へっ? 平屋?!
……何時代?
── のようなイメージはすでに過去のもの。
「平屋」は、都心部では「高級住宅」とさえ言われているのです。
とはいうものの、
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「○○さん(有名人)のお宅拝見!(仮)」
周りを見渡してみても、やはり多いのは「二階建て」住宅です。
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……せっかくお金があっても、どちらを建てたらいいのかがわからないと借家暮らしから抜けられない……
何となく古いイメージもある、でも新しい平屋というスタイルでの暮らしと、現在の主流である二階建て住宅との比較を交えつつ、
それぞれの持つメリット・デメリットを紹介いたします。
人生で最も大きな買い物と言われている「家」。
後悔のない家選びと、その後の皆さまの快適な暮らしに少しでもお役立ていただければ幸いです。
「平屋・二階建て」最大のメリット・デメリットはコチラ!
- 平屋最大のメリット: 階段がない
- 最大のデメリット: 二階建てに比べ、広い敷地(土地)が必要
- 二階建て最大のメリット: 狭い敷地でも広く使える
- デメリット: 階段がある
ポイントは「階段」。
二階建て住宅では「2階に行くため」に必要。
平屋には「2階がないため」不必要。
当たり前のことなのですが、二階建てでは、1階だけでは収まりきらなかった分が、2階部分に設置されてるのですね。
平屋のようにワンフロアで生活に必要なことが完結するのではなく、1階と2階、両方併せてやっと完結。
ですので、平屋に比べ、何かと移動の必要が出てきてしまいます。
例えば一般的な二階建てでは洗濯機置き場は1階。
干すのは2階のベランダなどです。
階段を使い、洗い終わった洗濯物を2階まで運び、干す。
そして濡れた衣類は重い。
2階の掃除には2階用の掃除機を別に置いておくか、1台しかなければやはり2階まで運ぶしかありません。
平屋であれば、何をするのも横移動だけ。
楽なのです。
特に高齢になってきますと、階段の上り下りが負担になってきます。
段差を踏み外すなどの事故にも注意。
しかもその頃にはお子さまも独立し、「子ども部屋」のあった2階自体が誰にも使われていない状態だったりもします。
動き的にも使わなくなってしまうスペース的にも二階建てにはムダが多い。
一方、ワンフロアに生活のための何もかもが収まっている平屋には、こうした上下の動きはありません。
が、その分必要となってくるのが「広さ」です。
二階建ては縦に空間を広げ生活スペースを確保。
縦に伸びのない平屋では「2階」に当たる部分も1階のみで確保しなければなりません。
ですのでどうしても、
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「広い敷地が必要」
さて、二階建て住宅が急激に増え始めたのは「高度成長期」以降のこと。
特に都心部では人口が密集し始め、土地の値段も高騰してきます。
しかも戦後に深刻だったのは住宅難。
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「狭い土地でもいいから、何とかして家族みんなで住める家を!」
それ以前にも二階建てはありましたが、現在のように平屋との割合に大きな差はなかったのです。
ここが二階建ての大きなメリットの一つ。
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「狭い土地を有効に活用」
もしも、この頃二階建てでなく平屋のままだったとしたら、家族みんながギュウギュウ詰めになって生活していくしかありません。
限られた土地を上手に利用していくためには、二階建て(もしくはそれ以上の階数)ほど最適な選択はないのです。
ところが時代は進み「家族みんなで住める家」の「みんな」の人数はどんどんと減ってきています。
お子さまもいずれ独立して家を出てしまいますし、そもそもそのお子さまが一人っ子であることも珍しくありません。
増えているのはご夫婦だけの世帯、もしくはそこにお子さまが加わったケースなど、いわゆる「核家族」。
そこで、
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「部屋数はそれほどなくてもいいから、生活にかかる移動が少なくて楽な平屋」
ですが、二階建てにもメリットはたくさんあるのですね。
といいますか、どこでどのように暮らしていきたいか、などによって「平屋・二階建て」のメリット・デメリットは逆転します。
続いて色々な場面ごとに分け、それぞれの魅力となる部分・注意が必要になってくる部分などを見ていってみましょう。
状況によって変わる「どっちがいい?」
まずはこれ、-
★ 都心部に住む場合
もの凄い費用をかけ、完璧な平屋を建てるのであれば話は違ってくるのですが、一般的には「二階建て」の方がいいです。
土地の確保が難しいことが第一の理由ですが、そうした現状のため周りに建っているのもほとんど二階建てかそれ以上の階数を持つ住宅だからです。
見降ろされる形になってしまう。
気分的にイヤだ、というのも若干あるのですが、
- 周囲から丸見え
- 陽が当たらない
「窓を開けたら通行人と目が合った」
これは二階建てだとしてもありです。
二階建ての1階部分は、平屋と条件は同じ。
2階だとしても見上げられれば目も合います。
ですが、困ってしまうのは通行人などではなく周りを囲んでいる二階建て住宅の2階部分から丸見えになってしまうこと。
もちろん道路に面しているなど、建てた場所によっては、道行く人の視線も気になります。
常にカーテンを閉め切っていることに。
これはキツイです。
開放感のある造りも平屋の魅力の一つなのですが、こうなってしまいますと開放感はゼロ。
しかも、周りをご自分の家よりも背の高い二階建てに囲まれているため、太陽の光も遮られてしまいます。
暗い平屋……せっかくの魅力が台無しです。
さらに、広い屋根を利用して「太陽光パネル」を設置していた場合には最悪がプラスされます。
発電しないのです。日陰だから。
冒頭に書きました通り、都心部では平屋は高級住宅と言われていますが、住宅の密集している都心部にあるにもかかわらずこれらのことをクリアした建物であるため、本当に高級(高額)なのですね。
都心部の平屋はなし、というわけではありません。
が、相当な費用をかける覚悟が必要。
……そこまでするなら二階建てでもいい気がしてしまいます。猛烈に。
★ ケガをしたり病気になってしまった場合(一時的なものも含む)
「平屋」だと安心。階段がありません。
たとえ足を骨折していたとしても、二階建てほど不便を感じることはないかと思います。
二階建てでは特に部屋が2階にある場合など、キッチンやお風呂までたどり着くのは大変。
階段で足を踏み外し、二次被害的な骨折が追加されてしまう可能性もあります。
高齢になった際にも平屋は優秀。
車いすにも対応できるよう、
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「バリアフリーにしやすい」
★ 人の温もりを常に感じていたいタイプの方の場合
「平屋」がおススメです。病気やケガの際にも言えることなのですが、家族みんなが同じフロアにいるのが平屋。
安心感が二階建てとは違います。
二階建ての1階と2階は案外遠いのです。
2階にいて、1階から他の家族が笑いながら話している声などが聞こえてくると、ちょっとした孤独を感じてしまうこともあるほど。
また、平屋ではリビングを中心に各部屋が配置されていくことが多いため、自然と顔を合わす機会も増えます。
寂しがり屋さんにも平屋。
平屋には、
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「家族のコミュニケーションが増える」
★ 親をうっとうしく感じる年頃の場合
そのお年頃では家選びへの決定権はないかもしれませんが、どう考えても「二階建て」です。上記の「家族のコミュニケーションが増える」というのは、見方を変えれば、
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「個人のプライバシーが尊重されにくい」
お子さまが小さいうちは開放感のある造りも喜んでくれるかと思いますし、ご両親も目の届く範囲にお子さまがいれば安心。
ですが、その状態は大抵永遠には続きません。
反抗期だけでなく、思春期の特に女のお子さまのプライバシーが確保できないというのはさすがにかわいそうです。
平屋を選択する場合には、いずれお子さまも大きくなることを考え、一人になれるスペースなども考えての設計をおススメします。
★ 庭を子どもの遊び場などとして活用したい場合
どちらかというと「二階建て」の方が広い庭が取りやすいです。平屋を建てるには広い敷地が必要。
その上庭まで、となると、さらに広い敷地を確保しなければなりません。
土地には「建ぺい率」と「容積率」というものが決められています。
「建ぺい率」というのは、購入した土地に対する建物の占める割合。
○○までの面積の建物なら建ててもいいですよ、と土地ごとに決められています。
例えば50%なら、原則敷地の半分までの面積を持つ建物までしか建てることはできません。
それでは居住空間として狭すぎる、という場合に二階を建てるわけですが、そこに関係してくるのが「容積率」です。
容積率が100%なら、2階まで、200%なら4階までなら建ててもOK、となっているのですね。
もしも同じ敷地の広さ、同様の建ぺい率だった場合、平屋は上層階がありませんので相当手狭になってしまうことになります。
ですので、そうならないよう、建ぺい率の高い土地を探すことになるのですが、建物は大きくすることはできても、今度は庭が狭くなってしまうのです。
一概には言えませんが、
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庭を広くとりたいのであれば「二階建て」
★ 多人数で暮らす場合
こちらも「二階建て」がおススメ。部屋数と敷地の広さの問題もありますので、平屋では限界があるかもしれません。
ただし、二世帯が暮らす場合には、ちょっと微妙。
ご両親に1階部分に住んでもらうにしても、やはりワンフロアで様子がわかりやすい平屋の方がどちらにとっても安心ではあるのです。
介護等が必要になった際にも、動線の少ない平屋の方が楽は楽。
が、「義理」に当たるご夫婦のどちらかの暮らしやすさも考慮する必要はありです。
いっそ1階2階に分けるのではなく、左と右に分かれた二世帯住宅を建ててしまうという手もありますので「平屋」か「二階建て」かではなく、こちらの場合はまた別の角度からの選択が必要となってくるかと思います。
★ 毎日の家事をできるだけサボり……楽にこなしたい場合
前述の通り、階段がない分、家事をするための移動も「平屋」では楽ちん。掃除を日ごろから怠らないことも家を維持していくためには大事なことですが、それには定期的なメンテナンスも必要となってきます。
平屋の場合、ちょっとした修理くらいなら、背が届いてしまうため自分でもできてしまいます。
また業者さんにメンテナンスをお願いする際にも、組んでもらう足場が二階建てではどうしても高くなるため、その分費用もかさんでしまいます。
毎日の家事だけでなく、
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メンテナンスも含め、楽な上にコストも抑えることもできるのは「平屋」
★ おしゃれで便利な居住空間で暮らしたい場合
これはどちらを選んでも大差なしです。平屋・二階建ての差というより、内装やデザインの問題。
段差を活かせる二階建てでは、中二階のような空間(スキップフロア)を作り、視覚的な広がりを得るとともに一つの部屋として機能させることもできます。
これがまたオシャレ。
その下を収納などに使えば、さらに便利な居住空間の出来上がりです。
よく見かける「1階部分が駐車スペース」というのも非常に便利です。
雨など、天候の悪いときにもびしょ濡れになることなくそのまま家の中に入ることができます。
重い荷物も玄関がすぐそこなのでスムーズに運ぶことができる。
1階部分の駐車スペースは平屋にはできない二階建てならではのメリットです。
ですが中二階は平屋でも可能。
平屋の場合、決められた面積以上に部屋などを増やすことはできません。
増やす場合には「二階建て」になるわけです。
そのこと自体に法的な規制はないので、いざとなったら二階建てにしてしまえばいいのですが、この中二階というのはちょっといい。
平屋の天井は屋根ですので、本来なら屋根裏であるスペースを利用して中二階の天井にしてしまえば、高さ的にも余裕のあるスペースとして有効活用できるのです。
平屋も二階建ても、実際にはピンからキリまで様々ありますが、間取りを含めデザインや内装にまでこだわれば、どちらもオシャレで便利な居住空間となってくれることは間違いありません。
ただし1階と2階のおおよその配置が決まっている(例えば水回りは1階に集中させ、2階には個室を設ける等)二階建てに比べ、平屋では間取りで失敗してしまうとせっかくの短い生活動線が活かせなくなる可能性も出てきます。
自由な空間を造ることができるのも平屋の魅力ですが、
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取り返しのつかないようなおかしな間取りとなってしまうことがあり得るのは「平屋」
★ 開放的な気分を味わいたい
二階建てには「吹き抜け」。平屋では、その「天井の高さ」自体が魅力。
前述の通り、1階と2階で分断されている二階建てではプライバシーの確保がしやすいというメリットはありますが、同時にそれはそれぞれの階に分かれてしまうと「様子がわかりにくい」というデメリットにも繋がります。
コミュニケーションが薄くなる傾向にあるというのも、階ごとに分かれ、頻繁に行き来することもないからです。
顔を合わす機会が減ってしまうのですね。
ですが吹き抜けは開放感だけでなく、このデメリットも緩めてくれます。
空間が繋がっていますので、声も届きやすい。
2階にいて無性に寂しくなったら、階上から見下ろせば調理中のお母さまと目が合うかも。
平屋に比べ強くなりがちな「個」同士を吹き抜けが頑張ってつなぎとめてくれている感じです。
また、そもそもが「吹き抜け」のような平屋をさらに開放的にしてくれるのが「勾配天井」。
先ほどの「中二階」の際にも出てきましたが、屋根裏を取っ払って、屋根の形状を活かした天井にしてしまうのです。
天井高もアップ。
開放感もさらにアップ。
平屋は横長の形状の建物であれば、窓を配置することにより家に光を取り込むことができます。
ですが、中心部を囲むように部屋を配置する正方形に近い形であった場合、光が真ん中まで入ってこないのですね。
窓が付けられない。
接しているのは他の部屋の壁です。
ですが、こうして勾配天井にすることにより、高い位置に窓を配置することが可能になります。
諸々アップした上に、明るさもゲット。
── ただし、これは二階建てでもできます。
吹き抜けで勾配天井……
もう、その開放感は外並み。
二階建て、ナイスです。
また、平屋・二階建てどちらの場合にも造ることのできる憧れの「中庭」。
プライベートビーチならぬ、プライベート庭です。
二階建てとは違い、すべて1階部分でまかなわなければならない平屋では、洗濯物を干すのにも神経を使います。
目隠し的な何か(塀など)がない場合には道路や隣家から丸見えになってしまうのですね。
でも中庭なら安心。
屋根さえ付けなければ、先ほどの「建ぺい率」にも含まれません。
(※ そのための敷地面積は必要になります。また、細かい条件については地域によっても変わってきます)
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でも、でも……
プライベート庭感もさらにアップ。
遊んでいるお子さまの様子を2階からニコニコしながら見守ることもできる。
中庭は平屋にとって、より生活しやすくなるためのアイテム要素も強いのですが、二階建てではむしろ「贅沢」な空間としてあるもの、といった差が若干ですがついてしまいます。
「開放感 = 平屋の魅力」のように思っていたのですが、
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「工夫次第では案外二階建て」
★ 防犯面が気になる場合
「二階建て」の方が安心、といわれています。空き巣などが入ってくるのは玄関からではなく「窓」からのことが多いのです。
平屋は1階に窓がたくさん配置されています。
また、手っ取り早く仕事を終えるためにも1階2階と分けて物色するより一つのフロアだけで済んでしまう平屋の方が効率がいいのです。
(こういう言い方もどうかと思うのですが)
ですが二階建ての場合、2階の寝室で眠っている時に1階部分に侵入されても気づかないこともあります。
でも平屋なら、家族全員が1階で眠っているので泥棒も入るのに勇気がいる。
平屋だから狙われやすい、というよりも戸締りなどを忘れて出かけてしまったなどの凡ミスが二階建てよりも空き巣被害に繋がりやすい、という傾向にはあるようです。
★ 建築費を安く済ませたい場合
1坪当たりの建築費が高いのは「平屋」の方です。例えば建ぺい率で決められた、
「この面積までの建物ならこの敷地内に建てていいですよ」
の広さををわかりやすく「100」としてみます。
これが延べ床面積と呼ばれるもの。
階ごとの床面積の合計です。
二階建ての場合、「100」を1階2階に分け、それぞれが「50」の床面積を持つ建物に。
一方平屋の場合では1階の床面積のみで「100」。
家の土台となる基礎の工事にかかる面積が大きいのですね。
そして土台は大事。
ですので平屋の坪単価(1坪当たりの建築費)は二階建てに比べ高くなることになるのです。
が、建ぺい率とはあくまで「この割合までなら」。
何も目いっぱいに建てなくてもいいのです。
ご夫婦お二人とそのお子さまなどの場合、それほどの部屋数は必要ありません。
大家族なら二階建てを選択した方がいい。
平屋は坪単価は割高ですが、こうして、
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坪数を減らすことにより、トータルでは二階建てと同じくらいにコストを下げることも可能
ただし、屋根の範囲も広く家の外周も大きくなるため、あくまで「可能ではある」です。
地域や条件などによっても建築にかかる費用は変わってきますので、実際に建てる際には専門家等にキッチリ相談することも大事です。
★ 地震や台風、水害に備えたい場合
一長一短とは、まさにこのこと。平屋は台風には強いです。
背が低い分、踏ん張れるのですね。
そして重量もそこそこある(家なので)。
煽(あお)られる面積が小さければ被害も受けにくいです。
地震に強いのも平屋。
その際に味方するのも、また重量です。
二階建てに比べ平屋は軽い。
といいますか、積んでいるものが軽い。
屋根のみです。
ですので、揺れの影響もほぼ地面からのものだけ。
頭の上に何か重いものを乗せている時に足元が揺れた場合を想像していただけると非常に嬉しいのですが、より影響を受けるのは頭の方です。
どれだけ足を踏ん張っても頭の揺れまでは自力ではコントロールできない。
これが二階建て。
ですので平屋は二階建てに比べ、地震にも強いのです。
が、水害に対してはアウト。
逃れる先がないのですね。
1階部分が浸水してしまいますと、もうどうしようもない。
先ほどの中二階に、というのもありなのですが、平屋の「中二階」というのは二階建ての「2階」より全然低い位置にあるのです。
盛り土をしたり、高基礎にするなど水害対策はあります。
そして平屋は生活する上でも数々のメリットももたらしてくれます。
ですが、
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「そこまでして平屋にこだわる必要はあるのか。あるのであれば、それはどこなのか」
-
「そもそも『家』とは人が快適に暮らすための空間に過ぎない」
★ 終の棲家として考えた場合
……これは難しいですね。現在、都心部で平屋を建てるのは土地の値段的にも、周りの環境的にもかなり厳しい状況です。
つまり、平屋に住むということは、
「都心部は選択肢に入れない」
ということ。
(一般的ではないほどのお金持ちの方は除く)
平屋は生活動線がシンプルになり、暮らしやすいことは確かです。
ですが「家」から外に出た際のメリット・デメリットも終の棲家として暮らしていく場所には深くかかわってきます。
これまでの居住環境にもよりますが、
-
「二階建てより楽だけど、今まで住んでたところの方が環境的には便利だったかも……」
メリットとデメリットを熟考した上での選択が大事。
なぜなら、どちらにも良い部分とそうでもない部分があり、しかも上記の通り、状況によりその比率はコロコロ変わるからです。
-
……もう……
本当に「もう……」なのです。
では最後に平屋と二階建ての客観的に見た「メリット・デメリット」についてです。
まとめていってしまいましょう。
平屋と二階建てのメリット・デメリットのまとめ
-
◎ 平屋と二階建ての一番の違い
階段(2階部分)の有無
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★「平屋」のメリット
- 移動がシンプルで楽になる
- ワンフロアのみで家族が過ごすため、コミュニケーションがとりやすくなる
- 掃除も1階分のみで済むので楽
- 洗濯物も1階に干すことになるため、2階まで運ぶ必要なし
- 家事やメンテナンスが楽(業者さんに頼む場合でも安く抑えることができる)
- 地震や台風にも強い
- 将来に備えたバリアフリー化が簡単にできる
- 階段での事故リスクがない
- そもそも階段がないため、上り下りの必要さえない(高齢時には特に楽) など
- 二階建てに比べ建てるには広い敷地が必要
- 二階建て住宅に囲まれている環境では外からの視線が気になる
- 陽が当たりにくい
- 1階だけで洗濯 → 洗濯物干しが終わるのは楽だが、干す場所を選ばないとやはり丸見え
- 布団を干すのも1階……陽当たり……
- コミュニケーションが取りやすい反面、個人のプライバシーが保たれにくい
- 水害には弱い
- 防犯性に若干の不安がある
- 一般的に考えて都心部に建てるのは現実的ではない など
- 狭い敷地でも生活スペースを広くとることができる
- プライバシーを確保しやすい
- 土地代に関しては平屋より安い
- 陽当たりもいい
- 水害時には2階に避難できる
- 防犯性は平屋に勝ると言われている
- 住宅の密集している地域でも問題なく建てることができる など
- 生活する上での移動が増える
- プライバシーの確保はしやすいが、その分家族間のコミュニケーションがとりにくい
- 2階の掃除、洗濯後に2階で干すなど、いちいち階段を使うのが面倒
- しかも掃除機も濡れた洗濯物も案外重い……
- 加えてメンテナンス費用も平屋より割高
- 構造的には地震や台風にもそこまで強くはない
- 階段での事故のリスクが高まる(あるから)
- お子さまが独立などで、使用していない部屋が存在することも
- 高齢になるにつれ、2階部分をほとんど使わなくなるケースも多い など
☆デメリット
★「二階建て」のメリット
☆デメリット
■ 終わりに……
二階建てのデメリットは「平屋ではない」こと。平屋のデメリットは「二階建てではない」こと。
確かになぜ二階建てなのか、を突き詰めていけば、
「ワンフロアで生活するためのすべての要素が収まるほどの広い敷地がないからだよ」
ではあるのですが、それだけの理由というのも二階建てにかわいそうな気がします。
家族であってもある程度のプライバシーは欲しいですし、広大な土地すぎるところでポツンと建てられた家に住むのもイヤ……外部からの視線は気にならないかもしれませんが……
平屋を建てられるほどの敷地があれば、ぜひ平屋に住みたいという方は多いです。
やはり老後への安心は大きい。
それでもこれまでをずっと二階建てで暮らしてきた方の多くは、二階建てを選択するのです。
個人的には ── 平屋の別荘が欲しいかも。
「家」は本当に大きな買い物です。
今回挙げさせていただいたメリット・デメリットの他にも、住んだからこそわかるいい面・悪い面というものも数えきれないほどあるはず。
専門家や実際に住んでいる方のお話を聞くなど、慎重に吟味し、皆さまが理想的なお住まいを手に入れられることを、ここからひっそりと願っております。
平屋と二階建てのメリット・デメリットについても、多少なりとも参考になっていればうれしいのですが……
今回も長文失礼いたしました。
最後までおつき合いいただきありがとうございます。