2008年にスタートを切った「ふるさと納税」。

── あ、おいしい牛肉が貰えるヤツだ!
……牛肉……限定ではないですし、そもそもそういう制度ではありません……

ですが具体的な仕組みを知らなくても、
「豪華な特産品が貰える」
ということだけは何となく誰もが知っている。
「ふるさと納税」を勧めるCMや、獲得できる魅力的な特産品の紹介、そのまま寄附の申し込みまでできるサイトなどもたくさんありますね。
本屋さんでも「ふるさと納税」について、または特産品についてまとめた雑誌などは、何種類も並んでいます。
これらを見る限り、
「ふるさと納税にはお得感しかない!」
と思ってしまうのですが、
- 「ふるさと納税」とはどのようなものなのか?
- どのような仕組みで、メリットだらけのシステムは保たれているのか?
- え~? 本当はどっかに落とし穴、あるんじゃないの~?
- メリットだけだなんて、絶対に怪しいって!
- どうして故郷に納税っていう当然のことをしているだけで、特産品がもらえるんだ?
- オイ、「ふるさと納税」! 一体何を企んでいるんだ?!
── (妄想も含め)謎も多いのです。
「ふるさと納税」のメリット・デメリットについて、ここらで一旦はっきりさせてしまいましょう。
賢い使い方等含めまして、謎部分を解明いたします。
実際に「ふるさと納税」をするかしないかは自由なのですが、皆さまの、
「なんかスッキリしたぞ」
のお手伝いとなれましたら幸いです。
「ふるさと納税」ってどんなもの?
簡単に言いますと、「応援したい地域などに寄附をすることにより、返礼として特産品が貰え、所得税・住民税も安くなる制度」
ここだけ聞くと、もう夢のようです。
何ともお得。
例えば、
- この地域を応援したい
- 以前お世話になった(旅行などで)地域のまちづくりに少しでも協力したい
- 復興や復旧の役に立ちたい
などの場合、通常ですと単純に「寄附」をすることになります。
ですが「ふるさと納税」ではその名前の通り、最低2000円からの自己負担額を除き、
- 所得税
→「還付」: 指定口座に振り込まれます - 住民税
→「控除」: 本来払うべき金額から差し引かれます
分散して戻ってくることになるのですね。
(※ 2015年に誕生した「ワンストップ特例制度」を利用した場合には、分散されず「住民税」からその全額が控除されます)
ただ寄附するだけではなく、減税としても反映される。
本来なら住民税は住んでいる(住民票のある)地域に、所得税は国に納めるものなのですが、この納め先を自分で選択することができるのです。
つまり、応援したい地域に寄附金という名の納税をする。
そして応援してくれたことに対し、その地域の自治体からお礼の品として「特産物」などが送られる、というシステムが「ふるさと納税」。
「ふるさと納税」という名称をちょっと裏切った感じですが、実際には「ふるさと(住んでいる地域)に限らず納税」です。
応援したい自治体を選び、
「寄附」&「納税」
=「返礼品」&「減税」
すごいお得……
── でも、なんでここまでしてくれるの?
では、続いて、
このような仕組みが生まれた訳、具体的なメリットにはどのようなものがあるのか?
について少し詳しく見ていってみましょう。

なぜそんなにお得なシステムは作られたのか?
これは結構深刻なのです。人口の少ない地方では、税収を確保するのがきついのですね。
その自治体に税金を払う人の数が少なければ、当然そうなってしまいます。
加えて若い人たちも都会に出ていってしまう。
何かいい方法はないか、ということで生まれたのが「ふるさと納税」の制度です。
特産物を返礼品とすることで、都心部からの納税(寄附)も望めます。
地域のものが特産品となるわけなので、地元の企業・産業なども活性化される。
それに伴い、仕事も増え、新たな労働力も必要となってきます。
住民の皆さんのテンションもアップ。
地域全体に活気が生まれるのですね。
特産品だけでなく、
「こんなにおいしいリンゴを作っているところです。ぜひ地元に食べに来てください!」
のように、その地域自体を観光地としてアピールすることにも繋がる。
また、集まった寄付金も公共施設の整備や、はしご車購入など、実際に地域のために役立てることができます。
保護施設を拡大し「捨て犬の殺処分ゼロプロジェクト」への支援を「ふるさと納税で!」と呼びかけている自治体もあり。
そういうことなら役立ててもらおうか、と思う人も増えてきます。
こうなってくると、もはや「納税」というより「寄附」要素の方が断然大きくなる。
ですので「ふるさと納税」には「寄付金控除」の制度が適用され、全額ではないものの、税金が減額される仕組みになっているのです。
「ふるさと納税」は、地元の方たちにとっても税収の確保や、地域の活性化に一役買っている制度。
そのための「寄附金」であり、それに対するお礼でもあるため、寄附する側にとってもメリットのある制度、となるのです。
スタートした時に掲げられたコンセプトは、
「ふるさと納税で日本を元気に!」
確かに元気になりそうですね。

「ふるさと納税」のメリットはこちら!
── もう、メリットしか思い浮かばないんだけど……自分の応援したい自治体へ寄附することで、その地域の特産品が頂けて、その上税金まで減額される。
これだけでも十分にメリット「大」なのですが、具体的な「ふるさと納税」の流れを見ながら、寄附する納税者側、寄附される自治体側のメリットを少し細かく確認していきましょう。
まずは「ふるさと納税」をするかしないか、を決めるところからスタートです。
「しない」ですと話が終わってしまいますので「する」を選択。
寄附する側が続いて行うことは、その寄附先を決めることになります。
ここもメリットのひとつ。
応援したい地域を自分で決められる、というのは大きなポイントです。
さらに自治体によっては、寄附金の使い道を指定することも可能。
「『保育園』を増やしてもらおうと寄附したのに、まさか道路の整備費に使われるとは……無念……」
ということもないのです。
これも凄い。
逆に寄附される側、自治体にとっても「こういうことに使いたい」に賛同してくれる人たちからの寄付金はメリットにしかなりません。
人口が減り、まちの環境整備などに手が回らなかった自治体も、他の地域の皆さんからの協力(寄附)により、住みやすいまちづくりや自然の保護などができる。
そして、また寄附サイドに戻りますが、寄附先は1つの自治体だけでなく、好きなだけOKなのです。
つまり、その分の「特産品」がいただけることになります。
しかも税金の控除・還付つき。
寄附してもらった自治体サイドも、先ほど書きましたように、特産品や地域自体のPR、地元の活性化へと繋げることができる。
このままだと本当に「メリット」しかないような気が……
ですね。
どちらにとってもいいところしか見当たらない。
ですが、
「メリットあるところ、デメリットあり」
の名言からもわかりますように「デメリット」もやはり存在しています。
では続いてその「デメリット」部分について。
知りたくない気もしますが、こちらについても見ていきましょう。
(※「デメリット」は存在していますが、上記の名言は存在していません)
おいしい話には裏がある?!「ふるさと納税」のデメリットは?
まずは、「寄附 → 特産品が届く → 税金が安くなる」
の流れを見てみましょう。
- 寄附先を決め実際に寄附する / 特産品の申し込み手続きをする
→ 寄附した自治体から「寄附金受領証明書」が届く
→ 「特産品」が届く - 「寄附金受領証明書」を添付し「確定申告」をする(税務署)
→ 所得税から還付
→ 税務署から納税者の住んでいる自治体に連絡(寄附を行ったことの報告)
→ 住民税から控除
2015年までは、還付・控除を受けるには確定申告が必須だったのですが、
「2015年に『ワンストップ特例制度』ができる」
このことにより、本来確定申告が必要のない方に限りですが、以下のような流れが可能になりました。
★ワンストップ特例制度を利用した場合
- 寄附先を決め実際に寄附 / 特産品の申し込み手続きをする
→ この時に「申請書の要請」もしておく
→ 寄附先の自治体から「寄附金税額控除に係わる申告特例申請書」が送られてくる
→ 特産品が届く - 届いた申請書に必要事項を記入し、寄附先の自治体に送る
→ 住民税が控除 - 確定申告
→ 不要
住民税しか控除されないのは損なのでは? と思われるかもしれませんが、所得税と住民税に分散されていた金額が単に一本化されるだけなので、金額的にはどちらも変わりはありません。
さて、ここのどこに「デメリット」部分が潜んでいるのか?
── なんだかんだ言っても面倒なのです。
確定申告はもちろん、ワンストップ特例制度ができ多少は簡易化されましたが、それでもかなり手続きはややこしい。
ですが、そこは仕方がない。
何とかクリアしたとしましょう。
今度は特産品の届くまでです。
時間がかなりかかる。
通常1~2か月後といわれていますが、人気の商品では半年以上待つことも珍しくありません。
その上「品切れ(売り切れ)」ですね。
これも案外多い。
さらには「還付・控除」の時期。
- 所得税の還付(確定申告した場合): その年の寄付金額に応じた分が翌年度の3月末までに指定口座に振り込まれます
- 住民税の控除(確定申告・ワンストップ~どちらの場合も): その年の寄付金額に応じ、翌年の6月以降分の住民税から差し引かれる
寄附してずいぶんと時間が経ち、忘れたころに戻ってくることになります。
そして、その締め切り。
- 確定申告: 寄附した年の翌年の3月15日まで
- ワンストップ特例制度を利用: 寄附先の自治体に翌年の1月10日まで(原則)
確定申告の期限を過ぎてしまうと延滞税などがかかってしまうのはもちろんですが、ワンストップ~の場合でも上記の期限は厳守。
書類を受け取ってもらえなくなってしまいます。
「寄附して特産品も届いた。よし、やり切った!」
などと言っている場合ではないのです。
減税にはいずれかの申告が絶対条件。
これをしないと、単に寄附をしてその返礼品を頂いた、で終わりになってしまいます(減税に関係なく、寄附することはもちろん可能)。
せっかくなので、申告忘れなどのないよう、ご注意ください。
ちなみに「ワンストップ特例制度」を利用できる「確定申告の必要のない方たち」というのは、
- 収入がない
- 給与をもらっているのは1か所からだけで、それ以外に20万円以上の所得を得ていない
- 公的な年金が400万円以下 などなど
いつの間にか結構な「デメリット」量になってきましたが、さらに「ワンストップ特例制度」を利用するには条件があり、
- 1年間に寄附できる自治体は5つまで(同じ自治体に複数回行う場合には1回にカウント)
- 寄附するごとに、各自治体へ毎回申請書を送る
そして、前述の通り、
- その年に確定申告の必要がない方
となっています。
── デメリットは、手続き上の手間かぁ……
いえ、手間もさることながら、もう一つ、絶対に知っておいていただきたいことがあるのです。
先ほどサラッと書いているのですが「最低2000円からの自己負担額を除き」の部分です。
これ、あくまで「最低金額」なのですね。
いくら寄附しても「2000円を超えた分はすべて還付・控除される」わけではありません。
ここがちょっと複雑なので、ゆっくりいきましょう。

「2000円」でオールオッケーではない?!
まずはこの「自己負担額 = 2000円」ですが、これには、「寄付金控除となる上限」
というものが絡んできます。
寄附した金額が税金から差し引かれるための上限となる金額です。
実際に「2000円を超えた分は控除される」ということは税金の寄附控除として定められているものなのですが、これだけですと、かなり言葉が足りません。
「寄附控除の上限を出ない金額分に関しては」2000円を超えた分は控除される、なのですね。
つまり、例えばですが、
「上限 = 2万円」の人が10万円の寄附
=「10万円 ― 2000円 = 9万8千円の控除」
=「10万円 ― 2000円 = 9万8千円の控除」
とはならないのです。
上限の2万円までの寄附については「1万8千円」控除されるだけ。
あとの8万円は税金の減額には全く関係のない、純然たる「寄附」扱い。
(※ この8万円に関しても、すべて返ってこないわけではなく、所得税・住民税の寄付金控除の一部(基本分)は適用されます)
本当にその地域を応援したい、自分の損得は関係ない、というのであればこれは善行です。
ですが、ここを勘違いして「うそ、マジで……」となるのは愚行……
しかも、この上限額は人によって異なるのですね。
所得(年収)が多い人ほど、その上限額は高く設定されています。
また、未婚・既婚、お子さんの有無などでも上限は変わってくる。
そして、この上限が低い。
年収の高い人の上限さえ、実に低いのです。
1000万円の年収があり、独身または共働きの場合でも、「自己負担額2000円」に抑えるには1年間におよそ17万円程度が寄附できる上限額(これはまぁまぁ高いです……)。
500万の年収で同じ条件(家族構成)なら約6万円。
年収が300万円なら2万7千円ほど。
これでも2015年に約2倍になった上限額なのです。
ワンストップ特例制度の利用条件に「1年間に寄附できる先は5自治体以内」というのがありましたが、年収が低くなればなるほど、
「そりゃそうだ、そんなに寄附できるほど上限額に余裕がないぞ」
となります。
ワンストップ~を利用しない場合には寄附先の件数には上限がありませんが、もはやよっぽどの大金持ちでもない限り、
「たくさん寄附して豪華な特産品もたくさんゲット」
とはならないのですね。
なお、納税の必要のない方たち(税金がかかっていない方たち)は、金銭的には何の恩恵にも与れません。
「寄付金控除」とは、
「本来支払うべき税金額から差し引きますよ」
という制度。
払っていないものからは引けないからです。
ただし、寄附金額の控除は受けられませんが寄附すること自体は問題なくできます(特産品も受け取れます)。
「ふるさと納税」とは、
「日本を元気に!」
するためのもの。
「納税」ですが、厳密には「寄附」です。
そこに「税金の還付・控除」もおまけでついた、と考えれば、こちらのデメリット部分も、
「まぁ、そもそも『寄附』したわけだから……」
な感じになると思うのですが、
「寄附すればするほど税金対策になる」
というわけではありません。
実際に支払うべき税金は減ります。
ですがこれ、寄附しているからなのですね。
「控除分」プラス「自己負担額(最低2000円)」を払って「控除分」と「特産品」を買っているようなもの。
本来なら寄附しただけで留まるところ、その分が控除(還付)されるシステムなので、そこはお得。
ですが、その減った税金分は現金で手元から出ていっているのです。
ここが何とも絡まりまくって複雑なのですが、
- 異なる上限額がそれぞれに設定されていること
- 納税額は減るが、その分の現金が「寄附」という名目で手元からなくなっていること
「日本を元気に!」に役立つ上に、お礼の品(とお礼状も)も頂け、その上、税金に関してもちょっとした配慮をしてもらえる。
と考えれば、寄附する側のデメリットは、何とかクリアできるのかもしれません。

自治体のデメリットもある?
こちらの方が大変です。税収を確保するために他地域からの納税を頼みにしているわけですが、ここ、逆から考えてみると、少し怖いです。
その自治体の魅力が、住んでいる人たちにとってそれほどでもなく、他の自治体を多くの住民の皆さんが応援してしまったとしたら?
税収確保どころか、減る一方になってしまうのですね。
この際所得税は別として「住民税」です。
「ふるさと納税」の魅力の一つは、
「自分が住んでいるふるさと(地域)に限らず、応援したい地域に寄附(納税)ができること」
「自分の住んでいるふるさと」に納めるべき税金が他の地域に納められることになるわけです。
── 激ピンチ……!
また、特産品に魅力のある自治体と、これまたそれほどでもない自治体。
地域格差が生まれてしまいます。
- 各自治体間の競争を誘発することで、それぞれの自治体がその在り方や課題の解決についてを見直す
- それによりさらなる活性化を目指す
ということも狙いのひとつとされているのですが、この競争の激化から生まれたのが、以前問題視された、
「豪華な特産品合戦」
です。
これは完全に本末転倒。
せっかく地域のために役立てようと募った寄付金を「特産品」を提供するための資金に使ってしまっては何の意味がないどころか、むしろ赤字になってしまうこともあるのです。
さすがに、
「寄附金ですからね! その返礼品としてふさわしいものにしてくださいよ!」
的な要請もあり、最近では「やりすぎ」な商品はなくなってきています。
ですが、返礼品の魅力が落ちると、如実に寄附額も落ち込むのが現実なのです。
負のスパイラル……
2015年に「ワンストップ特例制度」もでき、「寄付金控除の上限」も約2倍に拡大されました。
が、以前ほど「返礼品がバブル」という状態ではなくなってはいます。
これは寄附する側にとっては贅沢な「デメリット」となりましたが、自治体の方々も大変なのですね。
「ふるさと納税」を導入するにもコストがかかるのです。
ですが、寄附する側には、他にもいくつものメリットが存在。
こればかりは自治体側の負担が少しでも減る方向に行ってほしいと個人的には思っています。
近い将来、自販機から「ふるさと納税」ができるようになるとのこと。
凄いですね。
申し込みや申請書の送付などの面倒もかなり楽になりそうです。
ですが、あまりにも自治体側のデメリットが大きくなれば、寄附する側のメリットも減ってきてしまいます。
実際に「ふるさと納税」を取り入れていない自治体も多いのです。
仮に、現在このシステムを採用している自治体が「もう、ムリ。ふるさと納税の導入、止める」となれば、特典である「特産品ゲット」のためにできることは、
-
「実際に現地に行って買う」
「ネットで取り寄せ」
くらいのもの。
これではただの「旅行」「お買い物」。
お得要素は失われてしまいます。
「寄附して特産品をゲット&減税」
── これには自治体のデメリットがいかに軽減されるか、も重要なポイント。
寄附する側、される側お互いがムリなく「お得関係」を築いていけることが、一番の賢い「ふるさと納税」の在り方なのです。

損をするのはイヤ! 賢い使い方のポイントを押さえる!
……だからお互いにムリなく…………ということではなく、ある意味即物的な「賢い使い方」をいくつかご紹介です。
現在、寄附には、自治体によっても異なるのですが、
- 現金書留
- 銀行振込
- 直接窓口に持参
- 郵便振替
- クレジットカード決済
などがあります。
現金書留や銀行振り込みではそれなりの手数料がかかる。
郵便振替は振込手数料がかかりませんが、そのための用紙を送っていただく必要があります。
用紙が届くのに時間もかかり、少しだけ面倒ですが節約にはなりますのでおススメ。
ただし、前述の通り申告には期限がありますので、
「あ、振込手数料ケチってたら、控除してもらえる期限切れてた……」
というガーン! な状況にならないよう、用紙が届くまでの日数も視野に入れた早めの手続きが必要です。
支払い方法として「クレジットカード決済」があれば、これが一番お得。
「ポイント還元」ですね。
バカにならないです。
また、独自の面白いシステムを採用している自治体も結構あります。
例えば、寄付金額をそれこそ「ポイント」として換算。
期間内(たいてい寄附した日から1年間か、その後の利用日から1年)であれば、寄附と同時に返礼品を決めなくてもいいのですね。
ゆっくり吟味OK。
しかも余ったポイントは、次回以降に得たポイントと併せて使えます。
少額でも積み重ねれば、高額寄附と同等の返礼品の獲得が可能になる仕組みです。
自治体としても、こういったシステムにすることで「寄附のリピート」率を上げることができる。
これは一例ですが、どの自治体の皆さまも、頑張っているのです。
特産品にそれほどの集客力がない自治体さんほど、独自性を打ち立てています。
「賢い」かどうかは不明ですが「応援」の意味と「デメリット部分の圧迫により参加を取りやめる自治体が増えない」ためにも、その頑張って捻出してくれた特徴に対しての寄附、というのもありかと思います。
あとは、先ほど書いてしまいましたが、
「寄付金控除の上限を知っておくこと」
「年収」と「家族構成」で、大まかですがその目安となる金額を教えてくれるサイトがありますので、
「ふるさと納税」「寄附金控除」「上限」「計算」
などで検索し、使いやすいところを「お気に入り登録」しておくと安心です。
ただし、これはあくまで「予想上限額」となりますので、そこだけは了解した上でご利用ください。
(※ 上限額の目安を自分で計算することもできますが、そのための計算式はかなり複雑です。
上記のようにサイトを利用してもいいのですが、より正確に知りたい場合には、お住まいの地域の自治体の課税課、または税理士さんなどに相談することをおススメします)

「ふるさと納税」のメリット・デメリットのまとめ★
★「寄附する納税者サイド」のメリット
- 自分の応援したい自治体に寄附できる
- 被災地の復興、復旧に役立ててもらうこともできる
- 自治体によっては、その使い道を選択できるところもある
- 返礼品として、その地域の特産物などがいただける
- 「寄付金控除」により、税金が減額される など
☆デメリット
- 手続きがかなり面倒
- 寄付金控除を受けられるが、上限額が決まっている
- 上限額を正確に知ることが難しい(計算方法が複雑)
- 応援したい自治体が「ふるさと納税」を導入していない場合もある
- 返礼品のない自治体もある など
★「寄附してもらう自治体サイド」のメリット
- 人口が少ない地域でも、他地域からの寄附(納税)により、税収の増加が望める
- 環境の整備や、必要なものの購入、プロジェクトなどの目的達成に寄附金を役立てることができる
- 特産品で地域をPR
- 観光地としてもアピール
- 仕事も増え、町が活性化される
- 結果地元が元気になる など
☆デメリット
- 本来納めてもらえるはずの税金が、他の地域に流れてしまう
- 「ふるさと納税」を導入するのにコストがかかる
- 特産品の魅力度により、自治体間に格差が生まれてしまう
- 場合によっては赤字にも
- 特産品を提供することに、せっかくの寄附を使ってしまう状況に陥ることもあり など

終わりに……
寄附する側の「デメリット」は、仕組みを知っていればそれほど問題にならなそうですね。「ふるさと納税」を扱っているサイトも多く、見ているだけでなぜか得した気分になってしまうのが不思議です。
一方、自治体側のデメリット(負担)は結構深刻。
「ふるさと納税で日本を元気に!」ではなく、特産品人気の乏しい自治体では逆に赤字になってしまうというのは、何となく話が違うような気がしてしまいます。
ですが、自分の納めるべき税金を応援したい地域に寄附という形で納めたり、その使い道さえ指定できる、というのは非常に画期的な制度。
豪華特産品獲得! といったイメージの強かった「ふるさと納税」ですが、寄附した地域に役立てられている、と想像すると、ちょっとワクワクします。
巣立っていった子どもが、自分の知らないところで活躍しているような……妄想が……
── さてさて、いかがでしたでしょう。
いずれもっと格差を生まないような仕組みに改良されていくことを願いつつ、皆さまの、
「ふるさと納税のメリット・デメリット、何となくわかった!」
的スッキリに、少しでも貢献できていたら嬉しいです。
長文に最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。