えっ! オマエって年俸制なの?
なんか ── すごかったんだな、オマエって……
実は何が「すごい」のかよくはわかってはいなくても「年俸制」という響きと、プロスポーツ選手の「年俸額」が実際にすごいこともあり、無条件に「なんかすごい」と感じてしまう「年俸制」。
最近導入する企業も増えてきているようです。
が、月給制との違いやどのようなシステムの制度なのか等を曖昧にしたままですと「想像してた『すごい』と全然違う……」といった事態にもなりかねません。
現在の日本ではスタンダードな給与形態である「月給制」。
じわじわと導入企業数を伸ばしてきている「年俸制」。
どちらにもいい面があり、知っておくべき問題アリの部分もあります。
押さえておいて損はなし ── 転ばぬ先の給与形態……
今回は、
月給制・年俸制のメリット・デメリット、そして案外誤解も多い「衝撃!! 年俸制の真実!」
のようなものも含めてのご紹介です。
新旧併せ「お給料」に関する皆さまのモヤモヤが、少しでも薄れましたら幸いです。
~~目次~~
「月給制」と「年俸制」の違いはココ(だけ)!
今月分は○○円です、と月単位で計算され支給されるのが「月給」。「月給制」で決められているのは「ひと月に支払われる給与額」です。
一方「年俸」とは1年間でこれだけ支払いますよ、とあらかじめ提示される金額のこと。
「年俸制」では「1年間に支払われる給与総額」が決められています。
- 月給制: ひと月ごとの給与額 × 12か月分 = 年収
- 年俸制: 年俸(年収) ÷ 12か月 = ひと月ごとの給与額
イメージとしてはこんな感じ。
年俸制だからと言って、
- 1年分の給与が一気に支給される
- 1年分の給与額がすでに決まっているから、休日勤務や残業をしても割り増し手当が出ない
- 同じくボーナスも出ない
- 退職金もなし
などということはありません。
「月」給制なので月単位で賃金が決定される。
「年」俸制なのでその単位は1年。
違いはここだけです。
── でも、イチローが年俸なのは、成果を挙げてるからじゃないの?
じゃないのです。
……いや、成果は挙げているのですが、そういう話ではないのです。
マイナーリーグ(日本でいえば二軍)の選手も、非常に金額的には低くなりますが年俸。
あくまで給与をどの単位で区切って決めているかの問題。
時間単位での賃金が決まっているから「時」給というのと一緒です。
「それなら別に今まで通り月給制のままでよくない?」な「年俸制」について知るために、まずは、
従来の給与形態である「月給制」にはどのようなメリット・デメリットがあるのか?
「月給制」のシステム等も含め、少し詳しく見てきましょう。
「月給制」とは?
前述の通り月給制で決められているのは「ひと月に支払われる給与額」です。一つの会社には新入社員さんもいれば、ベテラン社員さんもいます。
そこで、「ひと月分の給与額」を決める際に対象とされるのが、
- 年齢
- 勤続年数
- 入社年次
- 学歴
- 経験
つまり、
同じ会社に長く勤めていれば「年齢」「勤続年数」も上がることになり、ほぼ自動的にお給料や役職も上がっていくシステム。
ですので、社員の皆さまは、ちょっとくらい不満があっても、辞めずに我慢。
いずれ給料は上がり、役職にも就けます。
労働力をつなぎ留めておくため(にも)、かつてあった高度成長期に導入された制度です。
評価されるのは、長期にわたる会社への功労・功績、または、その間に得た経験や技術に対して。
「年功制(年功序列制)」
と呼ばれる人事制度です。
従来タイプですね。
たいていの場合、上司は年上のベテラン社員。
仕事のミスをフォローされれば「頼れる先輩」のように思えますし、逆に間違いを指摘され怒られてしまった場合にも、案外素直に受け止めることができます。
年長者であり、その会社での先輩でもあるからです。
年上の人を敬いましょう、と小さいころから教えられてきた日本人の体質にも馴染みやすい。
このような考えのもと決められているのが、上記の通り「ひと月分の給与額」。
個人の成績に対しては、夏季・冬季に支給される「ボーナス」に若干反映されることになります。
月給制と年功制は、まったく別物。
給与額が決定される単位と、その決定のための方法です。
月給制には年功制を、と決められているわけではありません。
が、高度成長期に導入されて以来、評価の対象を「年功」以外に変更する必要がなかったため現在に至るまでそのまま続行、という企業も多い、というだけなのです。
さて、ややこしくなりますので、ここでは一応「月給制 = 年功制」、一般的なこちらのセットで考えていきましょう。
まずは「メリット」です。
♦ 月給制の「メリット」
- 支給される給与額が安定している
- 年齢や勤続年数に応じて給与や役職もアップ(企業によっては年に複数回昇給のチャンスがあることも)
- たいていの場合上司は自分より年長者であるため、「年下の上司」に指示を出される、といったモヤモヤした気分になることは稀
こうして挙げてみますと、それほどないような気がしますが、月給制は「当たり前すぎて特筆することがない」といった感じ。
「給与額が安定している」というのは大きなメリットですね。
確かに決められているのは「ひと月分」の給与額なのですが、とんでもないミスなどのない限り、この額が大幅に減らされる、ということは通常考えられません。
正当な理由なしに従業員の給与を減らすことは労働契約法でも禁じられています。
他、
- 残業代: 一日8時間、週40時間を超える場合は、労働基準法により企業側に支払い義務が発生
- ボーナス: 法律上の支給義務はないが、就業規則に定められている場合には支払い義務が生じる
- 退職金・各種手当等: 同じく就業規則による
うーん。
なんと言いますか、普通ですね。
何をいまさら的な感じすらしてきます。
ますます「このまま月給制でいいじゃん」な気がしてくるのですが、導入されたのは「高度成長期」。
現在とは社会の有り様も、企業の有り様も、まったく違う時代です。
放っておいても勝手に伸び続ける経済や企業の業績というのは、もはや過去のもの。
放っておいたらあっという間に倒産などの危機にさらされてしまうのが現在。
続いて月給制の「デメリット」について見ていきます。
♦ 月給制の「デメリット」は?
日本で長年親しまれてきた「月給制」と「年功制」。前述の通り、長くその会社に勤めていれば、ほぼ自動的に昇給・昇進が望めます。
つまり、ベテラン社員さんほどお給料が高い。
若手の社員さんは、どれだけ頑張って会社の業績に貢献しても「年功制」としてはまだまだヒヨッコ的な扱い。
ボーナスには多少反映されるかもしれませんが、毎月の給与額が大幅アップするわけではありません。
そして近年の「若手社員の早期離職率」の増加問題です。
入社して3年以内に辞めてしまう方々の割合は約30%。
結構な率です。
この2つは「原因と結果」のように直結しているわけではないのですが、いくら頑張ってもそこが評価対象になりにくいことは確か。
そして、企業サイドから見てみますと、そこにはまた違った「デメリット」が発生することになります。
「たくさん給料を支払わなければならないベテラン社員数」 > 「それほど支給額の多くない若手社員数」
= 人件費がもの凄いことになってしまうのですね。
── このような言い方は大変失礼なのでイヤなのですが、前述の「メリット」からもわかりますように、年功制では年齢や勤続年数がその対象になります。
会社への貢献度や実績ではないのです。
実際に成果を挙げている若手社員さんよりも、そこまでは会社の業績に食い込んできていないベテラン社員さんの方に多く給与を支払わなければならない、ということもあるわけです。
しかも、そもそも高度成長期に社員の定着率を安定させるために導入した「年功制」。
おかげ様で、狙い通りその時代を生き抜いてきた年代の社員さんの定着率は安定。
年功制ではよほどのミスさえ犯さなければ、給料が減額されることもありません。
今まで通りで問題なし。
会社の業績アップのため斬新な提案をする必要もなし。
それでも「年功制」……
もう一度言ってしまいますが、でも昇進の根拠は「長く勤務していること」。
さらにもう一回。
企業としての業績になんら関係なく「年功」により給与アップ。
……人件費を何とか削減できないだろうか。
ついでに、即戦力となる人材もほしい……
高度成長期にはとりあえず「労働力確保」。
それさえあれば、なんとでもなった時代だったからです。
が、現在は「戦力になる人材確保」なのですね。
そうでないと、企業としての存続も危うくなってしまう。
さらには「終身雇用」の問題もあります。
定年まで、確実にその会社で働き続けることができるという保証は、もはやないも同然。
そんな状況の中「いずれ給料も役職もアップするだろう」と従業員の皆さまものんびり構えているわけにもいかなくなっているのです。
……困りました……
♦「年俸制」の登場
では、どうすればいいのか?とりあえず「年功制」を廃止したいのです。
年齢や勤続年数などによって給与や役職が上がっていくのではなく、個人の能力や挙げた成果によって昇給・昇進、といったシステムに変えたい。
このように「業務を成し遂げた過程と結果」を評価の対象とする考えが「成果主義」です。
単に結果がいいだけではダメ。
どのようにその結果に至ったのか、というプロセスまで含め、評価。
そしてここでやっと「年俸制」が出てくるのですが、実はここは「月給制」のままでも構わないのですね。
「月給制」と「年俸制」の違いは、1年間の給与総額があらかじめ決まっているかいないかだけ。
月給制が「= 年功制」ではないのと同じく、「年俸制 = 成果主義」というわけではないのです。
評価の仕方とは全く何の関係もないのですが、それでも一般的には「年俸制」では「成果」を判断の対象とする評価方法がとられることがほとんど。
冒頭の「オマエ、なんかすごいな」からもわかります通り「年俸」というのは何となく響きもカッコいい。
成果を挙げているからイチロー選手は(以外も)「年俸」(というより成果を挙げているスポーツ選手の給与形態が「年俸」なのですが)、といったイメージもあります。
実際には、
「評価の仕方はガラリと変わるのに、今まで通りの給与システムのままでは不満を持つ従業員も多いかも」
といった理由で給与形態も「年俸制」に。
評価方法の変更が先、それにくっついてきた感じで給与形態も変化、です。
そしてこうしたケースが増えるにつれ、いつの間にか、
「年俸制とは実力主義・成果主義である」
といった、実は少し絡んでしまっている「=」が誕生。
月給制と年功制と同様、年俸制と成果主義も、
「給与額が決定される単位と、その決定のための方法」
別物なのです。
「年俸制」のメリット・デメリットはコチラ!
さて、- 若手社員の定着率の低さ・ベテラン社員との人数的なバランスによる人件費問題
- 終身雇用を保証できる時代ではなくなった問題
- 成果を挙げても年齢により給与に反映されない問題
-
◎1年分の給料がすでに決まっているのだから、それ以外には、
- 残業代が出ない
- ボーナスも出ない
- 退職金も出ない……
のように思われることも多いのですが、前述の通り、そんなことはありません。
条件は「月給制」の場合と同じ。
就業規則に定められていれば、年俸制であっても問題なく支給されます(定められていなければナシですが、それは月給制でも一緒)。
ただし、
- 残業代: あらかじめ年俸に「○○時間の時間外手当を含む」とされている場合もあり
→ 「○○時間」を超えた分については追加で残業代が支給されます
また、提示された1年間の給与総額についてですが、
- 12回に分割して毎月支払われる
- 14回(もしくは16回)に分け、余りの2回分(14回-12か月)を夏季・冬季のボーナスに充てる
といった形で支払われるのが一般的です。
(※ 労働基準法により「毎月1回以上の支払」が原則として定められています)
会社によっては、
- 年俸にボーナス分を含む
- 年俸とは別にボーナスの支給がある
など様々ですので、こちらに関しましては一度ご確認いただければと思います。
♦「年俸制(成果主義とのセット)」のメリットは?
- 年齢などには関係なく、個人の能力や成果次第で翌年の給料(年俸)の大幅アップにつながる(可能性がある)
- 仮に成果を挙げられなかった場合でも、その年の給与が減額されることはない
上は「年功制」との違いによるメリット。
下が「月単位」ではなく「年単位」での給与算出によるメリットですね。
毎月支給されるお給料は、前年にご自身が挙げた成果や実績に対する評価額のようなもの。
今頑張っておけば、来年はもっと給料が増えるかも! 昇進もするかも!
といったシステムなので、自然と仕事に対するやる気も出てきます。
年齢や勤続年数、といった自分ではどうすることもできないものによる評価ではなく、個人の能力や実績に応えてくれるのが年俸制(とセットの成果主義)です。
企業側としても成果を挙げた従業員にのみを昇給、とすることができます。
勤続年数に応じて、みんな一律に昇給させる必要がなくなる。
── 人件費、大幅削減。
これまで「年功序列」という仕組みのもと、いくら頑張っても、その実績が給料に反映されることもなく悔しい思いをしていた特に若手社員の皆さまにとっては、スキルアップにもつながる非常に魅力的なシステム。
……なのですが、(私だけかもしれませんが)何となくギスギスしたものも感じてしまいます。
続いて「デメリット」とされている部分について見ていってみましょう。
♦「年俸制(成果主義)」のデメリットは?
- 次年度の大幅な年俸アップもあり得るが、成果が出せなければ減額の可能性もある
- 「年上の部下」に気を遣うことも
- 月給制のように成果がその年のボーナスに反映されない(次年度の年俸として反映)
- 「年齢」や「勤続年数」のようにはっきりとわかる基準があるわけではないため、評価が適正かどうかの決め手に欠ける
- 部下に仕事のノウハウを教えたり、必要な情報を共有するよりも、個人としての成果を追求しすぎてしまう(結果、いい人材が育たなくなってしまう可能性もある)
まさに「成果主義」「実力主義」ですね。
仕事をしてお給料をもらっているわけですので、成果を挙げる努力をするのは当然といえば当然のことなのですが、ちょっと極端なものもあります。
特に「人材が育たない」というのは企業にとってもマイナス。
個人個人に結果を求めたあまりに、結果的に企業の業績が落ちるパターンです。
また「評価の不透明さ」は従業員にとってかなり深刻。
「3割3分4厘の打率だからこの年俸」、のようなわかりやすさは通常の企業ではあり得ません。
ここは問題点として指摘されている部分でもあるのです。
年俸をあまりにも大幅にダウンさせることは、相応の理由がない限り法律により禁じられていますが、月給制に比べ「アップ幅」が大きい分、「ダウン幅」も大きいのが年俸制の特徴でもあります。
1年単位でのライフプランがたてやすい代わりに、長期的にローンなどを組む場合には不安発生、です。
来年支給される年俸額(を分割した月給)は、来年度になるまではわからない。
月給制であれば、おおよその金額は予想できます。
1年間に支給される給与総額の確定していない「月給制」の方が長い目で見れば給与額の流れが読みやすいのですね。
「月給制(年功制)の会社と年俸制(成果主義)の会社、どっちで働きたい?」というアンケートでは、僅差ではありますが若い方ほど「年俸制」と答える率が高いそうです。
ある程度以上、同じ企業に勤続している方へのアンケートはあまり見かけないのですが、
「年上の部下に気を遣う」
は裏返せば「年下の上司」に対し、ベテラン社員さんも何かを感じている、ということ。
……月給制・年俸制というよりも年功制から成果主義への移行で戸惑う方も多いのではないなぁ、と勝手に感じております。
「月給制」「年俸制」それぞれのメリット・デメリットのまとめ♪
さて、純粋な「月給制」「年俸制」の違いは、- 月給制: ひと月ごとに支払われる給与額が決められている
- 年俸制: 1年間に支給される給与総額があらかじめ決められている
ここだけですので、
- 月給制では: 会社の業績や本人の成績によっては月給の変動もあり得る(減増ともに)
- 年俸制では: 1年間は給与が減らされることはない(増えることもない)
年俸制では1年間での変動はなくても、次年度に増減が反映されることになりますので、違いもちょっとだけです。
が、ここにそれぞれ「年功制(月給制)」「成果主義(年俸制)」が結びついてきますと、メリット・デメリットは以下のようになっていきます。
♦ 月給制・年俸制のメリットは?
-
★月給制のメリット(年功制)
- 年齢や勤続年数に応じて昇進・昇給していくシステム
→ 若いころの給料は少なくても、同じ会社で勤め続けていれば、いずれ給料も役職もアップします - 支給される給与額も安定
→ 大幅に増額することはありませんが、よほどのミスなどがない限り、上記の通り緩やかに上昇し続けていくため - 昇進のタイミングが年に複数回ある企業もあり
- たいていの場合上司は年長者となるため、逆の場合に生じるような気まずい雰囲気になりにくい
- 上司・部下・同僚など、みんなで一丸となって仕事に取り組む姿勢が生まれやすい
→ 経験上得てきたノウハウなどを部下に伝えるなど、従業員同士の連帯感が強くなる - 年齢や勤続年数には関係なく、個人の能力や成果により昇進・昇給していくシステム
→ 1年間の仕事の成果が次年度の給与(年俸)に反映されます - 成果を挙げれば、次年度の給料が大幅アップすることも
- 納めた成果が翌年の年俸額に直結しているため、やる気もアップ
★年俸制のメリット(成果主義)
♦ それぞれのデメリットは?
-
☆月給制のデメリット
- 若手社員とベテラン社員の給与額の差が大きい
→ 収めた成果ではなく、年功序列で給与額が決められているため、若手のモチベーション・ダウン……
しかも若手の離職率は高く、ベテランでは定着率が高いため、人件費も大変なことになってしまいます - 若手に限らず、成果が給与額アップに直接つながらない
- 終身雇用制度が崩壊しつつある
→ 長く勤めていれば自動的に給料も役職も上昇していく仕組みなのですが、それは「終身雇用」が約束されて初めてメリットとなるもの。
この保証のない現在では、何のメリットにもならなくなってしまっています - 評価の対象となるは「年功(年齢や勤続年数など)」。成果を挙げることに必死にならなくても安定した給与が支給されるため、従業員のやる気に繋がりにくい
- それでも毎年給与額はアップ(企業側のデメリット)
- 成果が上げられなかった場合には(月給制に比べ)次年度の給料が大きく減ってしまう可能性もある
- 上記の通り、給与総額の増減が月給制に比べ大きいため、長期的な計画が立てにくい
- 反映されるのは翌年のこととなるため「成果 = 即・年俸アップ」とはならない
→ 次年度までは我慢 - 昇進のタイミングは年度初めの(年俸が決まるとき)1回のみ
- 「年下の上司」「年上の部下」がいる……
- 個人の能力、成果が評価対象なので、個人主義に走りがち
→ 年功制の場合とは反対に、連帯感が生まれにくい
結果、企業全体としての業績が落ち込んでしまうことも - 評価の基準に「年齢」や「勤続年数」といったはっきりとしたものがあるわけではないため、適正な判断がなされているかどうかに若干不透明な部分もある
☆年俸制のデメリット
他、
- 残業代
- ボーナス
- 退職金
- 各種手当
「1年間の給料総額がすでに決められているのだから、それ以上のプラスはない」
「実力主義なので、成果を挙げなければボーナスも出ない」
ではありません。
ただし(残業代は別。これは労働基準法で一定時間以上働いた場合には企業側に支払い義務が生じます)就業規則で「ボーナスなし」などとされている場合には支給はされません。
が、これは年俸制だからではなく、それが会社の決めたルールだから。
月給制であっても、同じく支給はなしです。
終わりに……
「自分の能力を認めてもらった」「成果を期待されている」
=「年俸制」
といったイメージを持たれている方も多いかと思います。
実際には「年俸制」を導入している企業の大半は、その評価に「成果主義」を採用しているので、「=」でもいいのですが、本来「年俸制」とは、
「1年間に支給される給与総額があらかじめ決められている」
こうした意味しか持たない言葉です。
月給・年俸より、それと多くの場合に結びついている評価の仕方の方に大きな違いがあり、メリット・デメリットもあるのですね。
── 今回の内容的にもそちらに対してのことの方が多かったような……気のせいかもしれません……
どうしてもメジャーリーガーをイメージしてしまう「年俸制」。
ちなみにですが、彼らは「8年契約」などでの年俸。
「何十何億円 ÷ 8」のような感じになっているのですね。
……ちょっとホッとしました。
年俸とは別にホームランをたくさん打った際などには「成果報酬」なるものも出るそうです。
年俸(給料)だけではかわいそうだから、成果に対しては別に報酬が出る。
── わかりやすいです。
さてさて、今回も長々と書いてしまいました。
最後までおつき合いいただき、本当にありがとうございます。
「月給制・年俸制」のメリット・デメリットに対して、ほんの少しだけでもスッキリしていただけていたらうれしいです!