くわえたまま生れてきたのではないかと思えるほどに「おしゃぶり」の似合う赤ちゃん。
無条件にかわいい、と思ってしまいますが、
「断固、おしゃぶりは使わない!!」
というお母さん(お父さん)も結構いるのです。
おしゃぶりは「絶対に使わなきゃダメ」なアイテムではありません。
が、「絶対に使っちゃダメ」なアイテムでもないのですね。
ポイントは、
「注意点も知り、上手に付き合うこと」
今回は新生児がおしゃぶりを使う「メリット・デメリット」についてのご紹介です。
今後育児におしゃぶりを取り入れるかどうか悩まれている方、とりあえず、そのデメリットだけでも知っておきたい方、などなど、皆さまのモヤモヤが少しでも薄れましたら幸いです。
(※ ちなみに「新生児」とは生後28日未満の生まれたてホヤホヤの赤ちゃんのことを指していう言葉ですが「新生児 = 赤ちゃん」くらいな感じに思ってお読みいただけますと非常に助かります。よろしくお願いいたします)
赤ちゃんはどうしておしゃぶりが好きなの?
赤ちゃんには月齢が上がるにつれ消えていく「原子反射」という本能行動が備わっています。あの信じられないほどの幸福感をもたらしてくれる「ママの指をギュッ」と握りしめてくる行為も、実はこの反射。
お口の周りをコショコショすると、その指を口に含もうとするのも反射です。
赤ちゃんの栄養補給源はおっぱいかミルク。
頑張って吸わないと生きていけないため、本能的に口に触れたものを吸おうとするのですね。
そして、この「吸う」という行為により、赤ちゃんにはリラックスを促すホルモンが分泌されます。
ですので、お腹が減ったときや不安を感じた赤ちゃんが、自分の指やタオルなどを口元に持っていき、吸ったりしゃぶったりするのは自然な行動。
そうすることで、本能的に安心しようとしているのです。
ですが、指を舐めるのはちょっと不衛生(タオルも)。
赤ちゃんは大人に比べ免疫力もありません。
赤ちゃんの手にも雑菌はいます。
そこで代わりに登場するのが「おしゃぶり」。
しっかり消毒等をしていれば「指しゃぶり」よりも衛生的で、同様のリラックス効果も赤ちゃんにもたらしてくれます。
お口は一つなので、おしゃぶりを使い始めたら「指しゃぶり癖」がなくなった、ということも多いのです。
そして初めに戻り、
「赤ちゃんはなぜおしゃぶりが好きなのか?」
おしゃぶりを吸う(くわえる)ことにより、本能的に不安感が解消されるから、です。
(※ 嫌いな赤ちゃんもいます。その場合には無理に与える必要はありません)
泣いている時やグズっている時、なかなか寝付いてくれない時などにおしゃぶりをあげると、あっという間に落ち着いてくれたり、寝てしまうのは、赤ちゃんがおしゃぶりにより、安心してくれたからなのですね。
(※ おしゃぶりの消毒をしっかり行わないと、赤ちゃんのお口や舌にミルクのかすのようなカビが付着することもあります。おしゃぶりは清潔に!)
一般的に言われているおしゃぶりの「メリット・デメリット」は?
まずは「メリット」です。前述の「赤ちゃんをリラックスさせる効果」ですね。
おしゃぶり嫌いな赤ちゃんは別ですが、そのおしゃぶりを「自分のもの」「これがあると安心できるアイテム」と思ってくれるようになれば、本当に驚くほど落ち着いてくれるようになります。
そして、赤ちゃんが落ち着いてくれる、ということは、その分お母さん・お父さんの育児ストレスも軽減されることに。
「赤ちゃんへのリラックス効果」
「育児ストレスの軽減」
おしゃぶりの最も大きなメリットです。
さてさて、赤ちゃんは泣きます。
「お腹減った~! ミルク~!!」
「なんかオムツ、気持ち悪い~!!」
「お部屋が暑いよ~!!」
「ママ~!!」
などなど。
また、生まれたての新生児の睡眠サイクルは「お腹の減り具合」。
お腹が減ったら起きて、おっぱいやミルクで満たされると眠ります。
そしてこのサイクルが早い。
大体2,3時間おきに「ミルクー!」です。
お腹がいっぱいになったにもかかわらず、単に機嫌が悪くてグズって寝付いてくれないことも。
ウンチやおしっこも、まとめてするのではなく、少しずつ何度もするのですね。
(おしっこは1日10~20回程度。ウンチは5回前後)
朝も夜も関係ありません。
だんだんと夜にまとまって眠ってくれるようになるのは少なくとも生後4か月前後になってからです。
お母さんもお父さんも大変。
ここで伝家の宝刀「おしゃぶり」といきたいところですが、使い方を間違えると、せっかくのメリットも、あっという間にデメリットにすり替わってしまいます。
それが、
「コミュニケーションの機会が減る」
というもの。
おしゃぶりを使用したからと言ってコミュニケーションが減ってしまうわけではありません。
が、「泣く = 即おしゃぶり」の場合には本当にコミュニケーションが減り、このパターンに慣れてしまいますと、赤ちゃんがいったい何を求めているのかが、さっぱりわからない、という状況にもなってしまいます。
おしゃぶりがない場合を考えてみるとわかりやすいかと思いますが、泣き出した赤ちゃんに泣き止んでもらうためには「泣いている原因」を探し出し、対処していく必要があるわけです。
オムツが汚れていて泣いている赤ちゃんにミルクをやっても、仕方がない。
泣き止んでくれません。
でも、おしゃぶりをくわえさせると、どんな場合でも案外簡単に泣き止んでくれる。
── おしゃぶり、ナイス。
……ナイスなのですが、赤ちゃんとのコミュニケーション的にはアウトです。
おしゃぶりに頼りすぎてはダメ。
「泣く = 即おしゃぶり」を繰り返していたら、赤ちゃんの体重がどんどんと減っていった、などということも実際にあった話です。
これは怖い。
赤ちゃんと向き合う代わりに「おしゃぶり」ではなく、あやしながら最終手段として「おしゃぶりもある」のような感じで使用していけば、上記の、
「コミュニケーションの機会がなくなる」
ということは起こりません。
おしゃぶりを使用して育児をする場合には、ここだけはご注意いただければと思います。
また、
- 歯並びやかみ合わせが悪くなる
- 言葉の習得に悪影響
- お母さんのおっぱいをイヤがるようになる
- 発達にも影響が……
- おしゃぶり依存になってしまう
というデメリットもよく聞きます。
さらにはメリットとして、
- 鼻呼吸の練習になる
- あごの力が強くなる(顔の筋肉が引き締まる)
- 乳幼児突然死症候群の予防につながる
なども挙げられています。
もうこうなってきますと「じゃあ、使うか使わないか、どっちにすればいいの!!」な気分になってしまいます。
でも大丈夫。
これらのメリット・デメリットの中には「本当はそんなことないよ」というものもいくつか混じっているのです。
個人的には、ですが、
「おしゃぶりを使わずに済むなら使わない方がいい」
とは思っています。
が、大事なのは、赤ちゃんのいる毎日を楽しく感じられるかどうか。
「おしゃぶりを使うかどうか」の選択は、そのあとの話です。
今後も楽しく育児を続けられますよう、これらメリット・デメリットは本当のことなのか、また、デメリットは回避できないものなのか、について、続いてみていってみましょう。
案外勘違いも多い「デメリット」はこちら!
おしゃぶり反対派の皆さまの多くが心配されているのが、「歯並び・かみ合わせが悪くなる」
これは半分アタリで半分ハズレ。
母子手帳にも書いてありますように「長期間・長時間」の使用で、歯並び・かみ合わせが悪くなる可能性はあります。
問題はこの「長期間・長時間」がどれくらいか、ということ。
歯並び等に悪影響を及ぼすのは2歳以降もおしゃぶりを使っていた場合です。
遅くても2歳半くらいまでにはおしゃぶりを卒業した方が安全。
急に取り上げてしまうのはかわいそうなので、2歳の卒業時期を見越して、徐々に使う場面や回数を減らしていってあげてください。
生後半年くらいまでは、それほど気にせずいつ使わせてあげても大丈夫です。
ただし先ほども書きました通り、泣いたらすぐに、はダメ。
どうして泣いているのか、おしゃぶり以外の方法でまずは赤ちゃんにアプローチです。
どうしても泣き止んでくれなければ、あやしながらおしゃぶりを渡してあげてください。
この時期は、赤ちゃんが心地よくすくすく育つこと優先です。
ですが、ずっとくわえっぱなしの状態ではなく、使用の目安は1日3時間程度。
おしゃぶりの素材は柔らかいのですが(天然ゴムかシリコン製のものがほとんどです)、さすがに長時間お口の中に入りっぱなしでは、中の骨が変形してしまいます。
また、入眠の際のおしゃぶりはNGなどともよく言われますが、これはのちに依存しやすくなるから、です。
いつも同じアイテムと一緒に眠ることが習慣になってしまいますと、それがないと眠れない子になってしまうのですね。
また、気に入れば気に入るほど、眠るときだけでなく常におしゃぶりないとグズる、などということも考えられます。
どうしても寝付いてくれない時などに使用する分には問題ないかと思いますが、「寝る前は必ずおしゃぶり」という習慣は避けた方が無難です。
寝付いたら、すぐにお口から外してあげることもお忘れなく。
赤ちゃんが最もおしゃぶりを欲しがるのは通常2か月から4か月の間です。
離乳食をそろそろ始めようか、という生後6か月前後には、徐々におっぱい(やミルク)を吸いたいという欲求も減ってきます。
それに伴い、色々なものへの興味も出始める時期です。
そして赤ちゃんは、興味を持ったものは、なんでも口に運ぶのです。
ですが、この時期にあまりにもおしゃぶりに執着していると、
── お口には先客(おしゃぶり)が……!!
新しいおもちゃやぬいぐるみなどとの触れ合う機会が失われてしまいます。
ですので、生後半年以降は、なるべくおしゃぶりを使う時間・回数を減らしていくようにしましょう。
おしゃぶりより新しいおもちゃ。
手や口の発達にもつながってきます。
好奇心も育ち、精神的にも成長。
また、離乳食が始まっていればお口周りの筋肉も発達し始めている時期です。
今までの「バー」「ブー」などのいわゆる赤ちゃん言葉から、ほんのちょっとだけ意味のわかる言葉も出始めます。
「マー、マー」などですね。
ちょっとうれしい瞬間。
ですがお口におしゃぶりが入っていると、これはムリ。
だから、
「言葉の習得に悪影響」
となるのですね。
歯並び等に関しましては、乳歯が生えそろうまで(個人差はありますが、生え始めは生後3か月から9か月くらいです)は、それほど影響を考えなくても大丈夫。
仮に影響があっても、前述の通り2歳頃までにおしゃぶりを卒業していれば、その後改善していくことがほとんどです。
ですが、こうした理由からも、生後半年を目安に、徐々に回数を減らしていき、1歳前後を最初の目標にするのがベスト。
お母さん・お父さんの話すことも少しずつわかってくる頃ですので、
「もうそろそろ、おしゃぶりやめよっか」
「お兄ちゃんになったから、おしゃぶりの代わりにこれ(おもちゃでも何でもいいです。代わりになるもの)、ママからプレゼントだよ」
などと言えば、お子さんも案外すんなり「おしゃぶり離れ」してくれるかと思います。
おしゃぶりへの依存も、この時期であれば問題なくクリアできるはず。
さてさて、問題は、
「お母さんのおっぱいをイヤがるようになる」
絶対ではありませんが、確率的にはそれなりにあるのです。
これは哺乳瓶での授乳でも起きること。
「乳頭混乱」といいます。
哺乳瓶からは飲んでくれるのにママのおっぱいからは母乳を飲んでくれない状態。
ママのおっぱいと哺乳瓶(中身が搾乳した母乳でも)では、赤ちゃんは飲み方を変える必要が出てくるのですね。
そして哺乳瓶からの方が飲みやすい。
哺乳瓶の乳首部分を赤ちゃんが軽くチョチョッと押すだけでミルクは出てきます。
ですが、おっぱいから飲むには、赤ちゃんなりにかなりの努力・テクニックが必要。
哺乳瓶での授乳に慣れてしまうと、赤ちゃんは「なんでこんな飲みにくいものから飲まなきゃなんないの? ヤダ!!」となり、おっぱい拒否、です。
そして哺乳瓶同様、お母さんのおっぱいより圧倒的にくわえやすいのがおしゃぶり。
慣れればなれるほど、おっぱいから上手に母乳を飲むことができなくなってしまいます。
母乳での育児を考えているお母さんは、おしゃぶり使用は慎重に。
ごく短時間、本当にどうにもならない時だけおしゃぶりに頼る、といった使い方にしてください。
母乳をイヤがるようになっても、すぐにおしゃぶり使用を中止にすれば、また飲んでくれることも多いですので、飲まなくなっても焦らずに。
ただしこのようなリスクが伴うことは事実です。
おしゃぶり使用の検討材料の一つとしていただければ、と思います。
「メリット」とされていることは本当?
さてさて、続いて「メリット」とされているものについてです。こちらは「眉唾系」が多い。
先ほど挙げました、
- 鼻呼吸の練習になる
- あごの力が強くなる(顔の筋肉が引き締まる)
- 乳幼児突然死症候群の予防につながる
ですね。
順にみていきましょう。
まずは、
「鼻呼吸の練習になる」
鼻呼吸は大事。
口呼吸は風邪や虫歯の原因になるとも言われています。
睡眠の質も悪くなる。
なのですが、赤ちゃんは基本鼻呼吸なのです。
「えー!!」
な気分になりますが、これは本当。
鼻呼吸が大事なことも、赤ちゃんが主に鼻呼吸をしていることも本当。
これは「メリット」ではないだけ。
デメリットでもないので、いいんじゃないでしょうか……別に。
ですが、ご自身でおしゃぶりをくわえているところを想像してみてください(しにくいと思いますが)。
舌と上のあごの間におしゃぶり。
……むしろ口呼吸がしやすい状態になってしまうのですね。
海外では「鼻呼吸の練習」のため、4歳くらいまでおしゃぶりの習慣をつけることを推奨している国もあるとか。
「おしゃぶり」への期待度が何だかおかしな感じになっているように思えてしまいますが、これも本当のこと。
日本では、
「長期間・長時間の使用にならないように!」
小児歯科学会や小児科学会等、育児に関する専門家の意見はこう。
そしてその目安が先ほどの2歳、遅くとも2歳半まで、です。
これは歯並びやかみ合わせに配慮した期間。
さらに依存や他のものへの興味・学習などへの影響を考えた場合には1歳前後までにはおしゃぶりをやめるのが好ましい、とされています。
個人差やご家庭の事情・環境等もありますので、あくまで目安としての期間ですが、せっかくのメリットがデメリットに転じてしまわないためにも、なるべく早めの使用中止は大事かと思います。
続いて、
「あごの力が強くなる」
おしゃぶりを吸って(くわえている)ので、これは一見正しいような気もしますが、前述の通り、おしゃぶりを吸うのに力はほとんどいりません。
おしゃぶりに慣れ、授乳が哺乳瓶から、となった場合、むしろ吸うために使う力は減るのです。
おっぱいからの授乳と哺乳瓶からでは、なんと50倍も必要となる力が違うともいわれています。
あごの力が強くなるのは、おっぱいから飲んでいる赤ちゃん。
つまり、おしゃぶりによる乳頭混乱を起こしていない赤ちゃんです。
ですので、これもまた逆なのですね。
おしゃぶりであごの力が強くなる、といったことは考えられないのです。
そして、
「乳幼児突然死症候群の予防につながる」。
減るリスクは30%。
これはアメリカの小児学会によるものです。
このリスク軽減のため、おしゃぶりの使用を推奨しています。
では、なぜおしゃぶりで突然死のリスクが減るのか。
「おしゃぶりについている付属品により、柔らかいものが顔に密着して窒息死することを防ぐから」
── そっち!?
……と思わず大声の独り言が出てしまいましたが、そっち、だそうです。
実際には他にも理由はあるようなのですが、いずれにしても、その因果関係はまだわかっていないとのこと。
でも、30%も突然死が防げるなら、それはそれでいいことなのでは……?
はい。
そう思います。
が、
「母乳育児では突然死のリスクが約50%前後軽減する」
ということを知るまでは、でした。
こちらはしっかりと証明済み。
母乳は強いです。
母乳を通してお母さんの免疫細胞を赤ちゃんはもらうこともできます。
アレルギーにもなりにくいのですね。
何より、大好きなママとの肌の触れ合いは赤ちゃんに安心感をもたらしてくれます。
ついでに、先ほど書きました通り、あごも強くしてくれます。
ですが、完全母乳で育てるのはお母さんも大変なのです。
そのまま赤ちゃんの体内に入るものなので、ご自分の体調もしっかり管理する必要もあります。
ビタミンDも不足しがちに。
ですがちょっとくらい怠くても薬も安易には飲めません。
乳房や乳頭が授乳によりトラブルを起こすこともあります。
子育ての方法はそれぞれ。
母乳だけでなくミルクとの混合もあり。
完全に母乳だけで育てているお母さんは半分程度です。
生れる前は「絶対に完全母乳で!」と思っていても、実際にはいろいろな条件により母乳だけでは賄えなくなってしまうこともありますように「絶対におしゃぶりなしで!」という考えが変わることもあります。
そしておしゃぶりは使い方さえ間違えなければ、赤ちゃんにとってもお母さん・お父さんにとっても、非常に頼りになるアイテムです。
しかも最近のおしゃぶりは、本当にかわいい。
意味なくコンプリートしたくなるレベルのデザインのものもたくさん市販されています。
「歯科医師監修」など、歯並びに考慮したものもありますね。
要は使い方次第。
もちろん使わずに済むなら、それに越したことはありません。
が、使う場合にも、そのメリット部分だけを活かすための、いくつかの「デメリット・回避法」を知っておけばいいだけです。
では最後にこれらの「回避法」を含め、赤ちゃんのおしゃぶり使用についての「メリット・デメリット」のおさらいです。
もう一度、まとめていってみましょう。
おしゃぶりの「メリット・デメリット」をまとめる!
-
★メリット
- 赤ちゃんのリラックス効果
→ なかなか寝ついてくれない時や、グズっている時におしゃぶりを与えると、安心して落ち着いてくれることが多いです(おしゃぶりを気に入っている赤ちゃんの場合)。 - 「指しゃぶり」防止効果
→ 体温により「指」には雑菌が繁殖しやすくなっています。
こまめに消毒のできる「おしゃぶり」はその点衛生的。 - お母さん・お父さんの育児ストレスの軽減
→ 赤ちゃんは誰かのお世話なしには生きていけません。
ストレスをため込みすぎないよう、おしゃぶりを与え、時には肩の力を抜くことも大事です。
-
☆これらのメリットを活かすには?
- 「コミュニケーションの機会が減る」というデメリットを回避
→ 赤ちゃんが泣いているのには必ず理由があります。
まずはそれを探ること。すぐに与えるのはダメ。
その原因を解消しても泣き止んでくれない時にも、声をかけたりあやしながらおしゃぶりをあげてください。 - 「歯並び・かみ合わせが悪くなる」のデメリットを回避
→「長期間・長時間」の使用は控えましょう。
2歳~2歳半以降までおしゃぶりを使い続けていると、かみ合わせ等の悪影響が出やすいとされています。
この頃までに使用をやめていれば、発育とともに改善されていきますので、遅くともこの時期までに使用を中止することをおススメいたします。 - 「言葉の習得・発達に悪影響」のデメリットを回避
→ そろそろ離乳食に切り替えようか、と考え始める生後半年くらいになると、おっぱいを吸いたい欲求が弱まってきます。
同時に、他のものへの興味も出てくる時期。
赤ちゃんが色々なことを吸収するために使うのは手と口です。
手にしたおもちゃなどを運ぶ口におしゃぶりが入っていると、せっかくの学習の機会が失われてしまいます。
この時期には少しずつ、おしゃぶり使用の回数・時間を減らしていくようにしてあげてください。 - 「依存が心配……」のデメリット回避
→ 上記の時期を目安に、徐々に使用頻度を減らしていけば大丈夫。
いきなり「明日からなし!」というのはスパルタすぎますので、「いついつまでには、卒業しようか」など、お子さんと一緒に余裕を持たせた時期を決めましょう。
代用となるおもちゃやぬいぐるみ、または「お口が寂しくなったらいっぱいお話ししよう!」など、おしゃぶりがなくても「寂しくない!」「楽しい!」と思ってもらえることを工夫して探してあげると、非常に・非常におしゃぶり離れがスムーズになります。 - 「お母さんのおっぱい拒否」のデメリットを回避
→ 母乳育児を目指す場合には一番慎重になっていただきたい問題です。
赤ちゃんが吸いやすいおしゃぶりに慣れきってしまうと、飲むのにテクニックを要するお母さんのおっぱいをイヤがるようになるケースは多いです。
おしゃぶりを使うのは本当に最終手段とするなど、短時間のご使用をおススメいたします。
もしも、飲まなくなってしまった際にも、すぐにおしゃぶりをやめれば、大抵の場合、また飲んでくれるようになります。
どうしても飲んでくれない場合でも、母乳を搾乳して哺乳瓶で授乳することもできます。
焦らず、赤ちゃんとご家庭の事情等に合わせ、今後のおしゃぶり使用をご検討ください。
終わりに……
育児は本当に大変。本当にどうでもいい話で恐縮すが、確認したところ私は「おしゃぶり未使用児」だったそうです。
理由を聞いたら、
「だって、おばあちゃん(母の義母)が、やめなさいっていうから」
だそう。
ご高齢の方には「おしゃぶり反対派」の結構多いのですね。
そして大抵その理由として挙げられているのが、
「歯並びが悪くなる」
……現在子育て中の皆さまの中にも、子育て経験者でもあるお母さまやお義母様からの猛烈なプッシュにより「おしゃぶりが使えたら楽だと思うけど使えない……」といった方も多いかと思います。
「歯並びが悪くなる」云々、というのは前述の通り、ある一定期間を過ぎてもなお使用した場合の可能性のお話。
ですが、もしもおしゃぶりを使えないことによる爆発的なストレスを感じていないのであれば(ちゃんと止め時期を間違えなければ歯並びに影響はないはずです)、そのままでもいいのかも。
が、一生懸命おしゃぶりを使わないように頑張った結果が「育児ストレスの限界値」では、本当に本末転倒です。
また、
「おしゃぶりを使うことで育児の手を抜いている!!」
という、第三者でない限りに言えないようなセリフで子育てママさんを責める方もいらっしゃいます。
これは、違います。
間違ってます。
賛否両論入り混じる「赤ちゃんへのおしゃぶり」事情ですが、絶対的に正しいのは育てている当事者が感じていること、なのです。
── 結局、
「おしゃぶりは使うべきか否か」
という結論的なものは出ないまま、最後となってしまいましたが、
「注意することさえ注意しておけば、おしゃぶりにはそこまでのデメリットはない」
そして、
「赤ちゃんとその周りの方々がニコニコの毎日を送るために必要ならぜひ使うべき(ただし注意点には留意)」
個人的な思いも含まれていますが、たまには肩の力を抜くことも育児では本当に大切なことです。
今回も長々と書いてしまいました……
皆さまの「おしゃぶりって、どうなの?」に対するモヤモヤが、少しでも晴れていますように。
今後も楽しくてワクワクする赤ちゃんとの毎日が続きますよう、ここからコソッっと応援しております。
最後までおつき合いいただき本当にありがとうございました!