延期が繰り返されてる、ってことはメリットが少ない(か、ない)からなんじゃないの?
多分、そういうことなんだと思います……

バブル真っただ中の1989年に3%から始まった消費税もついに来年10月には10%。
100円のものを買ったら110円です。
今まで散々お世話になってきた1円や5円の出番も少なくなりそう。
というより、10%は高すぎる気しかしません。
恐らく、国民の多くは「イヤだ」と思っているはずの消費税増税。
ですが、消費税に限らず「増税」にはそれなりに意味もあるのです。
意味はあるのですが、今回の増税はちょっと……
2017年の総選挙で圧倒的勝利を収めた自民党さんは、その直後に「所得税改革」なる増税策を打ち出し、話題に。
消費税増税は延期したものの、結局のところ それ以外の税が増税対象とされたのです。
公約でも何でもなかったものであったため「だまし討ち増税」などと呼ばれ、一時メディアに散々叩かれてもいました。
(※ 850万円以上年収のある会社員への増税、たばこ税の増税、給与所得税控除額の引き下げ、公的年金控除額も引き下げ etc……)
その上2019年には消費税もプラスで増税。
どれだけ日本にはお金が足りないんだ……と心配にもなります。
が、自分たちの生活も心配。
スタートする期限が決められてしまってはいますが、ここでもう一度「消費税増税」がもたらす(とされている)いい面と、ほぼ間違いなく被ることになる悪い面について確認しておきましょう。
消費税増税のメリット・デメリットについて、少しだけ詳しく解説いたします。
-
「増税にはモヤモヤするけど、消費税を上げるってそういうことだったのね」
増税が「メリット」となるのはどんな時?
増税はイヤですが、どんな場合でもデメリットしかないわけではなく「した方がいい」こともあります。それが「好景気」の時。
しかももの凄い好景気の時には、増税しないと大変なことになってしまいます。
こんな感じ。
-
景気がいいので、みなバンバン物を買う。
需要が増えるので、企業もさらに生産量を増やす。
賃金も上がる。
給料が増えれば、さらに財布のひもは緩くなり、また物を買う。
夢のようです。
なのですが、景気が上昇している時は物価も上がります。
放っておくと「リンゴ1個5千円」などなりかねない。
インフレーション(インフレ)が起きてしまうのです。
ですが、永遠にこの状態が続くことはあり得ません。
いずれ景気は落ち始めます。
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「5千円のリンゴなんていらない……」
「まだたくさん在庫があるのだが……5千円のリンゴが売れなさすぎる……」
売れないリンゴの在庫を大量に抱えた企業は倒産してしまうかもしれない。
倒産すれば失業する人たちも出てきます。
景気が落ちた時の悪影響が酷いのです。
インフレで経済が盛り上がれば盛り上がるほど、こうした影響は大きくなってきます。
ですのでこうした事態を防ぐため、政府が行うのが「増税」。
(;゚Д゚) 今までみたいにお金を使っていたら、あっという間に一文無しになってしまうのだ……
景気の上昇もそこそこに抑える。
また、政府からの仕事依頼(公共事業)も減らしていきます。
仕事量自体も抑えることで、良くなりすぎる景気にブレーキ。
こうしていずれ来る景気の落ち始める時期に備えるのです。
好景気の時の財政政策として「増税」はあり。
むしろ必要な政策なのです。
では、景気が良くない時にはどういった政策をとるべきなのか。
続いて、こちらも簡単に見ていきます。

不景気の時に政府が行う財政政策はこちら
好景気の時と逆のことをする、です。誰もがなるべくお金を使わないようにするため、商品が売れません。
売れないものをつくっても仕方がないので、企業の生産量も減ります。
仕事が少なくなれば賃金も減る。
賃金が減れば、ますます購買欲は失せる。
売る側は、少しでも多く買ってもらおうと商品の価格を下げます。
景気が悪いと物価も下がる。
これがデフレーション(デフレ)です。
(*´▽`*) なんでも安く買えるのだ!
企業の業績も悪くなっているため、給料が減るだけでなく、当然リストラや倒産もあり得ます。
日本の経済自体が失速。
働く意欲もなくなり、常に節約のことを考える毎日。
企業等がボコボコ潰れていくほどのデフレの場合、失業しても再就職先も見つけにくくなります。
周りの企業も倒産しているからです。
これはイヤだ……
国としてもこれは困る。
何とか国民の皆さんには物を買ってほしい。
消費を増やし、経済を活性化させていきたいのです。
が、さすがに手元にお金がないとそれはムリ。
そこで「減税」です。
税金を減らすことにより、使えるお金を増やすのですね。
また、仕事がなくなり倒産、ということのないように、公共事業なども増やしていきます。
仕事があれば、雇用も安定。
好景気の時と真逆。
考えてみればこれら以外に「インフレ」「デフレ」を脱却する方法はないのです。
-
お金があれば使う。
なければ使えない。
バランスを取るために政府は税金や国からの仕事(公共事業)を増やしたり減らしたりする。
中学の社会科で習ったような気が薄っすらします。
そのくらい基本的な財政政策がこれら2つなのです。
◆ 日本の景気は良いの? 悪いの? ◆
2017年には「株高」「円安」の状態となり、日本市場が湧きました。(。´・ω・)? そなの? 全然実感がないのだ
少なくとも、国民が実感できるような景気の良さはありません。
実際2018年に行われた「景気動向調査」によれば、ほとんどの業種において結果は「悪化」です。
「アベノミクス(3本の矢)」もデフレ脱却を目指して掲げられたもの。
今回の再延期については「アベノミクスの失敗」などと批判も受けています。
( 一一) 要するにデフレ脱却・失敗なのだ……
生れてくる子どもが減ってきているため、将来の労働力の確保もままならない。
加えて平均寿命の伸び。
平均寿命が伸びること自体は良いことなのですが、支える世代が減ってきていますので、彼ら一人ひとりにかかる負担がどんどんと増してきているのです。
働けなくなった高齢者の方の年金を支えているのが、
- 働く世代からの納税
- 国民全員が支払う消費税
また、責任ある仕事に就く女性も増えてきています。
晩婚化の傾向にもある。
が、いずれにせよ預けられる保育所などがなければ、安心して子どもを産むことも育てることもできないのですね。
だから子どもを産めない。
少子化に拍車がかかってしまいます。
ですので、子どもを産み育てやすい社会に作り替えていきたいのですが、そのための資金(社会保障費)が、もう全然足りないのです。
9兆円とか10兆円のレベルで足りない。
そこで「増税」をすることにより、何とかこうした事態を抜け出そう、というわけなのですが、ここで「何税」から徴収しようか、という話になります。
前述の通り、政府は所得税の増税の策をすでにとってしまっていますが、本来ならそれはダメ。
少子高齢化による現役世代の負担をできるだけ軽くするように、といった名目での増税が、むしろ負担を増やすことになってしまっています。
しかも今回「だまし討ち増税」とも呼ばれる数々の増税案は、現役世代のみならず、
-
「年金だけで暮らす高齢者の方」
「もともと課税対象ではなかった所得の少ない世帯」
もう、何を考えているのかわかりません。
こうしたことをしてくれているので、まったく説得力がないのですが、今回の消費税増税の延期は、
-
「実施することによる景気の悪化を考慮」
(=゚ω゚)ノ 2019年には選挙もあるのだ!(※ 統一地方選挙と参議院選挙)
いずれにしても2019年の消費税増税は今のところ決定しています。
(。-`ω-) ムム……増税でメリットがあるのは好景気の時、とさっき聞いた気がするのだが……
実際にもその通り。
ですが、現実に行われるのは、
-
「デフレなのに増税」
(*´Д`) 日本、大丈夫……?
大丈夫であってほしいですが、今回の消費税率アップ政策について個人的には、かなり怯えています。
── さてさて増税です。
他の税金ではなく「消費税」にした方がいい点も実はいくつかあるのですね。
「増税する意味」も含め、こちらも確認していきましょう。

なぜ消費税の増税をするのか?【メリットとされているもの】
国にお金が足りないのです。しかもそのお金は、国民の社会保障に関するお金であったりもするのです。
生きていれば年も取ります。
病気やケガもする。
失業もあり得ますし、子どもを産んで育てていくことも大事です。
自分で できる範囲のことは自分で乗り切るのが基本なのですが、もう個人の力だけではどうにもならないこともある。
このような個人では回避不可レベルのリスクに直面した場合にも生活の保障をしてくれているのが「社会保障」の制度です。
年金や失業保険、医療保険などの制度、子育て支援などもそう。
でも、これらに使う資金が足りない。
(※ プラス、膨らんだ国債なども)
仮に増税をしない場合、国にお金はありませんので、これまでの「3割負担(それ以外は国が負担)」などが全額自己負担となってしまうこともあり、なのです。
そうならないために増税により税収を増やす。
つまり国の使えるお金を増やすわけです。
-
「お金がないので、皆さんの生活を保障できなくなるかもしれません。
だから税率をもう少し上げさせてください」
-
「増税をすることにより、さらに景気が悪化してしまう」
それはそうです。
ただでさえ景気がいいとは言えない現在、国民に増税でさらに負担をかければ、前述のデフレの悪循環が起きる可能性もある。
……でも、社会保障費が足りない。
もう、キツキツであることは確かなのです。
だからこそ選挙の時期を外し、その後(2019年10月)にスタート。
ですが、消費税というのは、平等ではあるのですね。
物を買った人は全員課税対象。
働いている世代(所得がある)にかかる所得税のように、特定の誰かだけが課税対象になるのではなく、小さなお子さまから働いていない年配の方まで、物さえ買えばその全員が対象になるからです。
また、先ほど書きました少子高齢化の問題。
社会保障費が確保できれば、子育てのしやすい環境を生み出すこともできます。
国民全員参加の消費税であれば、景気の良し悪しに関わらず徴収することができるのです。
不景気で賃金が減れば、納めるべき所得税も減ります。
企業の業績が悪ければ、法人税にも影響は出てくる。
また、収入のいい人ほど、納税額が上がるといったこともない。
……多く稼いでいるわけですので、その分税金もたくさん納めていただけると低所得の人たちは助かるのですが、働く意欲が納税額により削がれては(日本経済にとっては)一大事。
- 国民全員からとれる(不平等感がない)
- その金額が景気に左右されにくい
消費税は納税者が直接収めるのではなく、
-
「お客さんから消費税を受け取ったお店等が代わりに納税」
「間接税」です。
チョロマカシがしにくいため脱税対策にもなる。
そして何より、減少傾向にある現役世代にこれ以上の負担をかけないため、というのが、一番納得できる理由だったのですが、
( 一一) 控除額が減らされるわ、一定額以上稼ぐと増税されるわ……
が、とりあえず消費税を増額の対象としたのにも、それなりの意味があったのです。
こうした意味を持つ増税であったにもかかわらず、先ほどの、
-
「増税をすることにより、さらに景気が悪化してしまう」
そして そのことにより、
- これまでの経済政策が成功とはいえないこと
- デフレの時期に増税を実施しなければならないほど、国の財政がひっ迫していること

増税による「デメリット」は?
もう、絶対の最大デメリットが、-
「国民の不満」
前述の通り、国にお金がなければ、社会保障制度が保障されない、というどうしようもないことになってしまうからです。
(。-`ω-) だが、問題はそれが本当に「社会保障費」として我々のために使われているか、ということなのだ
政府に対する不信感がすでに既存の国民感情としてあり、その政府がさらに何かをやらかす。
当然その政策には反対なのに法案が通ってしまう。
これもおかしな話なのですが、
( `―´)ノ もう政府に期待なんてしないのだ! だから選挙なんか行かないのだ!
これは、実は「賛成」とほぼ同義となってしまいます。
例えば、消費税増税に賛成の人が10人いるとします。
それはそれでいいのです。
人の意見はそれぞれ。
賛成でも問題なし。
一方、反対は15人です。
賛成の10人は投票に行き、増税を公約としている政党、または議員に投票。
賛成票は「10」。
反対している人は人数では勝っていますが、
-
「反対だけど、他のどこに入れればいいのかわからないから、とりあえず白紙投票」
「どうせ何をやっても変わらない。投票なんて無意味」
1票も反対に入らない。
といいますか、賛成票に影響を与えることができないのです。
投票をしなきゃダメ、と言っているわけではないのですが、このように「え、なんで通ったの? この法案」的事態はこうして繰り広げられていたりもするのです。
── そこは置いておくにせよ、国民から少なからず不信感を持たれている政府が決定したことに対しての不満が高まる、ということが一番のデメリットかと思います。
もちろん、国民の負担(増税分の)も増えます。
-
何を買うにも今まで以上にお金がかかるので、購買欲がなくなる。
だから物価も下がる。
景気もさらに失速。
まさにデフレの時と同じようなことが起こるのではないか、と言われています。
商品の消費が減ってきますので、企業の生産量も減ります。
仕事も減り、倒産する企業も出てくるはず。
失業者も続出。
特に 大きな企業から仕事を貰う中小企業の打撃は大です。
また、増税となる前の月あたりから、買い占めも起こります。
Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン 店に品物がほとんどない……
店は大混乱プラス、品薄・品切れ状態。
本来なら、このような時に政府が取るべき政策は「減税」なのですが、「増税」の結果がこれなのです。
消費税率を上げ、税収を確保することにより、
- 雇用の安定化
- 社会保障の充実
- 低所得層への生活保障
- 子育て支援
景気が悪くなり、失業者が増える時代に お子さんを生んだり育てたりするのは不安すぎる。
出生率も上がりようがありません。
また、全員参加の消費税ですので、所得の少ない方ほど負担は大きくなってしまいます。
3%から5%に消費税率が引き上げられた1997年の橋本政権では、世界情勢の変化等の影響もあったのですが、
-
「消費税からの税収は増えた。
でも、所得税・法人税などはその増えた分を上回るほど減った」
消費税の増税により、国民全体から税金を徴収するのは確かに手っ取り早いのですが、それに景気の上昇もついてこなければ逆効果。
ですが、もう増税しないと社会保障費などが賄えない。
状況的にはかなりマズい状態。
国民の不満を煽りながら導入された増税が、結果を出さなければ政府の信用も失墜です。
日本全体に諦めムードや停滞した感情、そして本当に停滞してしまうかもしれない経済状況を生み出しかねないのが、今回の消費税増税のデメリット。
(`・ω・´)ゞ 信頼してる政府にされたお願いなら、たいていのことは受け入れるのだが……

消費税増税の「メリット・デメリット」をまとめる!
インフレの時であれば、消費税を含め増税は 経済にとって非常に有利に働く政策です。そして、現在の日本には社会保障費等、資金が足りないことも確か。
それには税収を増やすこと、他の税ではなくあえて消費税を増税、というのも意味のあることです。
……今回の場合には当てはまらないものも多いのですが、最後にもう一度これらのおさらいです。
消費税増税のメリット・デメリットについてサクサクっとまとめていってしまいましょう。
-
★他の税ではなく「消費税」を増税するメリット
- 所得税のように働く世代にだけかかる税金ではなく、全国民が平等に支払う税金であるため「不公平感」がない
- 取りこぼし(脱税)がほぼない
- 景気の良し悪しによって税収の額が左右されにくい など
- 国家予算の安定
- 財源を得ることにより、社会保障費として役立てることができる
- 雇用の安定化も図れる
- 安心して子どもを産み育てることのできる社会の実現(制度の見直し等)
- 低所得層への生活保障を充実させることもできる
- 公共の施設などの整備・建設等、暮らしやすい環境を生み出すこともできる
- 復興支援にも使える など
- デフレ脱却どころか さらに景気が悪くなる
- 国民の負担が増える
- 仕事が減り、それに伴い賃金も低くなる
- 企業の倒産、リストラや失業者も増える
- 実施1か月ほど前には 買い占めによる混乱や品切れ状態が続く
- 所得の低い方に より負担がかかる
- 政府に対する国民の不満
- 日本全体に諦めムードが漂う などなど
★増税によるメリット
☆消費税増税によるデメリット

終わりに……
数字だけ見ると日本の消費税は低い方です。世界幸せ度ランキングの1位から3位の国(2018年調べ)では、
- 1位: フィンランド
→ 24%(食品、または関連サービスでは14%。薬や宿泊サービス、公共交通サービスなどは10%) - 2位: ノルウェー: 25%
- 3位: デンマーク: 25%
でも、医療費や教育費は無料。
社会保障がしっかりなされているため、消費税が高くても国民の生活は守られています。
だから不満の声も上がらない。
上がるのは幸せ度だけです。
また消費税の高い国トップ10に入っている国の中でも、適切な使われ方をしていない国は「幸せ度ランキング」の下の方に紛れることに。
ちなみに、今回日本は54位です。
下の方に紛れているグループの一員。
消費税率と幸せ度は直接関係があるわけでもないのですが、税率を上げるのであれば、
( 一一) 10位、20位とは言わない。
せめて30位以内に入るくらいには国民の幸せ度を上げていただきたいのだ
せめて30位以内に入るくらいには国民の幸せ度を上げていただきたいのだ
今回の消費税増税は個人的には「ご乱心?!」と思っていますが、日本経済の現状を見ますと、どこかで何かをしなければならないことは事実。
-
増税も一つの手ですが、皆さま言われていますように、議員さんの給料を下げるとか、人数自体を減らすとか、公務員の待遇良すぎ問題を何とかするとか……
(=゚ω゚)ノ せめて使い道だけでも、ちゃんと教えてほしいのだ!
── 今回も長々と書いてしまいました。
消費税増税の本来の役目など、皆さまのモヤモヤが少しだけでも薄れていましたらうれしいです。
最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございました。