。


セトリング対策をしないと、えらいことになってしまいます。

ですが、これも天然素材でできているログハウスの宿命。


こうした沈下への対策は建築段階で取られています。


ただ、対策を実行するのは「ご自分で」となりますので、そこはちょっとだけ面倒。


  • ログ壁自体を固定しているボトルを締め直し高さを調節
  • 窓やドアなどにあらかじめ設けられている空間(セトリングスペース)につけられている装置で調整
  • 柱の上(もしくは下)につけられているボトルで高さを調節
  • 沈むことを見越し、階段下にあらかじめ付けられているボードを外して、2階の高さを調節
などなどの方法で対処です。

これらはそれほど大変な作業ではありません。


が、作業すること自体が「手間」と感じる方にはログハウスかなりのデメリットになるかと思います。


また、どうしてもご自身の手に余るような歪み等が生じてしまった場合には業者さんにお願いせざるを得ないことも。


こうした「もしかしたら」が住み始めて数年後に出てくる可能性があることもデメリットと言えるかもしれません。


さて、行わなければならないメンテナンスは もう少し続きます。


    「外壁の塗装」

◆ 2016年4月 ログ壁塗装




雨や風、直射日光を直に受ければ木材はどんどん劣化していきます。


木なので、放っておけば腐りもします。

外壁の老朽化を抑えるためにも3年から5年に一度の再塗装は必須。

防腐塗料などの塗り直しを行います。


こちらも業者さんにお任せすることもできますが、多くのログハウスのオーナー様はご自分で行っているようです。


    (*´▽`*)  メンテナンスが苦にならないのだ! むしろ、楽しくて仕方がないのだ♪
という方は多いです。

マシンカットログハウスの誕生地であるフィンランドなどでは、中古ログハウスの売買も多く行われており、新しいものより、手をかけてきれいに保たれた中古ハウスの方が高価格。


メンテナンスという、デメリットにもなってしまうような作業も、いずれ売却する際のメリットに変わるのですね。


ただし、ご自分で再塗装を行う場合でも足場などレンタルする必要もあるため、数十万円はかかります。

業者さんに頼む際には50万から100万円程度。


これが3年から5年に一度。


結構な出費ですが、ここは覚悟。

再塗装等、メンテナンスを怠れば、


( ̄д ̄)  悲惨な結果が待っているのだ……

せっかくの耐久性もオジャン。


塗装には時間も費用も掛かり大変なのですが、塗装後の達成感と「新築みたいでテンションが上がる感」も格別なのです。


    「間取りに制限・リフォームがしにくい」
ログ材が厚いため、その分部屋の面積も制限されます。

ログハウスの2階(ロフト)の天井は「屋根」なので、デッドスペースも生まれます。

特にハンドカットログハウスの場合では、家の内部の壁も凸凹ですので、さらに家具の配置などの制約も受けることに。


そこで、


「よし、増築だ!」


となるのですが、それがそうそう簡単にできないのです。


穴をあけたら家が崩れる……


その点の自由度が高いのはマシンカットログハウスの方。

「ドーマ」と呼ばれる「屋根から突き出した小部屋(というか窓。説明が下手ですみません)」のようなものを設置することも可能。


最終的には好みですが、より現実的なのはマシンカットログハウスの方かもしれません。


最後に、


    「虫が来る問題」
より自然に近い「健康な住宅」、ですので、虫にとっても居心地がいいのです。

冬でも暖かいログハウスは冬眠にはもってこい。

ちょっと迷惑な気もしますが、こうした昆虫はまだまし。


問題はシロアリなどの害虫です。

また、高温多湿の日本ではカビ対策も施していかなければなりません。


しっかり対策を取っておかないと、土台が腐ることも。


……大打撃……


防虫効果の高い木材を土台に使う。

湿気対策として「炭」を床下に撒く、なども効果的なようです。


メンテナンスの大変さは、本当に人によっては「デメリットでしかない」レベル。

壁に生じる割れ、横殴りの雨の際に 部屋の四隅から滲み出る雨跡、セトリングによる壁高の沈下等、我慢できない方にとっては、ログハウスの醸し出す「フィトンチッド」「1/f ゆらぎ」程度ではデメリットは解消されません。

住んでいるだけでストレスになってしまう。


一般的な住宅とはかなり違う建物がログハウス。

メリットもデメリットも、使用するログ材と建物の構造によるものですので、デメリット部分だけを避けて通るわけにはいかないのです。


デメリットの大きさを今一度検討いただいた上で、それでも「ログハウス、最高!!」の方であれば、本当にログハウスで最高の毎日が過ごせるかと思います。




ログハウスの「メリット・デメリット」のまとめ

    ログハウスとは?

    丸太を横向きに積み、木材の交差する部分を密着させて壁を組み上げる「丸太組構法」により建てられた住宅のこと。


  • ハンドカットログハウス: 伐採した丸太の形状をそのままに使用
    → 割れや反り、ねじれなどを防ぐため、屋外で1年ほど自然乾燥させたログ材を使う
  • マシンカットログハウス: あらかじめ機械で同じ形・大きさに加工した丸太を使用
    → 乾燥は大きな「乾燥室」で、時間をかけて行う


    ➡ 市販されているログハウスキッドの多くは「マシンカット」のもの。

    難易度的にもコスト面でもハンドカットログハウスの方がハードルが高いです。

    ログハウスのメリット

  • 調湿性に優れている
  • 断熱性にも優れているため、夏に涼しく冬には暖かい
  • 木の持つ雑音を吸収する機能、(特にハンドカットでは)壁の凸凹による音の反射により「防音効果」「音響効果」がある
  • 分厚いログ材の中心部に火が届くまでに、表面にできた炭素の層が酸素の供給をカット。火事になっても燃え尽きることがほぼない
  • 横に丸太を積んでつくられるログハウスの構造上、地震にも強い
  • 台風などの大風にもビクともしない
  • 木材自体が発する「フィトンチッド」という物質による癒し効果
  • 木目の持つ独特の不規則さによる「1/fゆらぎ」のリラックス効果
  • 東大寺正倉院宝庫(759年ごろ)が日本最古のログハウスであることからもわかる耐久性の良さ


    ➡ ただし、条件あり

    デメリット

    木の品質管理が難しい
    → メンテナンスが大変


  • ハンドカットログハウスの場合、建物の内部の壁も凸凹しているため、家具などがまっすぐに置けない
  • マシンカットの場合にも(もちろんハンドカットでも)、ログ材が交差する部屋の四隅からの雨の浸透により物が置けない(雨漏り問題)
  • ログハウス自体の重みや、ログ材の乾燥により、壁が沈下してくる
  • 木材が呼吸しているため、ログ材の割れ、反り、縮みなどがどうしても生じてくる(強度には問題なし)
  • 外壁の再塗装、雨漏り対策の塗料等、定期的な外壁(デッキなどがあればそちらも)のメンテナンスが必須
  • ハンドカットログハウスの場合、リフォームが難しい
  • 普通の昆虫もやってくるが、家の土台を腐らせるシロアリなどの害虫や湿気対策も必要



終わりに……

マンションや木造住宅の立ち並ぶ市街地に「ログハウス」。

ご近所さんからの注目の的すぎです。


が、ここで万が一メンテナンスを怠り家が悲しい状態になったら、さらに注目度もうなぎのぼり……


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン  メンテナンス、恐るべし……
大丈夫。
ちゃんと定期的にやっていれば問題はありません。


家族総出で一つの作業をする、というもの楽しそうなのです。


が、基本的に面倒くさがり屋さんにはログハウスは向きません。

といいますか、メンテナンスが必須という「デメリット」を楽しみに変えられる方にしか向かないといってもいいかも……


ログハウスでなくても、木目による癒しが欲しければそのような壁紙を貼ることもできますし、木の香りすら芳香剤等で演出することは可能です。


ムリしてログハウスに住んで「こういうんじゃないんだよなぁ……」と後々後悔するのが一番痛いのです。


個人的には「ログハウス、最高!」派なのですが、誰にでも、


    ( ̄▽ ̄)  住めば都なのだ!
とススメられるわけではないのが ログハウス。


ぜひぜひ、メリット・デメリットをしっかりと天秤にかけ、比重の大きい方を選択の判断材料としてフルにご活用いただければと思います。



── 今回も長々と書いてしまいました。


皆さまがログハウスでも ログハウスでなくても、快適に過ごせるお住まいに出会えますよう、そのお手伝いが少しでもできていましたらうれしいです。


最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
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https://torend7.net/24352.html/feed 0
消費税増税の『メリット・デメリット』を詳しく解説してみた https://torend7.net/20614.html https://torend7.net/20614.html#respond Thu, 09 Aug 2018 11:12:07 +0000 https://torend7.net/?p=20614 延期が繰り返されてる、ってことはメリットが少ない(か、ない)からなんじゃないの?


多分、そういうことなんだと思います……


税金


バブル真っただ中の1989年に3%から始まった消費税もついに来年10月には10%。

100円のものを買ったら110円です。


今まで散々お世話になってきた1円や5円の出番も少なくなりそう。

というより、10%は高すぎる気しかしません。


恐らく、国民の多くは「イヤだ」と思っているはずの消費税増税。


ですが、消費税に限らず「増税」にはそれなりに意味もあるのです。

意味はあるのですが、今回の増税はちょっと……


2017年の総選挙で圧倒的勝利を収めた自民党さんは、その直後に「所得税改革」なる増税策を打ち出し、話題に。

消費税増税は延期したものの、結局のところ それ以外の税が増税対象とされたのです。


公約でも何でもなかったものであったため「だまし討ち増税」などと呼ばれ、一時メディアに散々叩かれてもいました。

(※ 850万円以上年収のある会社員への増税、たばこ税の増税、給与所得税控除額の引き下げ、公的年金控除額も引き下げ  etc……)


その上2019年には消費税もプラスで増税。


どれだけ日本にはお金が足りないんだ……と心配にもなります。

が、自分たちの生活も心配。


スタートする期限が決められてしまってはいますが、ここでもう一度「消費税増税」がもたらす(とされている)いい面と、ほぼ間違いなく被ることになる悪い面について確認しておきましょう。


消費税増税のメリット・デメリットについて、少しだけ詳しく解説いたします。

    「増税にはモヤモヤするけど、消費税を上げるってそういうことだったのね」
についてだけでも、多少スッキリしていただけましたら幸いです。

増税が「メリット」となるのはどんな時?

増税はイヤですが、どんな場合でもデメリットしかないわけではなく「した方がいい」こともあります。


それが「好景気」の時。

しかももの凄い好景気の時には、増税しないと大変なことになってしまいます。


こんな感じ。


    景気がいいので、みなバンバン物を買う。

    需要が増えるので、企業もさらに生産量を増やす。

    賃金も上がる。

    給料が増えれば、さらに財布のひもは緩くなり、また物を買う。

夢のようです。


なのですが、景気が上昇している時は物価も上がります。


放っておくと「リンゴ1個5千円」などなりかねない。

インフレーション(インフレ)が起きてしまうのです。


ですが、永遠にこの状態が続くことはあり得ません。

いずれ景気は落ち始めます。


    「5千円のリンゴなんていらない……」

    「まだたくさん在庫があるのだが……5千円のリンゴが売れなさすぎる……」
企業などと消費者サイドとの需要と供給のバランスがメチャクチャに。

売れないリンゴの在庫を大量に抱えた企業は倒産してしまうかもしれない。

倒産すれば失業する人たちも出てきます。


景気が落ちた時の悪影響が酷いのです。

インフレで経済が盛り上がれば盛り上がるほど、こうした影響は大きくなってきます。


ですのでこうした事態を防ぐため、政府が行うのが「増税」。


    (;゚Д゚)  今までみたいにお金を使っていたら、あっという間に一文無しになってしまうのだ……
税金を増やすことで、消費者の購買欲と物価の異常な上昇を抑えるのですね。

景気の上昇もそこそこに抑える。


また、政府からの仕事依頼(公共事業)も減らしていきます。

仕事量自体も抑えることで、良くなりすぎる景気にブレーキ。


こうしていずれ来る景気の落ち始める時期に備えるのです。


好景気の時の財政政策として「増税」はあり。

むしろ必要な政策なのです。


では、景気が良くない時にはどういった政策をとるべきなのか。

続いて、こちらも簡単に見ていきます。




不景気の時に政府が行う財政政策はこちら

好景気の時と逆のことをする、です。


誰もがなるべくお金を使わないようにするため、商品が売れません。

売れないものをつくっても仕方がないので、企業の生産量も減ります。

仕事が少なくなれば賃金も減る。

賃金が減れば、ますます購買欲は失せる。

売る側は、少しでも多く買ってもらおうと商品の価格を下げます。


景気が悪いと物価も下がる。

これがデフレーション(デフレ)です。


    (*´▽`*)  なんでも安く買えるのだ!
……給与明細を見よ。


企業の業績も悪くなっているため、給料が減るだけでなく、当然リストラや倒産もあり得ます。


日本の経済自体が失速。

働く意欲もなくなり、常に節約のことを考える毎日。


企業等がボコボコ潰れていくほどのデフレの場合、失業しても再就職先も見つけにくくなります。

周りの企業も倒産しているからです。


これはイヤだ……


国としてもこれは困る。

何とか国民の皆さんには物を買ってほしい。

消費を増やし、経済を活性化させていきたいのです。


が、さすがに手元にお金がないとそれはムリ。


そこで「減税」です。

税金を減らすことにより、使えるお金を増やすのですね。


また、仕事がなくなり倒産、ということのないように、公共事業なども増やしていきます。

仕事があれば、雇用も安定。


好景気の時と真逆。


考えてみればこれら以外に「インフレ」「デフレ」を脱却する方法はないのです。


    お金があれば使う。
    なければ使えない。
それが極端になると物価の異常な上昇・下落が起こる。

バランスを取るために政府は税金や国からの仕事(公共事業)を増やしたり減らしたりする。


中学の社会科で習ったような気が薄っすらします。

そのくらい基本的な財政政策がこれら2つなのです。


 ◆ 日本の景気は良いの? 悪いの? ◆

2017年には「株高」「円安」の状態となり、日本市場が湧きました。


    (。´・ω・)?  そなの? 全然実感がないのだ
儲かっているところは儲かっているのかもしれませんが、国民全体にこうした好景気がもたらされているとはおよそ言えない状態。

少なくとも、国民が実感できるような景気の良さはありません。


実際2018年に行われた「景気動向調査」によれば、ほとんどの業種において結果は「悪化」です。


「アベノミクス(3本の矢)」もデフレ脱却を目指して掲げられたもの。

今回の再延期については「アベノミクスの失敗」などと批判も受けています。


    ( 一一)  要するにデフレ脱却・失敗なのだ……
また、深刻なのは「少子高齢化」です。


生れてくる子どもが減ってきているため、将来の労働力の確保もままならない。

加えて平均寿命の伸び。


平均寿命が伸びること自体は良いことなのですが、支える世代が減ってきていますので、彼ら一人ひとりにかかる負担がどんどんと増してきているのです。


働けなくなった高齢者の方の年金を支えているのが、


  • 働く世代からの納税
  • 国民全員が支払う消費税

また、責任ある仕事に就く女性も増えてきています。

晩婚化の傾向にもある。


が、いずれにせよ預けられる保育所などがなければ、安心して子どもを産むことも育てることもできないのですね。


だから子どもを産めない。

少子化に拍車がかかってしまいます。


ですので、子どもを産み育てやすい社会に作り替えていきたいのですが、そのための資金(社会保障費)が、もう全然足りないのです。


9兆円とか10兆円のレベルで足りない。


そこで「増税」をすることにより、何とかこうした事態を抜け出そう、というわけなのですが、ここで「何税」から徴収しようか、という話になります。


前述の通り、政府は所得税の増税の策をすでにとってしまっていますが、本来ならそれはダメ。


少子高齢化による現役世代の負担をできるだけ軽くするように、といった名目での増税が、むしろ負担を増やすことになってしまっています。


しかも今回「だまし討ち増税」とも呼ばれる数々の増税案は、現役世代のみならず、


    「年金だけで暮らす高齢者の方」

    「もともと課税対象ではなかった所得の少ない世帯」
からも税金(所得税)を徴収しよう、というもの。


もう、何を考えているのかわかりません。


こうしたことをしてくれているので、まったく説得力がないのですが、今回の消費税増税の延期は、


    「実施することによる景気の悪化を考慮」
の結果だそうです。


    (=゚ω゚)ノ  2019年には選挙もあるのだ!(※ 統一地方選挙と参議院選挙)
多分、それも大きい。

いずれにしても2019年の消費税増税は今のところ決定しています。


    (。-`ω-)  ムム……増税でメリットがあるのは好景気の時、とさっき聞いた気がするのだが……
書いた覚えもあります。
実際にもその通り。


ですが、現実に行われるのは、


    「デフレなのに増税」
(※ 所得税改革はすでにスタート)


    (*´Д`)  日本、大丈夫……?
わかりません。

大丈夫であってほしいですが、今回の消費税率アップ政策について個人的には、かなり怯えています。


── さてさて増税です。

他の税金ではなく「消費税」にした方がいい点も実はいくつかあるのですね。

「増税する意味」も含め、こちらも確認していきましょう。




なぜ消費税の増税をするのか?【メリットとされているもの】

国にお金が足りないのです。

しかもそのお金は、国民の社会保障に関するお金であったりもするのです。


生きていれば年も取ります。

病気やケガもする。

失業もあり得ますし、子どもを産んで育てていくことも大事です。


自分で できる範囲のことは自分で乗り切るのが基本なのですが、もう個人の力だけではどうにもならないこともある。


このような個人では回避不可レベルのリスクに直面した場合にも生活の保障をしてくれているのが「社会保障」の制度です。


年金や失業保険、医療保険などの制度、子育て支援などもそう。


でも、これらに使う資金が足りない。
(※ プラス、膨らんだ国債なども)


仮に増税をしない場合、国にお金はありませんので、これまでの「3割負担(それ以外は国が負担)」などが全額自己負担となってしまうこともあり、なのです。


そうならないために増税により税収を増やす。

つまり国の使えるお金を増やすわけです。


    「お金がないので、皆さんの生活を保障できなくなるかもしれません。

    だから税率をもう少し上げさせてください」
ですが、今回の消費税増税は、


    「増税をすることにより、さらに景気が悪化してしまう」
と政府が踏んだため再延期。

それはそうです。


ただでさえ景気がいいとは言えない現在、国民に増税でさらに負担をかければ、前述のデフレの悪循環が起きる可能性もある。


……でも、社会保障費が足りない。

もう、キツキツであることは確かなのです。


だからこそ選挙の時期を外し、その後(2019年10月)にスタート。


ですが、消費税というのは、平等ではあるのですね。


物を買った人は全員課税対象。


働いている世代(所得がある)にかかる所得税のように、特定の誰かだけが課税対象になるのではなく、小さなお子さまから働いていない年配の方まで、物さえ買えばその全員が対象になるからです。


また、先ほど書きました少子高齢化の問題。


社会保障費が確保できれば、子育てのしやすい環境を生み出すこともできます。

国民全員参加の消費税であれば、景気の良し悪しに関わらず徴収することができるのです。


不景気で賃金が減れば、納めるべき所得税も減ります。

企業の業績が悪ければ、法人税にも影響は出てくる。

また、収入のいい人ほど、納税額が上がるといったこともない。


……多く稼いでいるわけですので、その分税金もたくさん納めていただけると低所得の人たちは助かるのですが、働く意欲が納税額により削がれては(日本経済にとっては)一大事。


  • 国民全員からとれる(不平等感がない)
  • その金額が景気に左右されにくい
ですので、増税ありきで考えた場合、こうした特徴のある「消費税」が適している、となるのです。


消費税は納税者が直接収めるのではなく、


    「お客さんから消費税を受け取ったお店等が代わりに納税」
といったシステム。

「間接税」です。


チョロマカシがしにくいため脱税対策にもなる。


そして何より、減少傾向にある現役世代にこれ以上の負担をかけないため、というのが、一番納得できる理由だったのですが、


    ( 一一)  控除額が減らされるわ、一定額以上稼ぐと増税されるわ……
やっていることに矛盾が多すぎ。

が、とりあえず消費税を増額の対象としたのにも、それなりの意味があったのです。


こうした意味を持つ増税であったにもかかわらず、先ほどの、


    「増税をすることにより、さらに景気が悪化してしまう」
という理由により再延期。


そして そのことにより、


  • これまでの経済政策が成功とはいえないこと
  • デフレの時期に増税を実施しなければならないほど、国の財政がひっ迫していること
も、浮き彫りになってしまっているのです。




増税による「デメリット」は?

もう、絶対の最大デメリットが、


    「国民の不満」
増税が絶対にダメとは思いません。

前述の通り、国にお金がなければ、社会保障制度が保障されない、というどうしようもないことになってしまうからです。


    (。-`ω-)  だが、問題はそれが本当に「社会保障費」として我々のために使われているか、ということなのだ
政府もキッチリ教えてくれればいいと思うのですが、使い道を明示してくれることがないのです。

政府に対する不信感がすでに既存の国民感情としてあり、その政府がさらに何かをやらかす。

当然その政策には反対なのに法案が通ってしまう。


これもおかしな話なのですが、


    ( `―´)ノ  もう政府に期待なんてしないのだ! だから選挙なんか行かないのだ!
もしくは「白紙投票」をする。

これは、実は「賛成」とほぼ同義となってしまいます。


例えば、消費税増税に賛成の人が10人いるとします。

それはそれでいいのです。

人の意見はそれぞれ。

賛成でも問題なし。


一方、反対は15人です。

賛成の10人は投票に行き、増税を公約としている政党、または議員に投票。

賛成票は「10」。


反対している人は人数では勝っていますが、


    「反対だけど、他のどこに入れればいいのかわからないから、とりあえず白紙投票」

    「どうせ何をやっても変わらない。投票なんて無意味」
のような感じ。


1票も反対に入らない。

といいますか、賛成票に影響を与えることができないのです。


投票をしなきゃダメ、と言っているわけではないのですが、このように「え、なんで通ったの? この法案」的事態はこうして繰り広げられていたりもするのです。


── そこは置いておくにせよ、国民から少なからず不信感を持たれている政府が決定したことに対しての不満が高まる、ということが一番のデメリットかと思います。


もちろん、国民の負担(増税分の)も増えます。


    何を買うにも今まで以上にお金がかかるので、購買欲がなくなる。

    だから物価も下がる。

    景気もさらに失速。

まさにデフレの時と同じようなことが起こるのではないか、と言われています。


商品の消費が減ってきますので、企業の生産量も減ります。

仕事も減り、倒産する企業も出てくるはず。

失業者も続出。

特に 大きな企業から仕事を貰う中小企業の打撃は大です。


また、増税となる前の月あたりから、買い占めも起こります。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン  店に品物がほとんどない……
お店側も無限に仕入れることはできません。

店は大混乱プラス、品薄・品切れ状態。


本来なら、このような時に政府が取るべき政策は「減税」なのですが、「増税」の結果がこれなのです。


消費税率を上げ、税収を確保することにより、


  • 雇用の安定化
  • 社会保障の充実
  • 低所得層への生活保障
  • 子育て支援
など少子高齢化への対策、景気回復を図る……ことができません。


景気が悪くなり、失業者が増える時代に お子さんを生んだり育てたりするのは不安すぎる。

出生率も上がりようがありません。


また、全員参加の消費税ですので、所得の少ない方ほど負担は大きくなってしまいます。


3%から5%に消費税率が引き上げられた1997年の橋本政権では、世界情勢の変化等の影響もあったのですが、


    「消費税からの税収は増えた。

    でも、所得税・法人税などはその増えた分を上回るほど減った」
実際に景気の底割れを起こしています。


消費税の増税により、国民全体から税金を徴収するのは確かに手っ取り早いのですが、それに景気の上昇もついてこなければ逆効果。

ですが、もう増税しないと社会保障費などが賄えない。


状況的にはかなりマズい状態。


国民の不満を煽りながら導入された増税が、結果を出さなければ政府の信用も失墜です。


日本全体に諦めムードや停滞した感情、そして本当に停滞してしまうかもしれない経済状況を生み出しかねないのが、今回の消費税増税のデメリット。


    (`・ω・´)ゞ  信頼してる政府にされたお願いなら、たいていのことは受け入れるのだが……
ちょっと順番が違うんではないかな、な気が猛烈にしています。




消費税増税の「メリット・デメリット」をまとめる!

インフレの時であれば、消費税を含め増税は 経済にとって非常に有利に働く政策です。

そして、現在の日本には社会保障費等、資金が足りないことも確か。

それには税収を増やすこと、他の税ではなくあえて消費税を増税、というのも意味のあることです。


……今回の場合には当てはまらないものも多いのですが、最後にもう一度これらのおさらいです。

消費税増税のメリット・デメリットについてサクサクっとまとめていってしまいましょう。


    他の税ではなく「消費税」を増税するメリット

  • 所得税のように働く世代にだけかかる税金ではなく、全国民が平等に支払う税金であるため「不公平感」がない
  • 取りこぼし(脱税)がほぼない
  • 景気の良し悪しによって税収の額が左右されにくい  など


  • 増税によるメリット

  • 国家予算の安定

  • 財源を得ることにより、社会保障費として役立てることができる
  • 雇用の安定化も図れる
  • 安心して子どもを産み育てることのできる社会の実現(制度の見直し等)
  • 低所得層への生活保障を充実させることもできる
  • 公共の施設などの整備・建設等、暮らしやすい環境を生み出すこともできる
  • 復興支援にも使える  など


  • 消費税増税によるデメリット

  • デフレ脱却どころか さらに景気が悪くなる

  • 国民の負担が増える
  • 仕事が減り、それに伴い賃金も低くなる
  • 企業の倒産、リストラや失業者も増える
  • 実施1か月ほど前には 買い占めによる混乱や品切れ状態が続く
  • 所得の低い方に より負担がかかる

  • 政府に対する国民の不満
  • 日本全体に諦めムードが漂う  などなど



終わりに……

数字だけ見ると日本の消費税は低い方です。


世界幸せ度ランキングの1位から3位の国(2018年調べ)では、


  • 1位: フィンランド
    → 24%(食品、または関連サービスでは14%。薬や宿泊サービス、公共交通サービスなどは10%)
  • 2位: ノルウェー: 25%
  • 3位: デンマーク: 25%

でも、医療費や教育費は無料。

社会保障がしっかりなされているため、消費税が高くても国民の生活は守られています。

だから不満の声も上がらない。

上がるのは幸せ度だけです。


また消費税の高い国トップ10に入っている国の中でも、適切な使われ方をしていない国は「幸せ度ランキング」の下の方に紛れることに。


ちなみに、今回日本は54位です。

下の方に紛れているグループの一員。


消費税率と幸せ度は直接関係があるわけでもないのですが、税率を上げるのであれば、


    ( 一一)  10位、20位とは言わない。

    せめて30位以内に入るくらいには国民の幸せ度を上げていただきたいのだ
よろしくお願いしたいのです。


今回の消費税増税は個人的には「ご乱心?!」と思っていますが、日本経済の現状を見ますと、どこかで何かをしなければならないことは事実。


    増税も一つの手ですが、皆さま言われていますように、議員さんの給料を下げるとか、人数自体を減らすとか、公務員の待遇良すぎ問題を何とかするとか……
他にもいろいろな手があるような気がします。


    (=゚ω゚)ノ  せめて使い道だけでも、ちゃんと教えてほしいのだ!
……それも思います。



── 今回も長々と書いてしまいました。

消費税増税の本来の役目など、皆さまのモヤモヤが少しだけでも薄れていましたらうれしいです。

最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。
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公務員の保育士にはどんな「メリット・デメリット」があるのか? https://torend7.net/19249.html https://torend7.net/19249.html#respond Sun, 05 Aug 2018 10:49:38 +0000 https://torend7.net/?p=19249 職業を聞かれたら「公務員です」と答えるべきなのか「保育士です」と答えるべきなのか……


……公立保育園の保育士です、と答えればいいんじゃないでしょうか。


幼稚園
保育園には私立(民間)の他、区や市が運営する公立保育園があります。

ボスは地方自治体。

ですので働く保育士さんも「地方公務員」ということになります。


だから「公務員保育士」。


── こう書くと、非常に単純明快なのですが公務員保育士さんは、実は「保育園の保育士さん」として働けないこともあるのです。

……?


もう、謎ですね。

ですが、すごい人気。

倍率20倍以上ということも少なくありません。


    いったい「公務員保育士」とは何なのか?

    なぜそんなに大人気なのか?

    民間保育園で働く保育士さんとの違いは何なのか?

    どうすればなれるのか?

    ……いいことばかりじゃないはずよ!

「公務員」の響きは「安定」とイコールにも聞こえますが(実際にもほぼイコールなのですが)、まずはいい面・悪い面をしっかりと把握しておいてしまいましょう。


公務員保育士のメリット・デメリットについて紹介いたします。

皆さまの「公務員保育士」へのモヤモヤが少しでも薄れましたら幸いです。

「公務員」なの?「保育士」なの?

どちらかといえば「公務員」寄り。


……というのもヘンなのですが「保育園の先生」というよりは「保育士の資格」も持っている「地方公務員」といった立ち位置になります。


私立保育園の場合「ここで働きたい」と思ったところの求人に募集し、面接等を受け採用されれば晴れて就職。

公立では、ここが少し違うのです。


公務員保育士の募集は「保育士の資格を活かしてくれる人」を募集するもの。


そしてその「保育士の資格を活かせる仕事」というのは保育園の先生だけでなく、


  • 児童養護施設
  • 児童厚生施設
  • 知的障害児施設
  • 盲ろうあ児施設
  • 母子生活支援施設
  • 重度心身障害児施設
  • 乳児院

などなど、さまざま。

こうした児童福祉施設は国や都道府県、市区町村が運営するものだけでなく、社会福祉法人等、民間運営のものもあります。


例えば民間運営の「乳児院」で働きたい場合には、その施設の行う面接等を受け、採用されれば即就職。

私立保育園への採用のされ方と同じです。

いわばその園なり施設なりを運営している(園長や施設長など)がボス。


一方、公務員保育士の親玉は「地方自治体」です。


    ( ̄▽ ̄)  親分、保育園勤務ということでよろしく頼むのだ!
希望を出すことはできます。

というより「保育士」としての採用試験を受けるわけですので「保育士希望」は自治体側もわかってはいるのですね。


ですが自治体のいう「保育士」は上記の施設も含め広い意味での「保育士」です。

見事採用されたとしても、勤務先が「保育園」とは限らない。


採用された自治体の運営する施設で働く「施設保育士」として配属されることもあるのです。

さらに場合によっては「保育士」の資格に関係のない役所等の窓口勤務などが割り振られることも(ごく稀にですが)。

保育士の資格も持っている「地方公務員」を募集しているからです。


私立のように、


    「うちの園で働いてくれる保育士さん募集!」
ではなく、


    「保育士の資格も持っている人募集!」
というのが公立のシステム。


働く園を選べるのが「私立」の保育士。

どの園で働きたいか、どころではなく、どの施設に配属されるのかギリギリまでわからないのが「公立(公務員)」の保育士。


ですので一般的な、

    「保育園の先生 = 保育士」
として考えた場合、公務員保育士はより「公務員色」が強い、なのです。


そしてここが私立保育園に努める保育士さんとの数々の違いを生むポイント。


    「保育士は辞めたくないけど公務員は辞めたい」
の場合には辞めて私立の保育園等に再就職すればいいだけなのですが、


    「公務員は辞めたくないけど保育士は辞めたい」
に関しての自由度は低いです。

公務員でい続けるためには、自治体に命じられた仕事に就くしかないからです。


公務員保育士は保育園の先生の前に「地方公務員」。

そして「保育士」でもあり、配属が保育園なら「保育園の先生」になる。


    ( 一一)  ややこしい……
ですが、保育園の先生になった場合でも、待遇的には公務員。

これが非常に良いのです。


    (*´з`)  そういうことは早く言うのだ!
まずは地方公務員でもあるからこそ受け取れる数々のメリットから見ていきましょう。




公務員保育士のメリットは?

前述の通り、配属先は様々なのですが、ここは「公立保育園の保育士さんになった場合」でいってみましょう。


      ① 年齢・職歴を重ねるごとに年収が増えていく
      ② 勤務時間や休暇の制度が整えられている
      ③ 保育士の数や児童の受け入れ人数なども国の定めた基準に従っているため、保育士不足になることがない
      ④ よって、人数不足のしわ寄せ的な残業が増えることが少ない
      ⑤ 残業があった場合にもしっかり残業代が出る
      ⑥ 研修・指導等の充実
      ⑦ 産休・育休が制度により保証されている
      ⑧ 福利厚生も充実(ほぼ完備)
      ⑨ 公務員としての安定性
      ⑩ 公務員としての待遇の良さ
    ➡ 働きやすい環境にあるため、長く勤めることができる

ものすごくたくさんあります。


    ( ̄▽ ̄)  モロに公務員待遇ではないか!
はい。
立場的には「地方公務員」ですので。


園の保育方針などを決めているのは自治体。

延長保育・0歳児保育は行わない、といった方針の自治体も多いです。

だから時間外労働時間も少ない。


給与アップのシステムも自治体の定めている昇給率によるもの。

年齢や勤続年数を重ねればその分増えていきます。


休暇制度も自治体の定め通り。

つまり一般の公務員と同じだけのお休みが約束されているわけです。


保育士不足ということにもならない。

ですので、人数的にも時間的にも余裕が生まれます。

子どもとじっくり向き合った保育ができる。


研修についても公立はしっかりしています。


産休・育休が制度として保障されているのもありがたいですね。

その後の復職もスムーズ。


こうして出産後も働けることからベテラン保育士さんが多いのも公立保育園の特徴の一つ。

駆け出しの保育士さんも経験豊富な先輩保育士さんの指導を受け、スキルを上げていくことができるのです。


福利厚生についてはまさに「公務員」待遇。

かなり手厚いです。


公務員ですので、簡単にクビを切られることはありません。

自分から辞めると言い出さない限り、潰れる心配も自治体側からの都合で解雇される心配もなし。


「グレート!」とか「エクセレント!」とかくらいしか言葉が思いつかないほどナイスです。


だから長く働き続けることができる。


ですが、業務内容自体は公立も私立もほとんど変わらないのですね。


    (@_@。  ……不公平なのだ
うーん。

不公平といえば不公平なのですが、それぞれにいい部分があり、あえて私立保育園の保育士を目指す方もいますので、そこは何とも言えません。


収入の高さや待遇の手厚さを求めるのであれば、それは公立の方がいい。

ですが、どうしても「保育園の先生」になりたいのであれば、公立では確実性に欠けます。


「保育士としての資格」が活かせればどんな仕事でも! という方なら、待遇のいい公立を目指した方がよりいいかとは思います。

児童福祉施設での仕事は保育園の保育士さんとはかなり畑違いな業務内容とはなりますが、非常に有意義なものです。


「子どもが好き!」という方であれば、事情があって保護者の方と一緒に暮らすことのできないお子さまとの毎日もやりがいのある仕事となるはず。

ただし、逆に言えば児童福祉施設勤務を希望していたとしても「保育園」に配属されることもありです。


いずれの場合も、持つべき知識は本当に全く異なってきます。


公務員の国家試験(国家一種・二種等)をパスする必要はないのですが「保育士の資格」の他、


    自治体の実施する「公務員保育士採用試験」
に合格する必要も出てきます。

これが先ほど書きました20倍のやつ。


決して簡単になれるものではありません。

だからこそ、合格すれば公務員としての好待遇を受けることができる。


また、私立の保育士さんの待遇は少し前まで、結構悪かったのですね。

ここ最近になって、


    「こういうことではますます保育士不足になってしまう……ってことはさらに待機児童が増えちゃうぞ!!」
ということで、かなり保育士(私立)さんたちの待遇面(賃金や労働時間等)は改善されてきています。


さらには自治体の財政事情の悪化により「公設民営化」の加速も。

保育園も例外ではなく、民間に運営を委託、もしくは全面的に運営権を「移管」してしまう公立保育園も増えてきています。


一度合格してしまえば、とりあえず「地方公務員」として収入面・待遇面ともに安泰なのは圧倒的に「公立保育園」の方。


ですが、常に保育士不足で求人をかけている私立と違い、そもそも合格するのが至難の業、というのが公務員保育士の大きなデメリットなのです。


また、上記の通り「公立保育園」の数自体が縮小していることも不安な点の一つ。


続いて公務員保育士の「デメリット」についても確認していきましょう。




公務員保育士ならではのデメリットは?

      ① 親玉である地方自治体の保育方針から大きく外れた保育ができない
      ② 保育士の資格の他、さらに自治体の実施する採用試験に合格する必要がある
      ③ その倍率も もの凄い
      ④ 年齢制限がある
      ⑤ 採用システムが独特
      ⑥ 実は「公務員保育士」以外の保育士の占める率も高い
      ⑦ 公務員なので、転勤が必ずある
      ⑧ 配属先が選べない
      ⑨ 働ける場所が減ってきている

互いに被っているものもあるのですが、それぞれかなり密度の濃いデメリットとなっていますので、軽く順に見ていきましょう。


まずは「保育方針」について。


私立保育園の場合には園ごとにそれぞれの特徴があり、そこが園児を募集する際の売りになったりもしています。


    「うちの保育園ではお泊り保育をさせています」

    「音楽に力を入れ、発表会などの催しも積極的に行うのがうちの園の特色です」
など何でもいいのですが、こうしたその園ならではの保育方針等があるもの。

それを決めているのはそれぞれの「園」。


ですので同じ区内の中に、色とりどりの「私立保育園カラー」があるのです。


一方、公立の場合、私立の「園」に当たるのが「自治体」になります。

保育方針を打ち立てているのは地域を管轄している自治体ごとに、なのですが、そのエリア内にある公立保育園は一つではないわけです。

だから同じエリア内の公立保育園の方針も一つ。


    「うちの保育園はお泊り保育をしています」
    →「勝手なことをされては困ります(自治体)」

    「じゃあ、音楽に力を……」
    →「ダメ!(自治体)」
厳しいのです。

何とか認めてもらえるのは、


    「管轄エリア内の他の公立保育園でもできることレベル」
自治体の管轄エリア内の公立保育園のすべてで実施できるようなもの。

もしくは自治体の保育計画の範囲内に収まる企画にとどめなければならないのです。

ちょっとつまらない。


いわゆる「保育士さん」の仕事をイメージして就職すると、少しだけガッカリすることもあるかもしれません。


    「うちの園に入ったら面白いことがいっぱい体験できるよ!(だから入園してね)」
というのは私立保育園ならではの特権です。


また、先ほども書かせていただきましたが、とんでもない倍率の「公務員保育士採用試験」に合格する必要もある。


公務員なので年齢制限も設けられています。

自治体によっては「30歳まで」「35歳まで」としているところもありますが、多くは「20~25歳」「26歳まで」。

(※ 詳細は自治体ごとに異なります。また、住んでいる場所を限定している自治体も多いです)


そして、何とか難関を突破し採用試験に合格しても、即「採用」とならないのが公立ならではの独自システム。


簡単に言いますと、


  • 受験資格: 保育士の資格を持っている人
  • 採用条件: 自治体の実施する公務員保育士採用試験に合格すること

ここまでが第一弾。


各自治体が募集を行うのは通常年1回。

6月か7月あたりから募集が始まり、9月に一次試験、10月に二次試験が行われることが多いです。


試験の実施日なども各自治体により異なります。

自治体のHPや電話での問い合わせなど、事前にご確認ください。

(※ 民営化や廃統合などにより、募集が行われないこともあります)


一次試験は5教科の一般教養と、保育の専門知識を問われる試験。

作文がある自治体もあります。


一次を通過すれば二次試験。

こちらでは面接、適正・体力・身体検査などが行われます。

ピアノを弾きながら歌を歌う、など実技試験が加わることも。


大抵ここまでですが、自治体によっては三次試験まで実施されることもあるようです。


そして、


  • 合格後:「採用候補者名簿」に登録される
    → エリア内施設に欠員が出る等、施設側から声がかかるのをひたすら待つ
  • 登録後1年経過: 再度採用試験に挑む
    → 登録期間は1年間

採用試験にパスしても候補者として登録されるだけなのです。

しかもその期間は1年間。


つまり20倍以上の倍率をかいくぐり見事合格したところで、1年以内に空きが出なければ、就職までこぎつけない。

ついでに「採用候補者」としての権利もなくなり、


    ( 一一)  ……長い夢を見ていたのだ……
のような感じになってしまうことも。

私立では考えられないシステムです。


さらに、メリットでもあった、


    「働きやすい環境のため、長く勤めることができる」

    (;゚Д゚)  ! もしやっ!!

あたり。
欠員自体、なかなか出ません。


就職までの難易度がマックスすぎるのです。


ですので「どうしても公立保育園で働きたい」という場合には、公務員保育士ではなくもう一つの働き方、


    「臨時職員(非正規職員)」
を選択する方もいます。

そして実はこちらのスタイルの割合の方が多い。


  • 保育士の資格を持っていること
  • 自治体の行う選考試験に合格すること
これらの条件はありますが、公務員保育士ほど難しい試験などはありません。

ただし、勤務時間が短い、または働ける期間が限定された雇用形態。

(※ 期間は6か月とされていますが、1回に限りさらに6か月の更新あり)


前述の通り、公立保育園では保育士の人数、その数に対する園児の受け入れ人数などが国の基準により定められています。

それは良いことなのですが、現在財政状況に不安を抱えていない自治体はほぼ皆無。

どこもお金がないのです。


    でも公務員は給料が高い。

    一度公務員となった方に対しての雇用は生涯にわたり保証されています。

    簡単にクビを切ることもできません。

    しかも毎年昇給できる制度まである。

    定められた職員数の確保もしなければならない。

だから「公務員保育士」ではなく臨時職員を多く募集。


公務員保育士の募集は上記の通り、通常1年に1回。

採用人数が「1名」ということもあります。


一方臨時職員の募集は1年中。

(※ 臨時職員も公務員保育士同様「登録制」)


しかも非正規である臨時職員さんの給料はなんと「時給」です。

一般的には1000円程度。


フルタイムで働く場合には日給のところもありますが、公務員保育士さんに比べビックリするくらい給与を含め、待遇面は悪いです。


でも業務の内容としては公務員保育士さんと同じ。


また、一般企業のように非正規社員の正社員登用のような仕組みもなし。

正規職員(公務員保育士)になるには、やはり「公務員保育士採用試験」に合格するしかありません。

どれだけ長く働いていても、そこが考慮されることは一切ないのです。


    ( `―´)ノ  不公平にもほどがあるのだ!
はい。
これはひどい。


ということで2017(平成29)年には、


    「地方公務員法及び地上自治法の一部を改正する法律案」
が成立。

2020(平成32)年の施行に向け、臨時職員等についての待遇などへの見直しが進められてはいます。


どこまで改善されていくのか今のところまだわかりませんが、


    「制度施行の時期を待つのではなく、賃金や労働条件についてはただちに改善を図るべし」

    「勤務経験を考慮し、更新等で引き続き働いてもらう場合には採用試験はナシにする」
といった方向に進み始めてはいるようです。


「臨時職員のデメリット」のような話になってしまいましたが、給与面・待遇面ともに公務員としてのメリットにあずかれない非正規職員さんが多いことは確か。


全部が全部ではありませんが、こうした待遇の違いからモチベーションの低さが生まれることもあるのです。

そして一つの園内で占める人数の割合は、臨時職員さんの方が多い場合がほとんど。

 
    (。-`ω-)  う~む……そうだとしてもそれを公立保育園や臨時職員のデメリットとするのはどうかと思うのだ

    どちらかというと行政サイドの問題なのだ

    そしてなぜか今、熱っぽいのだ……
知恵熱 出ちゃってますね……


ですが、ここは本当にその通り。

本気で改善に向け頑張ってほしいです。


さて、続いての「転勤」

これはもう、公務員の宿命のようなものです。


早くて3年。

通常5~6年のサイクルで繰り返されることになります。


理由は公務員同士の癒着を防ぐため、だそう。


    国家公務員は「国民みんなのため」。

    地方公務員は「その地域に住む住民のため」。

そのために働く方たちですので「癒着は困る」というのもわかるのですが……「相手は保育士さんですよ」と言いたくなってしまいます。


    ( ̄▽ ̄)  保育士さん同士、癒着して仲良くなればいいではないか
というか「癒着」のしようもない。

でも公務員だから転勤。

ザッツ・お役所。

配属先が変わります。


そして先ほども書きました通り「配属先が選べない」です。

現在保育園の先生として働いていた方でも、転勤に伴い、


  • 自治体の管轄エリアの「他の公立保育園」
の場合もあれば、


  • 自治体の管轄エリアにある「児童養護施設」
などのこともある。


その後また、長くても6年程度で配属先の変更。

一つの施設に腰を据えて働くことはできません。


公務員としての安定はあっても、勤務先の安定はなし。


職場の人間関係等がうまくいっていない場合にはひょっとすると「メリット」になるのかもしれません。


人間関係は大事。

いくら待遇が良くても、苦手な上司や同僚と長い時間一緒にいるのは実際かなり苦痛です。


が、一般職ではなく保育士は専門職。

事務的な仕事をする必要もありますが(お便りづくりなど)、お子さん相手のお仕事がメイン。


小学校や中学校、高校の卒業式でさえ号泣の嵐となるほど「別れ」というのは辛いのです。

でもそれが数年ごとに一度、しかも公務員保育士であり続ける限り永遠に繰り返される……


転勤を最大のデメリットとして挙げる公務員保育士さんは本当に多いです。

配属先がどこになるのかわからないことより、面倒を見てきたお子さまたちと離れることが切ない。


公務員かもしれませんが、皆さまお子さまが大好きで大切に思っている保育士さん。
さすがです。


また、転勤になる対象には「園長」も含まれます(園長も公務員だから)。


保育方針を打ち立てているのは自治体ですが、職場の管理方針を決めるのは園長。

園長の方針によっては、これまでと雰囲気が180度変わってしまうことも なくはないです。
(※ あまり極端な変化はないと思いますが、それなりの変化は覚悟です)


良く変化すれば万々歳なのですが、悪い方向に変更が行われることもあり得ます。

今まで通りがずっと続くわけではないのですね。


そして最後に、これはもう 根本的なデメリットなのですが、


    「働ける場所が減ってきている」
「公設民営化」です。


保育士の資格を取り、公務員保育士の採用試験にもパス。

採用候補者として登録後、欠員が出る等、保育園からの「保育士求む!」の要請によりやっと就職が決定。


私立保育園の保育士になることに比べ、すでにこの時点で相当な時間がかかっています。

難易度も高い。


ですが、この「保育士求む!」の要請を出す保育園の絶対数が減ってきているのですね。


公務員保育士を減らし、臨時職員で人件費削減を図らざるを得ないほどの財政難に陥っている自治体の次なる手が「民営化」。


新たに保育施設をつくりたくても、自治体にそこまでの余剰金はありません。

でも、待機児童の問題も何とかしなければならない。


そこで運営を民営化して、経費(公務員の人件費)削減と、効率的な育児サービスを図る。


運営を民間の企業や社会福祉法人に任せる公立保育園は急増しています。


公務員保育士への道は、今や 悶絶レベルの狭き門に。

しかも、その門自体の数がどんどんと減ってきている。


こうした事態において増え続けるのは「倍率」のみです。

それでも公務員保育士のメリットは強烈なので、皆その倍率に挑む。


    ( ̄▽ ̄)  どうだ! 見事合格なのだ!!
おめでとう、なのですが、


    ( 一一)  ……区役所の保健課に配属されたのだ……
ということも。


「公務員」として働きたいのであれば、これはこれでいいのかもしれませんが「保育園の先生」を目指していた方にとってはかなり複雑な気分……


一旦公務員保育士として採用されてしまえば、雇用が打ち切られることもなく手厚い待遇を受けることもできます。

ですが、そこに到達するまでが至難の業すぎ。


「絶対に保育園の先生として働きたい!」という方にとっては、公務員保育士はそれほど魅力ある職業ではないのかもしれません。




公務員保育士の「メリット・デメリット」をまとめる!

「公立保育園の保育士さん」という設定で書かせていただいてきましたが、人事異動(転勤・配属先の変更)のシステムや待遇面などについては、他の公立施設で働く場合もほぼ同じです。


ということで、最後にもう一度おさらいです。

公務員保育士の「メリット・デメリット」についてササっとまとめていってしまいましょう。


    メリット

  • 私立保育園の保育士さんに比べ年収が高い
  • 雇用体制が整えられているため働きやすい
  • 保育士の数も定められた人数が確保されるため、保育士不足になることはない
  • 保育士が足りないことが原因となる残業がない
  • 人数的・時間的な余裕から、お子さんとじっくり向き合っての保育ができる
  • 産休・育休制度の充実
  • 研修・指導等も充実
  • 福利厚生がほぼ完ぺき
  • 地方公務員としての安定性・待遇の良さは抜群  
  • 働きやすい環境により、長く勤め続けることができる

  • デメリット

  • 保育方針をつくるのはそのエリアを管轄している自治体であるため、園独自の保育ができない
  • 公務員保育士の採用試験に合格する必要がある(倍率20倍超えのことも)
  • 年齢制限等が設けられている
  • 採用試験に合格しても就職できるわけではなく「採用候補者名簿」にとりあえず登録されるだけ
  • 欠員が出るなど、施設側から求められない限り就職することができない
  • その期間は1年間。次年度への繰り越しはなし(再度採用試験を受けることに)
  • 働きやすい環境のため、そもそも欠員がほとんど出ない
  • 配属先を選ぶことができない
  • 3~6年サイクルで必ず転勤がある
  • 働ける場所が減ってきている  など

  • △非正規で働く「臨時職員」の方の割合が公務員保育士さんより多いことがほとんど



終わりに……

「保育士」にもいろいろあるのですね。

公務員保育士ではなく、公立の保育園の保育士さんとして働きたい場合には、臨時職員として勤務するほか、


    「民営化された公立保育園で働く」
という手もあります。

また、派遣会社に登録して要請のあった保育園に赴く保育士という働き方もあるのですね。


    保育園の先生になりたいのか。

    保育士の資格を活かした仕事に就きたいのか。
この違いによっても、ずいぶんと選択肢は変わってきそうです。


    ( ̄▽ ̄)  とにかく子どもが大好きなのだ!!
保育園に限らず、保育士はお子さまと関わりながら働ける貴重な仕事です。

公務員としての保育士を目指すにしても 目指さないにしても、大好きなお子さまとの時間が楽しいものでありますよう、ここからこっそり願っております。


長文に最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。
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雇用保険とは?『メリット・デメリット』をわかりやすく解説 https://torend7.net/16960.html https://torend7.net/16960.html#respond Tue, 31 Jul 2018 12:05:50 +0000 https://torend7.net/?p=16960 オレは絶対に失業しない。

だから「雇用保険」には加入しない!



……それはムリ……
そして色々な意味で、もったいないです……



仕事
さて、雇用保険です。


冒頭のセリフのように「雇用保険」=「失業した時のための保険制度」のように思われている方も多いかと思います。


それはそれでアタリなのですが、それプラスいくつかの優秀な役割を持っているのが「雇用保険」・真の姿。


また「加入することができる」ではなく、そのための条件を満たしたら「加入しなければならない」もの。

ご自分で加入する・しないを選択できるものでもありません。


平成28(2016)年の法改正により、加入条件も見直され、パートやアルバイトなどの皆さま等、さらに多くの方が加入対象となりました。


    「アルバイトなのに、辞めたら失業保険が貰えるのはラッキーだ!」

はい。ラッキーです。
加入にはメリットがいっぱい。


── なのですが、そのほかの制度もチョコチョコと変化しているため、下手をすると「全然ラッキーじゃない」ことになってしまう可能性も出てきているのです。


    雇用保険って、失業手当がもらえる以外に何かいいことあるの?

    加入のための条件は?

    加入したくない場合はどうすればいい?

    雇用保険に入ったら夫の扶養から外されちゃうの?

    加入前より手取りが減っちゃうって本当?

    失業しない自信があるんだが……

等々含めまして、雇用保険の「メリット・デメリット」を紹介いたします。
皆さまの「雇用保険」に対するモヤモヤが少しでも薄まりましたら幸いです。

「雇用保険」ってどんな制度?

「雇用保険」とは働いている方たちの安定した生活と雇用を守るための制度のこと。


結構色々なことをしてくれます。


最もよく知られているのが、先ほどから出てきている「失業時に給付金が支給される」ですね。


これが「基本手当」。
いわゆる失業保険です。


    (*´з`)  これはありがたいのだ。しばらくそのお金でのんびりするのだ!
ダメです!
のんびりする用のお金ではなく、再就職活動中の生活を安定させるための給付金。


仕事を辞めれば給料がもらえません。

でも、再就職に向け活動をしなければならない。


そこで、一定期間失業保険(基本手当)を支給し、


  • 失業時の生活を支援
  • お金の心配をせずに就職活動に専念
つまり「仕事を探していること」が前提。


ですので、


  • 積極的な就職への意思があること
  • 健康面や働くための環境など、いつでも仕事に就くことができる状態であること

    → にもかかわらず働き口が見つかっていないこと

が条件となります。

「なし」とみなされた場合には失業保険は支給されません。


    (-_-;)  ……やる気アピールをするのか……自分を表現するのは苦手なのだ……
そういうことはしなくていいです。

まずはハローワークに求職の申し込みに行ってください。

希望する就職先の条件やこれまでの経験など必要事項を記入し、辞めた会社からもらっている「雇用保険被保険者離職票」とともに窓口に提出。

離職の理由などを聞かれ、書類が受理されれば失業保険の受給資格は一旦手に入ります。


ですが、これですべてが済んだわけではなく、4週間ごとに繰り返される、


    「失業が認定されるか否かが決定する日(失業認定日)」
の間に就職活動をしていた実績が認められないと給付を受けることはできないのです。


そして、この「求職活動実績」を作るのが若干面倒。


ハローワークのパソコンで求人検索をしているだけではダメ。

その後に相談窓口で相談サービスを受けたり、実際に履歴書を送付、または面接を受けるなどの必要が出てきます。

自宅のパソコンで求人サイトを覗く、就職情報誌を見ている、などだけでは「意思なし」となってしまうのですね。


こうした実績作りを4週間に一度の「失業認定日」に合わせ数回ずつ行わなければならないのは、ちょっと……かなり面倒です。でもしょうがない。


各ハローワークごとにその基準が微妙に違うこともありますので、そちらについても一度ご確認ください。


さてさて、先ほども書きました通り雇用保険とは「働いている方たちの安定した生活と雇用を守るための制度」です。

失業した際に助けてくれるだけでなく、そのほかにもいくつかの給付制度が備えられています。


上記の失業時の給付金が「求職者給付」。


それ以外にも、


      ① 就職促進給付
      ② 教育訓練給付
      ③ 雇用継続給付
      ④ 育児休業給付
      ⑤ 介護休業給付

を受けることができます。

非常に頼りになる制度なので、ごく簡単にそれぞれ見ていってみましょう。




「雇用保険」の様々なメリット

いずれの場合も「受給資格」のあることが条件。

まずは前述の「求職者給付」。

「雇用保険」に加入していることは絶対の前提なのですが、自己都合で離職した場合には、


    「会社を辞めた日までの2年間で通算12か月以上雇用保険の被保険者(※ 雇用保険に加入し保険料を支払っていた)であったこと」
倒産や会社の都合による解雇、またはケガや病気等、やむを得ない理由での離職の場合では、


    「1年間で通算6か月以上の被保険者期間」
が必要となります。


基本手当がどのくらいの期間支払われるかは、会社都合退社の場合、

  • 年齢
  • 被保険者期間
によって変わってきます。

最も長い期間受け取れるのは「45歳以上60歳未満」の方が20年以上の厚生年金保険料を支払い続けてきた場合。

330日間です。


自己都合退社では「年齢」は問われず被保険者期間のみでその期間が決まり、同じく最長となるのは20年以上の被保険者期間を持っている方。

ただし期間は半分以下の150日に短縮されています。


 ■ 就職促進給付

就職活動の甲斐あって、見事再就職を果たし場合に数種類の「就職促進手当」が給付される制度です。


    「再就職手当」
再就職が決まれば、基本手当の給付はストップ。


    (;´Д`)  貰えるものは最後までキッチリいただきたいのだ。もったいないから、貰えるものを貰い終わってから再就職するのだ
── ということのないよう、1年以上の雇用期間が見込まれる安定した再就職先が決まった際に支給されるのが「再就職手当」です。


上記の通り、基本手当を受給できる期間は離職理由や被保険者期間によっても様々。


再就職手当の受給には、決められた給付期間が3分の1以上残っている場合、というのが追加の条件となります。


例えば給付日数が150日なら受給資格取得後100日以内に再就職先が決まった場合ですね。

50日以上日数が残っていなければ給付はされません。


給付はストップとなりますが、その代わりに、残っている日数分(上記の例であれば50日以上)の60%から70%が支給されることになるのです。


金額的に減ることは減るのですが、就職先も決まったことですし、貰えるだけラッキー。

50日(3分の1)を切ってから就職先が決まった場合を考えますと、もう少しラッキー度も上がります。


ただし、ここにも条件が一つ。


    「新しい職場でも雇用保険に加入すること」
です。


従業員を一人でも雇っている事業所は、企業・個人に関わらず「雇用保険の適用事業所」とされます。

業種や規模なども関係なし。


労働者側から「加入したい」という希望があれば加入可能、となっているのは個人で行っている従業員数5名以下の農林・畜産・養蚕・水産業のみです。


それ以外、つまりほとんどの事業所では条件を満たしている従業員について、その加入手続きを行う義務があるのです。

従業員が「加入したくない」と言ってもダメ。

強制加入となっています。


その「満たすべき条件」というのがこちら。


      ① 31日以上、継続して雇用する見込みがあること
      ② 一週間に20時間以上の労働時間があること
      (※ 雇用契約などで、あらかじめ取り交わされている労働時間が対象。イレギュラーな残業や休日出勤は含まれません)
      ③学生ではないこと
      (※ 卒業見込みがある・定時制に通っている等の場合を除く)

これらのすべてに当てはまることです。

正規社員の方は当然当てはまります。

そして上記の通り農林水産業等ではないほとんどの事業所が適用事業所となっているため、


    「新しい職場でも雇用保険に加入すること」
ここもクリア。
問題なしです。


ですが、問題はパート等、フルタイムではない働き方の場合。

この条件を満たさないと「雇用保険の被保険者」になることができません。


これまで働いていた勤め先で雇用保険に加入していたとしても、次の職場では勤務時間が週20時間以下。

または31日以下の雇用契約などの場合は「再就職手当」を受給することができなくなってしまうのですね。

その後シフト等の変更により、加入できるようになった際には 以前の加入期間を合算できる場合もありますので、新しい職場やハローワークで確認してみてください。


そしてさらに、


    「就職促進定着手当」
再就職手当も貰い、新しい職場での仕事にもだんだんと慣れ始めてきたころにもしかしたら給付されるかもしれないのがこちら。


受給できる条件は、


  • 「再就職手当」の支給を受け、その新しい職場に6か月以上「雇用保険の被保険者として」雇用されていること
  • 新しい職場での6か月分の賃金が(日額換算で)、前の職場での賃金日額を下回っていること

簡単に要約してしまいますと、


    「給付日数を3分の1以上残した状態で再就職をし、

    新しい職場でも雇用保険に加入しつつ半年間働いてはいるが、

    前の仕事に比べ給料が(日額換算で)減った」
こうした際に給付が行われる制度です。
(※ 上限は残っていた給付日数の40%)


また、

    「就業手当」
こちらは、


  • 「1年以上の雇用期間が見込まれる安定した再就職先」ではない、臨時的な就労の場合
  • 決められた給付日数が3分の1以上、かつ45日以上残った段階での再就職であること
  • 再就職手当に該当しないこと

これらを満たすと支給される制度。


「再就職手当」と似ているように思えるかもしれませんが、かなり違うのです。

そして非常にややこしい。


「臨時的な就労」の基準は、


  • 7日間以上の契約期間
  • 週20時間以上の労働
  • 1週間に4日以上働くこと
といったもの。

再就職というより、短期契約のバイトといった感じですね。


この間に支払われるのは、

    「基本手当」× 30%
これが、就業手当単価となります。

実際には働いた分の給料もプラスになるわけですので、例えば「基本手当5000円」「仕事の日当10,000円」だった場合、


    「10,000円」+「5000円 × 30% = 1500円」=11,500円
ですが、仕事がお休みの日はバイト代は入りませんので就労手当「1,500円」だけとなってしまうのです。


    (*´▽`*)  仕事がお休みでも失業保険でお小遣い的なお金が貰えたのだ。いいではないか!
本来なら仕事のない日の収入はゼロ。

でも、就業手当があれば1,500円は貰える。


良いといえば良いのですが、申請せず手当をもらわなかった場合には、

    「その日の分の基本手当は支給されないが、基本手当(上記の例なら5,000円)の受給日数も減らない(受給日が先送りされる)」
ついでに言えば上限もあり。

さらに言ってしまえば、この期間中も失業保険を貰える受給日数のうち。

30%ですが、給付を受けていることになりますので、受給日数を食いつぶしていくことになるのです。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン  お小遣い的なヤツ、いらないのだ……貰うのは遅くなっていいから、たくさん長い期間いただき続けたいのだ……
ハローワークでは原則対象者は全員申請、としていますが就業手当の申請は自由。


ただし月に14日以上働いた場合には、たいてい「働いている」とみなされ、基本手当の受給資格がストップされてしまいます。

また、失業保険が受け取れるのは離職した日から1年間です。

「先送り」を繰り返している間に1年間が過ぎてしまった場合には就業手当どころか基本手当も受け取れなくなってしまうことに。

ここは少し注意が必要です。


「再就職手当」とわざとかと思うくらい似ているので(名称と条件等は)くれぐれもお間違いのないようお気を付けください。


続いて、

    「常用就職支度手当」

こちらは社会的な事情や障害などにより、就職が困難な方の就職を促進するための制度です。

基本手当の受給資格があることが条件となりますが、一定の要件を満たすと上記支度金が支給されます。


就職促進給付の最後は、

    「移転費」
こちらも簡単。
全然ややこしくありません。


ハローワーク等の紹介により再就職した勤め先が、引っ越しをしなければならないレベルで遠かった場合に支給される交通費や移転のための費用です。

また、就職活動のために出向く先が遠く、日帰りで帰れない、もしくは交通費がかかるといった場合にも「宿泊費」「交通費」の支給を受けることができます。
(※ 規定に沿った額)


平成29年には「雇用保険法等の一部」が改正されました。

それ以前には移転費の支給対象は「ハローワークからの紹介」による就職先に限られていましたが、現在は「ハローワークとの連携に適している職業紹介業者も含む」とされています。


太っ腹。
面倒見もいいのです。



──「就業手当」は若干微妙な部分もありますが、就職促進給付は、何らかの事情により離職した方の生活を支援し、一日でも早い再就職を応援してくれる制度となっています。




 ■ 教育訓練給付

雇用保険の加入者(働いている人)、または離職等により被保険者ではなくなったものの、その期間がまだ1年以内の方が対象。


こちらは名称通りです。

厚生労働大臣指定の教育訓練を受講した場合、

    「その費用の50%(平成28年までは40%)」+「資格取得により20%」= 70%
に当たる「教育訓練支援給付金」が支給されます。

(※ 専門性の高い「専門実践教育訓練」の場合。
「一般教育訓練」の場合には「20% + 20% = 40%」。
ちょっと少ないです)


さらに、45歳未満の方のに対しては、

    「受講期間中の基本手当の80%相当額を上記支援給付金として支給」
    (※ h28年までは50%でした)
がプラス。

平成34年までの延長が決定しています。


教育訓練給付金制度を利用できる専門学校等はたくさんあります。
(※ これが「厚生大臣指定の教育訓練の受講」に当たります)


国からその費用の一部を負担してもらいつつ、資格も取れる。

一般教育訓練給付金は若干給付額は低くなりますが、厚生年金に加入していなければ、全額自己負担です。


そう考えると、かなりいい。

ただしどちらにも上限・下限があり、「専門実践教育訓練」では「年間4千円~40万円」。

「一般教育訓練」では「年間4千円~10万円」となっています。


……そうだとしても、良い制度です。


 ■ 雇用継続給付

妊婦さん
こちらもいくつかあり、
  • 再就職などで賃金が減った場合
  • 育児や介護などで仕事を一時的に休まなければならなくなった場合
それぞれに給付金が支給されます。

    「高年齢雇用継続給付」
対象となるのは60歳以上65歳未満の方。

雇用保険に加入していた期間が5年以上あることが条件となります。


60歳以降の賃金が60歳の時に受け取っていた金額の75%未満になった場合に支給される給付金です。


60歳になってもそのまま同企業等で働き続ける場合には、

    「高年齢雇用基本継続給付金」
60歳以降に再就職し、新しい職場で働く場合には、
(※ 基本手当を一部受け取ってからの再就職、という違いがあります)

    「高年齢再就職給付金」
60歳以降になると、賃金は30~70%に減ってしまう、というのが一般的なのです。

ですが、厚生年金が支給されるのは65歳から。

ということで、こちらの制度です。


    「育児休業給付」
保育所不足も深刻です。

原則1歳までのお子さまを養育するための休業時に支給される給付金制度だったのですが、6か月延長。

それでも保育所が見つからないなどの状況であれば、プラス6か月の延長。

2歳までは育児休業が取れるよう、改正されました。

給付金の支給もその期間中続きます。


    (。-`ω-)  だが私の奥さんは言い出しにくい職場の雰囲気にのまれ、結局「妊娠退社」をしたのだ……
まさかの既婚者……しかもお子さんまで……


    ( ̄▽ ̄)  という白昼夢を今見ていたのだ!
寝ない!!


ですがこうした制度があっても実際に言い出せないことは多いのです。

そこで政府は、事業主に対し、

    「従業員が妊娠・出産した場合にはこうした制度を利用できることをちゃんと教えるように」

    「本人だけでなく、その配偶者(夫)にも伝えるように」
さらには、

    「男性の育児参加を促進したい! 小学校に入る前の小さな子どもがいる従業員(特に男性)が育児のために使える休暇を積極的に作るべし!」
と休暇制度の設置に努めることを義務付けています。

「作ること」を義務付けているのではなく「作るように努めること」への義務付けですが、すごいですね(語彙力のない感想ですみません)。

    「介護休業給付」
これも基本的には「育児休業給付」と同じです。

介護のために休む場合にも、

    最長93日(3か月)、給与額の67%(3分の2)
の給付金が支給されます。
(※ こちらは平成28年に「給与の40% → 67%」にアップ)


また育児休業の時と同様に、介護が必要なご家族がいることを知った場合、事業主には介護休業についての制度を利用できることを伝えるよう規定されています。




■ 給付のために必要な期間は?

いずれの制度も利用する・しないでは大違いです。

まずは「雇用保険」に加入していること。

そして、


    求職者給付

  • 自己都合退職の場合: 会社を辞めた日までの2年間で通算12か月以上雇用保険の被保険者(※ 雇用保険に加入し保険料を支払っていた)であったこと
  • 会社都合退社の場合: 1年間で通算6か月以上の被保険者期間

  • 教育訓練給付

  • 加入期間が3年以上(現在も加入中)
  • 被保険者資格を喪失した日から1年以内(離職した方)

  • 高年齢雇用継続給付

  • 被保険者期間が5年以上ある60歳以上の方

  • 育児休業給付

  • 開始日以前の2年間に被保険者期間が12か月以上あること

  • 介護休業給付

  • 開始日以前の2年間に被保険者期間が12か月以上あること

といった要件を満たせば給付を受けることができるようになります。


求職者給付の基本手当の給付期間につきましては、「年齢」「被保険者期間」「離職理由」などにより細かく分かれています。


また、ほとんどの事業所が雇用保険の適用事業者となってはいるのですが、年齢や働き方によっても加入条件は若干異なってきます。


こちらについても簡単に見ていきましょう。




加入・受給のための条件はこちら

      ① 一般被保険者
      ② 高年齢継続被保険者
      ③ 日雇い労働被保険者
      ④ 短期雇用特例被保険者

    「一般被保険者」
フルタイムで働く正規社員の方はもちろん、パートやアルバイト、派遣社員の方も一定の条件を満たせば「一般被保険者」となります。

その条件が先ほどの、

      ① 31日以上、継続して雇用する見込みがあること
      ② 一週間に20時間以上の労働時間があること

      (※ 雇用契約などで、あらかじめ取り交わされている労働時間が対象。イレギュラーな残業や休日出勤は含まれません)
      ③学生ではないこと
      (※ 卒業見込みがある・定時制に通っている等の場合を除く)
ですね。

これらすべてを満たし、なおかつ給付金を受け取るための被保険者期間があれば一般社員と同じように制度を利用することができます。


パートタイムで働いていても、例えば「開始日以前の2年間に被保険者期間が12か月以上あること」をクリアしていたら育児休業給付金の受給も可能。

もちろん離職時にも失業保険(基本手当)は支給されます。


上記「①~③」の条件を満たした場合、イヤでも強制的に加入なのですが、ここまでの話では「イヤ」な理由はあまり見当たらないのです。


    「高年齢継続被保険者」
一般被保険者だった方は65歳に達すると「高齢継続被保険者」となります。


失業時に支給されるのが「高年齢求職者給付」。


平成29年の改正前までは「雇用保険」に加入できるのは65歳までの人でした。

それ以前も高年齢継続被保険者の適用はあったのですが、


    「65歳になる前から同じ雇用主のもとで働いていた人が65歳に達した場合」
のみ該当、とされていました。

改正後は「再就職」で雇用した方も対象。

どのケースでも65歳以上の方も高年齢継続被保険者として、受給には離職前の1年間の被保険者期間が、

  • 半年以上1年未満: 30日分
  • 1年以上: 50日分
であることが条件。

一時金として給付金を受け取ることができます。


    「日雇労働被保険者」
こちらに該当するのは、

  • 雇用契約期間が30日以内の方
  • 雇用期間を設けずに、1日単位で仕事をする方
  • 雇用保険の適用事業所に雇用されている方
失業した際に支給されるのが「日雇労働求職者給付金」です。

受給には「日雇労働被保険者手帳」に貼付された「雇用保険印紙」が、

  • 離職前2か月間で通算26日分あること
が条件となります。

    「短期雇用特例被保険者」
2つのパターンがあります。


1つ目は、
  • 雇用期間が1か月以上4か月以上であること
  • 1週間に30時間以上の労働時間があること
    (※ 雇用契約などであらかじめ決められている時間)
「季節的労働者」と呼ばれます。

季節によって必要とされる、例えば、


    「雪が降る季節ではないと仕事にならないスキー場での仕事」

    「海開きが行われる夏のみ仕事になる海水浴場での仕事」

    「本来の仕事(農業など)がない時期に他の仕事に就く」
などですね。


もう一つは、

  • 今までもこれからも1年未満の雇用契約を繰り返す予定であること
「短期雇用の常態」のケース。


どちらもかなり不安定なのです。

ですので、失業した際には、

  • 離職前の1年間で通算6か月以上の被保険者期間
の条件クリアで「特例一時金」として基本手当30日分の給付を受けることができるようになっています。


    ( ̄▽ ̄)  なんだか色々もらえてリッチになった気分なのだ
気のせいです。


また、これらもすべて「失業保険」。

単に離職したから貰えるもの、ではなく、次の仕事を探している状況を支援するための給付金・一時金です。

「リッチになった気分だ~」などと言っていると受給自体がストップされることもありますのでご注意ください。


    (;´Д`)  はい……



デメリットは?

細かいことを言い出したらそれなりにあるのかもしれませんが、全体的にデメリットは「ほぼない」です。


給料から保険料は天引きされますが、保険料率は平成31年度まで0.6%。

しかも事業主と労働者との折半となりますので、実際に支払うのは「0.3%」。


消費税が10%になろうかという時代に0.3%です(あまり関係ないですが。でも低い)。

0.3%というのはしつこいですが1000分の3。


例えばパートなどで月に8万円稼いだとしたら240円持っていかれるだけ。

それで、失業時だけでなく育児や介護、ついでに資格取得の面倒まで見てくれるというのはすごい。


上記のこと以外にも29年の改正では色々な面が見直され、さらに手厚い制度となりました。


── 制度の見直しにより改良せざるを得ないほど、就職事情等が悪くなっている、ということでもあるのですが……


ただし、一つだけ注意しなければならないポイントはあります。


正規社員の方ではなく、パートやアルバイトなど、条件付きで「一般被保険者」になる方たちの場合です。


問題は「雇用保険法等」だけではなく、「社会保険加入条件」「配偶者控除について」なども見直されていること。

ちょっとだけ厄介です。


こちらについても見ていってみましょう。




気をつけるべきポイント

まずは「配偶者控除枠の拡大」について。


    「夫の所得税を減らすにはパートの年収を103万円までに収める」
103万円を超えてしまうと配偶者控除が受けられないことになっていました。


これが2017年までのいわゆる「103万の壁」。


2018年からは配偶者控除枠が拡大。

「150万円」までは「配偶者特別控除」とされ、これまでの「配偶者控除」と同じ額の控除を受けることができるようになったのです。

(※ 便宜上「夫」が普通に働き「妻」がパートという設定)


    (。´・ω・)?  良かったではないか。何が問題なのだ?
夫の給与収入によっては控除額が減額、一定以上の場合には1円も控除してくれなくなったのです。

  • 満額控除: 夫の年収が1120万円まで
  • 一切の控除なし: 夫の年収が1220万円を超えた場合
妻が200万円稼ごうと、90万円稼ごうと、関係なく1120万円(夫の給与年収)を超えた時点で徐々に控除額が減っていき、1220万円に到達した時点でゼロです。

というよりも、今まで受けていた控除分がプラス。


    (=゚ω゚)ノ  おーい。「150万の壁」はどこ行ったのだ~
ちゃんとあるのですが、もう全然関係なくなってしまう方も出てくるのです。


では、1120万円以下の年収(夫)であれば150万円の控除枠内ギリギリまで稼いでいいのかというと(良いのですが)、これもまた損をしてしまうケースが出てくるのですね。


今度は夫の社会保険の扶養から外れてしまう「130万の壁」です。


扶養から外れるわけですので、社会保険、つまり「健康保険」や「年金」などの保険料を妻本人が負担することになります。

結構な金額。2つ併せて年間20万円ほどが引かれてしまいます。


    131万円稼いだ方の手取りは「マイナス20」で111万円。
    120万円なら「マイナス0」で120万円。
おかしなことになってしまうため、上記の「103万円(今では関係なくなりましたが)」と合わせ、130万円も一つの目安となっていたのです。


そしてもう一つ。

「社会保険加入義務」です。


平成28年には従来対象外だった短時間労働者(パートやアルバイト)などにも、条件を満たせば社会保険への加入義務が生じるようになりました。


      ① 勤務時間・勤務日数が正社員の4分の3以上であること

まずはこれ。

正社員・一般社員、またはほぼ社員さんと変わらない条件で勤務している場合には加入義務が生じます。


ですがこの要件を満たさなくても、


      ② 以下の要件を満たしていること
  • 勤務期間が1年以上、またはその見込みがある場合
  • 雇用契約などであらかじめ決められている労働時間が週20時間以上であること
  • 年収106万円以上(月額賃金が8,8万円以上)
  • 学生でないこと
  • 従業員数501名以上の事業所(雇用側・労働者側、互いの合意があれば501名以下でも加入は可能)

これらすべてに該当していれば強制加入です。


しかも2019年10月からは「500名以下」であっても加入対象。


    (。-`ω-)  無念……「501名の壁」案外あっさり破られる、なのだ……
ゴチャゴチャしてきてしまいましたが、


    ◎厚生年金の加入条件(パートなどの場合): 週20時間以上の労働時間と31日以上の雇用期間(の見込み)

    → その年収が106万円を超えると、場合によっては「社会保険」の加入対象になることもある


    ◎配偶者特別控除枠: 103万円から150万円に拡大

    → でも130万円を超えると「夫の社会保険の扶養枠」から外れる
    →「社会保険料」を本人負担で支払うことに


    ◎厚生年金に加入したくない場合(天引きがあるため): 労働時間と雇用期間に気をつける

    → 加入対象にならなくても「年収」によっては社会保険料を負担することに
    → 雇用保険のメリットが受け取れず、社会保険料の負担のみ増える
    → ただし社会保険に加入したことによるメリットは受け取れる


    ◎どうしても年収が130万円を超える場合には: 諸々の保険料を差し引かれても世帯収入が上がるまで年収(妻)を増やす

    → その目安は「170万円以上」と言われています

このような感じですね。


今回は「雇用保険」にスポットを当てた内容のため「社会保険」のメリットやデメリットについては割愛させていただきますが、加入は決して損ばかりではありません。

手取りが減る、というのは痛いですが、加入すべきメリットもたくさんあるのです。




雇用保険の「メリット・デメリット」のまとめ

お疲れ様です。

最後にもう一度サクーっとおさらいです。

雇用保険のメリット・デメリットをまとめていってしまいましょう。


    メリット(条件を満たしていることが前提)

  • 失業した時に基本手当(失業保険)の給付を受けることができる
  • 再就職が決まった際にも条件によりいくつかの給付が受けられる
  • 取りたい資格なども制度を利用すれば、国から一定額の費用を援助してもらえる
  • 育児や介護による休業の際にも給付金が受け取れる
  • 高齢になり(60~65歳)賃金が以前よりも減った場合にも給付金でフォローしてもらえる
  • 就職活動などで遠方に出向く、もしくは紹介された職場に再就職するための転居の際にも交通費・宿泊費・移転のための費用などが支給される

  • 正規社員に限らず、パートやアルバイト、日雇で働く、1年未満の雇用契約で働く方等が失業した場合にも「給付金」や「一時金」が支払われ、その後の再就職の支援をしてくれる
  • 改正前までは雇用保険加入の適用外だった65歳以上の働く方も適用範囲内に


  • デメリット

  • 再就職の意思・能力がないとみなされれば受給はナシ
  • そのための「求職活動実績」を作ることが若干面倒くさい
  • 給料から雇用保険料が天引きされるため手取りは減る

  • 「配偶者控除枠」「扶養枠」などとの兼ね合いによっては手取りがさらに減る可能性もある



終わりに……

    「絶対に失業しない自信があるのだが……」
その自信がどこから来るのかは不明ですが、失業しなくても何かと役立ってくれるのが雇用保険。


正規社員の皆さまは問答無用で強制加入ですので「イヤだ」といってもどうにもならないのですが、パートやアルバイトの方などは「条件をクリアしない」ということで加入対象にならずに済むことはできます。


配偶者控除枠・扶養枠とは関係なく雇用保険の加入条件に当てはまった場合には強制加入。


が、雇用保険に加入しているからといって、すべての方が「配偶者控除枠」「扶養枠」から外れてしまうわけではありません。

これらは全く別物の基準が設けられているもの。


    ( 一一)  ……うちの奥さんなんか、ややこしすぎて熱を出したのだ……
大丈夫ですよ。
熱を出した奥さんは幻です。


……ですが、本当にややこしいのです。



── さてさて、今回も長々と書いてしまいました。


勤め先、またはハローワークによっても細かい部分に違いが出てくることもしばしばですので、実際に「いざ受給資格取得!」となった際には、諸々しっかりとご確認ください。


転ばぬ先の雇用保険。


少しでも皆さまの「雇用保険スッキリ度」が上がっていればうれしいです。

最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。
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中学受験の『メリット・デメリット』をわかりやすく解説してみた https://torend7.net/15456.html https://torend7.net/15456.html#respond Wed, 25 Jul 2018 15:51:32 +0000 https://torend7.net/?p=15456 「小学校 → 中学校 → 高校 → 大学」


「→」のどこかの時点で、必ず経験しなければならない「受験」を小学生の早い時期に乗り切ってしまおう、というのが「中学受験」。

小学生
1999年からは公立でも「中高一貫校」が誕生し、中学受験も以前よりは身近な存在になりました。


東京では4人に1人が中学を受験しているそうですが……4人のうち3人は「中高一貫」ではない普通の公立中学に通っているのですね。
 
そして中学時代に受験勉強をして「高校入試」に挑む。

大学に進学するには、さらに「大学入試」を受けることになります。


推薦入学などは別として、通常「中学 → 高校 → 大学」への受験を避けることはできません。

ですが中学入試だけは「避けて通れる」ものなのです。

    それでもあえて受験するのはなぜか?
小学生といえば、


    「へ? 仕事? 遊ぶことだけど?」
のセリフが違和感なく十分通用してしまう年齢。

本来の仕事時間が減ってしまうのが、もうどうしようもないくらいのデメリットのような気もします。


── ですが「そういうことなら、ちょっと頑張ってみようかな」と思わせるほどのメリットも実際には存在しているのです。


中学受験は本当なら「しなくてもいいもの」。


もちろん「してもいい」なのですが、メリットを受け取るには「デメリット・リスク」を回避できることが最低条件。


まずは「どのような良い面があり、どのようなことに注意すればいいのか」だけは押さえておいてしまいましょう。


中学受験の「メリット・デメリット」について紹介いたします。

それぞれのお子さまが楽しく豊かな学校生活が送れますよう、少しでもそのお手伝いとなれましたら幸いです。

なぜ中学受験をしたいのか

    「高校受験をしなくて済むから」

    「大学進学に有利だから」
多くの方が挙げる理由がこちら。


小学生のお子さまが受験するのは、


  • 私立中学校
  • 私立中高一貫校
  • 公立中高一貫校
  • 国立大附属中学校

のいずれかです。


高校進学時にもう一度受験を経験することにはなりますが、


    ── 地元の中学校が荒れているので、中学時代は「私立」で過ごしてほしいが、高校になったら公立校に通ってほしい

    ── その学校の掲げる教育理念に共感
    (※ 学校ごとの独自の理念に基づいた教育を行えることが私立校の特徴でもあります)
などなどの理由から、地元の公立中学校ではなく、あえて私立中学校を選択することも可能です。


また「国立大附属中学」というのも、少しだけ特殊。


名称に「附属」とありますので、そのままエスカレーター式に大学まで進学できそうなのですが……できません。


内部進学率は極めて低いです。

そもそも併設高校がない「附属校」も多く、その場合には、他の高校を普通に受験。


仮に高校が併設されていたとしても、内申点や試験の結果によっては進学できない場合もありです。


また、附属大学への内部進学枠のある学校はほとんどありません。

附属の大学に入学するには一般入試を受け、合格しないとならないのですね。


そこで「私立・公立中高一貫校」。


こちらの2つは上記の「大学進学に有利」「高校受験がない」どちらもクリアです。


特に私立の場合には大学が併設されていることも多い。

推薦入学制度を利用すれば、国立附属とは違い、そのまま大学に進学することができます。


つまり小学生のうちに頑張って受験を乗り切り 合格してしまえば、もう二度と受験の必要はなし。


    ( ̄▽ ̄)  決めた。中学受験をするのだ!
待てっ!
早すぎです。


ですが、これは本当に大きなメリット。


    ? でも、どうしてわざわざ「中学受験」なのだ? 「高校受験」で「附属高校」を受ければいいではないか。

    そうすれば小学校時代にはみんなと一緒にたくさん遊べるのだぞ                     
                            (。´・ω・)?
あ、ちょっとだけ思慮深いタイプの「顔」が現れた……


もちろんそれもあり。

附属高校に進学できれば(私立)、同様に大学への推薦入学制度を利用することはできます。


ですが、募集人数や偏差値、入試問題の難易度の面からも、高校受験は中学受験に比べ、圧倒的に不利。

中学受験ではパスできた高校も、高校受験では学力レベルが達せず不合格となる可能性が非常に高くなるのです。


とはいうものの、多くの私立中高一貫校の倍率は3倍以上。

人気のある難関校では10倍以上。


決して簡単に合格できるものではありません。


公立の一貫校の人気も上昇中。

公立ですので、中学までの授業料はタダです。


高校卒業までの6年間で考えますと、私立とは比べ物にならないくらいに学費は抑えられます。

だから倍率も高い。

人気校であれば私立の場合と変わらず倍率10倍もザラなのです。


つまり倍率3倍なら受かるのは3人に一人。

10倍なら10人に1人。


相当頑張らなければ、この壁は突破できません。


    (;゚Д゚)  ……公立中学でもいいような気が 猛烈にしてきたのだ
ここは考え方次第。

クラスメイトが遊んでいる時に塾に通い、必死に勉強しても受かるとは限らない。


ですが、前述の「高校受験がない」「大学進学に有利」以外にも、中高一貫校にはメリットがたくさんあるのですね。
(だから倍率が……になるのですが)


まずはメリットを確認しておきましょう。




中高一貫校で得られるメリットとは?

  • 個々の学力にバラつきが少ないため、授業スピードが速い
  • 学校独自の様々なカリキュラムがある
  • 大学受験への準備期間が多くとれる
  • 部活にも6年間集中できる
  • 友だちとも6年間一緒
  • いじめなど、学校内でのトラブルが少ない傾向にある
  • 受験を経験した「やり遂げた感」により、自分に自信がつくことも
  • 同じく受験勉強により、学力・思考力等は確実につく

初めの3つのメリットからもわかります通り、中高一貫校のメリットの多くは、やはり「大学進学」に関するもの。

大学が併設されていない一貫校、もしくは併設された大学以外に行く場合でも、その進学率は高いです。


中高一貫ではない公立中学で過ごす期間は3年間。

高校受験を経て、それぞれの学力に見合う高校へと進学していきます。


一方、一貫校の場合には「中学・高校」を合わせた6年間を一括りとして、学習のカリキュラム等が作られることになります。


公立中学との違いはこんな感じ。


  • 公立中学:「中学3年間で、中学生の学ぶべきことを学ぶ」
  • 一貫校:「中・高で分けるのではなく6年間を一括りとしているため、中学で学ぶべきことを学び終えたら高校生での学習に進むことができる」

そして、こうしたことが可能になるのは、


    「個々の学力にバラつきが少ない」「授業スピードが速い」
みな同じく中学受験を通過してきているからです。


特に私立の場合は、公立一貫校に比べ受験勉強は過酷。

小学校では絶対に習わないような高度なレベルの知識を身につける必要があります。


平均的な学力レベルも高い。


授業のスピードが速くても、問題なく付いてくることができるため、どんどんと進めていくことができます。


中学2,3年生ですでに高校の知識を学び始め、高校2年生、遅くとも高3の初めには高校生として学ぶべきこことはすべて完了。


    ( ̄▽ ̄)  ご褒美タイムなのだ! 高3の1年間は長い長い夏休みなのだ!
── ではなく、大学受験の準備期間です。

残りの1年間では、受験対策など、本格的に大学入試を見据えた授業が行われていきます。


公立一貫校でも、授業の前倒しといいますか、上記のようなスピードある授業を取り入れているところも増えてきました。


が、ここでも私立一貫校の方が強い。

授業時間数が公立に比べ多いからです。
(※ 私立なので指導要領に沿ったカリキュラムを組む必要がありません)


    ( ..)φメモメモ  大学進学に有利なのは「私立中高一貫校」の方なのだ
    有利かもしれないが、授業時間数がたくさんあるのだぞ
    いっぱい勉強しなきゃダメなのだ        
                           (@_@)
    (*´Д`)  あ……

── 早めに終わらせたからこそ、準備の時間がたっぷりとれたと、どうして考えられないのでしょうか……


公立中学に入学した場合を考えてみましょう。


公立中学では、中学3年間を通して、ゆっくりと学習が進められていきます。

一貫校のように「大学受験」を早くから見据えた学習ではなく、基礎力をしっかりつけるための学習。


これは非常に良いことなのです。

受験のための勉強ではなく、社会に出た際に役立つ知識をじっくりと身につけていくことができるからです。


ただし、公立高校を志望する場合、入試は5教科。

全ての教科への理解が大事になってきます。


また私立は英数国の3教科ですが、こちらは学校で教わった範囲を超えた出題もありです。

これらの受験勉強は、学校だけでは追いかないことも多い。


    「中学生としての3年間で、中学生の学ぶべきことを学ぶ」
先ほどのこれ。

余っている時間がないのです。


そのため学校の勉強とは別に受験のための勉強もしなければなりません。

自力か塾か。


大変なのです。

部活も2年生くらいでやめる必要が出てきます。


ですが、この時期一貫校の生徒さんたちは、


  • 受験がないので、部活を続行
  • 受験のためにやりたいことを我慢する必要もなし
  • 海外にある姉妹校にホームステイ
  • 受験に関係のない研究発表などを行う  などなど

下2つは学校によりそれぞれ異なりますが「受験勉強」という一種独特の勉強に縛られることなく、様々なものを学ぶための時間とすることができるのです。


高校受験を境に友だちと学校が別々になってしまうということもありません。

中高一貫校で「一生の友だち」ができたという方も多くいます。


さらに、もしかしたら受験をするお子さまご本人より保護者の方の方が心配しているかもしれない「学校でのトラブル」なども非常に少ない。


特に私立一貫校は「入学したい」と思うお子さまが少なければ、最悪廃校もありえます。

トラブルなどで評判を落としている場合ではないのです。


ですので、いじめを含め学校側の対応も早い。

生徒の面倒見も良く、保護者の意見等を取り入れてくれる学校が多いという傾向にもあります。

(※ 私立の場合、問題を起こした生徒に対し、学校側の判断で停学や退学の処分を下すことも可能)


公立一貫校もここは同じです。

生徒さん自体も小学生で受験を選択した子どもたち。

まじめな子がほとんどです。


そしてみな、学校説明会などを通して校風を知り「この学校に通いたい」と思って頑張ってきた同士。

趣味が似ている、といいますか「ここがいい」のポイントが近い、価値観の似ているお子さまと保護者の方が集まってきていることになります。


また受験には少なからず費用がかかります。

ですので、費用面をクリアできるなど、経済的なことも含め、家庭環境も似ていることが多いのですね。


こうしたことも学校生活の安心感につながるメリットと言えるのかもしれません。


良い面は本当にたくさんあるのです。


    でも、その分高い倍率を超えていかなければならないのだ

    受験勉強も大変そうなのだ……   (*´Д`)
                  
ですので、受験を終えたお子さまには「やり遂げた達成感」「実際の学力アップ」のオマケがつくのです。




そのために必要なこと【受験前】

では続いて、中学受験を乗り越えるために必要なことについて。

言ってしまえば「デメリット」のようなものですね。


メリットを受け取るためには、避けては通れないことのご紹介です。


  • 塾通い必須(特に私立の場合)
  • 習い事などを辞めなければならない
  • 遊ぶ時間がもの凄く減る
  • 睡眠時間も減る
  • 運動不足にもなる
  • 保護者の方のサポートも必須
  • 受験中心の生活を覚悟する必要あり
  • 塾代など、費用がかかる
  • 精神的な強さも必要
  • 不合格の場合にはフォローも必要

前半はお子さまが頑張って乗り越えなければならないこと。

後半は保護者の方のものです。


    「塾通い」
私立中高一貫校を目指すお子さまの多くは4年生までに、公立一貫校の場合でも受験の意思を固めるのはほとんどが5年生までに、です。

ですので、準備もこの頃から。


入試の方法にも私立・公立の違いがありますので、簡単に挙げていきます。


  • 私立一貫校: 教科は国・数・社・理の4教科が中心の教科試験
  • 公立一貫校: 小学校での成績をまとめた報告書と「適性検査」

「適性検査」というのが少し謎ですね。


これは国・数・社・理、それぞれの教科ごとに知識を問われる(教科試験)のではなく、これらを総合した出題がなされることが特徴。


当然4教科の習得度も大事になってきますが、学校で学んだ知識を総動員して論理的に読み解いていく力、そしてそれを上手に表現する力が必要となってきます。


出題されるのは学校で習った範囲に限定されていますので、場合によっては塾なしでも何とかならないこともない。


ですが「公立一貫校を目指すための塾」もたくさんできているため、通っているお子さまとの間に差がついてしまうかもしれません。

効率よく読み解く方法など、塾ならではのノウハウを教えてもらえればなお安心。
(※ 一切の塾通いなしで合格するお子さまもいます)


日ごろからニュースを見る、新聞を読む、など今世の中では何が起きているのか、といったことに関心を持ち、それに対する自分の意見、なぜそう思うのか等を表現できるよう、練習しておくことも大事です。

言葉だけでなく、文章にもできるようにしておいてください。

適性検査には「作文」も含まれます。


また「小学校での成績をまとめた報告書」にも重点が置かれています。

上記の4教科だけでなく、音楽や体育、図工などすべての教科の他、学校の生活態度なども対象。


大変ですが、頑張ってみてください。


私立の場合では、ガラリと変わります。

入試方法は上記の通り4教科中心の教科試験。


が、今年(2018年)の入試に「英語」(※ 選択になります)を教科として加えてきた中学校は首都圏で112校。

そのうちの111校が私立校(一貫校でない中学も含む)です。


来年実施する入試から英語(選択)を加えることを「慶應義塾湘南藤沢中等部」も公表しています。

人気のある学校ですので、今後ますます英語を入試教科として取り入れるところも増えてくるはず。


また、英語がない場合でも、4教科の出題難易度は半端なレベルではありません。

先ほど、


    「募集人数や偏差値、入試問題の難易度の面からも中学受験の方が高校受験より有利」

と書いたのは本当なのですが、出題範囲が問題なのです。

学校での学習レベルをはるかに超えた難問が出題されます。


学校の指導要領に沿った学習では絶対に身につかない学力が求められることになるのです。

高校受験は、基準とされる偏差値などもあるため難易度も上がりますが、出題範囲は学校で習ったこと。

中学入試で出題されるのは習っていないことです。


    (;゚Д゚)  !! 間違いなく解けないのだ!!    (。-`ω-)
はい。
いくら学校の成績が良くても、私立入試にはそれだけでは太刀打ちできません。


だから「塾通い」が必須。

早いご家庭では小学3年生ぐらいから塾に通わせていることもあるかと思いますが、高学年になってくるとその日数も増えてきます。

小6ならほぼ毎日です。


ですので、


    「習い事などを辞めなければならない」

    「遊ぶ時間がもの凄く減る」

    「睡眠時間も減る」

    「運動不足にもなる」
なのですね。


さて、そんなお子さまの過酷ともいえる状況には保護者の方のサポートも不可欠となってきます。


わかりやすいのが、いわゆる「塾弁」。

塾で食べるためのお弁当が必要。

6年生ならほぼ毎日。


逆に考えれば、お子さまの方も晩ご飯を食べる時間を挟み、まだ塾での勉強は続くわけです。


仮に「塾弁」が必要のない場合でも、帰宅後にご飯。

帰宅時間的には、ほとんど「お父さん」です。

睡眠不足にもなります。


    「受験中心の生活を覚悟」
これがないとムリ。

塾弁・塾の送り迎えをはじめ「学校見学」や「説明会」にも足を運ぶ必要が出てきます。


前述の通り、公立・私立ともに一貫校では学校ごとの特色があります。

私立の場合には「なぜ設立したのか」といった理念や教育方針も。


それを見極めることも非常に大切です。


先ほどメリットの部分でも挙げさせていただきましたが、ここをおろそかにしてしまいますと、


    価値観などが似て「いない」
学校に6年間通う、もしくは通わせることになってしまいます。


塾弁や説明会以外にも、睡眠時間等、生活面に対しての管理、塾からのプリントの管理、勉強のフォローなどなど、保護者の方のすべきことも増えていきます。


ですが、親子一丸となって何かに取り組む、という経験は(大変ですが)なかなかできることではありません。


見方によってはここはメリットなのかもしれません。


ですが、相手は子ども。

小学生です。

強い意志を持って受験に望むお子さまもいますが、


    ( ̄▽ ̄)  一日くらい休憩させてくれたまえ
    たまには朝から晩までゴロゴロしていたいのだ
……わからないでもないのですが、


    「塾代などの費用」
相当の金額がかかるのです。

特に私立を目指す場合、公立一貫校に比べ2倍以上高い。


月平均で6万円強です。

「月」に6万越え(あまりの高さに2度書いてしまいました)。

ちょっとした家賃です。


    ── それなのにお子さまがだらけている……
喧嘩になることもあるかと思います。結構な高確率で。


それでもサポートし続けるための意思を維持してください。


ですが受験に向いていないお子さまもいます。

受験はいつか経験せざるを得ないもの。


ここでもう一度「なぜ今でなければいけないのか」、です。


この子には向いていない、と思ったらスッパリと諦める、またお子さまにもそれを納得してもらう潔さも大事。


「高校受験がない」「大学進学に有利」などは実際に得られるメリットですが、小学生の時点で、そこに本気で魅力を感じ「中学受験をしたい!」と言い出すお子さまは非常に稀です。


お子さまの将来を思い、より良い環境の中で学生生活を送って欲しいと願うのが親心。

お子さまはそこを敏感に感じ「なら、中学受験する!」という気持ちになっている場合も多いです。


中学ではなく「高校受験」に視点をシフトするタイミングも見極めなければお子さまが苦しむことにもなってしまいます。


ですので「サポートし続ける」ため、「お子さまに受験は向いていないと思ったら潔く諦める」ための、


    「精神力も必要」
となるのです。


そして最後に、あまり考えたくはないのですが、倍率の高さ。

受験したからと言って必ず合格できるわけではありません。


    「不合格時のフォロー」
これまでの「必要なこと」が表面的にはすべてムダになることになります。

塾弁も、暗記に付き合った時間も、足しげく通った説明会への時間も……


ですが、ムダになったのは「表面的」にだけです。

仮に不合格となってしまった場合でも、これまでにやってきた勉強や、友だちが遊んでいる時にも頑張ってきた経験はお子さま本人にとって、必ずいつか役に立ってくれます。

必死になっていたからこそ、本音をぶつけ合って喧嘩をしたことも。

それでも一番傷ついているのはお子さまです。

下手をすると、取り返しがつかないほどに落ち込んでしまうことも考えられます。


ですのでその際のフォローに自信がない場合には受験自体をおススメできません。


そして「中学受験は本来しなくてもいいもの」ということもお忘れなく。

しなくてもいいもののために、必死で頑張ったことは結果よりも評価すべきことなのです。


また、先ほどの「精神力」にも通じるデメリットでもあるのですが、


    「保護者の方がお子さまを通り越して必死になりすぎてしまう」
「誰のための受験なのか」を見失ってしまうこともありえます。


同じ受験組のお母さまの存在は大変心強くもあるのですが、その分ライバル心も芽生えてくるもの。


「うちの子が落ちたら恥ずかしい」のように思えてきてしまう。

中学受験に失敗して落ち込んでいるお子さまに対し「あんたはダメな子」レベルの暴言を浴びせてしまったり、特殊なケースかとは思いますが、


    「遠くの全寮制の中学に入学させた」
といった例さえもあるのです。

その全寮制中学がお子さまにとって価値のある学校だったからではなく、大事だったのは保護者の方のプライド。


公立中学に入学させると受験し失敗したことがバレてしまうからです。

それが恥ずかしいから子どもを遠くに追いやることで、自分のプライドを保とうとしたのですね。


これはお互いにとって悲惨。

しかも相手は弱冠12歳のお子さまです。


ここまで「モロに」ではなくても、こうした本末転倒的な受験デメリットというものも実際にある。


まだ小さなお子さまの選択肢に「中学受験」という「レール」の可能性を示すことは良いことだと思います。

ですが、お子さまが望まない限り、そのレールを勝手に敷いてしまってはダメ。


お子さまとご両親とで、


    「どうして受験の時期を今にするのか」
について、真剣に話し合われることは本当に大事なのです。




中学受験のデメリット(リスク)【入学後】

    ( ̄▽ ̄)  受かったのだ!! 赤飯の準備はできているか?
    赤飯ではなく炊き込みご飯(松茸入り)を頼む    (=゚ω゚)ノ 
……コンビニのお赤飯おにぎりと「松茸風味のお吸い物」なら買ってきてやらないこともない……


試験の合否に関わらず、とにかく「中学受験」という挑戦を終えたことをまずは褒めてあげてください。


ですが「見事合格!」の場合でも、まだまだ油断できないリスクがついてまわるのが中学受験。

いくつかある入学後のデメリットも確認しておきましょう。


 ■ 授業についていけない

1つ目のパターンは「ギリギリで合格」「まさかの合格」。

中学受験をしているのは小学生です。

精神的にもまだまだ幼い年齢のため、合格できる学力を持ったお子さまでも十分実力を発揮できないこともあります。

そうした場合は残念ながら不合格となってしまうのですが、そのことで繰り上がって合格するお子さまも出てくるのです。


みな頑張っていたことに変わりはありません。

が、実力にはやはり差がある。

入学の時点で学力に差があった場合がパターン①。


似たような例として、いわゆる「燃え尽き症候群」というパターンもあります。

受験勉強にすべてを注ぎ、やっと終わった~! の安堵とともにすべてのやる気が消滅してしまう。

これがその②。


また、一貫校のメリットでもある「授業スピードが速い」。

ついていくことができれば問題はないのですが、中学の勉強は小学校の時に比べ レベルも高く量も多くなります。

苦手な教科ができてしまうことも。


それでも授業はスピードを落とすことなくどんどんと進んでいきます。

そのうち、さっぱりわからなくなる。


テストの成績も下がります。

ですが何とか頑張ろうと思っても、すでにもう ちょっとやそっとの努力では追いつけないところまで授業は進んでいるのです。


そして勉強に対するモチベーションも下がり、ついには勉強自体が嫌いになる。

もしくは、そんな自分に自信が持てなくなってしまう。

メリットがデメリットに変わってしまうのがパターン③です。



公立中学に進学した場合には受験を経験するのは中3。

中学の3年間の学習で自分の実力や将来の進路・夢もある程度固まってきている時期です。

そしてそれを基準に「志望高校」を選び、受験する。

これが「高校受験」。


中学受験では、この部分が曖昧なまま志望校を目指すことになります。


合格すれば高校受験はなし。

今後の進路について考える機会もなし。


つまり10歳前後で、少なくとも高校までの進路を決定してしまうことになるのです。


よく考えますと、それもちょっとおかしな話なのですね。


一貫校に通っていても、進路変更などで再度外部の高校を受験することは可能。

実際にそうする生徒さんも少なからずいます。


    「高校受験がない」
これも見方を変えればデメリットになるのです。


勉強

 ■ 校風や学校の友だちと合わないことも

    第一志望に落ちて第二志望の学校に通う。

    思っていた校風と違う。

    いじめられているわけではないが、お友だちとの関係がうまく築けない。
などなど、一貫校の場合には、この状態でも6年間です。

公立中学のように「高校受験」を境にリセットすることができません。


どうしても我慢できなければ一旦退学して地元の中学校に入り直すこともできます。

また前述の通り、高校受験時に違う高校を選択するのもあり。


あんなに中学受験を頑張ったのに……との気持ちからなかなか踏ん切りのつかないこともあるかと思いますが、6年間我慢し続けるのはかなりキツいです。


恵まれた教育環境の中で充実した6年間を過ごし、一生の友だちができることも多いのですが、こうしたリスクもゼロではありません。

スパッと気持ちを切り替えることも大事です。


 ■ 進学できないこともある!

推薦入学制度があっても油断は禁物です。


志望する学部に希望者が多い場合、優先順位が高いのは成績上位者。

「高校受験がないから部活に打ち込める!」は大きなメリットなのですが、バランスが大事。


勉強を後回しにしていると、大学進学時に痛い目に……


内部進学枠は上位者で占められ、希望する学部に行けない、または夜間部しか残っていない、ということもあり。

それがイヤなら外部の大学を受験です。


これはデメリットというよりはせっかくのメリットを活かしきれない、といったもの。

高校受験がないため、気が緩んでしまうケースです。


 ■ 大学の先! 社会に出てからのデメリット(もなくはない)

中高一貫校の最終的な目的は「大学進学」です。


ですので、大学受験に向けての学習面では強い。


ただし、本来高校受験では必要とされる理科・社会の知識はそれほど重要視されないのですね。

高校受験がなく、大学受験にも一般的には必要とされない教科だからです。


ですが、理科・社会も大事。

むしろ社会に出てから必要となる重要な知識だったりもします。


この一般常識が身につかない。

でも大学受験はパスできる。


ここも微妙なのです。


また、一貫校では家庭環境や価値観などの似ている生徒さんが集まりやすい傾向にあります。

そして受験を通過した学力レベルの高いお子さまです。


だからこそ「学級崩壊」など考えられない穏やかな学校生活が過ごせるわけなのですが、社会はそこまで緩くありません。

社会を作っているのは、様々な家庭環境で育った、様々な価値観を持った人たち。


一貫校で過ごした6年間というのはどちらかというと「特殊」な時間です。

公立中学に通うのは、上記社会を形成しているのと同じく、様々なカラーを持ったお子さまたち。

学校生活を通じて、自分とは違った考えを持つ友だちと接していくことができます。

いわばミニチュア社会のようなもの。

その中で色々な角度から物を見る力が養われていくのですね。


一貫校では、それが難しい。


だから社会に出てから失敗する、ということではないのですが、社会に接するスタートは少し遅れてしまうのです。


    良い面・あまり良くない面……どっちを取ればいいのだ……                      (。-`ω-)

    (*´з`)  とりあえず松茸(のお吸い物)を飲むのだ!

    受験することに決めたなら、メリットがデメリットにならないように頑張ればいいだけなのだ

……サラッと言っていますが、それが案外難しい……


では、最後におさらいです。

中学受験の「メリット・デメリット」を簡単にまとめてしまいましょう。




中学受験はするべき? メリット・デメリットのまとめ

    中学受験のメリット(中高一貫校の場合)

  • 大学進学に有利
  • 高校受験がない
  • 生徒の学力レベルにバラつきがない
    (そしてレベルも高い)
  • そのため授業スピードが速い
  • 通常6年間かけて学ぶ教育課程を5年間で終了させ、残りの1年間を大学受験の準備期間に充てることができる
  • 高校受験がないため、6年間部活などにも集中できる
  • 留学制度などを取り入れている学校も多い
    (特に私立)
  • 友だちとも6年間一緒
  • いじめなど、学校でのトラブルが少ない

  • 受験を経験したことによる達成感から自分に自信がつく
  • 学力・思考力もつく
  • 親子が一丸となって一つのことに取り組むいい機会になる


  • デメリット

  • 塾通いが大変
  • 遊んでいる暇がない
  • 習い事も辞めなければならない
  • 睡眠・運動の時間が減る
  • 私立の場合、学校では習わないような難しい勉強もしなければならない

  • 保護者の方はサポートが本当に大変
  • 受験中心の生活になる
  • 塾代等、費用がかかる
  • 精神面での強さも必要
  • 不合格の際のフォローは必須

  • 入学後

  • 授業についていけないこともある
    (勉強嫌いに)
  • 高校受験がないため、自分の実力や進路を決定するのが「小学生」の時になること
  • 校風や友だちと馴染めなくても基本的に6年間は同じ学校で過ごすことになる
  • 推薦制度があっても、成績によっては大学に進学できないことも
  • 特に私立校の場合、友だち付き合いにもお金がかかる
    (比較的裕福な家庭のお子さまが多いから)
  • 大学受験を視野に入れた学習となるため、必要のない理科や社会の一般常識に疎くなることも
  • 経済力も含め、同じ環境、似た価値観のお子さまが集まりやすいため、自分とは違う考えや家庭環境で育った友だちと接することができない
    (視野が狭くなる)
  • 通学に時間がかかる
    (大抵通勤ラッシュと被ります)
  • 地元の友だちとのつながりが薄くなる

お子さまと保護者の方の意見がどちらも「受験する」に固まっていて、経済的なことも含めサポート体制が万全、またその覚悟がある場合には受験もあり。

ですが、保護者の方の気持ちが強く、少しでもお子さまに押し付けている部分があるのであれば、おススメはできません。


また、ご夫婦の教育に対する考え方が一致していない場合は、途中で無理が生じてくることがほとんど。


高校受験という手もあります。

それまでに十分な学力を身につけておけば難関大学の附属高校も問題なく狙えるはず。


まずは「なぜ受験したいのか」をお子さまにしっかりと確認です。

その上で、ご家族みんなで話し合い「する」と決めたのであれば全力でサポートを。

公立中学を選択した場合には、早めの準備で3年後の高校受験を乗り切りましょう。




終わりに……

結局はどこで受験をするか、です。


    ── 早めに終わらせてしまえば、その分後が楽。

    でもそのためには小さいうちから一生懸命受験勉強をしなければならない。


    ── どうせなら「メリット」が多い時期を選択したい。

    でもそのメリットも考え方次第で「デメリット」にもなる。

……う~ん。


    (`・ω・´)   個人的にはどう思っているのだ?
「中学受験はしなくてもいい」です。

「しなくていい」ではなく「しなくても」いい。


    答えになっていないのだ!        (。-`ω-)
答えはご家庭ごとにそれぞれ違うのだ!


先ほど書きました通り、向いていないお子さまもいます。

また、中学受験で一貫校に入れたとしても、誰もが充実した学生生活を送れるとは限りません。


ですが、


  • 向いていない子にはムリをさせない
  • 保護者の方もアツくなりすぎない
  • 失敗した時のフォローも完璧にする
などに注意し、お子さまの「受験したい」に添える環境が整っているのであれば、受験も挑戦する価値のあるものになるのではないか、とは思っています。




── 今回も長くなってしまいました。

結論は出せないのですが、「中学受験にはこんなメリット・デメリットがあります」の部分だけでもお伝えできていればうれしいです。


中学受験でも高校受験でも、実力が発揮できますよう応援しています。


最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。
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マンション最上階の『メリット・デメリット』を具体的に説明 https://torend7.net/15445.html https://torend7.net/15445.html#respond Fri, 20 Jul 2018 02:12:00 +0000 https://torend7.net/?p=15445 「え! ここに住んでるの? すごい高層マンションじゃん!!」

「ん、そうだよ。2階だけどね」

「(あ、そうなんだ……なんか……ちょっと惜しい……)」



マンション
── 別に惜しくはないです……


が、何となく憧れてしまう「マンション最上階」の響き。


高級ホテルのバーやラウンジも大抵最上階にあります。

仮に低層階にあるレストランで提供されているメニューと全く同じものが出てきたとしても、なぜか数倍増しでおいしく感じてしまう「最上階マジック」。

こんな気分が毎日自宅でも味わえたら……



── 賃貸・分譲問わず、マンションの最上階はやはり人気があります。

なにせ空が近い。

半端な開放感ではありません。


他のフロアに比べ、一般的に物件価格は高いのですが、それでも「住みたい」と思う方は多いのです。


「眺望の良さ」だけではなく、最上階に住むことで得られるメリットには他にも多くのものがあります。

ですが、デメリットも案外多い。


住んでしまってから「あの時の自分に教えてやりたかった……」と痛恨のミスを噛みしめるには、「マイホーム」はあまりにも高い買い物です。


とりあえず良い面・悪い面だけでも押さえておいてしまいましょう。


良い面の方が魅力的ならぜひ、最上階住まいを。

その悪い面は致命的すぎだ、と思う部分が多ければ違う階を選択。


マンションの最上階に住む「メリット・デメリット」を紹介いたします。

皆さまの「最上階は自分の暮らしに合ったチョイスか?」について、少しでもお役に立てれば幸いです。

「マンションの最上階に住みたい!!」のはどうして?

まずは低層階に住んだ場合を考えてみましょう。


  • 窓を開けても見えるのは道路、または隣の建物の壁
  • 上の階で走り回る元気なお子さんの足音などに悩まされる

    ( ̄▽ ̄)  懐かしいのだ
    そのおかげで目覚ましなしでも遅刻しないで済んでいたのだ
……よかったですね。


ですが、最上階なら


  • 窓を開ければ空が見える
  • 上に誰も住んでいない(上からの騒音に悩まされずに済む)

住んでみて初めて分かるメリットは他にもあるのですが、こちらの2つをメリットとして挙げる方は多いのです。


「眺望がいい」というのは前述の通り。

こちらは単なるメリットです(という言い方もヘンですが)。


一方「騒音トラブル」というのは共同住宅であれば避けられないデメリットの一つ。

防音性・遮音性に優れたマンションも増えてきてはいますが「無音」というわけにはいきません。


中でも、上の階からの足音というのは振動となってかなり響くのです。


でも最上階の上には住戸なし。

マンションでは避けがたいデメリットを回避できる、というメリット得ることができるのは最上階だけです。


また、道路ははるか下。

クルマが走っているのも、街からの喧騒もはるか下。

音が遠くなるため、外からの騒音も最小限に抑えることができます。


クルマの走行音などは、最上階でなくてもある程度の高層階であれば、同様に小さくなりますが「上階からの音」まではカットできない。

最上階だけの特権です。


以前のお住まいで騒音によるトラブルに巻き込まれた方や、人並み以上に音に対し神経質の方などには本当にうってつけの物件となります。


ただし、騒音がそれほど気にならない方にとって、ここは微妙なライン。

もう一つの大きなメリットである開放感あふれる見晴らしは確かに素晴らしいのです。

が、さすがにいずれ慣れてきます。


そして景観に慣れようと慣れまいと、最上階は他のフロアに比べ物件価格が(賃料だとしても)高い。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン ……
……目覚ましも買ってくださいね。


    (;゚Д゚) だ、大丈夫なのだ。最上階にはまだまだメリットがいっぱいあるはずなのだ!

物件価格は確かに高いのですが、それを「割に合わないほど高い(割高)」と感じるか、それ相応の金額と感じるかは人それぞれ。

続いて、上記2つ以外の「最上階のメリット」について見ていってみましょう。




マンション最上階の「メリット」

  • 風が良く通る
  • 陽当たりがいい
  • プライバシーが保たれる
  • 虫が来ない
  • 他のフロアとは違う、特別仕様の設備や間取りであることも多い
  • 資産価値が高い

    「風通り」「陽当たり」
風は上空に行くほど強く吹きます。

また、先ほどの眺望の良さからもわかります通り、最上階の窓の外には遮るものがありません。


風の抜けが非常にいいのです。


風が通れば湿気も逃げていきます。

ダニやカビ対策にもなるのですね。


そして「陽当たりの良さ」


これもダニ・カビ対策には大事。

「風通り」「陽当たり」のダブルでやっつけてくれます。


また、このセットは春や秋にも大活躍。


「少し暑い」程度であれば風通りの良さにより、冷房は不要。

「少し寒い」でも陽当たりの良さが暖房代わりになってくれるのです。


機械からの風ではなく、自然の風ですので、快適かつ健康的。


また、


    「プライバシーが保たれる」
これは先ほどの「外からの騒音も最小限」と同じ理由。


日中はカーテンを開けて外の光を採り入れたい、と思っていても、低層階ですとどうしても外からの目が気になってしまいます。

立地によっては、道路に面している窓のカーテンは昼間でも閉めっぱなし、ということも多いです。


でも最上階なら問題なし。

仮に外から見上げられたとしても、視線は部屋の中まで届きません。


ですので陽が沈むまでは、部屋の照明をつける必要がないほど明るい。


  • 風が良く通って →
  • 陽当たりも良く →
  • 人目を気にする必要もないため → 
  • 春・秋のエアコンいらず プラス →
  • 昼間の照明も必要なし

    ( ̄▽ ̄) どーだ! さっきの無礼を詫びるのだ!
……詫びません。


また、


    「虫が来ない」
これに関しては「来にくい」です。


高層マンションの場合、最上階は虫の領域(飛んでこられる)よりも高い位置にあることになりますので、自力でやってくる虫はいません。

ですが、エレベーターに乗って(たまたま)や洋服についてくる、郵便物に紛れて、などなど、侵入手段がないわけではないのです。


よく「1匹退治しても、すでにその親戚ら数十匹は家の中に隠れている」といわれる黒い昆虫も、最上階の場合、


    「不運にも紛れ込んだヤツを目撃してしまった」
ということになりますので、そこは少しだけ安心。


    「設備や間取りが他フロアとは違う」
まさにステータス・シンボル。

特別感がすごいです。


他とは違う間取りや設備が価格に見あうもの、と感じられれば物件価格が高くても「割高」とは感じないはずです。

むしろ「ここまで充実した設備が使えるなら割安かも」と思うかもしれません。


そして、


    「資産価値が高い」
最上階人気がこれまで通りに続けば「需要がある」ということになりますので、高値でも買い手がつきやすい。

売れるまでのスピードも他フロアに比べ速いです。


マンションの最上階を買い占めている投資家もいるほど。

将来的な引っ越しを視野に入れている場合には、ここも大きなメリットになるかと思います。



さてさて、このように「マンションの最上階」には多くのメリットが存在していますが、実はこれまでとはひとつ、大きく事情が変わっている部分があります。


    ──「地震」です。
少し前までは、


    「そんな、いつ起きるかどうかもわからないことを気にしていても……」
だったのですが、最近ではそうも言っていられない状況になっているのですね。


「いつ起こるかどうか」がわからないのは今でも変わりませんが、「いつ起こってもおかしくない」なのです。

そして、実際にも地震はかなりの頻度で起きている。


だからこそ以前に比べ「低層階」への人気は高まってきているのです。



── ということで、続いては最上階のデメリット。

上記のメリットも「場合によってはデメリットになってしまう」も含め、見ていってみましょう。




意外に多い「デメリット」はコチラ!

ではまずはこれまで挙げてきたいくつかのメリットが「デメリット」となる場合からです。


  • 見晴らしがいい

    → × なのに見える範囲にあるのは「廃墟」や「墓地」など、あまりにも魅力的ではない景色

    → × 周りも高層マンションだらけ

  • 上の階に住戸がない

    → × でも帰宅はいつも深夜。上の階に住戸があったとしてもあまり影響のない時間帯だった

    → × 屋上にある室外機等の稼働音が気になる

    → × 目の前が高速道路……騒音面も視界の広さにも何のメリットも感じられない
    (騒音については、窓を閉め切れば気にならない程度にはなる。が、残念ではある)

  • 風通りがいい

    → × だから冬場は寒い

    → × 風が強すぎて洗濯物が飛ぶ

  • 陽当たりがいい

    → × だから夏場の暑さが強烈

    → × 最上階だが周りに建つ高層マンションの影になっている……

  • 資産価値が高い

    → × その分 物件価格が高い

    → × 低層階人気に押され、高く売れない場合もある

  • 他のフロアとは違う、特別仕様の設備や間取りであることも多い

    → × その場合にはさらに価格アップ。修繕費などの金額もアップ

    → × 低層階人気……

    大打撃……
もちろんこうしたことは立地条件や部屋の方角・建物自体のつくりなどによっても変わってきます。


物件価格と売却金額についてのバランスについては ── 今後の「最上階人気」による部分も大きいため何とも言えないのですが……


窓からだけでなく、屋根からも熱が伝わる最上階は構造的に夏場の暑さは深刻になります。

そのため、夏場の暑さをデメリットとして挙げる方は多い。

ですが、風通りの良さのメリットもありますので、案外相殺され「気にならない」「少し暑いくらい」と感じている方も同じくらいいるのです。


また、風通りの良さは夏場には重宝しますが、当然その分冬場には「寒さ」を連れてきます。

が、すべての「最上階」がこうしたデメリットに見舞われるわけではないのです。


    (=゚ω゚)ノ では、お見舞いされない物件を求むのだ!
それには購入前の事前チェックが必須。


  • 風はどの程度強く吹くのか
  • 窓から見渡せる範囲には何があるのか
  • バルコニーについている庇(ひさし)など、直射日光を遮るものはあるか
  • 高速道路や幹線道路など、景観・騒音などに影響の出てくるものが近くにないか

朝・昼・夕方・夜など、できるだけ多くの時間帯に分けて確認することが理想的です。


が、建築中の新築マンションを購入する場合など、下見ができないことも多いのですね。


どうしても不安な場合は中古マンションという手もあります。

「新築か中古か」よりも実際の住環境の方が今後の毎日には大きくかかわってくるもの。


慎重にご検討いただければと思います。


その他「せっかくのメリットが……」ではない、純粋な「最上階デメリット」は以下の通り。


  • 案外下の階の音も響く
  • お子さまのいるご家庭には不向き
  • 空き巣に入られる確率が実は1階と同程度に高い
  • エレベーターがなかなか来ない
  • やっと乗れても各階の住人の乗り降りにより、1階到着までの時間が想像以上にかかる
  • エレベーター内で気づく「忘れ物」に凡ミスとは思えないほど打ちのめされる
    (上記2つの繰り返しに)
  • エレベーターが生活には必須となるので、外出が本気で面倒になる
  • そのエレベーターも災害時には停止
  • 小さな地震でも揺れ幅が大きい
  • 地震も怖いが火事も怖い
  • 頭上にある避雷針に雷が落ちることも
    (危険がないことはわかっていても、相当怖い)
  • 水圧が低いことが多い
  • 鳥がバルコニーで憩う……そして糞害を被る
  • 全戸分のディスポーザーの臭気が屋上の臭突に集結 → 一番近いのは最上階  などなど

こうなってきますと、もうほとんど「最上階あるある」のような感じ。

挙げればキリがないです。


    (。-`ω-) なぬ? 最上階に侵入する空き巣? 飛べるのか?

    ついでに災害時のことについてもちゃんと教えるのだ!
言われなくてもお伝えするのだ!


順番に説明していくと永遠に終わらなくなりそうですので、いくつかのポイントごとに見ていきましょう。




 ■ 「エレベーターの待ち時間が長い件」について

待ち時間が長い、というのは最上階に住む多くの方が感じているデメリットです。


通常エレベーターが待機しているのは1階ですので、距離的にも一番遠い。

すんなり昇ってきたとしても、それなりに時間はかかります。


ですが、その間に他の階の方が呼び出しボタンを押した場合、タイミングによっては、さらにこんな感じになってしまうのです。


  • 5階の人が呼び出しボタンを押す

    → エレベーターは1階から5階へ移動

    → その直後に最上階の方がプッシュ

    → エレベーター、5階に到着

    → 5階の方を乗せて1階へ

    → エレベーター、最上階へ向かう

  • パターン②

  • 5階の方が押す
  • その直後に7階の方が押す
  • 次に最上階の方

    → エレベーターは、まず5階の方を1階へ送り

    → 続いて7階へ向かい、その後1階まで運ぶ

    → ようやく最上階へ

  • パターン③

  • 最上階の方がボタン押し、一番乗り

    → エレベーター、最上階へ向かう

    → その後ボタンを押したすべての階で停止 

    → 住民を乗せる

    → ようやく1階へ

    長い……
電車に乗る時間ギリギリに家を出たら、間違いなく遅刻です。

マンションから駅までの所要時間プラス「多めに見積もったエレベーターの待ち時間」が必要。

外出すること自体が面倒になってくるのです。

お子さまの場合も同じ。


遊びに行くのにも、このエレベーター待ちは必須。

遊びに行く気も失せます。

最上階は「お子さまのいるご家庭には不向き」とされているのは、実際にこうした理由から「引きこもり」となってしまうお子さまも多いからなのですね。


 ■ 「空き巣に狙われやすい件」について

泥棒
最上階に限らず、もっとも狙われやすいのは午前10時から午後3時。

住民の皆さまが外出中であることが多い時間帯が狙われます。


1階(や2階も)が狙われやすい、というのはわからないでもありません。

たとえ玄関がオートロックで守られていても、窓のカギを閉め忘れていれば一発。


仮にしっかり施錠していても、ガラス破りなど、空き巣にとって便利な技術はたくさんあるのです。


ですので常に警戒は必要。


が、最上階は「エレベーター事情」からも分かります通り、住んでいる方さえも1階まで降りるのが面倒、と感じてしまうほどの距離的な不便さがあります。


「まさか空き巣もここまでは来ないだろう」と思いがちですが、空き巣は全然面倒がらないのです。


ご家族で住んでいる住戸の多いマンションでは、上記の通り「エレベーター内で住民と鉢合わせ」といった不安要素もあるため、空き巣に狙われる確率は低くなります。


ですが、単身者の多いマンションですと、10時から15時は本当にマンション内には人が少なくなるのです。


エレベーター内に監視カメラなどがついていなければそのままエレベーターを利用。


玄関を解錠する空き巣もいるにはいるのですが、多くの場合空き巣が目指すのは「屋上」です。


地上から見れば最も近いのは1階。
でも屋上からなら、最上階が一番近い。


そしてバルコニーにジャンプ。

もしくは同じような高さの建物があれば、そこから飛び移ることも可能。

マンションの高さによっては外壁をよじ登ってくることさえあるのです。
(外壁が周りの視線から隠れる等の条件がそろえば)


「まさかここまでは」といった油断があるため、最上階の窓はカギをかけていないことも多いのです。

かかっていても大丈夫。

ガラスカッターなどを使い、あっという間に室内に侵入完了です。


また、最上階には「プライバシーが保てる」というメリットがあります。


クルマや人通りの多い道路に面しているマンションでも、下から最上階のバルコニーで何が起きているかを窺うことができません。

低層階を狙うよりも、むしろ見つかりにくい。

空き巣のプライバシーまで守ることになってしまっているのですね。


上記の通り、狙われやすいマンションもあれば、まったく被害の出ないマンションもあります。

そもそもマンションというのは戸建てよりもセキュリティの面ではしっかりしていることが多いのです。


ですが「ここまでは来ないだろうから安心」という油断は禁物。


空き巣の思考回路は単純です。


「最上階の住戸 = お金持ちが住んでいる」


玄関のカギはもちろんのこと、お出かけの際には窓のカギをかけることもお忘れなく。


破られにくいガラス窓に張り替える等の防犯対策をしておくと、より安心かと思います。


 ■ 「災害時」のデメリットについて

怖いのは「地震」と「火災」です。


現在は「耐震」だけでなく「免震」などを施しているマンションも増えてきていますが、一般的に高層階の揺れは非常に激しくなります。

揺れ防止マットを敷く、可能であれば転倒を防ぐための金具で固定する、などの対策が絶対に必要。


家具が横すべりしたり、最悪飛んでくることもあります。

大した震度でなくても、高層階になればなるほどこうした被害に逢う可能性は高くなる。


また、災害時にはエレベーターは停止します。

外に出るには、階段を使うしかありません。


規模の大きな地震の場合、エレベーターが使えるようになるまでに時間がかかることも考えられます。

また、階段自体が何らかの理由で一時的に通行できなくなる可能性も。


しばらく外に出られなくなることも想定し、水や食料、懐中電灯や簡易トイレなどの防災グッズ(備蓄品)も多めにストックしておいてください。


さらに「火災」ですね。


マンションの消防用設備は消防法や建築基準法により、設置が義務付けられています。

また、半年に一度の点検、消防署長または消防長へその報告をする義務もあるため、小火程度の火災に対しては、それほど心配はありません。

実際、火災発生件数や火災による死者数は、マンションの方が戸建てよりもずっと少ないのです。


ですが、大規模な火災、もしくは震災による同時多発的に起こる火災の場合は本当に怖い。

下の階で起きた火災の場合、その煙は上へ上へと昇っていきます。

また、フロア全体に及ぶような火災が発生した際には逃げ道が塞がれてしまうことに。

逃げ場は空だけ。

消防防災ヘリコプターを待つしかありません。


東日本大震災の時の出動件数は実に1000回近く。

ですが、出動したヘリ自体は300機強です。


この多くは自衛隊のヘリ。

都道府県が保有している機体数は最も多い東京であってもたったの9機なのです。


何時間待つことになるのか……

それ以前に屋上にヘリポートはついているのか……


少なくとも避難経路の確認は必須です。


    (。-`ω-) 地震も火事も怖い……でもやっぱりリッチなイメージのある最上階への憧れはなかなか消せないのだ……
……あ、「お金持ちだと周りから思われ、しょっちゅう驕らされる」という意見もデメリットとしてよく聞きますよ。


    (*´Д`) ……
マンションの最上階への人気は依然として衰えてはいません。

最上階だけが持つメリットは確かに魅力的です。


が、こうしたデメリットと、実際に被るかもしれない確率の高さにより、前述の通り「低層階人気」も高まってきているのも事実。


ライフスタイルや重視したい点などによっても「メリット・デメリット」は入れ替わります。

快適に生活するための階数というものはご家庭により様々なのです。


── さてさて、では最後に皆さまの快適な毎日を目指し、もう一度おさらいです。

マンション最上階の「メリット・デメリット」について、サクサクサクっとまとめていってしまいましょう。




マンション最上階の「メリット・デメリット」をまとめる!

    マンション最上階の「メリット」

  • 見晴らしがいい
  • 上の住戸からの騒音に悩まされることがない
    (ただし、屋上に常に稼働している室外機などが設置されている場合にはその音が気になることも)
  • 風通りがいい
  • 陽当たりがいい
  • プライバシーが保たれる
  • 虫が来ない
    (たまに何かに紛れてやってくることはあり)
  • 他のフロアにはない特別仕様の設備や、広い間取り・高い天井の物件であることも多い
  • 資産価値が高い  などなど

  • デメリット

  • 物件価格が高い
  • エレベーターの待ち時間が長い
  • 上記エレベーター事情により外出が面倒になる
    (「引きこもり」になりやすい環境でもあるため、お子さまのいるご家庭には不向きとされています)
  • 最上階であることの油断から、空き巣被害に逢いやすい
  • 小さな地震でも揺れが大きくなる
  • 小規模な火災には強いが、大規模な火災には弱い(避難経路の確認をしておく必要あり)
  • 低層階人気により、売却がスムーズにいかない、もしくは思っていたほど高く売れないことも


  • 物件によってはあり得るデメリット

  • 上からの騒音はないが、下の階の音は響く
  • 夏場は暑く、冬場は寒い
  • 風が強すぎ、洗濯物が干せないことも
  • 高速道路や幹線道路等、交通量の多い場所に建つマンションでは、最上階であっても窓を閉めない限り、それなりの騒音は覚悟  などなど

    → 購入前のチェックは忘れずに!



終わりに……

物事には良い面も悪い面もある。


そこはわかっているのですが、さすがにその対象が「家」というのは……

「悩みレベル」もマックスになってしまいます。


    (=゚ω゚)ノ でも、引っ越しはワクワクするのだ!
はい。
できるものなら、毎年違う場所に引っ越したいくらいワクワクします。


    ( 一一) ……そこまでではない
……今後免震構造のマンションも増えていくことと思います。

また、たとえ騒音に対して寛容な方であっても、


    「裸で家をウロウロしても全く問題なし」

    「自然の風に吹かれながら、夏のバルコニーで一杯」

    「眼下の街並みをひとり占めにしているような全能感」

    「エレベーターで『何階ですか?』と聞かれ、『○○階(最上階)お願いします』と答える際の優越感」

などなど、何ものにも代えがたい最上階ならではの魅力は感じるはずです。


メリットもデメリットもある「マンション最上階」ですが、そこを知った上で、


    「当初の予定通り最上階に決定!!」

    「そういうことなら低・中層階もありだ!」
等、皆さまのお住まい選びに少しでも役立てていましたらうれしいです。



── 今回も長文失礼しました。

最後までおつき合いいただき、本当に感謝しております。
ありがとうございました。
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高校生の留学であるあるの「メリット・デメリット」は?就職に影響はあるの? https://torend7.net/15414.html https://torend7.net/15414.html#respond Sun, 15 Jul 2018 17:18:12 +0000 https://torend7.net/?p=15414 1年間も留学してたのに、ビックリするくらい英語が上達してない……

でもよくわかんないけど、すごく成長した気がする!



学生
ご本人としては「なんだかよくわからないが成長したようだ」なのかもしれませんが、実は高校時代というのは最も留学に適した時期。

高校生だったからこそ身につけられたこと、というのは非常に多いのです。

ですが、

    ── 大学に入ってからでもよくない?(保護者の方目線)

    ── 本当に自分は海外で学生生活を送ることができるのかな……(高校生の方目線)
やはり何かと不安。


「もうすっかり大人」なイメージもある高校生ですが、年齢を考えますと16歳から18歳。


    ── 何もそんなに若い時期から親元を離れて、海外で学生生活を送らなくても……

    日本の英会話教室にだってネイティブの先生はいるし……
な気分にもなります。


たった一人で見知らぬ国に乗り込んでいくことになるわけですので、それなりの覚悟は必要。


「何とかなるか」と出発してしまった場合、「何とかならなかったこと続出」の事態にも陥りかねないのです。



    高校で留学生活を体験することで得られるものとは?

    気をつけなければならない「留学のリスク」ってどんなもの?

    高校生の留学にはどんな種類があるの?

    留学経験は就職に有利、って聞いたけどホント?

などなど、とりあえず押さえておいてしまいましょう。


高校生の留学のメリット・デメリットについて紹介いたします。
皆さまの、


    「それでもオレは行く!」

    「まだやめとく!」

などのご判断に、少しでも役立てましたら幸いです。
(※ 留学先は英語圏として、以下書かせていただきます)

あえて高校の時期を選ぶ理由

先ほども書きました通り、高校生の年齢は16歳から18歳。

ある程度大人で、ある程度子ども。


この「どちらも併せ持っている年齢」ということが、最高の強みなのです。


留学にもいくつか種類がありますが、例えば「交換留学」の主な目的は「異文化交流」。


そのためには、まずは日本の文化や日本語での思考力などがしっかりしていないと意味がないのですね。

異文化との交流が図れない。


    (*´з`) それなら別に高校生でなくでもよいのではないか? むしろもっと大人の方が『超日本人』だと思うぞ
──「超日本人」というか、「モロ日本人」ですね。

年齢が上がるにつれ、「日本人的考え方」が前面に出やすくなってきます(傾向ですが)。


世界には様々な民族がいて、それぞれに異なる文化を持っています。

が、


    「それはおかしい」
と感じてしまう。

本当はおかしくはないのです。

ただ、日本の常識と違うだけ。


例えばイギリスをはじめとし、雨が降っていても傘を差さない国は多いです。

むしろ日本人が傘を差しすぎなくらい。


ですが、ある程度日本人としての考え方が凝り固まってしまっている大人は、


    「そこまでマネすることはないだろう」
となってしまう。

結局傘を差します。


別に傘を差してもいいのですが、


    「傘を差さないのは差したところで風が強すぎて役に立たないからなのか。でも案外気持ちいいかも」

のように、現地の方の気持ちと共鳴することはできません。


「雨が降っても傘を差さない文化」の、半分だけに触れているようなものです。


が、高校生くらいの頭の柔軟さを持った年頃ですと、


    「せっかくだからマネしちゃおう」
のような気持になりやすい。


日本では考えられないような文化や習慣も「ここではこういうものなのだ」と納得することができるのです。


傘を差すか差さないか、のようなレベルの違いでなく、本当に戸惑うような習慣にカルチャーショックを受けることもあるはず。

ですが、それにもいずれ慣れてきます。


旅行で数日間を過ごすわけではなく、一定期間滞在することになりますので、慣れざるを得ない、というのも留学のいいところ。


異文化に触れるだけでなく、それが「もう一つの常識」として身につくのですね。

日本だけで生活している場合にはなかなかこうした考え方はできません。


日本は島国で民族も単一。

日本人としての常識というものは日本にいる限り不動のものとなっています。


ですが、鎖国をしているわけではないので、日本の常識こそが常識、という考えはもはや通用しないのです。

色々な文化があり、人それぞれに個性があり「常識」とされていることも全く違う。


    ( ゚Д゚) ならばもっと小さい子の方が柔軟……あ……
はい。

柔軟さに問題はなくても、日本人としてのアイデンティティには若干の不安が出てきてしまいます。


  • ある程度大人: 日本人としての自覚や、日本語や文化に対する認知・習得度
  • ある程度子ども: 新しい文化を受け入れるための柔軟さと感受性

最もバランスと効率がいいのが高校生の時期。

ですので、本当に高校留学はおススメなのです。


そして2020年には東京オリンピック・パラリンピックも開催。

文科省でも、多数民間企業の支援とともに、


「トビタテ! 留学JAPAN日本代表プログラム」


なる海外留学のための奨学金等を含む支援制度を打ち立てています。

(※ このHPが省庁関連のものとは思えない砕け方をしていて面白いので、興味のある方は「トビタテ! JAPAN」で検索してみてください。

「リュウガクオールスターズ」という謎のヒーロー集団が、それぞれに熱い思いを語ったりもしています)


その甲斐もあってか、実際にも高校留学をする生徒数も7年連続で増加中。

異文化に触れた人材は、国からも求められているのです。




高校生の留学にはどんな種類がある?

      ① 交換留学
      ② 私費留学
大きく分けるとこの2種類。

 ■「交換留学」

少し前までの主流がこちら。


運営しているのは国や学校です。

その留学制度を利用しての留学となるため、若干自由度は低め。


滞在期間はじめ、受け入れ国、その地域、学校などを選ぶのも国や学校となります。

自分で選ぶことはできません。


その代わり授業料などの負担も国・学校持ち。
(※ 一般的な留学先である公立高校の場合)


留学にかかる費用を抑えられるのが交換留学でのうれしいところです。

滞在期間はたいていの場合1年間。

その国の言語を習得するには最低でも半年間の滞在は必要、とされていますので英語力アップに関しても期間的にはクリアです。


ただし、なぜ授業料が免除されるのか、というところがミソ。

先ほども書きました通り、交換留学の目的は「異文化交流」です。


交換留学生はいわばそのための使者。
使命を果たすには一定以上の英語力が必要。


現地の生徒とコミュニケーションを図ってもらわないことには「異文化交流」ができません。


ですので「交換留学生」になるには選考のための試験にパスする必要が出てくるのです。

結構な狭き門。
誰もがなれるわけではないのです。




 ■「私費留学」

近年人気を増しているのがこちらのスタイル。

文字通り「私費」での留学になります。
自腹ですね。


費用はかさむのですが、その分自由度はかなり高い。


渡航国、留学地域・学校、留学期間などはすべて自分で選ぶことができます。

選考のための試験や面接なども一応ありますが、入学基準としての英語力は不要。

(※ 中学レベルの英語力はあった方がいいです)


これまで「留学はしたいけれど、英語力にそこまでの自信がない……」といった理由であきらめていた方たちの強い味方となってくれる留学制度です。


    ( ..)φメモメモ 高い・高い・不要……(費用・自由度・英語力)
覚え方……!


また、さらに、


  • 卒業留学
    → 留学先の高校を卒業することを目的とし、海外の高校で現地の生徒と一緒に学びます。
  • スタディアブロード
    → 籍は日本の高校に置いたまま1学期から1年間を海外の高校で学び、そこで取得した単位を日本の高校に移行

の2種類に分かれます。


「卒業留学」はまさに正規の留学、といった感じ。

中学を卒業し、海外の高校に入学するパターンが一番多く、そのまま3年間を海外の高校生として過ごします。


カッコいいのですが、忘れてはならないのが「卒業するには単位が必要」ということ。


つまり、現地の生徒同様に数学や社会、音楽など、必要な授業をこなしていかなければならないのですね。


    (◎_◎;) 高い・高い・不要(= え、英語力)!!
そうなのです。


先ほど、選考の基準は低いと書きましたが(実際低いのですが)、英語力がそれなりにないと大変なことになってしまいます。


授業はすべて英語。

授業自体がチンプンカンプン。

卒業どころの騒ぎではなくなってしまいます。


それでは悲惨すぎる、ということで、英語力に自信のない方には、


「ESL(英語力を上げるためのレッスンコース)」


を準備している学校も多いのです。

が、それプラス通常の教科を受けることになるため、単位取得はその分遅れ気味に。


卒業が遠のきます。

ですので「入学基準に英語力は関係なし」だからといって単純に「ラッキー!」と思っていると非常に痛い目に逢うことになります。


入学基準に惑わされてはダメ。

最低でも留学先での授業についていけるだけの英語力はつけてから出発、です。



一方の「スタディアブロード」は日本の高校生として海外の高校に留学するパターン。

ここで心配になるのは、


    「もしかして、戻ってきたら1年ダブりになっちゃうの?」
ということ。

義務教育ではないので、高校では次の学年に上がるには、そのための単位を満たす必要があるからです。

実際には海外の高校でしっかり授業は受けているのですが、日本の高校では休学扱い。


クラスメイトは1年先輩。
1年後輩が同級生に。


    (ノД`)・゜・。 それは……かなりイヤである
大丈夫。

── の場合が多いです。


海外留学時に履修した単位(上限は36単位)を「日本の高校で履修したもの」としてカウントしてくれるのが「スタディアブロードプログラム」。


単位の数え方は国によっても違うため、在籍高校でどのように換算するのかは、各高校の規則に基づくことになります。

が、この仕組み自体を採用している高校であれば、帰国後もクラスのみんなと学年が分かれてしまうことはありません。


    (;´・ω・) 採用してなかったらどうなるのだ?
……1年ダブります。


でも、アレです、


    「世の中にはいろいろな常識があり、そのうちの1つだけが正解というわけではない」
という視点を留学生活ですでに得ている帰国子女の皆さまですので、


    「1学年下の後輩と一緒にもう1年高校生活を送れるなんて、面白いじゃないか!」
と前向きに捉えることもできるのではないでしょうか。


    ( 一一) ……
……世界には(高校という世界にも)いろいろな習慣と文化があるのです。


それを体感できるメリットと、もう一度同じ学年を繰り返すデメリット、どちらを優先するかも、留学を決める際の判断材料としてお使いください。




高校生で留学する「メリット」は?

前述の「あえて高校の時期を選ぶ理由」と被る部分も多いのですが、


「ある程度大人・ある程度子ども」


であるために享受できる数々のメリットがこちら。

    様々な文化や慣習に触れることができるため

  • 広い視点で物事を捉えることができるようになる
  • 様々な「常識」の存在を知ることができる
  • 異なる慣習等を「世界の姿」として受け入れることができる

  • 親元を離れ海外で生活することにより

  • 自立心が育つ
  • 責任感が培われる
  • 判断力が養われる
  • ご両親への感謝の気持ちが生まれる

  • 母国語とは違う言葉の中で24時間生活することにより

  • コミュニケーション能力がイヤでも高まる
  • そのための積極性が身につく
  • 行動力も同時に得ることができる
  • 日本を客観的に見つめなおすことができる
  • 結果「日本の良い面」には素直に感動
  • 「悪い面」に関しても真剣に今後の改善点などを考えるようになる

  • △言語力がアップする(留学期間と努力度にもよる)

    「様々な文化や習慣に触れることができる」
高校生でなくても海外に行けばこうした体験をすることはできます。

が、前述の通り異文化に対する柔軟性のある捉え方や、日本人としてのアイデンティティをバランスよく兼ね揃えている高校生の時期であることは大きな強みになります。


また、


    「親元を離れて一人で生活する」
というのも大きい。


親元を離れること自体が「メリット」というわけではないのですが、そのことがもたらす変化が、様々なメリットに繋がっていきます。


留学期間中は、交換留学であれば「ホストファミリー」のお宅にホームステイすることになるかと思います。

私費留学の場合は、ボランティアのお宅にホームステイか、シェアハウス、もしくは寮です。


ひとり暮らしをするわけではないので、一人ぼっちになるということはないのですが、相手は(良い人達だとしても)他人。

ご両親が当たり前のようにしてくれていた「無償の愛」的お世話はしてくれません。


朝・晩の食事は大抵提供されるはずですが(ホームステイの場合)、お昼ご飯は自分で調達するのが一般的。

起きるのも自力。

起きられないのは「自己管理ができていないから」とステイ先のご家族の目には映ります。


日本にいれば「家」「家族」は、外部から自分を守ってくれる安全地帯。

家の中では気を抜いてくつろぐことができます。


ですが、留学先ではそうもいきません。

自分の面倒は自分で見る、が基本。

自分の判断に責任をもって行動しないわけにはいかないのですね。


だから精神的にも成長が遂げられる。

そして、今までご両親がしてくれていた色々なことに感謝の気持ちが生まれたりもするのです。


    「母国語とは違う言葉の中で24時間生活」

海外の多くの国では、わからないことや質問などはこちらから言い出さない限り「察する」ということをしてくれません。

ステイ先のご家族に限らず、学校でもそう。


「何も言わない」=「言うべき問題は何もない」と受け止められます。


質問や疑問、問題などがあった際には、積極的にこちらから働きかけないとダメ。


言葉だけでなく、習慣なども違うため「どうなってんだ? 教えてくれ!」という状況はたくさん出てくることと思います。

じゃんじゃん話しかけて、問題を解決していくしかない。


また、自己主張も必要。

異なるのは言語だけではありません。

人間性も考え方もまるで違うのです。


日本特有の「波風を立てたくないからとりあえず黙っておこう」の精神でいくと、永遠に沈黙し続けることになります。


ここまで来るとほとんどサバイバル。

異なる価値観・文化・習慣に対し、自分の持つ「コミュニケーション能力」を駆使して対処していくしかないのですね。


ですので冒頭のセリフのように、言語力自体はそれほど向上しなかったとしても、間違いなくコミュニケーション能力だけはグンっとアップすることになるのです。

これこそが留学することで得られる最大のメリット。


そして、徐々に環境にも慣れ、周りの異文化に対し日本人としての客観的な感想を持つようになってきます。


「この国に生まれたかった……」と思う方も多いようですが、そこはもうどうにもならないため、


「日本のここが良くない」


といった部分に対し、真剣に改善点を探すようになる(ならないこともある)。


また、反対に、


「日本のこういうことは世界に誇れる!」


のような面も再確認です。


このように客観的に自分の国に対して考えるというのも、実際に外から日本を見たからこそできること。

高校留学にはメリットがいっぱいなのです。




デメリットは?

これまでに挙げてきたたくさんのメリットを、


「確実に受け取るには相当の努力が必要」


デメリットとするのは違うような気もしますが、留学期間をどのように過ごすかによってここに違いが出てきてしまいます。


渡航時の英語力も関係してきます。

特に私費留学の場合には、厳しい基準などがないため授業についていけずかなり苦労することも。


事前準備は大切です。


また、留学先にも日本人はいます。

同じく日本から留学してきた生徒さんなどですね。


居心地がいいから、といってあまりにも日本からの留学生とばかりつるんでいては、コミュニケーション能力も上がりません。

言語習得も、そこそこになってしまいます。


全く関わらないというのもどうかと思うのですが、この辺のバランスも大事。


過ごし方で変わるのは、


「留学のメリットとされているものを、自分にとってもメリットとすることができるか」


といった点です。


ここは頑張ればクリアできるかと思いますので、せっかくのメリットをデメリットにしないためにも、


    「自分のことは自分で」

    「積極的にその国の人や文化と触れ合う」
など、意識して留学生活を送ってみてください。


それ以外のデメリット(不安材料も含む)は以下の通り。


  • 留学費用が高額
  • トラブルに巻き込まれる可能性もある
  • ホームシックになることも
  • 日本の味も恋しくなる
  • ホストファミリーに出してもらう料理が残しにくい → 結果太る
  • 現地で友だちができるかどうかの不安
  • 留年の心配
  • 大学入試への不安
  • (長期留学の場合)日本語が下手になる  などなど

    「留学費用」
高いです。

あくまで目安となりますが「200万円から600万円」が相場。

特に私費留学で私立高校を選択した場合は本当に高い。


前述の「トビタテ! JAPAN」以外にも各都道府県の自治体、または民間団体などが運営する奨学金制度を利用することは可能です。

ですが、審査・選考等があるため、誰もが利用できるわけではないのがネック。

また、授業料など以外にも生活するための費用も掛かります。


費用を抑えるには、1学期間(3~4か月間)などの短期留学もおススメ。

英語力をガッツリ高める期間としては若干短いですが、異なる文化に身を置き自分自身を成長させるための留学であれば問題ないかと思います。


    「トラブル」
置き引きや盗難などの被害に逢うことも多いです。

日本の治安はかなりいいので、そのノリで油断してしまうとあっという間。

少しの間でもその場を離れるときには、貴重品や手荷物は必ず一緒に持っていってください。


また、寮やシェアハウスでの盗難被害も割とあるようです。

ここは「文化の違い」で片づけられる話ではないのですが、「欲しがられるようなもの」を持っていなければ盗まれてイヤな思いをすることもありません。

レアなものや高価なものはなるべく持ち込まないようにするのが無難です。


地域によっては非常に治安の悪いところもあります。

留学先としては極力避けるべき。

比較的治安がいい、とされる地域でもトラブルに巻き込まれないという保証はありません。


身だしなみや行動から「こいつにはスキがある」と思われ、ターゲットにされてしまうこともあります。


脅すわけではありませんが、治安については「ここは日本ではない(日本ほど安全ではない)」ということを常に意識していてください。


    「ホームシック」
なる人はなります。

ここは ── 我慢。


    「日本の味が恋しい」
海外での食べ物は「おいしいこと」に重点置かれているものが多いです。

そしてその「おいしい」が、現地の方の口に合った味であるため、日本食が恋しくなる確率はもの凄く高い。


食材を買ってきて自分で作ることもできなくはありませんが、


    ( ̄▽ ̄)  留学中の出費はできるだけ抑えたいのだ。高い野菜を買うくらいなら、安いジャンクフードを食らうのだ!
……これもよくあること。


日本から食品を持っていく場合には、国ごとに持ち込み禁止のものもあるため注意が必要です。

事前に渡航国のHPなどをチェックしてみてください。

(※ が、これが非常にわかりにくいのです。大丈夫だと思っていても「没収 → その場でごみ箱に」の場合もあることを一応覚悟しておいた方がいいかもしれません)


    「食事を残しにくい」
味が合わなくても、量が多すぎてもつい悪いと思って食べてしまう。

味はともかく、量については早めに伝えた方がいいです。


体格の違いもあります。

食事を出してくれることに感謝していること、それでも自分には量が多すぎることをしっかりと伝えれば、相手もイヤな気持ちにはなりません。


ですが、その食事自体がこってり目のことがほとんど。

留学中に太った、という方は多いです。


日本に戻れば、渡航前の食生活に戻りますので、いずれ元の体重に落ち着きます。


「留学は体重増加もセット」と、もう割り切ってしまいましょう。


特に女性には気になる部分かと思いますが……気にしても大抵太ります……


    「友だちができるかどうか不安」
これに関係してくるのもやはり「英語力」。

少し話せる程度の人と、ネイティブ並みに話せる人では話す内容にも差が出てきます。


友だちの本音部分と付き合うには、どちらにとってもストレスのないスムーズな会話ができることが最低条件。

コミュニケーション能力で何とかなる場合もありますが、限界アリです。


そのコミュニケーションすらうまく取れなければ、孤独な留学期間を過ごすことに。

これは結構キツいです。


日本からの留学生と一緒にいれば孤独感は薄まりますが、英語力アップは望めません。


渡航前には、ある程度の言語力は身につけておいた方がいいです。

ここは本当に頑張ってみてください。


    「留年の心配」
これは前述の通り。

「スタディアブロードプログラム」を採用している高校であれば、クラスメイトと一緒に進級できます。


ただし在籍高校の規則などにより細かい違いも出てきますので、渡航前には必ずご確認ください。


    「大学入試への不安」
留学の時期ですね。

9月はじまりの国の高校に1年間行く場合、2年生の夏からですと、大学受験の準備期間と被ってしまいます。

2年生になってからの留学の場合には1年間ではなく、1学期間(3~4か月間)だけにとどめておいた方が入試への影響は少ないです。


1年間の留学なら1年生の夏からがおススメ。


また、南半球の新学期は2月からです。

こちらも同様に受験への影響はそれほど出ないのは1年生の冬からの留学。


日本の大学への受験が前提の場合、帰国後の受験対策も考え、留学時期とその期間にもお気を付けください。


    「日本語が下手になる」
卒業留学など、長期にわたる留学の場合ですが、これは本当。

日本語が話せなくなるわけではなく、日本語を使う際の感覚がおかしな感じになってしまうのですね。


また、本来日本の高校で学ぶべきカリキュラムを履修していない、というデメリットもあります。

日本の高校で教わる「一般常識」的なものの代わりに、身についているのは「文化の異なる国での一般常識」です。


高校時代の留学ですので、その後日本で過ごしていくうちに元の感覚は戻ってくるとか思います。

ですが、抜けきらないと、


    「就職が不利になる」
というオマケがついてきます。


    Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン !! 留学経験は就職に有利に働くと聞いていたぞ! イメージ的にも有利そうではないか!
有利になるケースと不利になるケースがあるのです。


せっかくなので、留学経験を活かしましょう。

続いては「留学と就職」について。
見ていってみましょう。




留学経験は就職に活かせる?

企業が欲しいのは「留学経験のある人材」ではなく、


「留学経験を仕事に活かせる人材」


英語力があることは留学経験者であれば当たり前、とみなされます。

ですので、そこはアピールポイントにはなりません。


  • 言葉も文化も異なる海外に留学することを決意した勇気
  • 海外生活の中で苦労してきた経験値
  • それを乗り越えたタフさ
  • 海外で身につけたであろうコミュニケーション能力の高さ

企業が留学経験者を評価しているのは、こうしたポイントがあるから。

そしてこれらの経験を帰国後どのように活かしてきたか、また仕事にどう活かせるのか、が重要になってきます。


仕事にはチームワークが必要。

ですので好まれるのは、


「留学中に仲間と(同じ留学生でも現地の方とでも)何かを成し遂げた」


のようなエピソードです。

一人で、ではなくみんなと力を合わせて、が大事。


ですが、すんなり成し遂げてしまっては面白くないのです。

成し遂げるまでにいくつもの失敗や試行錯誤があった方がウケる。


また、多くの企業では日本人を相手に仕事をしています。

余りにも「外国かぶれ」のような考え方や振る舞いは、かなり嫌われます。

いくらコミュニケーション能力が求められているといっても、それはあくまで日本人としての資質が損なわれていない範囲のもの。


「留学により海外に染まった人」ではなく、欲しいのは、


「日本人としての文化や習慣、常識などをしっかり持っており、プラスで留学により多角的なものの見方や高いコミュニケーション能力も身につけている人」


つまり、留学したことにより就職が不利になるのは、


  • 英語力の高さしかアピールポイントのない人
  • 海外でのものの捉え方や習慣が自分の常識になってしまっている人
  • 面接では大抵聞かれる「具体的なエピソード」に留学中の出来事をうまく盛り込めない人
  • 一人でコツコツと努力した経験をエピソードとして話す

また、外資系や総合商社などでは面接にも多くの留学経験者がやってきます。

面接官も似たような経験談ですと飽きてきてしまいます。

経験を活かし、独自性のあるエピソードを語る必要があるのです。


留学していれば就職には有利、とは一概には言えません。

が、留学経験自体は上記の理由から評価されています。


大事なのは何をどう伝えるか。

うまく伝えられれば、経験したことは就職にも役立ってくれるはずです。




高校留学の「メリット・デメリット」をまとめる!!

長くなってしまいましたので、最後はサクッとまとめていきましょう。


♦ 【完全再現】留学あるある(解説付き)

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=lc9eDUmDwvQ?rel=0&w=560&h=315]
    高校生で留学する「メリット」


    仮に英語力がそれほどアップしなくても自分自身の成長につながる!


  • 物事を多角的に捉えられるようになる
  • 様々な「常識」の存在を知ることができる
  • 自立心・責任感・判断力・行動力が養われる
  • 異文化や異なる習慣などに触れることができる
  • ご両親への感謝の気持ちが生まれる
  • 客観的に「日本」を見つめなおすことができる
  • コミュニケーション能力が格段にアップ
  • 積極性も身につく
  • 留学期間を乗り切った自分に対して自信が持てるようになる
  • 頑張れば英語力も上がる 
  • とにかく色々な経験ができる!  などなど


  • デメリット


    メリットをメリットとするには相当の努力が必要……


  • 留学費用が高い(授業料だけでなく、生活費・医療費なども)
  • ある程度の英語力がないと授業についていけない
  • 現地での友だちができない可能性も
  • 日本からの留学生とばかりつるんでしまい、結局英語力が上がらない
  • ホームシックや日本食が恋しくなることも
  • 食文化の違いにより太る
  • 他人と住むことになるため、それなりのストレスが溜まる
  • 在籍している高校によっては留年の可能性もある
  • 留学時期・期間を選ばないと、大学受験の準備期間が少なくなる
  • シェアハウス・寮での友だちとのトラブルの可能性(ホームステイ先の場合も)
  • 治安への不安(スリや置き引き、窃盗に注意!)
  • 長期留学の場合、日本語の感覚がおかしくなることも
  • 帰国後、しばらくは日本の「日本らしさ」に違和感を覚えることも
  • 「留学経験 = 就職に有利」とは限らない  などなど




終わりに……

高校生で留学、というのは冷静に考えるともの凄く勇気のいることです。

日本で一人暮らしをするのとは、わけが違う。


……今、ふと思ってしまいました。


英語力をつけるために留学をする人も多いですが、コミュニケーション能力を高めるため、を理由としている人もたくさんいます。


文化や習慣だけでなく、人間性も全然違います。

というより、日本人がちょっと特殊なくらい奥ゆかしいのかも……


そうした日本人気質もいいのですが、加速度的に国際化が進んでいることを考えますと、留学に限らず世界を見る、というのは非常に大事なことなのですね。



── 今回も長くなってしまいました。


留学をお考えの皆さま、留学したいお子さまをお持ちの保護者の方々の「留学ってどんなもの?」が、少しでもスッキリしていたらうれしいです。


最後までおつき合いいただき、ありがとうございました。
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子どもにスマホは大丈夫?「メリット・デメリット」を詳しく説明 https://torend7.net/15380.html https://torend7.net/15380.html#respond Tue, 10 Jul 2018 16:04:34 +0000 https://torend7.net/?p=15380

「子どもにスマホ持たせてないの? なんで?!」


のような時代になっているのかも……
(なっていないかも……)


スマホ
スマホは便利です。

「スマートフォン」という名称ではあるものの、その機能は電話だけにとどまらず、ほとんどパソコンと変わりません。


現在高校生の所持率は99%。

ここまで来ると「持つな」というのはかわいそうな気がしますが、問題は、それよりももっとずっと小さいお子さまにスマホが与える影響です。


断固反対! という保護者の方も多いのですね。

ですが、小さなお子さま向けのアプリも豊富にあり、実際に赤ちゃんの保育時に有効に活用している方も多い。

むしろ、増えてきています。


また、スマホデビューの年齢もだんだんと低くなり、小学生全体を対象にした調査ではおよそ30%ものお子さまが自分のスマホを持っている、といった結果も出ています。

(2018年発表の2017年分のデータ)


結構な所持率なのです。


お子さまにスマホを持たせる時期については、それぞれのご家庭の方針でいいと思うのですが、一応メリット・デメリットを知っておくと安心。

ほぼほぼ間違いなく、いずれお子さまはスマホを持つようになるからです。


そしてその頃にはおそらく上記の所持率はもっともっと上がっていることに。

パソコンとスマホは全く同じではありませんが、小学校でも「情報モラル」や「パソコンの使い方」などを教えている時代です。


メリットの方が大きいと思う場合には、早い段階からお子さまにスマホを持たすこともありだと思います。

が、当然デメリットもあるため、高校生になってから、せめて中学までは持たせない、というものあり。


今回はお子さまにスマホを持たせるメリットとデメリットについてのご紹介です。
    「うちの子にスマホを持たせて大丈夫?」

のご判断に、少しでも役立てましたら幸いです。

子どもにスマホを持たせる一番の「メリット・デメリット」はコチラ!

    最大のメリット

  • いつでもすぐに連絡の取れる安心感

  • 最大のデメリット

  • スマホ依存や有害サイト・SNS利用によるトラブルのリスク

「持たせていると安心」という大きなメリットがありながら、「持っていることでトラブルに巻き込まれる」という大きなデメリットも生んでしまう。


    (; ・`д・´) だから悩んでるんじゃないの!!
だ、大丈夫です。

まずはこれ以外のメリットから。

順に見ていってみましょう。



子どもにスマホを持たせるメリットは?

  • 連絡手段として(最大メリット)
  • GPS機能により、子どもの居場所を知ることができる
  • 防犯対策として
  • 勉強に役立つアプリも豊富
  • わからないことがすぐに調べられる(調べる癖がつく)
  • 学校や塾以外にも世界が広がる
  • △スマホを持っていないために起こる友だち関係のズレなどが生じない

    (持っていないと)
    → 持っているお友だちと話が合わない

    → 遊びの誘いなど「家電」にかけることを嫌がられ、最終的には電話自体が来なくなる

まずは先ほど挙げました、


    「連絡手段として」
持たせていない場合を考えますと、これは本当に大きなメリットです。

お子さまの帰りが遅いときなどにもスマホで連絡を取ることが可能。


お子さまと仲のいいお友だちのお宅に電話をかけて「うちの子、そっちに行ってませんか?」などと聞く必要もありません。

直接お子さまに電話をして「あんた、何時だと思ってんの! 早く帰ってきなさい!」で済んでしまいます。


また、塾やお稽古ごとに通っているお子さまも多いかと思います。

お迎えに行くときにも便利。

電話やメッセージを送ってもらうことで、タイミングが無駄なく図れます。



    「GPS機能」
これも便利。

あまり考えたくないですが、災害時にも居場所を知ることが容易になります。

保護者の方のスマホやパソコンで、すぐにわかる。


大人同士でやってしまうと何かと問題も起きてしまいますが、ご家庭で決めた「行ってはいけない場所」などに立ち入っていないかもわかります。

お子さまも、そのことを知っていれば「行きたいけどバレる」から行かない。


上記の帰りの遅いお子さまの場合も、居場所だけは特定できていることになります。

万が一、通常考えられない場所や、その移動スピードがどう考えても「徒歩ではない」など、犯罪に巻き込まれていそうな場合にも素早く対処ができるのです。



    「防犯対策」
GPS機能も防犯に役立ちますが、小学生のお子さまの多くが利用している「キッズ携帯」の場合、本体自体が防犯ブザーになっています。

ついている紐をひけば大きなブザー音が鳴るだけでなく、保護者の方にも通知が即届くシステム。

さらには端末から通報を受ける形となり、最寄りの警備員が駆け付けてくれるサービスまであります。

(※ 携帯会社により提携している警備会社は異なります。月額利用額は0~300円程度ですが、実際に現場急行となった場合には1回につき5000円前後の料金がかかります)

もの凄く安心なのです。



    「勉強に役立つアプリが豊富」
本などで十分、と思われるかもしれませんが、スマホの強みは「音声」と「動画」。


小学校でも英語の授業が始まりました。

発音などもリアルに聞くことができ、しかも動きもある。


アプリによっては親しみやすいキャラクターが、わかりやすく解説をしてくれるものもあります。

苦手な教科でも飽きずに学習を続けることができる。


── が、ここはお子さまそれぞれかも。

勉強が嫌いなお子さまは、この程度では「勉強好き」にはならないかと思います。


ですがこれは、個人的には小さいうちからスマホに触れることで得られる一番のメリットと感じている、



    「わからないことをすぐに調べる癖がつく」
に繋がっていきます。

スマホがない状態では、わからないことが出てきた場合、


  • ご両親に聞く
  • 学校や塾の先生に聞く
  • お友だちに聞く
  • 図書館で調べる
などですね。


これで知りたい情報にたどり着ければいいのですが、そのうち、


  • もう面倒くさいから放っておく
……よくあることです。


ですがスマホの場合、本当にあっという間に「検索」できてしまう。

勉強に関することだけでなく、趣味や好きな芸能人のことなど何でもいいのですが、


    「とりあえずスマホで調べる」
という習慣がつくのです。


こうしてお子さまの世界は徐々に、


    「学校や塾以外にも広がる」
ネットの世界は広いです。

が、小学生くらいのお子さまにとって、通常、世界といえば「自分と家族とお友だち」でほとんど。

ですので学校でお友だちと喧嘩をしてしまった、などの場合大人以上にひどく傷ついてしまうのですね。


アルバイトのできる年齢くらいになれば、バイト先で多少イヤなことがあっても次の日学校で友人と「マジありえねぇ」などと言っているうちに気も楽になってきます。


小学生や中学生ではそうもいかない。

思いつめてしまうこともあります。


ですが、ここでネットの世界にお友だちがいれば、彼らに相談することもできる。


    「学校だけが世界のすべてじゃない……」
避難場所的にも機能してくれるのです。



と、ここまで順調に「メリット」部分を伸ばしてきている「子どもにスマホ」ですが、


    (。´・ω・)?  「持っていれば仲間外れにならない」から「持つ」っていうのは、ちょっとヘンなんじゃない?
確かに、これをメリットとするのはどうかとも思います。

かつての、


「うちはうち、よそはよそ! イヤならあのうちの子になりなさい!!」


ですね。

皆が持っているから、というのは実際にはちゃんとした理由にはなっていません。


が、現在のスマホ事情から考えますと、いじめなどに繋がってしまう可能性が非常に高いのです。


冒頭に書きましたように小学生のスマホ所持率は約30%。

中学生では60%に達する勢いです。


特に中学生のお子さまがスマホを持ちたい理由として一番に挙げているのは、


「LINEをやりたいから」


思いっきりお友だちとの通信手段。

持っているか持っていないかで「仲間外れ度」に大きな違いも出てきてしまうのです。


    ( ..)φメモメモ じゃあ、スマホは中学生になったら持たせる……と
先ほどチラリと書きました「キッズ携帯」は、登録された相手との通話やメールなども可能ですが、ネットには繋げません。

ですので、どちらかといいますと、


「通話もできる防犯ブザー」


防犯対策として持たせるものですので、これであれば小学1年生からでも特に問題はないかと思います。

GPS機能もありますので、持っていてもらえばかなり心強い。


が、キッズ「スマホ」の場合ですね。

中学まで待たず、小学生のうちから持たせてもいいと思うのですが、そのまま持たせるのはあまりにも危険です。


どのような危険が待ち受けているのか、続いてデメリット部分をサクッと見ていきましょう。




子どもにスマホを持たせるデメリットはコチラ!

  • スマホ依存や有害サイト・SNS利用によるトラブルのリスク

前述の「最大のデメリット」です。


「スマホ依存」というのは大人でもなるもの。


スマホに触れずにいられる時間はおよそ5分です。
もう、他のことは何もできません。


特にお子さまは好奇心の塊。

「面白い・楽しい」といったことにはブレーキが利かなくなってしまいます。

スマホのアプリには魅力的なゲームなどもたくさん。


楽しいと感じている脳には「ドーパミン」という物質がたくさん分泌されるようになります。

このドーパミンとは別名「やる気ホルモン」とも呼ばれるもの。


楽しいから「やる気ホルモン」が分泌され、そのことにより、さらにスマホを使うのが楽しくなってくる。


実はドーパミンは「やる気ホルモン」だけでなく「脳内麻薬」という非常に背徳感あふれる呼び名も持っているのです。


勉強することを楽しく感じてもドーパミン。

趣味などに没頭している時にもドーパミンの分泌。


でも、スマホ依存ではこれが「スマホ」。


  • 勉強時間が少なくなる(結果成績が下がる)
  • 集中力がなくなる(5分に一度はスマホに手が伸びます)
などの原因となってしまうこともありです。


また、


    「ゲームへの課金」
これも大きな問題になっています。


大人であってもついつい誘惑に負けてしまいそうになるのが「課金」。

そのように煽ることで、運営サイドは収益を上げているわけですので、本当にうまいこと課金を誘ってきます。

そして、

    「子どもは楽しいことへのブレーキが利きづらい(ほとんど利かない)」
ゲームへ10万円以上の課金を行ってしまった小学生の事例もあります。


    ( ゚Д゚) その10万円以上のお金ってもしかして……?
はい。
ご両親のカードです。


ですが「子どもが勝手にやったことだからお金を返して」というのは非常に難しい。

名義はご両親(のどちらか)だからです。


相手もまさか小学生がご両親名義のカードを勝手に使っているとは、気づきようがないのですね。

そして、勝手に使われたのか、実際には名義人が利用していたのかの証明もできない。


スマホにはこのようなデメリットもありなのです。



    「有害サイト」
これも先ほど挙げた「わからないことを調べる癖がつく」「広い世界を知ることができる」といったメリットの裏返し。


大抵の世界が覗けてしまうわけですので「絶対に子どもに見せたくない」世界に繋がってしまうこともあるのです。


有害ではないサイトに貼ってある広告に何気なくタッチしただけで、怪しげなサイトにリンクされてしまう、などということも本当に普通にあります。


スマホを使いこなせるようになれば「これは怪しい」と感覚的にわかってくるもの。

ですがスマホデビューしたてのお子さまには、その判断は難しすぎです。



出会い系サイトなどにも注意です。

良い人に比べれば少ないのですが、世の中には悪い大人も多い。

楽しいことへのコントロールが利きづらく、判断力もまだまだ十分とは言えないお子さまは、あっという間に餌食になってしまいます。


現在ではネット上で行われる詐欺などの主なターゲットは大人。

利用している割合がお子さまと比較して多いからです。

多い層をターゲットにした方が旨みがある(悪い人目線)。


が、今後ますますスマホ利用者の低年齢化が進めば、大人よりも簡単に引っ掛かりそうなお子さまをターゲットとした悪だくみは増えていくはずです。



また、LINEをはじめツイッターやFacebookなど、SNSの利用によるトラブルも多いです。


  • 「LINEいじめ」を代表とするネットを利用したいじめ
  • ツイッターなどに個人情報を載せてしまう
  • ネット上で知り合った実際の知り合いではない人の誘いに応じてしまう
    (知らない人から「友達申請」などが届く)
などなど。


先ほど挙げたメリットが、どんどん潰されていく感じです。


せっかく便利でお友だちとのコミュニケーションツールとしても優秀だったスマホが、得体のしれない怖い機器に見えてきてしまいます。


3番目の「知らない人の誘い」などは、気をつけないと本当に犯罪に巻き込まれてしまうパターンです。


    (>_<) つまり、子どもにはスマホは「大丈夫じゃない」ってこと?

お子さまにスマホを持たせるリスクは確かに高いです。


それはお子さまがまだ子どもだから。

大人に比べ自制心も判断力も、スマホに対する認識も、世の中に対する知識も浅いからです。


「子どもでもスマホは大丈夫」とするためには、ご両親がその分をフォローする必要が出てきます。

正しいスマホの利用の仕方を教えてあげれば大丈夫。


現実にスマホを巡ってのトラブルなどはありますが、


  • メリットは「スマホ自体」がもたらしてくれるもの
  • デメリットは「スマホの利用の仕方によって」は被るかもしれないもの

スマホ自体はただの「便利な機械」なのです。


以下に具体的な例を挙げさせていただきますが、ご家族間でのルールは絶対に作ってください。

利用の仕方さえ間違えなければ、デメリットは飛んでいきます。


また逆に考えますと、ルールを作ってのスマホ利用は、


    「スマホの正しい使い方・ネット世界の正しい捉え方」
といったものに「早い段階から触れ・慣れることができるメリット」にもなるのです。


前述の通り、いずれお子さまはスマホを持つようになります。


例えばその時期が高校生だった場合、小学生のお子さまがやってしまうような「だから子どもって……」というようなとんでもない利用の仕方はおそらくしません。

が、その年頃ですと以前ほどご両親のいうことも聞いてくれなくなっているのです(と思います)。


    「正しい使い方? は? うぜぇ」
のように「自己流スマホの使い方」を押し通し、上記のようなトラブルに発展する可能性が高まることも。

特に女のお子さんが性犯罪などに巻き込まれるケースが怖いです。


ですが、スタートが小学生だったら、


    (=゚ω゚)ノ 家族で決めたルールにも従ってくれるし、しかも高校生になるころにはスマホのベテランではないか!!
それだけトラブルに巻き揉まれる(犯罪にもネットでのいじめのようなものにも)リスクも減ることになるのですね。


    ( ̄ー ̄) よし、そのルールというものについてチャチャっと教えてくれたまえ。

……なぜでしょう、すごく教えたくない気分です……


続いて「リスクへの対処法」について。

デメリットをなくし、安全に、かつ便利なスマホをお子さまに持たせてあげてください。




「デメリット」はこうしてなくす!

    ルール: 購入前

  • 利用できる時間や、時間帯を決める

    →「1日〇時間まで」もしくは「夜の9時以降は禁止」「自分の部屋には持ち込まない」など

    → 使っていい時間にメリハリをつけることで「スマホ依存」が防げます

    → 勉強時間やスマホ以外の遊び時間も確保

  • ゲームに課金はしない

    → ゲーム自体を禁止、とまでする必要はないかとは思うのですが、お子さまの性格などによっては(アツくなりやすいなど)、全面的に禁止してしまった方が安心かもしれません

  • ネットで知り合った人には絶対に合わない

    → ダメです。たいてい何らかの悪いことを企んでいます

実際にするべきこと: 購入後

    スマホ利用に制限をかける


  • 「アプリ」への利用制限

    → 保護者の方が設定した「時間」「曜日」以外にはアプリが起動できなくなる機能
  • 「ネット」の利用制限

    → LINEも含め、ネットの利用時間等をアプリの時同様に保護者が設定
  • 「スマホ」自体の利用制限

    → そのままです。時間や曜日などで使えなくなるのはアプリやネットなど決まった機能ではなくスマホ自体


    ➡ 大手キャリアも制限をかける「フィルタリングサービス」等を実施していますが、若干緩いので、専用アプリをダウンロードしてお使いいただくことをおススメします。

  • セキュリティ対策を行う

    パソコンのセキュリティソフトの「家族を守る(← ウィルスバスターではこう)」などでもOK。

    お子さまのスマホといえどセキュリティ対策は大事です。

    ウィルス感染も防げます。

    その他、教えてあげたいこと


  • SNS利用時も、目の前にいる人と話すのと変わらない言葉遣いで、思いやりを持って接すること

    → 相手の反応が目では見えませんので、知らないうちに相手を気づ付けてしまっていることもありえます

    → ネット上にあふれている「他人への攻撃」「罵倒する言葉」などに慣れてしまうと、現実のお友だちなどにも同じように接してしまうことも考えられます

    → ネットの世界は現実と全く同じわけではない、ということはわかってもらってください

  • 収集した情報には「ウソ」も混じっていること

    → 情報のすべてを鵜呑みにしてはダメ

  • 個人情報は明かさない

    → 名前や住所などダイレクトな内容でなくても、学校名やよく遊んでいる公園などの固有名称を書いてしまうと、あっという間に個人が確定されてしまいます。
    それがどれほど怖いことなのか、しっかりと教えてあげてください

    その他、気をつけたいこと

  • 普段から積極的にコミュニケーションをとる

    →「スマホで何でも自分で調べる」は良いことなのですが、その分親子の会話が減ってしまってはせっかくのメリットも、ちょっと残念なことになってしまいます。

    また、お友だちと喧嘩をしてたんこぶができた、などとは違い、ネットの中で起きていることは気づきにくいことも多いです。

    お子さまも、なるべく起きてしまったトラブルを隠そうとする。

    こうした場合のちょっとした変化にも気づけるよう、お子さまとのコミュニケーションは、ぜひぜひ今まで通りかそれ以上を心がけてみてください。

  • お子さまの交友関係を把握するためにも「コミュニケーション」を!

    → スマホがなければ「○○ちゃん、いますか?」と家の電話にお友だちはかけてくることになります。

    ですが、スマホがあればお子さまに直接かかってくることに。

    交友関係がわかりにくくなる、といったデメリットもあります。

    「今かけてきたの誰?」と聞いてもいいのですが、これはお子さまにとっては実にうっとうしい話です。

    なかなか難しいかもしれませんが、何かあったときにはお子さまが自然に会話や相談のできる普段の環境づくりも大事になってきます。


    また小さなお子さまの場合、会話が減ることが言葉の遅れに繋がることもあるのです。

コミュニケーションは本当に大事。

ご家族との関りが薄くなればなるほど、その分スマホに逃げ場や癒しを求めていくことになります。

スマホ依存に陥りやすいのは圧倒的に家族間のコミュニケーションがそれほどでも……のケースです。


ゲームにハマるのも同じ。
ネットの世界にどっぷりつかってしまうのもこれ。


    家族と話している暇があったら、スマホで何かをしていたい。

    友だちと話している方がずっと面白い。
小学生くらいですと、ネットの世界というよりは学校のお友だちとの関りにスマホを利用することが多いと思います。

お友だちと話していた方が楽しいのは事実なのですが、程度というものがあります。


スマホによって、ご家族の絆的な何かが壊れてしまうというのは本末転倒しまくりの最悪のデメリットです。


ですが、しっかりとルールを決め、


    「スマホ・ネットというのはこういうものなのか」

    「色々なことができるけど、なんでもやっていいってわけじゃないんだな」
のように上手な利用法で経験値を積んでいくうちに、


    「スマホっていうのは便利で人とのコミュニケーションにも活用できる……そのためのただのツールだ」
現在スマホを利用している多くの大人たちと同じ境地に立つようになる。


個人的には、


    「子どもにスマホは大丈夫?」

    →「大丈夫!!」
と思っています。

ただし、利用方法を間違えてしまうとどうしようもなく危険なリスクがついてくるのも事実。


お子さまの性格やご家庭ごとの「スマホ環境(ご両親が留守がち、など)」等、様々な要因によってリスクとメリットのバランスは変わってきます。

ある程度大きくなってからは別として、小学生くらいの年齢のお子さまに対するデビュー時期は、それぞれのご家庭で慎重に吟味する必要はあり。


    「○○ちゃんも持ってるから」
を「だからうちの子も持って良し」の理由とするなど、上記のリスク回避を施していないスマホをお子さまに与えることは、絶対にダメ。

危なすぎです。




子どもにスマホは大丈夫?メリット・デメリットのまとめ

大人にとってはなくては困るほどの便利なアイテム「スマホ」。

お子さまにとっても便利であることに変わりはないのですが、大人以上にリスクを伴う機器となってしまうこともあります。


では最後におさらいです。
もう一度「メリット・デメリット」をサクサクっとまとめていってしまいましょう。


★ 子どもにスマホを持たせるメリット

  • 災害時や緊急時を含め、いつでも連絡を取ることができる

    → 最大のメリットとされているもの

  • 子どもの居場所を確認することができる

    → GPS機能による

  • 防犯対策として

    →「キッズ携帯」なら本体が防犯ブザー代わりに

  • 勉強にも役立つ

    → 音声や動画を使った、わかりやすい「勉強サポート」用のアプリも豊富

  • わからないことはすぐに調べる癖がつく

    →「検索」すれば大抵のことは調べられます

  • 学校や塾だけではない、広い世界と繋がることができる

    → 学校生活がうまくいかない場合でも、ネットで知り合ったお友だちに相談することができる、など、お子さまの避難場所的役割を果たしてくれることもあります

  • スマホを持っていないことで生じてしまう「持っているお友だち」とのズレがなくなる

    →「メリット」とするのも少しおかしいのですが、持っていないことでいじめに繋がることも実際には多いです

 デメリット

  • スマホ依存

    → 小さいうちから長時間スマホに触れ続けることにより、スマホをいじっていないと不安を感じてしまう依存症に陥る可能性があります

  • 有害サイトへの誘惑や詐欺

    → スマホで「なんでも調べる癖」がつくのはいいことなのですが、ネット上には子どもには見せたくないサイトもたくさん存在しています。

    また、出会い系サイトなどにも注意が必要となってきます
    (出会い系には多くの「アプリ」もありますので、こちらも併せてご注意ください)

  • SNS利用によるトラブル

    →「ネットいじめ」
    「個人情報を載せてしまう」
    「ネットで知り合った人と実際に会ってしまい犯罪に巻き込まれる」

    様々なケースがあります

  • ゲーム等への課金

    → ある日身に覚えのない高額請求がくるかも。

    実際にご両親のカードを使い10万円以上の課金をした小学生のことが、以前話題になったこともありました

  • ネットと現実の世界がごっちゃ混ぜになる

    → ネットでは相手の顔が見えません。

    そのため、学校などでお友だちと話す言葉遣いよりも過激な表現や相手を傷つけかねない会話のやり取りなども案外日常的に行われているのも。

    それが「普通」だと思ってしまいますと、普段の生活で誰かを傷つけても平気なお子さまになってしまうかもしれません。

    ネットはネット、現実とは混同してはいけないことを教えてあげてください

  • ネットの情報を鵜呑みにしてしまう

    → ネット上には、わざとではないかもしれませんが「嘘」の情報も混じっています。

    様々なことが調べられ非常に便利なのですが、「これは嘘、これは本当」という判断も時には必要となってきます

  • ネットを使った悪事の主要ターゲットが、今後低年齢化してくること

    → スマホデビューしたてのお子さまは、悪事を働く輩にとって、絶好のターゲットです(ひっかけやすい)。

    今までとは違った新手の詐欺などの被害に逢わないよう、お子さまとスマホの使い方などについて話し合われることは必須です



 購入前・購入後しておくべきこと

    【購入前】ご家族の間で「スマホ利用」のルールを作っておく

  • 利用時間や時間帯を決める
  • ゲームへの課金は禁止にする(しない場合には上限を決める。もしくはゲーム自体を禁止)
  • ネットで知り合った人とは絶対に会わないこと
  • 個人情報を明かさないこと

    などへの約束を徹底する

  • 【購入後】

  • 専用のフィルタリングアプリ等をインストールし、スマホに利用制限をかける

    →「アプリ」「ネット」「スマホ自体」をご両親が設定した「時間帯」「曜日」以外に利用できなくなる機能です

    → 利用不可となる時間帯や曜日の増減も可能。

    お子さまの成長に合わせて少しずつ増やしていってあげるとお子さまも大喜びです

  • セキュリティ対策を行う

  • 十分に使いこなせるようになるまでは、お子さまへのフォローを忘れない

  • 積極的なコミュニケーションを心がける

    → 上記のデメリットをなくすためには「ご家族間でのルールを作る」に加え「家族間のコミュニケーションが良好であること」も重要な要素となってきます

    → ネット上でのトラブルなど、何か困ったことがあった場合には必ずご両親に相談すること、なども初めに約束しておくと安心です



終わりに……

色々書いてきましたが、「正しくないスマホの使い方」をしているお子さまはほんの一握りです。

ですが、そのほんの一握りのお子さまがトラブルに巻き込まれてしまう率は本当に高い。


飛行機事故のようですね。
ほとんどないけど、あったら致命的……


そう考えますとちょっと怖いのですが、今後確実に必要となってくるのは「情報機器」への知識。

小さなうちから「スマホ」というツールを通じて慣れていくのは非常に有効なことではあるのです。


が、そこはご家庭それぞれ。

お子さまともよく話し合い、安全だ、と思える年齢・リスクに対する回避方法を整えたうえで、スマホの世界に触れさせてあげていただければ、と思います。


皆さまの、


    「うちの子にはスマホを持たせても大丈夫!」

    「うちの子はもう少し時期を待つ!」
などなど、ご判断の際の参考に、少しでもお役立ていただけたらうれしいです。


    ( ̄▽ ̄) 役立ててやらんこともない
……ムキーッ!



── 今回も長文失礼しました。
最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございます。
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みなし残業の『メリット・デメリット』を調べてわかったこと https://torend7.net/15349.html https://torend7.net/15349.html#respond Sat, 07 Jul 2018 03:15:24 +0000 https://torend7.net/?p=15349
    みなし残業のデメリットって、もう制度そのものは関係なくなっちゃってない……?

仕事
── さてさて、「みなし残業」です。

ネーミングからいって、何となく胡散臭さも感じてしまいますが、これ自体にはそれほど罪はありません。

正しく運用さえしていれば、会社側・社員側、どちらにもそれなりのメリットもあります。

そして「制度」だけを見ればデメリットと言えるほどのものもないのです。


ですが、世間一般のイメージとしては、


「会社が得するための制度でしょ? 働いてる側にはデメリットしかないヤツ」


のような感じではないでしょうか。


すっかり悪名高くなってしまった「みなし残業」ですが、


    本当は何のためにある制度なの?

    労働基準法に違反してるってホント?

    給与形態の欄に「みなし残業代含む」って書いてある……ブラックか? ブラックなのか……?

などなど、本来の姿とちょっと残念な現状も含めましてメリット・デメリットについて紹介いたします。

デメリットは大抵の場合、会社側も含め、この制度についてよく認識していないがために生まれてしまったものです。

知っていれば本当に防ぐことができます。


労働者側だけでなく、違反があれば会社側も「知らなかった」では済まされません。

とんでもない額の未払い残業代を支払うことになってしまう。


もうここは押さえておくしかない……


はい。
押さえていきましょう。


皆さまの「みなし残業」へのモヤモヤが少しでも薄れましたら幸いです。

「みなし残業」とは?

通常残業代とは、実際に残業した時間に合わせ毎月支払われる額が決まっていくものですが、みなし残業では、その額があらかじめ決められています。


「1か月あたり○○時間残業したものとして△万円をみなし残業代として支給(時間設定方式)」

「△万円を○○時間のみなし残業代として支給(金額設定方式)」



決められた時間よりも少ない残業時間であっても約束された「△万円」は支払われます。

逆にその時間を超えた残業を行った場合には、△万円に上乗せされて別途残業代が支払われる。


……特に問題ないような気がします。
というより、むしろ得です。


残業時間が少なくても一定の残業代は支給され、あらかじめ決められた時間を超えた分についても別途支給される。

増やされることはあっても、減らされることはありません。


ただし、ほとんどの企業では、こちらの制度を導入する際に、例えばですが、


  • 導入前: 基本給25万円

    → 導入後: 基本給21万円(30時間分のみなし残業代として4万円を支給)

    → パターン②: 基本給25万円(ただし30時間分のみなし残業代4万円を含む)

のように基本給自体を下げることが多いのですね。


特に「パターン②」では、一見基本給には変化がないようにも感じられます。


ですが、実際には今まで基本給にプラスされていた残業代が「30時間」までは支給されないことになるのです。


みなし残業の実態は残業代対策ですので、ある程度は仕方がない。


会社が頑張って残業代を捻出してくれるのはありがたいですが、そのせいでボーナスカットや基本給の減給、最悪リストラ、倒産となってしまったら残業代カットどころの話ではなくなってしまいます。


減るのはイヤですが、潰れて職を失うよりはまだマシ。


また、これまでの残業代支給のシステムですと、仕事の速い社員さんとゆっくり目な社員さんには、非常に理不尽な差がついてしまうこともあるのですね。


効率よくササっと仕事を終わらせた社員さんは、残業なしで帰れます。
ですが、ゆっくり目の社員さんは残業。


最終的にこなした仕事の分量は同じでも、効率が悪いという理由で残業代が出てしまう。

挙げた成果に関しては残業なしで帰ることのできた社員さんの方が上かもしれないのに、です。


残業代なんていらないから定時で帰れた方がいい、というのももっともなのですが、この仕組み自体はちょっとどうなのかと思ってしまいます。


── でも「みなし残業」ではこの不公平さが解消。


30時間残業したからプラス4万円なのが「ゆっくり目社員」さん。

効率よく業務をこなしたことで、残業なしに残業代に見合う4万円を受け取ることができるのが「仕事の速い社員」さんです。


会社としても残業をしていない社員さんにも残業代を支払うことになりますので、「効率良し」の社員さんの一人勝ち。


では会社のメリットはどこにあるのか。


  • 面倒な残業代の計算をしなくて済む

と言われることもありますが、実際には決められた時間を上回った残業時間となっていないか、といった確認や、上回っていた場合には清算のための処理作業を行う必要があり、それほどのメリットにはなりません。


やはり会社側のメリットは「残業代対策」になるということ。



法律では原則として「一日8時間、週40時間労働」を義務付けています。


これが「法定労働時間」。


そしてこれを超えた場合には「時間外労働」となり、時給単価を割り増しした残業代として支払うことが求められています。


ですので、支払わないわけにはいかない。
労働基準法違反になってしまいます。


ですので「みなし残業」を採用して少しでも残業代を削減しようとしているわけです。


では、このようにして実際に残業した時間と連動させた残業代ではなく、あらかじめ固定された金額で残業手当を支払うこと自体には違法性はないのか。

続いて見ていきましょう。




労働基準法では、どう扱われているの?

実はみなし残業という法令上の制度があるわけではありません。

あくまで企業ごとに任意で行っているルール。


ですが、だからといって違法というわけではないのですね。


公ではなく私的な制度ではありますが、労働基準法で定めていることを満たしている限り、運用は適法です。



みなし残業代は「定額残業代」「固定残業代」とも呼ばれます。


  • 残業したものと「みなす」→ みなし残業代
  • ひと月に支払われる残業代は「(あらかじめ決められた時間分は)定額」→ 定額残業代
  • 通常の残業代のように月ごとに変動せず「固定」されている → 固定残業代

このいずれの呼び名であっても労基法の条文内には登場してきませんが、


「適切な運用をしていること」


を前提とし、定額で残業手当を支払うこと自体は認められています。


が、問題はここ。


「適切な運用」がされてなさすぎなのです。


今後どうなっていくかは不明ですし、導入しているすべての企業が、とは言いません。

ですが半数以上どころか8割近くの企業が「適正ではない」運用の仕方をしている、というのが現状。


前述の通り「みなし残業」の制度には、確かに残業代削減のため、という労働者にとっては痛い部分もあります。

が、導入したから、ではなく、削減のための手段として選ばれたのが「みなし残業」の制度だった、です。


効率よく働けば、残業なしでも残業代が支給されることにもなりますし、賃金単価も(時給換算すれば)上がることになります。


だから、ここまではいい。

残業代が減るのは「いい」ではないですが、先ほど書きました通りボーナスやら基本給自体が減らされる、最悪倒産を考えれば「……やけ酒でも飲むか」程度の問題です。


ですが大問題なのは「不適切な運用」を目的として導入している企業も(が)多い、ということ。


そのために被るデメリットはけっこう悲惨です。


そしてこうした「悪用」の多さが、


「みなし残業」制度 = 詐欺制度


的な誤解を生んでいるのですが、


「誤解ではなく本当はそういう制度なのではないのか?」


と思えてしまうほどにボコボコとそうした実例が出てきてしまう。


試合の終わったサッカー場でごみをしっかり始末して世界中に「ワンダフル!」と言われた日本人……

災害時にも「火事場泥棒」的な悪事を働く人間の少なさで、やはり「日本人、ビューティフォー!」だったのに……

残業代を削減するため、もしくは長時間の残業を強いるために詐欺まがいの行為。


グッバイ・ワンダフル&ビューティフル……


非常に残念……ですが、みなし残業を悪用、もしくは制度についての会社側の認識不足から生まれる「デメリット」についても見ていってみましょう。




デメリットは?

      ① 「みなし残業」として決められた時間を超えて残業をしているのに残業代が出ない
      ② 「みなし残業」として決められた時間までは、残業をすることを強いられる
      ③ 同様に達していない時間分を差し引いた残業代が支給される
      ④ それどころか残業時間が決められた時間に満たない場合には、残業代が一切支払われない
      ⑤ いつの間にか会社側が「みなし残業」の制度を導入していた
      ⑥ 求人広告に記載された基本給が、実は「みなし残業」を含んだ額だった(基本給が思っていた以上に低かった)
      ⑦ みなし残業とされている時間と、その金額がいくらなのはよくわからないが、制度導入後、以前より給料が減っている
      ⑧ みなし残業代を除いた基本給が、各都道府県の定めている最低賃金よりかなり低めに設定されている

もう、メチャクチャですね。
あってはいけないことです。

みなし残業の制度は、前述の通り法令上の制度ではないためトラブルも起こりやすいのですが、そのため導入には厳しい条件が課せられています。

ですが、そのこと自体があまり周知されていない。


労働者側が知らずに、まんまと騙されてしまうケースと、企業側の認識が甘く、結果的に悪用と変わらなくなってしまうケース、どちらもありです。


上記のものは労働者サイドの被るデメリット。


が、悪用とまではならなくても、


「これではみなし残業とは認められませんよ」


とされた場合、企業側の受けるデメリットもかなりのものになってしまいます。


  • これまで「みなし残業代のつもり」で支払ってきた時間外割増賃金など(深夜・休日含む)のすべてが「払っていない」ものとされる
  • みなし残業代として、本来なら基本給に組み込まれていた分も、通常の残業代としての支払い義務が生じる
  • これに加え、さらに付加金が発生することもある

初めから悪用しようとしてバレた場合には「払ってください」と普通に思いますが、正しいと信じていた運用の条件に勘違いがあってもこれ。


これまで月々支払っていた「みなし残業代」はすべてチャラです。

制度として「無効」とされるわけですので、


「基本給21万円(30時間分のみなし残業代として4万円を支給)」


先ほどの例でいえば、この「30時間分」も通常の残業代として支払わなければならないことになります。


これまで支払ってきた4万円がなかったものになるだけでなく、これを含めた残業代をもう一度支給することに。


下手すれば潰れてしまうほどの打撃です。


でも、悪用することで単純にうまい汁を吸い続けている悪い企業も多々ある。


── では、どうすればこれらのデメリットに対抗できるのか。


これには労働基準法がみなし残業を導入するために前提としている「適正な運用」についての把握が本当に大事になってきます。


「適正でない」運用はみなし残業と認められないのです。

つまり、上記のような「デメリット」部分がある場合には、企業側の受けるペナルティも発動。


未払い金は返ってきますし、制度自体も廃止、もしくは大幅な改善が求められることになるのです。


制度を利用した人為的なデメリットについては、なくすことができるのですね。


ではその「適正な運用」とはどのようなものか。


続いて見ていってみましょう。




「適正に」運用するには?

      ① みなし残業に当たる時間と、その金額が明確にされていること
      ② 基本給など通常の労働時間に対する賃金と、みなし残業での賃金がハッキリと分けられていること
      ③ みなし残業代、または決められたみなし残業時間を超えた場合には、差額を支払うこと
      ④ みなし残業として決められた時間に満たない場合にも、固定された残業代を減額しないこと
      ⑤ 地域ごとに設定されている最低賃金を「基本給」が下回っていないこと
      ⑥ みなし残業の時間に対しての金額が、割増賃金としても最低賃金を下回っていないこと
      ⑦ みなし残業代制度(固定残業代制度)を採用することが契約内容として明示されていること
      ⑧ みなし残業制度を採用することへの合意を労働者から得ていること

    ★ 制度が「有効か無効か」を判断するために特に厳しくチェックされること


  • みなし残業の時間とその金額が「契約上明確にされている」こと
  • 超過分については、上乗せして残業代が支払われることを明示

    → 口頭で伝えるだけではダメ。

    「就業規則」「賃金規程」が、常に見ることのできる場所に置かれていない場合にも制度は「無効」とされます

これらが「前提」とされる運用するための条件です。

ですので、先ほど挙げましたデメリットを平気で従業員の皆さまに押し付けている会社は、本当にブラック。

もしくは、そういうものと経営サイドが信じ込んでいるのかもしれませんが、そのこと自体アウトです。


また、ちょっと毛色の違う、

      ⑤ 地域ごとに設定されている最低賃金を「基本給」下回っていないこと
      ⑥ みなし残業の時間に対してその金額が、割増賃金としても最低賃金を下回っていないこと
についてですが、例えば東京ですと2018年現在での最低賃金は「958円」。

これは時給ですが、基本給を時給換算した金額が「958円以下」に設定されていた場合には制度自体が無効です。


ひと月に支給されるのは「みなし残業代分」も含めての額ですが、基本給自体はその分減額されていることになります。

最低賃金を下回ってはいけないのは、あくまで「基本給」部分。

みなし残業代を含まない金額となります。


あらかじめ「30時間」と決めるよりも「40時間」のように長い時間をみなし残業に当たる時間とした方が企業としても残業代削減にはなる。

ですが、やりすぎると最低賃金を下回ることになりそもそも制度自体が「無効」となってしまうのです。


みなし残業時間とその残業代についても同じ。


法定労働時間外となりますので、みなし残業代は割増賃金で計算されます。


  • 法定労働時間を上回る「時間外労働」: 通常の労働時間帯の25%の増額率
  • 夜10時から翌5時までの「深夜労働」: 50%
  • 休日に仕事をする「休日労働」: 25%

それぞれに決められた増額率があるのですが、先ほどの例「基本給21万円(30時間分のみなし残業代として4万円を支給)」の場合、


「958円 × 1.25(25%)=1197.5円」


これが、1時間あたりに支払われる「時間外割増賃金」です。

この30時間分なので、


「1197.5円(時間外割増賃金) × 30時間分 = 35,925円」


これを上回っている「4万円」をみなし残業代としているのでセーフ。


……面倒くさいのです。


さらに、ここに増額率の変わってくる「深夜労働」が加わった月などは、「35,927円の壁」を超えていないかを確認、清算のための処理作業もプラスです。


先ほども書きましたが、よく聞く会社側のメリット、


  • 面倒な残業代の計算をしなくて済む

── 撃沈。


しかも、ここを怠ると先ほど挙げた会社へのペナルティ、


「支払ってきたみなし残業代まで、なかったことにされ追加で通常の残業代としての支払い義務、最悪付加金も発生」


なのです。


また、


      ⑧ みなし残業制度を採用することへの合意を労働者から得ていること
これも大事です。


前述の通り、これまでの基本給の中にみなし残業代を含ませることで、支給額は変えずに、その賃金に対する制度を変更しているわけですが、これは労働者にとっては損です。


ですのでこうした労働条件が不利益となる変更には従業員の同意が不可欠とされているのですね。


しっかりとした運用をしている企業などの場合には、こうしたことも含め従業員との話し合いをしていく、もしくは基本給に上乗せの形でみなし残業代が支給されることになるかと思います。

上乗せの場合には労働者に不利益は生じていませんので(利益が発生しています)同意は不要。

(※ ただし、上乗せされるケースはほとんどないかと思われます)


が、悪用を目論んでいる場合には、



    「賃金総額は変わらないから」

    「みんなサインしてくれた」

    「制度が変わったから」

などなど、同意を得るための常套句がまことしやかに囁かれます。


その後、



    「残業代はみなし残業代としてすでに支払い済みだ」

    「これは残業とは認められない」

    「みなし残業で決められた時間分はちゃんと残業してもらわないと」

などなどに続く……

またはこれ以上にひどいのが、導入している企業の8割近く……


だんだんと「みなし残業」の制度自体が悪者に思えてきてしまいました。


残業代の削減は企業の存続にとって、確かに必要な場合も多いのです。

が、こうなってきますと単に制度への認知度の低さを逆手に取った詐欺ですね。



さて、みなし残業にもの凄く語感の似ている制度に「みなし労働時間制」というものがあります。


こちらは企業内で独自に作られた制度ではなく、法律上の制度なのですが、名称が非常に似通っていることから、ごっちゃにされてしまうことも。


「みなし残業ではいくら働いても追加で残業代が出ない」


との誤解を招いてしまっている要因ともなっています。


長時間

 ■「みなし労働時間制」とは?

「みなし」繋がり、ということで、こちらの制度についても簡単にご紹介です。


実際にはみなし残業とみなし労働制は全くの別物。

似ているのは名称だけなのですが、混同して覚えてしまいますと残業代の支払われる仕組みがますますややこしいことになってしまいます。


ごく簡単にまとめてしまいますと「みなし労働時間制」とは、


  • 営業など、一日中社外で過ごす社員について「○○時間労働したものとする」

    → 会社がその時間を正確に把握することは不可能だから

    → 事業所外労働制

  • 自然科学の研究者やデザイナー、テレビディレクターや弁護士、ゲームソフトの創作者、その他諸々、集中的に忙しく、ある時期を過ぎると急激に仕事が落ち着くような職種の方たちについても同様に「働いたとみなす時間をあらかじめ決めておく」

    → 会社からの指示ではなく、彼らのペース仕事をしてもらった方が効率がいいから

    → 裁量労働制

同じ「みなし」でも、上記のように限られた職種にしか適用できない制度です。


また、みなし労働時間を「8時間」(もしくはそれ以下)に設定していた場合、実際の労働時間がそれを上回ったとしても関係なし。


4時間しか働かなくても「8時間労働扱い」。

その代わり10時間働いても、12時間働いても「8時間労働扱い」。


「残業」とはなりません。
だから「残業代」もなし。


自然科学者などだとわかりやすいですね。


労働者である限り、一日8時間、週40時間労働を超えたものに関しては「時間外労働時間」となることに変わりはないのですが、時間に合わせて実験の結果が出るわけではありません。


長時間の観察等も必要となってきますが、8時間を超えたものすべてに残業代を支給するというのもムリ。

(※ 設定されているみなし労働時間が法定労働時間を超えた「9時間」などであれば8時間を超えた分に関しての残業代は支給されることになります。

また、みなし残業代は決められた時間までは休日・深夜の割増賃金の支払いの必要はありませが、みなし労働時間制では、支給されることになっています)


ですので、労働時間と「みなす」時間をあらかじめ設定、です。


確かに「労働」と「残業」の違いはあるものの、似ているのです。


そしてそこをちゃっかり利用し、



「うちは裁量労働制だから」



と「みなし残業代」についても同様に、



「残業代はすでに支払い済み。追加はなし」



としてしまうケースも多い。


そもそもみなし労働時間制はどの企業でも採用できる制度ではありません。

でも似てる。

そしてどちらも、皆が熟知しているわけではないのです。


だから「そうなのか……」と諦めつつ、納得してしまうのですね。


ですが、みなし労働時間制(特に「裁量労働制」が混同されて使われやすいです)とみなし残業の制度は関係なし。

みなし残業制度では、法定労働時間を超えた分に関しては、企業には追加での残業代を支払う義務があるのです。


裁量労働制を振りかざされた場合も含め、上記の「デメリット」部分はすべて違法です(民法・労基法)。



求人の際の数々の問題もあり、若者雇用促進法の改正時に、


  • 月給25万円(4万円のみなし残業代含む)
  • 月給25万円(30時間分のみなし残業代を含む)
などの曖昧な表現をせず、


  • みなし残業に当たる時間
  • その金額
  • みなし残業分を除いた基本給の額
  • 超過分については追加で支払うこと

などを明示するように、との規定もできました。


ここは、少しだけ改善です。


また、みなし残業とする時間に上限は特別に設けられているわけではないのですが、そもそも残業代が通常よりも割り増された賃金になるのは、


「企業としても通常よりも多くの賃金を支払うのはイヤだろうから、割増賃金とすれば長時間労働も減らせるのではないか?」


といった法的な理由があるからなのです。


さらには時間外労働をしてもらう際には労働者と使用者(会社)との間で「36(サブロク)協定」という約束を交わす必要もあるのですね。


通常の労働であれば、そのリミットが「45時間」。


この2つを併せて考えますと、45時間以上のみなし残業時間は、



    「通常の労働での時間外労働時間の上限を超えた設定をしているということは、過剰な残業が前提されているに違いない(けしからん)!」

とされ、制度自体が適正なものではないとして認められない場合もあります。



「45時間」は絶対のラインではないのですが、設定されている時間も重要なポイントとなってきます。


普通に考えましても、残業自体がそれほど多くない会社の場合、みなし残業の制度を採り入れる必要がない。

削減すべき残業代が発生していないからです。


また、月に10時間程度の残業時間、という会社が「みなし残業時間30時間分として4万円を含む」とすることもまずありえません。


何のために10時間分支払えばいい残業代をあえて30時間分に増やすのか、意味がないからですね。


ですので、先ほど「メリット」として挙げさせていただいた、


「決められた時間よりも少ない残業時間であっても約束された『△万円』は支払われる」


これは実際にはほとんど得ることのできない(であろう)メリット、となってしまっています。



……段々と説得力がなくなってきている気がしてきましたが、「みなし残業」は制度としては、特に問題はありません。

実際の残業時間に合わせ、毎月変動する残業代の清算をしなければならなかった部分が定額にすることで楽になる、といった会社側のメリットはそれほどでもないのですが、残業代削減には一役買っています。


労働者側からすれば歓迎できることではありませんが、給与やボーナスが減らされたり、倒産してしまうよりはずいぶんとマシ。


ですが、こうしたまだ何とか納得できる理由からではなく、


「企業の私腹を肥やす」


的目的で導入しているケースが多すぎるのがみなし残業の最たるデメリット。


……みなし残業……


現状を知れば知るほど、黒くなっていきます。


では最後に、ほんの数行でまとめられてしまいそうなメリット・デメリットについてのおさらいにいってみましょう。




みなし残業の「メリット・デメリット」をまとめる!

    みなし残業のメリット

  • 適正に運用されていれば

    → 残業時間が少ない月も、安定した残業代が支給される

    → 企業側も多少は「残業代」に関わる煩雑な処理が軽減

  • ➡ 賃金総額を変えずに賃金制度を変えることにより残業代の削減が望める



  • 適正に運用されていない場合には(悪用を目論んでいる側目線)

    ➡ 違法性がバレるまで、良いように従業員を使える


  • デメリット

  • 悪用目的、もしくは企業側の制度への認識不足により、支払われるべき残業代が支払われない
  • 長時間労働を強いるための手段として利用されることが多い
  • みなし残業が制度として適正でないと判断された場合には、衝撃的な額の経済的負担が企業に降りかかる



終わりに……

「制度としては特に問題はない」と再三書いてきましたが、制度を利用する側に甚大な問題があれば、


「制度としても問題あり」


にもなってしまいます。


みなし残業の制度は、いわゆるブラック企業に利用されやすい制度であることは確かです。


ですが、8割近くの導入企業がこれに近いとはいえ、残りの2割の適正に運用している企業のことを考えますと、一概に、


「みなし残業を採用しているところには就職しない方がいい」


とは言いにくいです。


── 言いにくいのですが、現実問題としては「しない方が無難」。


残業代削減のため、泣く泣く社員の皆さまに「みなし残業」を受け入れてもらっている善意の経営者の方も「2割くらい」と少ないですが、頑張っていてくれています。

……なんと言いますか、ムカつきますね。悪い人には。




今回もダラダラと書いてしまいました。

腹の立つ「悪い人」対策のためにも、みなし残業について違反を見つけたら労基や弁護士さんに相談してしまいましょう。


労働基準法とは働く方々の労働環境を守るためにつくられた最低ラインです。


そして正義は勝たないとダメなのです。



── さてさて、みなし残業についてのモヤモヤは、多少なりとも薄れましたでしょうか。

皆さまの毎日のお仕事が理不尽なことに侵されませんよう、併せて願っております。



最後までおつき合いいただき、ありがとうございました。
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